アニメ進撃の巨人 The Final Season 87話『人類の夜明け』感想と考察 その2 救う気ゼロの偽善者エレン
アニメ進撃の巨人The Final Season87話『人類の夜明け』のいつもよりネチネチしてお送りする感想と考察その2。
今回は、後半のエレンの回想について。イェレナに会ったときや、レベリオ潜入のためになぜ足を切ったのか、まるでみんなの幸せのために進撃してるようで、結局エレンは誰を救いたかったのか、エレンは地鳴らし完了後はどうするつもりだったのかなどを考察。
過去すでにした考察と色々かぶるかもしんないけど、そこはおさらい感覚でどうぞ。
原作漫画の大きなネタバレは注意書きしてますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします。
なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。
イェレナと兵団、両者の誤算
さて、87話後半のエレンの回想は、まずはイェレナと会った時のことから始まりました。
時間軸では、
1年前:マーレ行き決定
10か月前:イェレナがフロックを介してエレンに接触 ←今ココ
10か月前:エレン、ヒストリアに会う
9か月前?:マーレに上陸
2か月前:ジークに会う
1か月前:レベリオ襲撃・サシャ撃たれる
現在:フルパワー地鳴らし発動
こんな感じ。
イェレナの証言通り、鉄道開通式が行われた日の夜の模様。
それにしてもイェレナちゃん、『世界を救うにはこれしかない!』と自信満々に言ってるけど、その自信どっから来るん……?
だってその計画に乗ってもらうには、まずエレンも自滅思想持ってなきゃいけない前提なのに。
これってジークから『オレは弟を信じる!』と力説されて、それをイェレナも信じたってことだよね。『信仰の対象』を疑わない信者の鑑。
しかしジークが信じていたのは『都合のいい弟』ではなく『俺を苦しめたひどい親父』のほうだった。
『ひどい親父』を信じていたから『弟も俺と同じ苦しみを味わってるに違いない!』と信じ込んだ。一回、顔見た程度にしか会ったことないのに。
でも実際に会って話してみたら、『オレもにーちゃんと同じ自滅思想だよ☆』と言ってる割に、お兄ちゃんにはまったく無縁の恋バナされるわ、ボールはキャッチしてもらえないわで、そら疑っちゃうよなぁ。かといって、今さら中止も出来んし……
そして兵団側も、ジーク配下である義勇兵を警戒してエレンとは会わせないようにしてたわけだけど、それが裏目に出たってことなんだろうね。
イェレナ、エレンと顔を合わせたことはあっても、実際に会話したのこの時が初めてでしょ? しかも用件を伝えるだけ。
普段から、エレンと会話したり様子を見ることが出来ていれば、『あれ? こいつジークの計画乗ってくれそうにないんじゃね?』と気づけたんじゃあ……
エレンだって、義勇兵とふれあうことが出来ていれば、アルミン達みたいに『世界は敵ばかりじゃない』と思えたんじゃあ……まあ、それでもこいつはフルパワー地鳴らしやっただろうけど……
やっぱ兵団上層部って『かしこい人』ぞろいだったよね。だから『怪しい義勇兵』からエレンを遠ざけて守ろうとした。
そして『良い大人』でもあったからこそ、調査兵団の仲間だとエレンを『信頼』し、マーレに一緒に連れてった。
だというのに、それらすべてが裏目に出るって……エレン、あんたって子はあああぁぁぁぁぁぁぁ!(かしこいだけじゃあバカには勝てない……)
フロックが黙って聞いてたワケ
ところでイェレナとの会話、フロックが立ち聞きしてたわけだけど。
これ、立ち聞きしていたのがジャンやコニーなら、怒ってその場でイェレナとっ捕まえてそうだよね。アルミンならこの場は隠れたまま、聞くだけ聞いた後で兵団にチクって対策立てるかな……だってイェレナ、逃げ場ないんだから。
エレンだって、本来なら兵団にこのことチクって対策立てればよかったんだよ。
しかし、それをしゃべれば『やっぱジークはヒストリアに即・食ってもらわな』ってことになるからなぁ。現状、地鳴らしに頼るしかないし。
そう考えると、兵団に黙ってたのはわからんでもないけど、それにしたってアルミン達にまで黙ってたってことは、アルミン達を信頼してないか、アルミン達が望まないこと企んでるってことになる。
なのに76話の『断罪』時点でアルミンがそのことに気づかなかったのは、やはり『都合の良いエレン』を見ようとしてたんだろうなぁと改めて思う……そして読者も。
フロックもフロックで、怒ってイェレナ問い詰めるとかしなかったのは、フロックのほうがむしろ自滅思想持ってたんだろうか。無気力そうだったし。
しかしエレンの『世界を滅ぼす』という名のザオリクで復活したのか……
実際、エレンのやってることで一番喜んでるのフロックだもんな……
港での戦闘に勝っていたら、間違いなくフロックはヒーローになって、絶大な支持を受けて島の偉い人になれてただろうし。
そうか。エレンは愛するフロックを喜ばせ、出世させるために、自分を仲間達ごと犠牲に進撃したのか……まさに内助の功!
