アニメ進撃の巨人 The Final Season 77話『騙し討ち』感想と考察 嘘つきだらけの大人達と最高に自由なファルコとガビ【ファイナルシーズン】
アニメ進撃の巨人 The Final Season 77話『騙し討ち』感想と考察。今回はあっちこっち嘘つきと宗教家しかおらん……!
原作漫画の大きなネタバレは注意書きしてますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします。
なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。
広がる『トモダチ教』の輪
話について行けないブラウスさんと空気を読むニコロ。このアウェー感、そりゃ帰りたい。
アルミン教祖、ジャンとコニーのトモダチ教勧誘に成功。この2人も結局『過去のきれいなエレン』に走ってしまった……!
お前らもうちょっとがんばれ!
詳しくは前回
アニメ進撃の巨人 The Final Season 76話『断罪』感想と考察 信じる者は救われる?激おコニーとトモダチ教のアルミン【ファイナルシーズン】
ジャンがエレンのことを『かっこいいと思った』っていうの、本音だろうけど、悲しいけどそれ『過去のエレン』なのよね……そしてジャンがなりたかったのも『過去のエレン』。
『昔のエレン』は、たしかに『みんなを地獄に導くクソ野郎』ではあったけど、その『地獄』の先に『希望』もあったんよ……だから調査兵団は死に物狂いでエレンを守ったわけでして。
ところが『今のエレン』は、みんなを地獄に導いた結果、その先にあったのは『サシャの死』だったり『ミカサの涙』だったわけだけど、希望、見えますかね?
どうやら『エレン教』のフロックには見えてるようだけど、フロックが見てる『希望』を、あなた達も『希望として見れる人達』であるなら、そもそもこんな牢屋に閉じ込められてるわけがなくてだな……
エレン、お前もさぁ……自覚、あるんだよね? 自分がこれからやるのは『仲間は決して喜ばないこと』だって……だから黙ってるんだよね? だから閉じ込めたんだよね?
『オレがやろうとしてることは仲間達が喜ぶこと!』と思ってるんなら、フロックよりもアルミン達を『エレン教』に勧誘しますもんね……?
『他人』に希望を求めたジャンとコニー
そしてそんな疑惑だらけで動けなくなってるジャン達の所に、アルミンの『トモダチ教』爆誕。(『エレン教』ではなく『トモダチ教』なのがポイント)
人って、『希望』がなきゃ動けないんですよね。ましてや命に関わることだとなおさら。
『エレン教』に『希望』が見えず、疑心暗鬼になって『誰かどうにかしてよー!』というところに、アルミンの『トモダチ教の教え』がスッと入り込んじゃった感じかなこれは……
かと言って、ここで『いや、でも……』と抵抗しても、『どっちみちエレンは助けなきゃいけない状況』なのが辛い。となると、無理やりにでも『助ける理由』をつけて助けに行くしかないよなぁ……
ただ、同じ『助ける』でも、『自分にとって好都合なほう』をみんな選んじゃった。それって自分に嘘ついてるよね。
『他人に希望を求めた』結果、この先起こることの回避失敗が決定し、ジャンとコニーの罪も『確定』してしまった……
しかしまあ、最終回まで読み終わった後だから色々言えるけど、リアタイで原作読んでた頃は、自分も『トモダチ教』だったよなぁ。いやだって主人公がそんな……って思うジャン……(『トモダチ教』というより『主人公教』だった)
私もこの頃は『なにか本人にはどうにも出来ない理由があるんだろう』って、こんな顔↓でエレンを見てたんだよなぁ。
↓なお、最終回以降のエレンを見る時の顔。
エレン「完全に鬼化してる!?」
シラフのミカサ
『何かに酔っ払ってねぇとやってらんねぇ』のでトモダチ教に走っちゃったアルミン達と違って、ミカサだけは、エレン教でもトモダチ教でもなくシラフな感じですね。酔っ払いたくても酔えなくなってる?
