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【メダリスト】13巻感想と考察 光といのり、本気の証明と足りなかったもの

メダリスト アイキャッチ

2025年6月23日にメダリスト13巻が発売したんで、今回はその感想と考察を。この巻は表紙からしてまさに光ちゃん巻。
表紙、いつもは引き気味で全身入ってるのに、バストアップは初めてかな?

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いのりちゃん、光ちゃんがいると戦闘民族的な面構えになってくね……(悔し涙の面構えのはずなのに)

  • 内容は単行本13巻時点のものです
  • 個人の感想です。効果には個人差があります

夜鷹純、衝撃の真実

この13巻で、衝撃の事実が判明。

【朗報】夜鷹純、(一応)肉食ってた。

よかった……!
主食がサプリとか、そら消化器官に仕事させないと体壊すっしょ!

なお判明した食事内容がコチラ↓
サプリ+じゅんじゅん特性手作り鶏ハム50g

※なお、鶏ハムは毎日ではなくたまに
※なお、鶏ハムに味付けはしない(皿すらない)
※低温調理なのは、味や食感を楽しむためではなくタンパク質の流出を防ぐため
※ちなみに50gとは鶏卵1個程度の重さ

いやー、よかったよか……った????

【感想】
どっちにせよ生き物としてどっか壊れてんなとおもいました。
せめてゆでたまごくらい追加してはいかがでしょうか?(提案)

光の勘違い

司の時といい、鴗鳥家を出る時もそうだったけど、光ちゃんって色々『勘違い』してる子だったなぁ。
『無知な子供』のクセに『私はなんでも知ってます』という『根拠のない万能感』を持っていて、その『根拠のない万能感』を『根拠』に他人を見ている、みたいな。

そんな光ちゃん最大の『勘違い』がいのり。
いのりの涙で、光はようやく自分の『勘違い』に気づいた。

逆に言うと、いのりの敗退がなければ、光ってその『勘違い』に気づけぬまま、『ナメたスケート』続けてた可能性もあった……???
果たして、そのスケートの先に『幸せ』はあったんだろうか。夜鷹は『自分が教えるスケートはキミを幸せにしない』と言っていたからなぁ。(つまり夜鷹は『幸せじゃなかった』ということに……?)

メダリスト score51 全日本ジュニア女子FS前編[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score51 全日本ジュニア女子FS前編[つるまいかだ / 講談社]

でも、『箱庭から出て行く』ということは、『夜鷹と違う道』に行くということで、自分の力で『幸せを掴む可能性』を手に入れたということになる。
そう考えると、いのりちゃんは光ちゃんを箱庭から連れ出した王子さまだったんだな……

光のナメたスケート

光って、自分が滑った後の人がボロボロになっちゃうもんだから、遠慮? というか、『本来の力』を出せなかったんかね? なんか自分が『悪いこと』してるみたいで。
一見、『やさしい』んだけど、悪い言い方すると『弱いヤツらのために手加減してやってる』とも言う。

現に光は『ミスが出来ない夜鷹のレッスンより大会のほうが楽』なんてことを言っていた。
そして普段の練習も、みんなと同じ練習量で今のレベルまで育ったんじゃ『みんながかわいそう』だから、必要ないのに多めに練習した。その結果、腰を痛めた。

そら本気でスケートやってるいるかパイセンも『スケート舐めてるって気づけ』と言いたくもなるかな。姐さんは『環境のアドバンテージに気づかずにすべて自分の実力だと思ってるやつ』『逆境を味わうことなくその苦しみを知ったかぶるやつ』にムカつく人だからな……

メダリスト score40 恩師[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score40 恩師[つるまいかだ / 講談社]

たしかに光が入った後、次々辞めてく生徒続出したら、なんか『悪いこと』した気分になるのはわかるけど、そういう子は遅かれ早かれ辞めてたと思うんだよなぁ。
むしろ光のおかげで、『次の目標探す時間が増えた』とも言える。

そして『本気で』スケートやってた夕凪ちゃんは、光ちゃんが現れたおかげでますます強くなったわけで。
だけど光は『夕凪ちゃんには目の上のたんこぶ思われてんやろーなぁ』と思ってたんじゃね? だからお別れの時の夕凪ちゃんの言葉に驚いたわけで。

手加減されるいのり

一方、いのりは『できない自分のために周囲が手加減してやってる』って子だった。
学校で『どうせ出来ないでしょ』ってハブられてたけど、原作じゃ迷惑そうにハブられてたのに対し、アニメ版じゃクラスメイトの声が明るくて、まさに『親切心』で『やってあげてる』感になってたの、逆に残酷だね……! どっちも『ハブってる』事実は変わらないのに言い方ひとつでこの違い!
前者はクラスメイトが『ひでーヤツ(いのりが被害者)』に見えるけど、後者は『出来ないいのりが悪い(代わりにやってあげるクラスメイト、いい子!)』感が強い……!