エレン、やっぱあんたが幸せに出来るのはフロックしかいないからフロックと結婚しなよ。ご祝儀袋には請求書入れとく。
エレン「何の請求!?」
エレンのレベリオ潜入作戦
こっからは、エレンがレベリオ潜入するまでのことについて。
時間軸では、
1年前:マーレ行き決定
10か月前:イェレナがフロックを介してエレンに接触
10か月前:エレン、ヒストリアに会う
9か月前?:マーレに上陸 ←ココから
2か月前:ジークに会う ←ココまでの間
1か月前:レベリオ襲撃・サシャ撃たれる
現在:フルパワー地鳴らし発動
この辺ですね。仲間の元を去った後は、FinalSeasonの第一話でライナー達が戦ってた中東連合との戦場に入り込んで兵士やってた模様。その間、髪を伸ばしっぱなしなのが時間の経過を感じる。
で、そろそろ戦争が終わりそうなタイミングで左足をぶった切り、左目を潰した、と。
……いや、足だけで十分じゃん。別に目ぇ潰す必要なくね?
逆に、目だけでもよくね?
左目に左足と、ケガの箇所がハンジさんと未来のリヴァイと同じだけどさ……まさかそれ意識したってのはさすがに考えすぎか?(そもそもエレンはリヴァイがケガする未来を知ってたのか?)
足ぶった切って痛みを体感したのも、エレンの『揺るぎない覚悟』や『決意の表れ』かのようにも取れるけどさぁ……
それってあなたの自己満足ですよね?
自分の体をいたぶることで『罪の意識』をちょっとでも軽くしようとしただけだよね?
どうせ治るから。
エレンが足を切ったワケ
いや、たしかにホント、足ぶった切るのはすごいと思うよ。
マジで痛いと思うよ。うん、ホントすごい。
でもそれって『なんの』ため?
『レベリオに潜入するため傷病兵になる』って作戦は悪くないと思う。
しかしそれは『目的』のための『手段』のはず。
『手段』に過ぎないのだから、足に銃弾一発打ち込むとか、そんなんでも十分だったよね? ましてや目まで潰す必要、まったくない。
なのに、より苦痛を伴う方法で、必要以上に自分の体をいたぶる理由って、なに?
『希望』を見てしまったからだよね?
足ぶった切ったことといいフルパワー地鳴らしといい、まるで『世界に追い詰められた末の行動』かのようにふるまってるけど……逆だよね?
フルパワー地鳴らし起こすために自分で自分を追い込んだんだよね?
エレンが見た外の世界がすべて絶望的で怒りしかわかないものだったら、恐らくエレンは『足ぶった切る』までしなかったと思う。だって『悪者やっつける』ために『自分がより痛い思いする』なんて『損』だから。
ところがそうじゃなかった。
たしかに、外の世界でのユミルの民の扱いは絶望的だった。
しかし『希望』があったのも『事実』だった。名もわからない、言葉も通じない異国の民と、仲間達がそれを見せてくれた。
しかもその『希望』を見ることになった原因が『エレンの行動』という皮肉よ……
だから足をぶった切ったんだよね?
