アニメ『チ。-地球の運動について-』第18話 情報を解放する 感想と考察 出会った2人、運命を切り開いたドゥラカ

アニメ『チ。-地球の運動について-』の感想と考察。今回は第18話『情報を解放する』となります。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう
ドゥラカVSアントニ
ドゥラカって、昔の初登場時のヨレンタとは真逆の子だよなぁ……
ヨレンタは『いい子ちゃんすぎた』ことから、論文を横取りしたコルベの『都合のいい子』になってしまったけど、ドゥラカならむしろそれをネタに『脅す』くらいのことをやってのける『性格の悪さ』を持ってる。
たとえば不審者に絡まれて『や、やめてください!』と『お願い』するのがヨレンタなら、容赦なく金蹴りかますのがドゥラカ、みたいな……(『かしこいだけ』じゃダメなんよ……)
今回のドゥラカがすごかったのは、自分の状況をすぐに理解して、『対話すべき相手』を見極めて、ちゃんと『対話』をしたことだよね。それも、相手の『痛いトコ』つきながら。
フツーの女の子だったらパニくって、『対話』する相手が『おじさん』になってるとこだと思うんや……おじさん問い詰めて罵倒して、でもってその後は、流されるまま『商品』として連れてかれるだけだったんちゃうかな……
だけどドゥラカは、おじさんはほっといて、『対話相手』としてアントニを選んだ。

アニメ チ。-地球の運動について- 第18話 情報を解放する
なにせこの場を『支配』してたのはアントニだったからなぁ……『奴隷(おじさん)』と対話したって何の意味もない。
相手したアントニも、一応『教会のトップ』に立っただけのことはあったな。
ドゥラカのすごさ
たしかにすごいよねドゥラカって……『百円』を奪っても『百円』以上の価値は得られないけど、『布』なら加工すればそれ以上の価値を『作れる』って……誰かから教わるでもなく、自分の頭でそれを思いつくって、すげぇ商才やん……
しかも、相手は武装した集団でしょ? 怖くて声出なくなってもおかしくないのに、堂々としとる……自分の『知』に対して、絶対的な『自信』の現れだよね。そうじゃなきゃただのおバカなんよ。
結果としてアントニの興味を引き、『商品』ではなく『一目置かれる存在』として、『捕らわれる』のではなく『ついていく』ことになった。
意図的がどうかは知らんけど、うまいこと『自分を売り込んだ』ってことになる。
シュミット達の邪魔が入らなきゃ、そのままアントニの元で働くことになったんだろうか? 『女』としての『性』を『もてあそばれる』存在としてではなく、その『知』を使って、参謀的な『頼られる』存在として。
そうなると、異端解放のみなさまとしてはなかなかの『脅威』になったんじゃあ……?
教会が『正しく』なるんならいいけど、案外アントニ達と一緒に『お金サイコー!』になっちゃいそうな気もするかも……
さよならおじさん
おじさん、開幕『ファイヤーーーーーーー!』はさすがになかったけど(準備めんどいし)、勢い余って『スッパーーーーーン!』にはなってしまった……(白目)

アニメ チ。-地球の運動について- 第18話 情報を解放する
いやまあ『シュミット達がやった』というより、味方? が斬られた拍子に持ってた剣が当たっただけだから、一応『事故』みたいなもんではあったけど……(いつぞやの『すっ転んで自分の剣で自爆マン』みたいな死に方……)
おじさん的には『守ってもらうため』、言い方悪くすると『盾になってもらうため』に後ろに回ったつもりが、『後ろに回ったせい』で斬られちゃったという……
『自分の信念(助かるためなら信念捨てる)』のためにした行動がすべて裏目に出る人生だった……
一方、シュミット的にはアントニ狩るチャンスだったのに、おしい!(でもここで狩っちゃうと最終回になっちゃうから……)
おじさんが信念捨てても生きたかった理由
ドゥラカ的には複雑だよなぁ……おじさんは自分に『知』の大切さを教え、育ててくれた『恩人』には違いないし……だけど『我が身可愛さ』に姪っ子を売り飛ばそうとした『裏切者』でもあって……