でもクラスメイトの気持ちもわかるよなぁ……『出来ない一人』のために自分達が我慢しなきゃいけないの、釈然としないじゃん。いのりもそれを理解してるから、肩身狭くて縮こまってた。
一方、光は『出来ない大勢』のために、自分が遠慮してた。
相手が『出来る大勢』か『出来ない大勢』かの違いがあるだけで、自分を抑え込んでるって点では、光といのりは似ている。
だけど『高いところから見下ろしている』か『低いところから見上げている』かという点では真逆。

足りなかったもの

光がスケートを始めたのは、『夜鷹純になるため』だった。
そりゃあ『夜鷹純』なら、子供相手に全力勝負しないよな……だから光は大会でミスしないんだよ。『挑戦をしなかった』から。

いのりは最初っからスケートが大好きで、『世界でいちばんスケートが上手な人になりたい』から努力して、勝つために全力で『困難な挑戦』を続けていたのに、光は挑戦どころか『手加減してあげてた』とか、いのりや他の選手に対してひどくない?

だけど本当は、『夜鷹純』の影に隠れてただけの臆病者だった。
いのりの涙で、光はようやく自分の『勘違い』と『ナメたスケート』に気づき、それまでのブレーキがぶっ壊れた。つか、自ら壊した。

メダリスト score50 本気の証明[つるまいかだ / 講談社]

メダリスト score50 本気の証明[つるまいかだ / 講談社]

ヒロインの涙に覚醒し『いのりちゃんのために滑る』とか、それもう恋じゃん。
ああ、だからライバル(司)に、あんな敵意むき出しのおツラを。(一周回ってむしろ特別扱いされる司)

光って、割と『大人の言うとおり』にする子だったからなぁ。一応、『構成変更したい』って意思表示はするけど、夜鷹の許可は取ってからやってたし。そして夜鷹の指示にも従う。それは『挑戦』ではない。『言われたこと』をやっただけ。
だけど初めて、夜鷹の指示も許可も取らずに『挑戦』したわけで。(慎一郎なら純くんの許可を取ったかもしれんけど、ライリーはぴかるんの意志を尊重した。移籍先がライリーんトコだったのってその辺も込み……?)

自分のスケートに対する『本気の証明』を示すべく、自分が跳びたかったジャンプをバンバン跳んで、持てる全ての力を出し切り、いのりと、ついでに世界に『最強の私』を初めてお披露目した。
……これってヘタすりゃ『こんなヤツに勝てるわけねー』って絶望して、むしろ辞めちゃう恐れもあるのに、逆に闘志に火がつくとか、いのりさん、さすガッス……(やっぱ戦闘民族)
かつて光は『いのりちゃんにはあと何が足りないんだろ』なんて考えてたけど、『足りなかった』のはぴかるんだったな……

光と狼嵜家

13巻のプロフィールで、光と狼嵜家の関係がちょっとわかりましたね。光本人は息苦しさを感じつつも『ここが自分ち』という自覚があり、ご当主さんもマトモそうでよかった……まあ、『育児鴗鳥家にぶん投げ』という事実は変わらんけど……

何しろ、幼少期から髪ぼっさぼっさ、擦り傷だらけだったしな……『大人は何しとんねん!(クソな家では!?)』と思ってたけど、これは……ぴかるんがじっと出来ないお子ちゃまなもんだから、おぐしを整えることも出来ず、手当をした側から擦り傷作ってたってこと……???
なのにぴらぴらの服着てるとか、いくら本人の好みとはいえ、危ねぇと思うんだけどなぁ。引っかけたり破れたり……(姫系なのに中身野獣というギャップ)