『希望』を見せてくれた『仲間達への後ろめたさ』や『これから冒す罪の意識』を、『仲間達のためにここまでするオレ』という名の『麻酔』でマヒさせるために。
それって『悪魔の島』に悪魔がいないことを知り、それでも進むしかなかったライナーが『死んで楽になりたい』と戦場で自分を粗末にしてたのと同じじゃないの?
外の世界で『希望』を見てしまったエレンも、罪悪感から『自分を粗末にすること』で、自分が『罰せられている気分』になって楽になりたかっただけだよね?
けどエレン。あなた、ライナーとは違うよね?
ライナーには『使命』が課されていて、その『使命』に追い詰められていた。
けど、エレンのことを追い詰める人なんてどこにもいなかったよね? むしろ全方面に人を追い詰めまくっていたのはエレンのほう。
ライナーに『お前と同じ』と言ってたけど、まったく『同じ』じゃない。
自分を粗末にするのもそう。
仲間を守るために率先して盾となったライナーとは全然違う。ライナーは自分のために親からもらった自分の体に自分で暴力を振るったことはない。
一度は自死を選びかけたけど、『未来の子供達』の存在がそれを踏みとどまらせた。
けど、エレン。あなたは『仲間達の存在』を口実に、進撃することを肯定化した。
そのために、あなたは自らの手であなたを痛めつけた。けどそれ、どうせ治るよね?
どうせ治るから、どんなに体を痛めつけたってそれは茶番。
その『巨人パワー』の恩恵を存分に生かし、痛みを感じることで『罰を受けた気分』に浸りたかっただけだよね?
結局、エレンがわざわざ足をぶった切ったのは、自分がいい気分になりたかっただけ。
『誰か』のためじゃない。
幸せを願うだけのエレン
87話のエレンって、まるで『オレ、仲間の幸せを願ってます!』って感じだったけど……
願ってただけ
だよね?
別にそれ自体は嘘ではなかったと思うよ。うん。『仲間の幸せ』を『願っては』いた。
ただ『願ったところで何も変わらない』んだわ。
『幸せ』は、各自、自分でつかむものだもんね? 『あなたが幸せにする』つもりなんてなかったよね?
だってあなたがホントにやりたかったのは『駆逐してやる!』だもんね?
エレン。あなたがやってることすべてが『仲間達の幸せのためやってます!』って言うんならさ。
こんなことになったのは『仲間達のせい』ってことになるよね?
そしてそれは、仲間達へのものすげぇ侮辱なんだわ。
だって『オレの大事な仲間達は、自分達の安寧のためなら他人の幸せを踏みつぶしてもOKなクソ野郎だとオレは思ってます!』ってことになるんだもん。
ミカサ、泣いてたんだけど。
アルミン、『生き返るべきは僕じゃなかった』なんて言ってたんだけど。
ジャン、目ぇ死んでるし耳ふさいで自分の殻に閉じこもろうとしてたんだけど。
コニー、一時は母ちゃんに子供食わせようと暴走しちゃったんだけど。
サシャ、お亡くなりになったんだけど。
散々世話になったはずのピクシス司令は巨人にされるわ、ハンジさんとリヴァイはあなたの『新しいお仲間』に命狙われたんだけど。
『恩』に『返済の義務』はないが、わざわざ『仇にして返す』たぁどういう了見だ?
でもエレンは『オレの仲間達はこんなことしても喜ばない人達です』ってこと、最初から理解してるはずなんですよ。そうでなきゃ『お前の始祖は俺が継承してやるよ!』なんて言うわけないし。
ロッド・レイスがやろうとしたみたいに、『他の誰か』に継承してもらったほうがよっぽど好都合なのに、ジャン達は『他の誰かに継承させるくらいなら俺が継承してやる!』と言った。
つまりエレンの仲間達は『他人の不幸』の上に『自分の幸せ』を築けるような人達ではない。むしろその逆。
それがエレンの仲間達。
だから黙ってやったんだよね?
過去にも考察したけど、フロックやのーてジャンとかでもよかったジャン。協力者。
そうしなかったってことは、持ち掛けたところで絶対阻止されるって自覚、あったってことだよね?