さて、一番『今のエレン』に怒ってたはずのコニーまでもが『トモダチ教』に走ってしまった結果、一周回って『今のエレン』を冷静に見れるようになったのがミカサ。
さっきも言ったけど、アルミン達とエレンの志が同じであれば、協力して一緒にやればいいんですよ。つまり突き放す理由は『アルミン達が絶対賛同しないこと』である可能性しかないよね……
アルミンがミカサに言われるまで思いつかなかったのは、そんだけ『トモダチ教』にのめり込んでいたからか……心当たりがあっても、結局引っ込めちゃうし。
そして『嘘をもっともらしくするためついた嘘』というのが、地味にアルミンやジャン達にも返ってきている。
『エレンをかっこいいと思った』『死んで欲しくない』は間違いなくみんなの本心だと思う。
でもそれって、ピクシス司令の言った『上手い嘘のつき方』だと思うのよ……
『エレンに死んで欲しくない』という『本当のこと』を混ぜることで、『エレンと僕達の想いは同じだ! そうに決まってる!』という『自分への嘘』をごまかしちゃった。
人に嘘つくのは下手くそなくせに、自分で自分をだますのはなんでこう上手なのよこの子ら……
ミカサ教のルイーゼ
ルイーゼは『エレン教』というより『ミカサ教』。(あっちこっちで宗教乱立)
たしかに『エレンを助けるために戦う』という『目的』は同じではあるかもしれないけど『違うそうじゃない』感がすごい。
いやだから、『志が同じ』であるなら『牢屋に閉じ込める必要』がなくてだな……(勝手に『理解してくれた』と思ってそう……)
たしかにルイーゼは、ミカサを『立派な兵士』と思ったからあこがれたんだろうと思う。実際、あの時の敬礼するミカサは『人類に心臓を捧げる立派な兵士』っぽく見えたし。
でもぶっちゃけあのときのミカサの本音は『とっととここを片付けてエレンのとこに行きたい』だったと思うよ。だから避難が進んでないことにいらだってたわけで。
つまり『人類に心臓を捧げた兵士としてルイーゼ達を助けた』というより『一刻も早くエレンの元へ行きたい』という『個人の感情』で動いてただけ。
でも、そんなの知ったこっちゃないルイーゼは、自分が『こう』だと思ったミカサを『神様』としてあがめてしまい、『自分もそうなろう』と目指しちゃった。それって、エレンを都合良く解釈したミカサそっくり。
エレンって『誘拐犯●しに来たヤベーヤツ』なのに、『マフラーを巻いてくれた(ルイーゼで言うところの『敬礼』)』という『優しい行動』のせいで、ミカサはそれまでのエレンの行動全部『優しさからの行動』と上書きしちゃったんだよなぁ……『優しい人』は、犯人●す前提で登場しませんよ……
そしてミカサは、レベリオ襲撃で無関係な人まで●した『都合の悪いエレン』のことは『ジークに操られている』と人のせいにした。まるで『自分の理想の神様じゃなかった』とショックを受けるのがイヤで、『神様が私に合わせろ』と言ってるみたい。
ある意味ミカサも『エレン教』だったよね……フロックやルイーゼ達とは『宗派』が違うだけで。
でもここにきてようやく、その『教義』に疑念を抱いて、自分を見つめなおすためにマフラー置いてくことにした。
めっちゃ丁寧に畳んでるの、ホント大事にしてるよね……
でもエレンが危ないことしようとしたら止めたり叱ったり、決して『いいなり』でもなかったはずなんだけどね。『自分の心』に従ってただけで。
でもってその頃のエレンも、ミカサや仲間に助けられてばかりの自分を恥じ、みんなを守れるようがんばろうとしてたはずなのに、どうしてこうなった。
あとはお兄ちゃんに任せろ
ついに現れた土偶の子、もとい、驚異の子。
一見カッコいい登場だけど、お兄ちゃん今、きっと他人のぱんつ履いてる。(むしろズボンの下はノーパンの可能性すらある)
どんなにかっこよく登場しても、このときのお兄ちゃんはきっとノーパンでヒゲで土偶。
イェレナちゃんに神様みたいにあがめられようとノーパンヒゲ土偶。
ノーパンヒゲ土偶「新しい妖怪みたいに言うな!」
さて、ジークお兄ちゃん登場でテンションアゲアゲなイェレナちゃん。こっちもこっちで狂信者として出来上がっちゃってる……
超気持ちよさそう……!(自分がやってるわけでもないのに)
ところでここ、シガンシナだよね? 4年前といい、またしても火の海になってますけど。(パラディ島でもっとも住みたくない区域ランキングぶっちぎりの1位)
むしろ4年前よりひどい。
エレン、あなた昔、故郷を蹂躙されて怒ってたと思うんだけど、今回はなんとも思わないのかな? ねぇエレン?(むしろ自分で火の海にしとる)
狂信者ってこういうポーズ好きだよね。(偏見)
『正直』な『嘘つき者』のアルミン
それにしてもアルミン、歴戦の勇者として自信がついたのか、気がつくと仲間達に指示出したりするポジションになってるの、なんだかんだでリーダーの資質持ってるよね。
『リヴァイ兵長がやられた』と聞いて仲間達が動揺してる中で、真っ先に次の行動に移れるのはリーダーだよ。
とはいえ。嘘がヘタだね……!