そう考えると、小さい頃から母ちゃんに髪切らせてあげてたいのりは、まだ『扱いやすい子』だったんでは……
いのりの母ちゃんなら、無理矢理にでも髪切ったりしばってあげたり、服も『ダーメ! 引っかけたり踏んづけたりあぶないでしょ!』って、動きやすいの着せてあげたと思う。だけどぴかるんのとこは、『本人の自主性』を尊重したってこと?
でも言い方変えるとただの『放任主義』だよね……よく大怪我しなかったもんだよ。

失って気づく光

光は『家族の愛』ってのを知らないもんだから、鴗鳥家を出るまで、『自分は愛されている』って確信を持てずにいたようで。
そういう意味では、光は一度手放したの正解だったと思う。『失わなきゃ気づけない子』だから。

『手放した』ことで、逆に鴗鳥家やクラブメイト達からの愛を『手に入れる』ことが出来た。
いのりが敗退によって光から一度『遠ざかった』ことで、純粋に『いのりそのもの』が好きだと気づけた。
それらの『勘違い』や『間違い』を受け入れたことで、スケートに対する『本気の証明』を世界に示すことが出来た。

光ちゃん、何も『犠牲』にしてないよね?

本人は『それまでの環境を犠牲にした』つもりかもしれないけど、『たくさん手に入れた』じゃん。『もう来んな』って絶縁されたわけでもあるまいし。

それらが本物の『犠牲』になるのは『後悔』した時。
それをよく知ってて、だから光の『犠牲論』を叱ったのが司なんだけど、お子ちゃまのぴかるんにはまだわかんないかなぁ……

んー、『『犠牲』が生まれるのは後悔した時である』という理屈で行くと、夜鷹には、なにか『後悔』があったってことなんだろうか……?
スケート靴置いてったの、一度スケートを手放すことで、何が自分の大切なものなのか、見つめ直す時間が欲しくなったのか???
司や光はあなたのスケートに惚れてこの世界に飛び込んだんだから、あなたのスケートは『犠牲』じゃなく『宝物』じゃなきゃアカンよじゅんじゅん。

最初から知ってるいのり

いのりの場合は、手放さなくても『家族に愛されている』という『確信』が最初からあった。コンプレックスになるくらいに。
朱蒴は『本気度を証明するためにも東京おいでよ☆』みたいな勧誘してたけど、その『証明』って『誰に』対しての証明?

いのりは『最初っからずっと本気でやってた』し、その気持ちは司先生の協力の元、すでにお母さんに『証明』していた。いのりにとって『本気の証明』は、『いのりの人生の責任背負っている人(家族)』に届いていればそれで十分。
とっくに『証明』されているものを、『無責任な他人』のために何かを捨ててまで『証明』したところで、『空回りの犠牲』にしかならない。

メダリスト score45 善意の策動[つるまいかだ / 講談社]

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むしろいのりは、家族から離れたほうが危なかったんじゃあ?
なにしろいのりは、基本的に『いい子』だから。
『受けた愛』に対し、さらに大きな『愛』で返そうとがんばっちゃう子。

『スケートのために子供が親元から離れる』ってことは、『親は子供と過ごす時間をスケートに奪われる(親を犠牲にする)』ことでもある。

それでいい結果が出たんならいいけど、悪い結果ばかりが出たら目も当てられない。そうなった場合、『後悔』するのは自分じゃない。『送り出した親御さん』が『後悔』することになる。
『いい子』であればあるほど、『結果を出せなかった自分』や『親を粗末にしたこと』に苦しみ、『自分を責める』ことになる。

もしいのりが東京に行ってたら、ジュニアグランプリの敗退によるダメージ、恐らく今よりもっとデカいものになっただろーなぁ……『ここまでしたのに結果出せなかった』なんて、全方面に申し訳なくなって、消えたくなるかも……

ただでさえ、私生活でも中学生になって環境が変わり、スケートもノービスからジュニアに、海外遠征と、覚えること・やることが多すぎてパンク気味なのに、そこでまた転校やら家族不在の環境に身を投じるなんてことになったら、元々『スケート以外のこと』に不得意が多いいのりさんは倒れちゃうよ……中学生なんて『親にうんと甘えられる最後のチャンス』じゃん!

女狐先生の勧誘をきっちりお断りした司先生、いのりさんのことよくわかってらっしゃるわ。
ライリーは『嘘が上手』な人のようだけど、スケートや『教え子達は私が守る!』という気持ちには『嘘』のない人のようだから、そら司のことが気に入るわけだ。


それでは今回はこの辺で。
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次回は司。

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