でもやったよね? 『仲間達は喜ばない』とわかっているのに。
喜んでんのは、エレンのことなんかなんにも知らない島民とフロックだけ。
それとも『今は喜べなくても最終的に仲間達のためになるからOK!』と思ってやったの?
だとしたら、それは『自分の善意』の押し付け。まさに偽善の子。
今のエレンの目的
前回の考察では、幼少のミカサがさらわれた時のエレンの目的について書いたけど、今のエレンの目的も結局『仲間たちのため』じゃない。
かといって『ユミルちゃんのため』でもなさそう。
ユミルちゃんが待っていた『誰か』がエレンであったなら、エレンの目的やこれまでの行動は『ユミルちゃんを救うため』ってことになるけど、それだと『矛盾』が発生する。
だって座標でのエレンのリアクションに嘘がなかったのなら、エレンはそこに行くまでユミルちゃんの存在は知らなかったように見えるけど?
エレンの目的が『ユミルちゃんを救うため』であるなら、むしろユミルちゃんの記憶こそ送らなきゃいけないじゃない。
だって『未来の記憶』はグリシャ経由で送ってるわけでしょ?
グリシャが以前から『未来の記憶』を色々と見てたんなら、その記憶の内容も手記に書き残してくれてよくない?
しかし、そういう記述がなかったってことは、グリシャが『未来の記憶』を本格的に見るようになったのが『手記を書いた後だった』からじゃないの? 鍵かけた後でエレンに気づいたような顔してたし。
だってグリシャ本人にはなにも出来なくても、『道』で巨人を作り続けるユミルちゃんの存在を手記に書き残してくれてたら、ハンジさんあたりが巨人問題解決してくれそうなんだけど。ぶっちゃけこの人ならマジでやってくれると思う。
なのに、その記憶を送らなかったということは『自分の目的に必要ない情報』ってことになる……
現にグリシャは、壁が壊されることは知っていても、それがいつなのかは知らず『自分がレイス家皆●しする』という『エレンがグリシャにしてもらいたいこと』くらいしか知らないようだった。
そして『あんな恐ろしいこと(フルパワー地鳴らし)』の記憶を見たのは、グリシャがレイス家を●して後戻り出来なくなってから。
これってつまり『未来の自分に見せたい記憶』は『グリシャに見られてはマズイ記憶』であって、タイミングを見計らって送る必要があったってことだよね?
何がマズいの? ユミルちゃんのことを知られて困る理由は? フロック以外で、フルパワー地鳴らし回避されて困る人って?
エレンしかいないよね? 『今のこの道』がなくなって一番困るのは。
だって『フルパワー地鳴らし回避』や『ユミルちゃんを助ける』が目的なら、グリシャが手記に書き残しておいてくれりゃいいんだから、『未来の記憶』なんてむしろエレンには必要ないくらいだもの。
やっぱこの人、最初から『フルパワー地鳴らし』を回避する気なんて毛頭なかった。
そのためには、『ユミルちゃんを解放』なんて必要ないどころか、『解放されてはむしろ困る』くらいじゃないの?
まるで『辛いけどみんなの幸せのために仕方なくオレはやるんです!』ってツラしといてさぁ……ユミルちゃんにも『お前が選べ』って、なに責任負わせてんのこのヒモ男は?
