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【メダリスト】ShortProgram8時点 感想と考察 スケートで変えたいのりとスケートが変えた司

メダリスト アイキャッチ

メダリストShortProgram8と、本編score53『人魚と刃』時点の感想と考察。今回はいのりと司。
53話を考察する上で、ノービスA時代のいのりも合わせて考察しとります。

  • 内容は本編53話、外伝8時点のものです
  • 個人の感想です。効果には個人差があります

炎のいのりと水の司

『スケートのために社会不適合者になってしまった』のが夜鷹だったけど、『元々社会不適合者だった』のが、スケートのおかげで社会性が身に着いてきたのがいのりさんだった。(失礼)
この時点で、二人はまったく逆の人だなぁ……いや、夜鷹が『スケートしなけりゃ社会性あった』かどうかまでは知らんけど。

スケート始める前のいのりは、炎は炎でもローソクみたいな弱い火だった。
そしてお母さんは、その火を吹き消そうとする冷たい風みたいなもんだった。まさに風前の灯火。
だけどいのりは勇気を出して、母ちゃんに『ファイヤーーーーーーーー!』した。
いのり的には母ちゃんに訴えたつもりが、何故かその横にいたみずタイプの司が焼かれてしまった。

水って、周囲の影響受けやすいからなぁ。冷気に当てれば凍っちゃうし、熱に当てればお湯にも気体にもなる。型を用意すれば、その型にはまることも出来る。

直前までの司は凍ってた。凍ってたから、『スケート続けなよ』という加護さんの援助の手も、『コーチやんない?』という瞳のお誘いにも、心が揺らがなかった。
ところが、『とくせい:もうか(ピンチになるとほのおの威力アップ)』を発動させたいのりちゃんファイヤーがきゅうしょに当たり(しかも母ちゃんの冷風ブースト付き)、水通り越して熱湯になった。

メダリスト score1 氷上の天才[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score1 氷上の天才[つるまいかだ / 講談社]

司というコーチを得てスケートを始めたいのりは、『色んなこと』が出来るようになった。
最初はいのりの火を吹き消そうとしてた母ちゃんも、現在はいのりの火が消えないよう、空気を送り込む暖かい風になった。
家族を始め、色んな人が応援してくれるようになったし、スケートを通じて友達もたくさん出来た。

いのりって、暖かい炎なんだよなぁ……後ろ向きだったのぞみママに『我が子を信じる勇気』を与えるし、優勝したのに自虐的な理凰に『もっと喜ぶべきだった』と勇気づけた。
合宿でも『なんかほっとけねぇな』と周りの子達が寄ってきて世話焼いてくれるし、デカい舞台に怯むタイのエビちゃんを知らん間に勇気づけ、いるかちゃんをデレさせ、司と同じ水タイプの光もいのりの高火力に沸騰した。
瀬古間さんに至っては推し活滾りすぎて確実に寿命延びとる。あんたは『結束いのりのスポンサー1号です』と名乗っていい。
そしていのりがずっと『犠牲にした』と思っていた司先生こそが、一番いのりに『救われた』人だった。

ノービスA いのりの悔いなき選択

『勝つためには犠牲が必要』という犠牲論者が夜鷹で、光もそれに倣って犠牲論者になってるようだけど、『何を犠牲と呼ぶか』は人それぞれで。

夜鷹は『すべて』を犠牲にした。『払えるもの』は何でも払ってスケートに全てを捧げた。

光は『自分自身』を犠牲にした。『払えるもの』は『自分の才能』と思ってたから。

いのりは『愛する人』を犠牲にした。『払えるもの』が、そもそもなんにもなかったから。
そのヒントとなるのが美玖の一件。

メダリスト score33 あひるの子[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score33 あひるの子[つるまいかだ / 講談社]

美玖ちゃんは『みんなに無理させてまでスケートしたいなんて言えない』ので、スケートを辞める選択をした。美玖には他にも輝ける場所があったから。
だけど『払えるもの』を持たぬいのりは、『みんなに無理させてでもスケートを続ける』選択をした。氷の上でしか輝けないいのりに、『スケートを捨てる』という選択肢はなかったから。

