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【鬼滅の刃】産屋敷と無惨、同じで真逆なふたり後編 鬼舞辻無惨の身勝手の代償【考察】

鬼滅の刃 アイキャッチ

『鬼滅の刃』気まぐれ考察。正反対なようで同類の、お館様こと産屋敷耀哉と鬼舞辻無惨をテーマに考察します。
前回は産屋敷家メインでしたが、後編の今回は、鬼のボス・鬼舞辻無惨メインです。

↓前編はコチラ

【鬼滅の刃】産屋敷と無惨、同じで真逆なふたり前編 産屋敷家の責任の果たし方【考察】

  • 『劇場版「鬼滅の刃」第一章 猗窩座再来』までのネタバレ含みます
  • 原作漫画は最終回まで読破済みですが、劇場版の二章以降のネタバレはしていないのでアニメ勢も安心です
  • 個人の感想です。需要と供給のバランスなんぞ知ったこっちゃありません

欲望に忠実な無惨

(一応)責任果たしたお館様に対し、とことん自己中なのが無惨。自分の欲望だけで生きていて、同じ鬼でも気に入らなければ容赦なくコロコロするし、通りすがりに人を鬼にしたりする。
散々身勝手してきた結果、『代償』を支払う時が来た。それが無限城編。

産屋敷家は『一族から鬼を出したこと』の責任を取るために鬼殺隊を作ったわけだけど、そもそも鬼として人を●しまくって追われる身になったのは『無惨の責任』だよ……
なにしろ無惨って、人間時代から、悪いことは『人のせい』にするヤツだったもんなぁ。無惨が日光を浴びれないのは、治る前に医者をコロコロした『代償』じゃん……

まあ、仮に医者をコロコロせぬまま薬が完成して、日光平気な健康体になれたらなれたで、『これまで苦しんだ分、この程度のことは許されるべきだ!』って好き勝手やりそうな気もするけど……で、その『責任』は治した医者に取らせ、『代償』は一族に支払ってもらうんでしょ? しってる。

つまり無惨の『身勝手の代償』を代わりに支払ってきたのが産屋敷一族。だけど『肩代わりしてもらった=チャラになった』わけではなく、無惨への『ツケ』となって負債が溜まりに溜まってただけ。しかも平安時代から。
そんな立て替え人(産屋敷)の前に手ぶらでわざわざお出ましするという舐めプすんだもんな。そりゃーお館様、一族を代表してボンバーしたくもなるわ……

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

鬼に対してもそうだよね。自分で鬼にしたくせに、期待通りの仕事じゃ『出来て当たり前』ってブチギレて、期待はずれだと容赦なく●すし。

無惨とお館様、やり方の違い

お館様は『お金』や『肯定の言葉』を与えることで、相手の勇気とやる気を引き出すけど、無惨は『やらなきゃお前の命を奪うぞ』と相手を脅し、追い詰める。

ぶっちゃけ、無惨のほうが強制力は強いんだよね。無惨の場合は、『血の縛り』があるじゃん。
鬼的には『自分の命』が人質に取られてるんだもんな……考えてること筒抜けだし、逃げたところでどこにいるかもバレちゃう。珠代さんや禰豆子みたいに『縛り』が解除出来たのがレアケースなだけで。
なのに無惨は、自分の機嫌ひとつで、力を与えることも●すことも出来る。
鬼たちの『生殺与奪の権』は、常に無残が握っている。

だけどお館様には、そこまでの『強制力』はない。『引退します』と言われて一番困るのはお館様なのに、しかし彼には『引き留める』ことが出来ない。その『力』が彼にはないから。
だけど引退後も、宇随さんや煉獄パパは、声をかければ柱稽古や輝利哉くんの護衛をやってくれる。
無残は裏切られたり逃げられたらそこで終了だけど、お館様は『去ることを許した』からこそ、別の形で協力を得られている。
それこそ、『想いの力』だけで繋がっている。

お館様の無力

隊士達を鬼殺隊につなぎ止めるには、お金はもちろんだけど、相手に『この人に協力したい』という『強い気持ち』がなきゃいけない。なにしろ『命がけ』だから。

そのためには、お館様は、『自分から隊士を裏切る』なんてことは絶対出来ないし、しちゃいけない。
『信頼』がなにより重要だから、炭治郎や義勇達の嘆願を受け入れて、禰豆子を生かしたりもした。
『引退します』と言われたら、その気持ちを汲んで引退を許したりもする。逃げられたら、もうそこで縁が切れるから。

むしろこれ、お館様側のほうが『生殺与奪の権』を鬼殺隊に握られているよね?