これ、幼少のミカサに『逃げろ!』ではなく『戦え!』と言ったのと同じ。『逃げろ!』と言われて逃げたならミカサに『責任』は発生しないけど、『戦え!』と言われて、逃げてエレンが死んだら『ミカサのせい』になる。
『自分の目的』のために『共犯者』に仕立て上げただけ。
結局エレンの目的は『地鳴らしを起こすこと』であり、そしてそれは『誰かを救うため』でもなんでもない。
『有害な獣』を駆除したかっただけ。
地鳴らし完了後のエレン
エレンが『有害な獣』を駆除したかったのって、『自由を奪われるのが許せない』からなんですよね。
だから『自由を奪われる前に自由を奪わなきゃ!』と、フルパワー地鳴らしを起こしたということになる。
ということは。
エレンを信じて死にものぐるいで戦ったイェーガー派の皆さまはお気の毒だけど、パラディ島も最後踏みつぶされそうな気がするのよね。いや、これは私が勝手にそう思ってるだけなんだけどさ。
だってエンディングで歌ってるジャン。『帰る場所がなければどこへとゆくのに』って。
エレンの目的が『自由』であるなら、『パラディ島』という『帰る場所』がある限り自分はパラディ島に縛られ『自由』になれないってことになる。
なんか思い出したのが、エレンが初めて巨人化した時のこと。とにかく巨人を襲いまくった。
今は、初めての巨人化の時みたいに『敵』を排除するために暴れているけど、最終的には2回目の巨人化の時みたいに『自分に指図する者』や『自分を縛り付けるもの』を排除しそう……
天使のファルコですら、初めての巨人化では仲間を襲ったんですよ。
人の本性が『何者にも束縛されたくない』という『自由を求める心』であるなら、今のエレンは初めて巨人化したときの本性むき出しの状態。
『巨人』という『敵』をとにかくめちゃくちゃに●したいという欲望のまま暴れ回ってた時みたいなもん。対象が『巨人』から『人』になっただけで。
2回目の巨人化の時は、ミカサを襲った。
あの時のエレンには『使命』があった。『岩で穴をふさぐ』という。
あの時のエレンは、『指図を受けて岩を運ぼうとした』から暴走したんじゃないの?
誰かの指図で動くなんて『自由』じゃないからから、相手がミカサであろうと攻撃し、ボイコットしちゃった。
しかしアルミンの言葉で『あ、自分が自由になるためには岩運ばなきゃ』と『理解』したから岩を運んだの?
ということはさ。
エレンが『あ、こいつらおったらオレ、自由になれんわ』と理解してしまったが最後。
『守る』と言ったパラディ島でさえも踏みつぶすんじゃないの?
だってエレンは『自由を奪われるくらいならそいつから自由を奪う』子。
『島の存在』が『自分の自由を奪う存在』と認識した瞬間、踏みつぶしたっておかしくないと思うんだけど。
そして島民も、そうなった時、受け入れるしかないと思う。だって島民は『自分達の自由』をエレンに差し出したんだから。
『自分達の自由』をエレンに差しだしたということは、『エレンによって自由を奪われる不自由を得た』ってことになるんだけど。
今のエレンって、フロックを始めとする島民にとって、『とってもいい人』なんだよね。『悪魔』じゃない。
でも、『自分の自由』のためなら、一度は『守る』と言った対象すらも踏みつぶす。
そこまでやって初めて本物の『悪魔』。
実際、すでにそれやってんだよね。兵団に。
ちょっと前までは『オレの自由』のために必要だったから調査兵団に入って、兵団にも従っていたわけだけど。
『オレの自由』の邪魔になると判断した途端、裏切ったじゃない。散々自分のやらかしたことのケツ拭かせといて。
次はその『順番』が島に行ったっておかしくないと思うんだけど。
地鳴らし完了後のエレンその2
まあ、さすがに島滅ぼすまではせんでも。
『記憶いじくる』とかはやりそう。ヒストリアに『憎しみの歴史を文明ごと葬る』だの『記憶消す』だの言ってたし。
消すとしたら、やっぱ『巨人の記憶』じゃない?
だってエレンの目的は『駆逐してやる!』なわけじゃん?
『巨人に関する記憶』が消えれば、ある意味『巨人は駆逐された』ことになる。
そうなれば、まあ、たしかにユミルちゃんも巨人作りから『解放』されるよね。うん。
でも『解放』と言えば聞こえはいいけど、王様たちよりひどいよね。
だってそれ、散々ユミルちゃんの力を利用しておきながら、最後は、
『もうあんた、用ないから消えていいよ』
ってことだもんね?
なにしろエレンって、ユミルちゃんに、
「お前が選べ!」→選んだ以上、責任取るのお前ね☆
「オレに力を貸せ!」→だけどその力を使うのはオレ☆
なんて言ってるもんな……責任は人に取らせて力を行使する権利だけはよこせとな?