アニメ チ。-地球の運動について- 第18話 情報を解放する
しかもアントニがドゥラカの『真価』に気づいた途端、『俺はお前を信じてたよ☆』と『いい人』ムーヴかますわ、死にかけると助けを求めるクソっぷり……! いやもう、それ以上晩節汚すなよおっさん!
まあ、おかげで、うっかり●されても『あんま悲しくならんで済んだ』とも言えるけど……
おじさん、結局『生に執着する理由』はわからないままだった。
けど、実は本人にもわかってないんじゃないの? ただ単に『死ぬのコワイー!』ってだけで。
本人は『信念に基づいた行動』と勘違いしてただけで、結局は『恐怖』にすべてを奪われただけ。おじさんには、オクジーくん達みたいな『恐怖』を打ち消すほどの強烈な『信念』というものがそもそもなかったから。
結果、『恐怖の奴隷』に落ちぶれたおじさんは、持ってるものを全部差し出し、ドゥラカからも見放され、何も残らず何も得られぬまま命まで失った。
生きてたとしても、この先待ち構えてるのは、たぶんひとり孤独に終わる余生だったと思うから、ここでドゥラカに看取られて逝けたのはよかったかも……
アントニに本が渡っていたら
それにしてもドゥラカちゃん、アントニに対して好意的だったね。アントニ的にはドゥラカって、『移動民族』として『見下す存在』なのに、ドゥラカの話聞いてくれて、その上でさらに『話を聞きたい』と教会に来るよう誘うし。
ドゥラカにとっては、村民以外で『自分の価値』を認めてくれた初めての人ってことになるんじゃないの?
アントニとドゥラカって、『自分の利益のため』ならなんでもするって点では『同類』だと思う。アントニが『来い』って言ったのは、ドゥラカが『自分の利益』になると思ったからだし。だから『利益』を重視するドゥラカは好意的に思った。
ただ、本のこと、『この人なら』と思ったようだけど、『その人』にその本渡したら、たぶんその場で本燃やされて『大もうけ』は無理だったんちゃうかな……(さすがに『ちょっと話した程度』でアントニの人間性は見抜けないよなぁ)
アントニにとっては、自分に『大損害』をもたらしかねん本なのよそれ……最悪、内容覚えてるドゥラカもヤバいことになったんじゃない?
ドゥラカの『かしこさ』はすでに理解されちゃったわけでしょ? 『まだ読んでません!』って主張しても、『疑わしきは罰せよ』の男・アントニが信じるかね?
その場合、『知』によって自分の首を絞めるという皮肉な結果になっていたのかも……
出会ってしまった2人
ついにシュミットとドゥラカが出会ってしまった。

アニメ チ。-地球の運動について- 第18話 情報を解放する
ドゥラカ、本を渡しゃあそこで終了だったんだけどね。
だけどドゥラカがもっと『稼ぐ』には、あの村から出なきゃいけなかった。そういう意味では、ついてく相手がアントニからシュミットになっただけで、村から出る『チャンス』には違いない。
ただ問題は、アントニはドゥラカの『知』を欲したから『来い』と言ったのに対し、シュミットは『本』が欲しいのであって、別にドゥラカに用はない。
『本』を脅しに使ったって、『じゃ、力づくでもらうわ』ってなるだけだし、実際そうする気満々だったし……
逆に下てに出て『仲間にして☆』だと、それじゃあ『他人に自分の運命変えてもらおう』っていう甘ったれになる。かつて、助けてくれたシュミットに勝手に運命感じて『仲間にして!』って頼んだ異端者達がこのタイプ。
だけどそれは『運命の奴隷』ルート。
『奴隷』はご主人様が誰であろうと『搾取される』だけで『得られること』はないんだよね……(それを証明したのがおじさん)
ところがドゥラカは、お目当ての『本』を燃やすことで、自分の『知』を『武器』にした。

アニメ チ。-地球の運動について- 第18話 情報を解放する
この子、ほんまやりおるわ……これで自分は、相手に対し『主導権』を握ることが出来たわけだから。
それにしても本の燃え残り、その場に捨てて大丈夫?