無惨を倒すには絶対に鬼殺隊が必要なのに、お館様が無惨みたいにパワハラで支配しようとして柱に見限られたら、あっちゅーまに崩壊だもんな……本人には『戦う力』がないから。
だから『信頼』がなきゃ絶対に続かない。

お館様のリスク

鬼殺隊存続には『信頼』が必要不可欠だけど、ところが、そういった『信頼』が通じない人には、あっさり裏切られるリスクもある。

現に獪岳は、『死の恐怖』の前では『お金』も『信頼』も無価値だったんで鬼殺隊を裏切った。
『自分の命より大事なもの』や『命を賭けてでも貫きたい信念』がない人に、それに釣り合う『対価』を、お館様は逆立ちしても支払えないから。

結局、獪岳タイプの人相手には、お館様って『無力』なんだよね。
むしろ『お金だけ』で命賭けてくれるどっかのパイセンのほうがありがてぇんじゃないかな……まあ、弱いんじゃ意味ないけど。(辛辣)

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

だけど、獪岳が鬼になった『責任』は、お館様には向かわない。
なぜなら、獪岳が鬼殺隊に入ったのも裏切ったのも、あくまで本人の『自由意志』であり『本人の責任』。そして、彼の本質を見抜けず隊士として送り出した桑島師匠の『責任』。
なので獪岳の『身勝手の代償』は桑島師匠が腹切って肩代わりし、その『ツケ(責任)』は弟弟子の善逸が取り立てた。(かつてじいちゃんに借金の肩代わりしてもらった善逸が、取り立てる側になるという皮肉)

それにしても『身内が鬼になったら腹掻っ捌いて詫びる』って伝統(?)って、お館様発祥なの?
ぶっちゃけ、戦力減るだけでいいことないと思うし、むしろ止めなきゃいけない側だと思うんだけど。隊士側で作った伝統なんだろうか……???
もし隊士側で勝手に作ったんだとしたら、割と『自由』にやらせてるよね。
逆に言うと『止めること』も出来ないから、『無力』でもある。

無惨の強制力

『信頼』という見えないものでしか繋がれないのがお館様で、『血』という物理的なものでしか繋がれないのが無残。

お館様は『信頼』を粗末にする『心弱きもの』には裏切られるけど、無惨は『血』による『縛りプレイ』を解除出来た者には速攻で裏切られる。
現に、珠代さんは無惨の縛りプレイが解除された途端逃げたし。そして無惨への『恐怖』よりも『怒り』が強かったんで、『強大な敵』となって現れた。

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

猗窩座も、自分を追い詰めるだけの無惨よりも、受け止めてくれる恋雪ちゃんへの想いのほうが強かったんで、再生を拒んで『一番嫌いなヤツ(鬼に逃げた弱い自分)』をぶん殴って死を選んだ。

結果として、無惨は自分の『身勝手の代償』として手下に裏切られ、敵を増やしたり敵の戦力を減らし損ねたりしてしまった。
まあ、裏切られた無惨的には、

無惨「あいつ(産屋敷)は金銭や言葉だけで、私は文字通り身を削って(血を)与えているのに解せぬ」

なんだろうなぁ……いや、与えるのは『相手が求めているもの』であることが重要なんスよ……(白目)

ぶっちゃけ、裏切られた時の『損害度』は無残のほうがデカいかも。鬼殺隊を裏切るのは『甘ったれ』だけど、無惨は『いなくなると困る強い鬼』だもん……

キミのためならしねる(か?)

お館様が語った『想いは永遠』ってのは、つまり『責任』のことだと思う。
本人が短命でも、想いを繋ぐ『責任』を果たしてくれる人がいる限り、続いていく。
だけど、ただの『身勝手』でしかない無残にはそれがない。血の縛りが切れたらそれまでだし、自分が死ねば全部おしまい。

お館様は産屋敷家の『自由』を取り戻すために、隊士達の『自由』を奪うことはしなかった。だから慕われた。
だけど無惨は、『自分だけが自由』であるために、他人の自由も鬼の自由も奪いまくった。だから恨まれ、裏切られもした。

柱達はお館様のために『死に物狂い』になって戦い、そんな柱達を見て他の隊士も『死に物狂い』で戦ってくれるけど、『無惨のために死に物狂いになってくれる鬼』なんていないんだよなぁ。だって鬼だし。

無惨の『自由』はただの身勝手。だから最終的に、『死に物狂い』になるのは無惨だけになる。下弦は鬼殺隊から逃げるし、猗窩座は自滅するし、童魔は鬼生エンジョイするだけだし。

結局、「お前は私のために死ねるか?」と無惨に問われて、裏返った声で「ハイ、死ねまーす!」と不本意なこと言って本当に死ぬことで戦力ダウンと鬼殺隊のレベルアップに貢献するのが無惨様サイド。(負けとるやん)

「お前は産屋敷が死ねと言ったら死ねるのか?」と鬼に問われたら「お館様がンなこと言うわけねぇだろがあぁぁぁぁぁぁ!」とブチギレて、お館様の名誉のために鬼を狩るのが鬼殺隊サイド。

無惨がどんなに『強い鬼』を増やしたところで、皮肉なことに、それが『鬼』である限り、最後まで『無惨のため』に生きて戦ってくれる子なんていないの、最高に無惨してる……


それでは今回はこの辺で。
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【鬼滅の刃】産屋敷と無惨、同じで真逆なふたり前編 産屋敷家の責任の果たし方【考察】

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