たしかに王様達も巨人パワーを利用してはいたけど、王としての『責任』は背負っていたぞ……
だけどエレンは利用するだけ利用して、最後は他人に責任取らせて消えてもらうってことになる。
だって『巨人の記憶』『巨人の歴史』を消し去るってことは『巨人を作り続けたユミルちゃんの完全否定』だから。
それにこの場合だと『巨人と戦った人達』『巨人に●された人達』『巨人にされた人達』はどうなるの?
巨人に立ち向かった人達の勇気も『なかったこと』にするの?
巨人に●された人達のことも、された人達のことも『なかったこと』にするの?
なんだかよくわからないもの相手に勝手に戦って勝手に死んだことにするの?
それともエレンは『自分のこと』を忘れてもらうつもりなの?
自分で自分が生まれてきたことを否定するの?
それってカルラやグリシャの完全否定であり、ジークや世界がユミルの民にしようとしたことの完全肯定だよね。むしろそれよりひどい。
でもって、あなたの仲間達は『あなたが大事』だから、あなたを止めに行こうと戦ってんのに、その気持ちまで踏みにじるの?
あなたのために戦った人達、命を落とした人達、その人達から『戦った意味』も『死の意味』も奪うことにならない?
しかもミカサとリヴァイ、アッカーマンの記憶は消せないよね? この2人はどうなるの? セルフ記憶改ざんしてもらうの?
まあ、色々考えたところで、地鳴らし完遂した後、エレンがどうするつもりだったかなんて結局わからないけど。(むしろ『なんも考えてない』んじゃね?)
どのみち、地鳴らしが成功しようが失敗しようが、この人、最初から島に戻るつもりなんてなかっただろうね……
憎しみの歴史を生み出すエレン
さて、エレンの回想はイェレナとの会話から始まり、最後はすっかり化け物に姿を変えて、憎しみの歴史を文明ごと葬り去るべく進撃してるシーンで〆でしたね。
世界連合艦隊が割とがんばってた……たしかに、相手がうつぶせで泳いで来るんなら、下手な鉄砲数打ちゃ当たるで、うなじにヒットもするよね……
これにより、人類は、たしかに巨人を倒す域にまで到達していることは事実であると証明された。ただ、物量戦ではあまりに不利すぎた……
そして、相手に立ち上がられたらもうアウト。むしろ立ち上がった時点で急所狙えず負けが決定……
それにしても壁巨人くん、深く潜って攻撃回避してるように見えるんだけど、これ、エレンがコントロールしてんの?
しかも、船の下を通っただけで、上の人が熱で消滅って……あの、マジでヤバすぎやしません……?
原作よりエグく描かれてんな……
こんな高温のごついヤツが幾万も一斉に海にドボンしたら、海水がふつーにお湯になって海洋生物死滅するわ、蒸気が雨になって降りまくるわ南極だか北極だかの氷溶けるわして地球温暖化レベルどころじゃないと思うんだけど……まあ、漫画だから……
しっかし『憎しみの歴史を文明ごと葬る』っての、壁の王がとっくにやったのに、何言ってんだコイツ?
しかも島の中で『新たな憎しみの歴史』を現在進行形でバンバン生んどるの、あんたやで……マジで何言ってんだコイツ。(やっぱ最後は記憶消して解決するつもりだった……?)