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ただでさえシュミット達がタイミングよく現れて、その後でそんな本見つかったら、異端解放戦線とグルだと疑われて村襲われたりしないかね……
お前のオールを任せるな
ドゥラカとおじさんって、『ピンチへの対処法』が対比になってたなぁ。
ピンチに陥ったおじさんは、恐怖のあまり『自分のオール』をアントニに差しだしてしまった。
その結果、奪われるだけの『奴隷』に落ちぶれて、最後は見捨てられて『死』に至った。
同じ『ピンチ』でも、ドゥラカは相手が誰であろうと、絶対に『自分のオール』は手放さなかった。
『対話』によって『相手の弱点』や『欲しいもの』を聞き出し、それをエサに優位に立つことで、『ピンチ』を『チャンス』に変えた。
その結果、ドゥラカは『自分の運命』を『自分の力』で切り開いた。
でもこれ、うまく行ったのは、相手にも対話する『意志』と『知』があったからで、対話する『意思』も『知』もない野蛮人や奴隷には通用せんってことなのよね……
ツッコミのドゥラカと紳士のシュミット
さて、出会ってしまったドゥラカとシュミット。
この2人、絶対相容れんやろなと思ってたけど、やっぱり相容んれかった。
最初は『同志!』と思ったようだけど、『相互理解』が深まるうちに……まあ、そーなるやろな、と……
シュミットは人類の発展に対し否定的だったもんなぁ……
方やドゥラカの理想は、たとえるなら『昭和のバブル景気時代来い!』みたいなもんでしょ?
あの時代はたしかにみんな金持ってたけど、同時に環境破壊による公害問題がひどい時代でもあったし……そらーシュミットさん激おこよ。
でも一応、お互いの意見をちゃんとぶつけ合ってんの、かつてオクジーくんが言ってた『異なる意見排除しすぎっと、間違いに気づけんで』を実践してるみたいでほほえましかったわ。最初はこんなんでええんよ。最後までこんなんだと困るけど。
シュミット、初登場時はどうもいけすかんかったけど、ドゥラカ登場で一気に『おもしろおじさん』になったな……やはり『ボケ』は『ツッコミ』がなきゃ輝けない……!(部下2人は『あーハイハイ』だから……)
シュミット「まったく、世の中はボケだらけで困る」
フライ「(あんたがボケです)」
レヴァンドロフスキ「(あんたがボケだよ)」
ドゥラカ「あなたがボケでしょ」
そんなシュミットさん、毎朝夜明けと共に光合成するのが日課か……OPでもやっとったわそーいや。
ドゥラカは夜明けが嫌いだからなぁ。シュミット、朝日の『良さ』は語っても、事情を聞き出そうとしたり、無理に引っ張りだそうとしない大人の対応が出来る人でよかった……ドゥラカに本燃やされた時も、他人のせいにせず『自分の落ち度』とするし。
コインで『表出たからオレの勝ちー!』とか、『ガキか』と思ったけど、そういうとこはちゃんと紳士。
シュミット「キミ、一言多くない?」
ついに登場・組織長
ついに組織長の元に到着したけど、さっき朝だったと思いきや、もう夜だった……!
地味にびっくりしたわ。
にしても、どいつもこいつもなんで夜にばっか活動してんだよ……女の回収にせよ本の回収にせよ、どっちかが昼間にしてりゃあ鉢合わせんで済んだのに……
そして出てきた組織長がヨレンタ……!?

アニメ チ。-地球の運動について- 第18話 情報を解放する
OPとか、後ろ姿だけ見ると若く見えたけど、本人かーーーい!(顔見ると、ちゃんとそれなりに老けてますね……)
助けてくれたシモンくんやオクジーくん達の死を知って、『地動説』に人生を捧げる覚悟を決めたってことなのかな……じゃあ、結婚とかはしてない感じ?(家族がいたら、なかなかそんなこと出来ないよなぁ……)
ヨレンタは出てくると思っていたけど、組織長として登場するとは、えらくなったなぁ。なにせ『女性』という本人にはどうすることも出来ない理由だけで差別される時代でしょ?
『女性』であるヨレンタが『組織のリーダー』として認められ、登場するってのは意外だった……起こしたのね!? 革命を!
ノヴァクが従順なドーベルマンなら、ヨレンタは孤高のオオカミ。その辺はパパとは違った!
ノヴァク「嫌味か」
気になるのはノヴァク。その後、ヨレンタと再会出来たんだろうか?
ヨレンタ的にはめっちゃ心配してそうだけど、パパが異端審問官と知ってしまった以上、『合わせる顔がない』ってそのまま死んだフリ続行って可能性もありそうだし……(ホントに異端に関わってたもんな……)
今回、『教会改革派』の話が出てきたけど、ノヴァク、あの後覚醒して改革派として活動とか……?
クラボフスキさんは……
さて、ついに組織長の正体がヨレンタと判明しました。
どうりで、本にオクジーくん達の名前がないか、気にしてたわけだよ……
心配なのがクラボフスキさん。オクジー本が教会にあったってことは、クラボフスキさんは……(涙)
でも『本のありか』をヨレンタが知っていたということは、『伝えた誰か』がいたってことだし……
クラボフスキさんが写本作ってて、ドゥラカが焼いたのが写本ならワンチャン生存ありうるかもしれんけど、どうだろね。大量生産して持っとくにはヤバい本だし。25年も経ってるから、ふつーに寿命や病気でお亡くなりになっててもおかしくない年月だし……本にされた浮浪者達も、みんな天国に逝っちゃってるよなぁ……
クラボフスキさん、惜しまれながら幸せにお亡くなりになって、本はその後見つかって回収されたとかならいいんだけど。
それでは今回はこの辺で。
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