その選択の『最大の犠牲者』が司先生だった。

まあ、これは『いのりが勝手にそう思ってただけ』なんだけど、少なくとも全日本ノービス時点のいのりは、『自分のせいで司先生に夢を捨てさせてしまった』と思ってたわけで。
光は司に『勝つために失うのを止めるな』なんて言ってたけど、いのりは『最大の犠牲(司)』をすでに支払ってんだよ……何言ってんだこの子。(白目)

持たざるいのり

いのりが光と違うのは、いのりは『自分から犠牲を差し出したわけじゃない』ということ。
『善良な人が何も持たぬいのりのために自分が持ってるものを勝手に差し出してくれた』形になっている。

『天才』のために何かを差しだすのは『それ相応の見返り』を期待してるからであって、『なんにもない子』に見返りを求めることなく何かを差しだすのは、ガチの『無償の愛』なんよ……本来、それは親御さんが与えるものであって、『赤の他人』が与えるってのは『よっぽどのこと』。
しかもいのりは、母ちゃんですら『なんにも出来ない凡人以下』と思っていた問題児。

ところが、いのりの『スケートへの愛』が、周囲の大人に『よっぽどのこと』をやらせるミラクルを起こした。瀬古間さんだったり司だったり。
幼いいのりは『無償の愛』を素直に受け取ってたけど、成長するに従って、その『重さ』が理解出来るようになってきた。

メダリスト score44 傷と鰭[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score44 傷と鰭[つるまいかだ / 講談社]

いのりちゃん、いい子だもんなぁ。他人の『無償の愛』を『ただの食い物』には出来ない。いただく以上は結果出さなきゃって焦りもするよ……

むしろいのりさんは『犠牲』を支払ったほうが危なっかしくなってない?
現に、絶対失敗してはいけなかった『3Lz』を失敗しちゃったし。そして無茶は承知で『3A』に挑んだ。

この時のいのりは、『金メダル』のために『表彰台』を犠牲にした。
そして、挑んだ結果、『表彰台を逃す』という罰を受けた。
司の、『犠牲を払おうが払わなかろうが勝つ時は勝つし負ける時は負ける』と言った通りになってる。

あの時、『3A』なんて無茶せず、司先生の構成通りにやる『いい子』になってりゃ、『表彰台』には乗れてたと思うんだよね。
でもこの子、それじゃ絶対後悔したと思うよ。

確実な表彰台より不確実な金を

すずちゃんですら苦労した『3A』にぶっつけ本番で挑むという、一見すると『ナメた選択』をしたいのりさんですが、『何に』対しての『責任』を背負っていたかと考えると、実に筋の通った選択をしていた。

あそこで日和って、『確実に取れる銀(2位)か銅(3位)』に目標変えちゃったら、まあ、たしかに『いのりの名誉』は手に入ったかもしれない。
だけどその代償として、『いのりにとって司先生はそれらに劣る存在(4位)』にすることになる。
自分と司先生は対等で、上下なんかない。だから絶対に『金メダル』じゃなきゃいけなかった。

メダリスト score35 レベル4[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score35 レベル4[つるまいかだ / 講談社]

終了後、この子、司先生に『嘘つきました』って言ったけど、いやいや! いのりちゃん、あなたは『自分が言ったこと』に対してガッツリ筋通したよ!?

司先生は、『あなたが一番好きな色を選んでおいで』と言ったのに対し、いのりは一貫して『金メダル取ってくる』だったでしょ?
司先生のお言葉に甘えて目標を『銀色』や『銅色』に変更なんてナメたことしちゃったら、それこそ『嘘ついた』ことになるんだよ……

我が身可愛さに司先生の特売セールという『正しい選択』するくらいなら、たとえ可能性が1ミリだろうと『司先生の価値を上げる』ことに賭けて金メダルに挑む。失敗したって『自分も先生と同じ価値(4位)』になるだけ。それがいのりの『悔いなき選択』。
これは……! 『勝負師』としての覚悟ガンギマリすぎて、私の好感度リスト全項目チェックついたぜいのりちゃん……!