壁の王は『なんちゃって世界滅亡』だったけど、文字通りそれやっちゃうの、さすがグロス曹長の生まれ変わり……!(嫌味)
『賢者は歴史に学び、愚者は体験で学ぶ』と言うけど、体験しても学べない愚者以下はなんて言やいいんや……
まあこの人、誰も救う気ないから学ぶ必要もなかったんだろうけど……
* * *
金眼銀眼さん
コメントありがとうございます! モヤモヤがまとまったようでなによりです(*´ω`*)
本当に、エレンの『無自覚に人のせいにする(責任を取らない)』ところは、いつまで経っても子供のままでしたよね。ザックレー総統に是非とも芸術にしてもらいたいところです。
それにしても、巨人組の三人って『子供』に置き換えて考えると、大人に『このボタンは押しちゃダメだよ』と言われた時、
『その意味』を理解し『自分には責任が取れない』ので押さないのがかしこいアルミン。
『その意味』までは理解出来なくても『押されると困るんだろうな』と思って押さないのがやさしいミカサ。
『その意味』を考えることもなくむしろ押しちゃうのが幼稚なエレン。
といったところでしょうか……
エレンの場合は『押した結果』が重要なのではなく、『自由に押させない不自由』に反発するために押した。そういう意味では、アルミンとミカサがボタンを押さないのは『責任感』だったり、大人を困らせたくないという『他者への思いやり』なのに対し、エレンがボタンを押したのは『オレは自由だ』という『自分の欲望のため』だったということになる。
そしてガミガミ叱られても、『叱るヤツがいなくなっちゃえばオレは自由!』と安易に考えたり。まさに今のエレン。
エレンを理解しようとすればするほど幼稚すぎて、ハンジさんの『未だに反抗期かよ!』という叫びに同情してしまいます……
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
次回はアニメ87話のヒストリア関係です。
アニメ87話その3の考察はコチラ
アニメ進撃の巨人 The Final Season 87話『人類の夜明け』感想と考察 その3 脳死のヒストリアと大きな赤ちゃんのエレン
アニメ87話その1の考察はコチラ
アニメ進撃の巨人 The Final Season 87話『人類の夜明け』感想と考察 その1 悔やむミカサとエレンの本性
面白く読みました。まさしく私が感じていたことを代弁してくれたようで胸がスッキリ!そうなんだよー、エレンって誰の為でもない「この世から駆逐してやる」とこれに尽きるわけで。で、ミカサには10年引きずって欲しい⁇いやー、カッコ悪いと言うより気持ち悪かった。何度読んでもエレンには共感できませんでしたが進撃の巨人は神漫画であることは間違いない。
コメントありがとうございます!スッキリされたようで良かったです!
私も、エレンのことを理解しようと考察すれば考察するほど理解不能すぎて、近頃は『ミカサちゃんのペットの猛獣だから責任取れないのは仕方ないよね!』とでも思わなきゃやってらんないくらい嫌いになりました……(主人公を『嫌い』とハッキリ言い切れる漫画もめずらしい)
しかしエレン・イェーガーは嫌いになっても進撃の巨人は嫌いにならない。むしろ好きです!
すごく分かりやすかったです‼︎ あと質問いいですか?
エレンがユミルに必死で頼んでまで、地鳴らしをした理由って分かりますかね…?闇堕ち?した理由みたいな…。
コメントありがとうございます! 質問大歓迎ですよ!
さて、エレンがユミルちゃんに必死で頼んでまで地鳴らしをした理由。当考察の結論はズバリ!
『やりたいからやっただけ(理由なんてない)』
……もう本当に救いようがないバカなんだな、と……
最終回で、エレン本人がアルミンに言った通り『なんでかわからんけどやりたいからやった』がすべてなのでしょう。
たしかに口では『島を守るため』だの『駆逐してやる』だの『理由らしきもの』は言ってはいたけど、ぶっちゃけ『この世を平らにならしたい!』が先にあって、『理由は後付け』でしょうね。でなきゃ『未来の記憶』を仲間達に言わない理由が説明できないんですよ……みんなで知恵出し合えばよかっただけなのに。
あくまで私の解釈ですが、エレンは『闇落ちした』のではなく『元に戻った』だけです。『調査兵団に入って仲間達と大人に成長したエレン』から、『気に入らないヤツは殴ったりめった刺しにしてた幼少の頃のエレン』に。
だから子供の姿になった。
そして『理由』はなくても『目的』はあった。それが『自由』。
問題なのは、エレンが思う『自由』というやつが、アルミン達の思う『自由』とまったく違ったということ。
『壁の外に出ちゃいけません』『人を殴ってはいけません』『命は大事にしなくちゃいけません』……『お母さん』に『いけません』と言われたことを『やっちゃうこと』がエレンの思う『自由』だった。
『お母さんの言うことに逆らうこと』が『目的』だから、『理由』なんて必要ない。『やっちゃいけない』からこそ、他人の命も自分の命も粗末にした。『その後』のことなんてシラネ。なぜなら先のことなんて何も考えてない『幼児』だから。
そういうことではないかと思います。