『残念だけど仕方ない(=兵長はジークに敗北した)』とあきらめるのではなく『簡単にやられる人達じゃない(=髭はなんらかの方法で兵長から逃げてきただけ)』と仲間を勇気づけることを言うのがアルミンなのよね。
イェレナの手前、『僕らはあんたらの仲間ですよ』の姿勢見せにゃしゃーないとはいえ、根が『正直者』なもんだから、嘘吐いたり、思ってもないこと言ってる時のこの違和感。そういやシガンシナ決戦の時も、嘘吐いてんのエレンにすらバレバレだったもんな……
ハンジさんといい、こういった『腹の探り合い』的な駆け引き、やっぱエルヴィンには勝てないよね……(エレンもそういうのは不得意なはずなんだけど、『とにかく黙る』『とにかく怒る』でごまかしてんじゃないかな……)
ハンジさんにはリヴァイがいるけど、アルミンの不得意のフォローはジャンにがんばって欲しいところ。
そしてイェレナちゃん、伝説の顔芸。
かーらーのー、
(・∀・)ニコッ!(※同一人物)
こないだの設定画展、イェレナ百面相の設定画が一番見たかったかもしれん……
ミカサちゃんが思わずブレードに手をかける程度にはドン引きしてる。
イェレナちゃんもイェレナちゃんで、『バレッバレな嘘』ついてるアルミンに、『バレッバレな嘘』で釘刺してますねこれは……まるで『嘘のお手本』見せてくれてるみたい……
やっぱこういう騙し合いは、イェレナに軍配が上がる。
『立場』を重んじるローグさんと『立場』を省みないナイルさん
あっちこっち嘘つきだらけな今回、癒やしはファルコ達。
ファルコを助けるそれっぽい理由を色々言っときながら、シンプルに『ファルコが心配』と言えないツンデレガビ。あなたも嘘がヘタだね……!
理解し合うファルコとナイルさん。ナイルさん、4年前の時点で3人目が生まれてるから、上の子はちょうどファルコくらいなんやろなぁ……
『逃げ場がない』と根性なしなこと言ってる人達の中で、『何言ってんだ戦え!』と激飛ばすの、ローグさんもなんだかんだで兵士としてのプライドがあるんだなぁ……外が戦闘になってると気づいて『出さんかい!』って一番怒ってたし。(中でおとなしくしてたほうがむしろ安全なのに)
ローグさんって『態度』が悪いだけで、言ってることは『ごもっとも』なんですよ……女王様への愚痴といい、マーレ人捕虜への態度といい、そして逃げ腰な仲間に『戦え!』と怒ってるのといい、良くも悪くも『立場』を重んじる人なのかもね。
『立場』を重んじるローグさんとは対照的に、立場関係なしに、こっそりファルコを逃がすのがナイルさん。
そりゃあ『もうじき自分が化け物になるかもしれない』と覚悟しているから、最後くらい『自分の心に正直でいたい』と思ったのかもしれないけど。
仮にそうじゃなかったとしても、ナイルさんは自分の良心に従ってファルコを助けたんだろうなぁと思う。自分の心に従って、戦い抜いた友達がいたもんな……
大きく分かれるふたつの嘘
嘘って大きく二種類あるんだと思う。
『自分の欲望』のために他人を陥れたり犠牲になってもらうためにつく強欲な嘘。
『本当の自分』を隠すためにつく見栄っ張りな嘘。
『我が身かわいさ』に、他のなにかのせいにする自己保身の嘘。
これらは『悪い嘘』。
『誰か』を守るため、自分には得どころか損するかもしれないのにつく嘘。
相手を傷つけたくない、がっかりさせたくないがためにつく嘘。
シンプルに『人助け』したいんだけど『いい人』『好きなの?』と思われるのが恥ずかしくてつく嘘。これはただのツンデレ。
そういった『自分の良心』から発生したものは『やさしい嘘』。
イェレナやジークがついたのは間違いなく『悪い嘘』。
『安楽死計画』という『自分の欲望』を叶えるために他人を利用し、犠牲になってもらうためについた嘘。
マーレがガビ達、子供についていたのも『悪い嘘』。
『自分達の都合のいい子』になってもらうため、子供達の良心や素直さを悪用するために利用しただけ。
タイバーさんは『自分の欲望』と『自己保身』が混じってる。
一見『マーレや世界を救うために我が身を捧げた立派な人』に見えるし本人もそのつもりなんだろうけど、結局は『マーレとタイバー家が助かりたい』という『自分らの欲望』と『自己保身』のために、『悪魔の島』という名の『同胞』を世界に売っただけ。