【私的好感度チェックリスト】
☑ 言ってることとやってることに相違はないか
☑ 目的のためなら『悪い子』になることも辞さないか
☑ 『手段』が『目的』になっていないか
☑ 『正しい選択』ではなく『悔いなき選択』が出来ているか
☑ 『俺より強いヤツ』に挑む根性があるか
☑ 『自由』と『身勝手』を履き違えていないか
イカれた愛でドガン! とはじけているか(←最重要)

『金メダルを取れなかった悔しさ』には泣いても、『挑んだことに対する後悔』は一切していないのもポイント高いな。
『結果』は得らずとも、『支払った犠牲(司)』に対する『責任』はきっちり果たした。挑んだあんたはエラい!

ジュニアになったいのり

さて、中学生になり、世界の大舞台で戦うまでに成長したいのりだけど、全日本ジュニアグランプリはまさかの結果だった。

炎は弱すぎると消えちゃうし、強すぎるとやけどしちゃう。
いのりはまだまだ自分で火力を調節出来ないから、司先生が火が消えないよう守りつつ、火力を強くしたり弱めさせたりうまいこと調節してた。
そう考えると、全日本ジュニアの予選落ちは『火力が強くなりすぎた』のかなぁ……
『光ちゃんとの対決』という燃料で己を燃やしていたところに、『いるかちゃんのケガ&棄権』という予期せぬ特大の燃料がいきなりぶっこまれて、さすがの司先生も調節しきれず、爆発・霧散しちゃったか……

あの時のいのり、司的にはむしろ『パニくって不安全部吐き出してくれたほうが良かった』んじゃね……? そうすりゃ『対処の仕方』ってのもわかるし。
いのりちゃんは『いい子』だから、周囲を気遣って『隠す』子なんだよね……洸平くん、『あれ? 割と大丈夫?』ってまんまとだまされちゃうし。
だけどホントは、自分を偽る『強がってるだけの子供』だった。
いのりちゃん、そこは子供に戻って周りの大人困らせてええんやで……!

いのりさんは『自分を責める時ほど不調になる』ってのわかってるしなぁ。特に『色んなことがわかってきた』頃から、背負いすぎて、重くなってる感ある……

メダリスト score40 恩師[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score40 恩師[つるまいかだ / 講談社]

光ちゃんは『犠牲は自分だけ』だから、『背負う責任』も自分ひとり分だけど、いのりちゃんは『自分に賭けてくれた人達の分』も『責任』背負っちゃう子だからなぁ……重くなるよそりゃあ。

そう考えると、ジュニアグランプリの光ちゃんの初ミスは、『重くなってた』ってことかね?
『いのりちゃんとの約束』を背負ってたのもそうだけど、愛されていたことを知ったことで『粗末に扱っていた自分』を大事に出来るようになったのかな?(いるかちゃんの『スケート舐めんな』は、かつて、自分を粗末にしてたいるかの姐さんだからこそ見抜けたんだなぁ……)

良い子いのりと悪い子いのり

いのりって、元々は『大人を困らせちゃいけない』って気持ちが強い子だった。そのせいで我慢しちゃって、お母さんに『スケートやりたい』ってなかなか言えずにいたし。

だけど53話で、いのりは『意図的に大人を困らせる悪い子』になった。

そんだけ、『今の環境に安心してる』ってことだよね。『これくらいしたって、誰も私からスケートを取り上げたりしない』ってわかってるから、安心して『ちょいワル』になれる。
そして同時に『自分で自分を罰する』ためでもあった。大人達がみんな『やさしい』もんだから。

自分はスケートのために司先生犠牲にするようなワルなのに、その『やさしさ』に甘えてぬるま湯につかっちゃったら、ますます自分がダメになっちゃいそうで怖かったんじゃね?

メダリスト score53 人魚と刃[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score53 人魚と刃[つるまいかだ / 講談社]

その焦りと恐怖で、いのりは『素直ないい子』から、『約束を破る悪い子』になった。

変えたいのり、変えられた司

いのりは『ダメな自分』が嫌で、それを『変える』ためにスケート始めたんだもんな……スケートで『自分がダメ』になっちゃ本末転倒。
どうせいのりはすでに『悪い子』だから、そこにひとつやふたつ、罪を重ねたってどーってことないし。