一方、ナイルさんがついたのは『無償の愛』で行った『やさしい嘘』。
たしかに仲間達には嘘をついたけど、『自分の良心』には嘘をつかなかった。一周回ってむしろ正直者。
カヤも『やさしい嘘』でガビ達を守った。まあ、『知ってることを黙ってた』だけで、『嘘ついてた』ってわけでもないけど。
『やさしい嘘』でガビを守ったぶん、『お姉ちゃん●した犯人』と知った時はすげぇ裏切られた気分になって、殺意倍増したんだろうなぁ……
で、トモダチ教に走ってしまったアルミンはどうかというと、今のエレンの行動を『やさしい嘘からの行動だ』と『思い込むことにした』のよね……
アルミンも、無意識下では『エレンへの疑念』があるはずなんですよ。それが違和感となって態度に出ている。
『エレンを信じましょう』と言ってる時のアルミン、やたらオーバーリアクションなのよね……
しかし『自分の本心(エレンを信じるのはヤバい)』に逆らって、『そんなことない。エレンは味方だ!』と、一番信じなくてはいけない『自分自身』に『嘘』をついた。
昔のクリスタがそうだったけど、『自分自身に嘘をつく』ってことは、『全方面に嘘をつかなきゃいけない』ってことになるんだなぁ……結果、ジャンやコニーまでもが『トモダチ教』に走ってしまった。これは『悪い嘘』や……
カゴの中の子供たち
あの設定画の謎の病み感あふれる鳥かごだらけの部屋、このシーンか! 何屋さんやねん!
小鳥屋さん……? 連れて行けずに逃がしたん?
逃げ込んだ先がこんなんだったらちょっとビビるわ……まさに『不自由の象徴』の部屋というか……
設定画展レポはこちら
TVアニメ進撃の巨人The Final Season Part2 放送開始記念ウォールアート見てきました【大阪駅桜橋アベニュー】
『森の外』に出たガビと『森の中』に引きこもったカヤ
ナイルさんに連れられたファルコ、ちょっと前のガビならナイルさんに発砲してたんだろうなぁ……(そして発砲音で敵が集まってみんなピンチになるまでがお約束)
島の悪魔を信じたことに、一番戸惑ってるのがガビ本人。
そしてトドメの通りすがりのブラウスさん一家。嘘つく必要のない場所で自分らの心配してくれてるんだから、そりゃ『悪魔なんかいなかった』と、認めざるを得ないよね……
ガビ的には、無事な姿を見せて泣いて謝りたいところだろうけど、しかし『大人心』のわからないカヤちゃんによって阻止されるこのスピード感。
このカヤは、まさに『ちょっと前までのガビ』ですよね。
『ガビにだまされた』と思ってる今のカヤは、『お姉ちゃんを●したヤツは悪いヤツでなければいけない』『お姉ちゃんを●したヤツは憎まなければいけない』になってるんじゃない?
だからガビを心配するブラウス夫妻を理解することを拒み、自ら『森の中』に閉じこもっちゃった。
ガビもまた、大人達の『悪い嘘』にだまされて、『島にいるのは悪い悪魔でなければいけない』『島の悪魔が見せるやさしさは嘘でなくてはいけない』って、『他者の理解』を拒み、『森の中』に閉じこもってたんですよ。
つまりガビが怖がってたのは『島の悪魔』ではなく『自分の世界の外側の世界』と言える。
そんなガビが、『悪魔なんていなかった(怖がる必要はなかった)』と、ついに『外の世界』に自ら出てきたのがこのシーン。
そのシーンを『鳥かごだらけの部屋』にしたっての、すげぇ演出や……
最高に不自由で最高に自由なファルコ
ファルコがついていたのは『自己保身の嘘』ですね。そりゃー怖くて言えないよ……
分類すると『悪い嘘』なんだけど、でもファルコが、本当に『我が身可愛さに自己保身に走る子』なら『全部エレンのせい』にするはずなのよね……
ところがこの子は、『人のせい』ではなく『だまされた自分のせい』にした。これは『苦しい嘘』や……
お手紙配達自体は『100パーセント善意の心』でやってたんだから、エレンにキレたっていいのにこの子は……(つД`)
その『苦しい嘘』という名のカゴの中に引きこもってたファルコも、ガビに続いて外に出てきた。
そして勢い余ってガビにも告白。
カヤに『●してやりたい(存在を否定)』と言われ、よわよわになってるところでこんなん言われたら、勇気づけられてハートわしづかみにされるわ!(タイミング、大事!)