一方で、司はとことん『スケートに人生変えられた人』だった。
まあ、スケートの世界に飛び込んだのは『本人の意志』だけど、夜鷹のスケート見てなきゃ今の司はいなかったわけで。
結果として選手として大成せず凍ってしまったけど、今度はいのりのスケートと出会い、コーチ業に転身した。
ヘタすりゃ砕けて消えていたはずの人が、『沸騰してやる気出す』ってのはミラクルなんよいのりちゃん……

むしろいのりは司を『救った』のであって、誰も『犠牲』になんかしていなかった。

53話で、ようやく『勘違い』に気づけて良かったな……『ありもしない犠牲』を理由に『悪いこと』を続けて、それで結果出せなかったら『戦犯:司』にするところだったじゃん!
それこそ本物の『悪い子』なわけで。
自分の『悪さ』に正当性がないことに気づいたいのりは、『いい子』に戻って、司先生の温泉療法で完全回復した。

メダリスト score53 人魚と刃[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score53 人魚と刃[つるまいかだ / 講談社]

理凰の時といい、司先生の温泉療法やっぱ効くな……! 立入禁止エリアにうっかり踏み込むと間欠泉でふっとばされるスリルも味わえる!(吹っ飛ばされたのがぴかるんとライリー)

【あけうらじ温泉 名湯・司の湯】
効能:凍傷、冷え性、筋肉の硬直、うつ症状、反抗期のかたくなな心によく効きます。
※トラウマの刺激による突然の間欠泉注意

『ジャンプは軽いほうが跳べる』ので、とことん身軽になったのがすず姉だけど、いのりは『司先生担いででも跳んだらぁ!』って男前だからな……腹筋割れてるし。
でも『気持ち』では司先生担げても、『現実』で成人男性担いで跳ぶのは無理だいのりん……!
身軽になったことだし、グランプリファイナルでは金獲ってくれ。

各キャラの年齢

さて、外伝8で夜鷹としんいちろーが同い年と判明しましたね。
で、夜鷹が二十歳で引退した後、フィギュアの出場年齢が引き下げ。そのおかげで、ライリーは十六歳でオリンピックに出場出来たけど、その後、また年齢が引き上げられた。
つまり、理凰が生まれた年のオリンピックに出場したのがライリー(16)ということか……

一方、司が夜鷹の演技見てスケートの世界に飛び込んだのが中学生の時。
慎一郎が銀メダルを獲った二十八の時、司は二十歳と言ってた。
逆算すると、司がスケートを始めたのは十二歳~十三歳の頃。いのりや理凰が生まれたのは司が十六歳の頃か。

……あれ? 司とライリー、同い年じゃね?
一覧表をつくってみた。黄色はオリンピックイヤー、青は53話時点の年齢。(右半分はオマケ)

●メダリスト年齢早見表

メダリスト 年齢早見表

メダリスト score53時点

2025/7/9追記:13巻でライリーのプロフィール判明。
修正版はコチラ

年齢考えると、いのりちゃん周囲の大人組も色々イベントありそうだな……
いのり二十歳の頃には実叶ちゃん二十八になってるから、その間に就職・結婚とかふつーにありそうだし、そういや瞳先生は既婚者だけど、お子さんの予定とかは?
焦ってもおかしくないお年頃のはずだし、瞳先生の一時離脱イベントとかもありそう。(同時開催・匠先生孫フィーバーの巻)

そして作中でも『光がオリンピックに出られるのは二十歳』と言ってたけど、その頃の夜鷹はよんじゅうよんか……(司は三十六)
ただでさえ不健康な生活してるから、四十も過ぎたら一気に老け込みそうな気もするけど大丈夫かこの人?
いるかちゃんもまだ二十四だから、いるかちゃん参戦も十分ありえる。

にしても光ちゃん。『夜鷹と同じ』にこだわるなら、二十歳のオリンピックで金メダル獲って引退して社会不適合者に……!

慎一郎「そこまで一緒になるんじゃない」

光ちゃんの勝ち逃げ阻止するには、いのりちゃんは絶対勝たなあかんね……


それでは今回はこの辺で。
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次回はコチラ

【メダリスト】13巻感想と考察 光といのり、本気の証明と足りなかったもの

前回はコチラ

【メダリスト】Short Program 8 慎一郎24歳 感想と考察 氷の夜鷹と溶かせなかった慎一郎

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