それにしても、ファルコの身に起こってることって、だいたいが『人のせい』なんですよね。
そもそもファルコが戦士になった理由って、おじさんが復権派でとっ捕まったせい。ファルコはおろか、コルト兄ちゃんだって生まれてたかどうかって頃の出来事なのに、『マーレへの忠誠心』を示すために、生まれる前から『行かにゃしゃーない』状況。
ただでさえエルディア人は『先祖の罪』を理由に自由を奪われてるというのに、それに輪をかけて不自由だったんだけど、ファルコは誰かを恨むことなく、家族のためにがんばった。幼少から不平不満たらして人にぶつけまくってたどっかのヒモ男に、この子の爪の垢煎じて飲ませてやりたい。
しかもコルト兄ちゃんの巨人継承が決まったんだから、ファルコはもうがんばる必要は本来なかったんですよ。
それでもがんばっちゃったのは、ガビが『鎧の巨人は私が継承する!』と超がんばったから。
もしガビが巨人継承に興味がなければ、ファルコもそこまでがんばらなかっただろうと思う。まあ、そもそもガビが『そんな子』だったら好きになったかどうかも怪しいけど。
でもファルコが好きになったのは、『レベリオのみんなを救うんだ!』と、『誰か』のためにがんばるガビだった。だからファルコは、そんなガビのためにがんばった。
それでファルコがホントに巨人の継承権ゲットしちゃったら、それはきっとガビのせい。
そして飛行船に乗っちゃったのもガビのせい。
脊髄液ワインを食らっちゃったのもガビのせい。
他人がしでかしたことで生まれた時から不自由で、今も他人に自分の命運を握られた、最高に不自由な男。それがファルコ。ぶっちゃけエレンなんか足元にも及ばないくらい不自由。
ところがどっこい。そんな状況下でも誰も憎まず、決して怒らず、相も変わらず一途にガビが好きで、思いのたけをぶつけることが出来た。お前は自由だファルコ……!
そしてファルコをここまで自由にしたのが、他でもないガビなんですよね。
ファルコの行動はすべて、『自分がそうしたい』という『正直な心』に従っただけ。それは絶対ガビのせいでも誰のせいでもない。
以前はなんでもかんでも『島の悪魔のせい』にして、腕章を取られてブチギレてたはずのガビが、ついに腕章を取り上げる側に。ガビによって自由になったファルコが、今度はガビを自由にした。
やっぱさあ。カゴの中だろうと外だろうと、自由なヤツはどこにいたって自由だし、不自由なヤツはどこで何してようが不自由。
そして『自由』になるには、ファルコにとってのガビ、ガビにとってのファルコがそうだったように、『自分以外の他人』が最低でも1人は必要なわけで。
それにはまず、『他人の存在』を『肯定しなきゃいけない』よね?
いやホンマ、どっかのヒモ男にこの子らの爪の垢(以下略)。
マーレVSパラディ島、決着間近
ピークちゃんがお骨に。
ジークお兄ちゃん、一応は悲しそうな顔するんだよね……一応は。ライナー達にめっちゃつぶて食らわせてるけど。(『かわいそうだ』と思ったからといって『やらない』かどうかは別)
コルト兄ちゃん、こんなヤツに『叫ばないで』とお願いしに行くの、これもアルミン達と同じで『自分の都合のいいジーク』を信じようとしてるよね……
レベリオ襲撃で、死んでたのはファルコだったかもしれないのに、『過去のジーク』に希望を見ようとしてる。
コルトもある意味『トモダチ教』。
トモダチ教に走ったコルトとは対照的なのがマガトさん。『同じ釜の飯食ってきた仲間』を信じてるマガトさん的には、ホントはジークも信じたかっただろうなぁ……でも昔から信じきれなくて、ついにレベリオ襲撃で『疑念』が『確信』になった。
幼い頃からジークを見ていたマガトさんにしてみれば、この状況は『ジークの心』を理解出来なかった自分の責任。だからこそ、自らの手で引導を渡したかったのかも。
そしてライナーさんは今回もカッコイイ。
戦いの中の彼の言葉は、エレンへの問いかけのようでいて、ライナー自身への自問自答でもあったよね。ヒーローは苦悩するんだよ……!
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
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