アニメ『チ。-地球の運動について-』第20話 私は、地動説を愛している 感想と考察 ヨレンタとノヴァク、不幸な幸せ者と幸福な不幸者
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アニメ『チ。-地球の運動について-』の感想と考察。今回は第20話『私は、地動説を愛している』となります。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう
探求者のレヴァンドロフスキ
今回はレヴァンドロフスキくんの株が上がった。
ドゥラカを『あいつもう用済みじゃね? 処す? 処す?』なんて完全に悪役な話してんの、めっちゃ心痛めとるやん……
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アニメ チ。-地球の運動について- 第20話 私は、地動説を愛している
単純そうな見た目しといて、だいぶ思慮深かった……妹の死を受け入れるために『生まれてきた意味』を求めて戦う熱血アニキやん……!
ドゥラカにもパン半分こしたげたりさぁ! 絶対いい人だろあんた!
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アニメ チ。-地球の運動について- 第20話 私は、地動説を愛している
あなた、『食べてるところにドゥラカが通りかかった』んじゃなく、『ドゥラカが出てくるまで食べるの待ってた』ね……? いい人……!(ドゥラカへの罪悪感かもしれんけど)
ドゥラカにしてみりゃ『死を受け入れられないおじさんに売り飛ばされる』という目に遭ったばかりのところに、『死を受け入れるために戦うおじさん』登場なんだよな……
レヴァンドロフスキくん、いいヤツだから生き延びて欲しいけど、こういう人ほど誰かかばって死んじゃいそうでなんか怖いよ……
やっぱり怪しいフライ
ヨレンタがドゥラカにお手紙を託してましたが、『先人への配慮』ってことは、ポトツキさん宛て?
でも、もう亡くなってるんだよなぁ……この手紙、これからどうなるんだろ。
それにしても、ドゥラカに託した理由が『若いから』以外にもあったりすんのかね? 『あの3人の中に裏切り者がいるから託せなかった』とか。
前回から引き続き、フライが怪しすぎるんだよなぁ……
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アニメ チ。-地球の運動について- 第20話 私は、地動説を愛している
今回、シュミット氏やレヴァンドロフスキくんの過去が語られたけど、フライくんだけなかったし……『パン買いに町に出かけた』らしいし、どっかに情報流してない……?
馬車の中でも、活字を気にしてたし。『印刷するぜ!』ってタイミングで活字足りないことが判明してすぐには印刷できません! ってならない? 大丈夫?
若いってすばらしい
『若いから』という理由でヨレンタはドゥラカにお手紙を託してたけど、これもやっぱドゥラカはピンと来てないようで。
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アニメ チ。-地球の運動について- 第20話 私は、地動説を愛している
『若い』ってのはすげぇぞ。大人だと、どうしても行動に『制限』がかかっちゃう。それを『責任』という。
だけど子供って、よくも悪くも『無責任』なもんだから、大人じゃ出来ないことを『やっちゃう』んだよ。
そしてそれを、十年後、二十年後にこう言う。
黒 歴 史 と……!
若いことのすばらしさと恐ろしさって、『知らない』ということを『知らない』ってことだろうな……(白目)
純粋な善と純粋な悪
『若いこと』の真のすばらしさって、『純粋さ』にあると思う。
『純粋』にすばらしい『善』だったり、『純粋』に恐ろしい『悪』だったり。
大人になってくと、色々穢れてくるんだよ……本質的には『いい人』なのかもしれないけど、『責任』とか『立場』とかで『悪いこと』をするようになる。
シモンくんやレフくんはまさにそれだったと思う。『これが大人になるってことだ』なんて理屈つけて、本来『善』であるはずの己の心をすり減らしていった。
一方、マジで『悪意ゼロ』でやってそうなアッシュくんは『純粋な悪』かもしれん……だから『すり減る心』なんてそもそもなかった。
だけどシモンくんは、『これはおかしい!』と反旗を翻した。若くてまだ『純粋さゲージ』がゼロになっていなかったから。
しかしその『純粋さ』が、結果として彼の命を縮めた。
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アニメ チ。-地球の運動について- 第14話 今日のこの空は
シモンくんが『信仰』を捨て、アントニに命乞いしてたら、シモンくんがしたことは単なる『無責任なガキの過ち』になってたんだよね。
もちろん、シモンくんの『生きる目的』が『長生きすること』であるなら、それが『正解』だと思う。
それで『命乞い』が通ってたら、その後のシモンくんは『信仰』も『生きる目的』も持たない『幼稚な悪人』として、人を傷つけ、自己中に生きていく人生だったんじゃないかな……
だけどシモンくんの『生きる目的』は、『長生きすること』ではなく『悪を愛せ』という『神の教え』を『信じ抜くこと』だった。
彼は己の『純粋な善』を守り抜いたから、『命』は失ったかもしれないけど、『道』は失わなかった。『道』さえ残っていれば、『他の誰か』が進むかもしれない。
あの時のシモンくん、やったことは一見『幼稚』で『無責任』だったんだけど、『これまでの自分の生き方(歴史)』に対する『責任』を貫いた立派な『大人』だった。
本物の『大人』ってのは、『弱き者』を守る者だと思うんだよ。でなきゃ『自分の子供』を守れない。
ドゥラカのおじさんは、見た目はジジイだったけど、中身はガキだった。
『大人なのにガキ』って人の悪質さは、『自分の歴史』を粗末にしてるからだと思うわ。過去、人に親切にされて『うれしかった気持ち』を粗末にしてるから、『恩を仇で返す』なんてことが出来る。愛していたはずの姪っ子をだまし、売り飛ばすなんてことも出来る。
おじさんは『自分の歴史を粗末にするガキ』に成り下がった結果、ドゥラカからの信頼を失い、死の恐怖に怯えたまま、みじめに死んでった。
悲劇の再会と思いきや
ヨレンタとノヴァク、思ってたより再会早そうだなー、と思いきや。
違いの存在認識しないまま爆発霧散は予想しとらんかったわ……死体もほとんど残らんから顔もわかりゃしねぇ!
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アニメ チ。-地球の運動について- 第20話 私は、地動説を愛している
ラファウ→服毒
オクジー&バデーニ→絞首
ヨレンタ→爆死 new!
死に方がどんどん過激になってるな!
異端審問官を道連れにしないの、やっぱヨレンタだなぁ。この人達『お仕事』で来ただけだから……
『オレが正義で教会は悪!』なんてクソ野郎だったら、何人か道連れにしてたんだと思う。でもヨレンタは、そんなバカでもクソでもない。そもそも『証言』してもらわなアカンし。
それにしてもノヴァク……これは、目の前で悲惨な死に方したのがヨレンタだったと知らんまま、いもしない仇討ちに人生を捧げる修羅ルートですか……?
ヨレンタも、ノヴァクに気づかずドガン? もしくは『気づいたからこそ』あのタイミング?
そもそも『ノヴァク的には娘が死んだことになってる』ってことヨレンタは知らんからなぁ……
知らんから、
父が自分の目の前に現れた
↓
異端審問官としての責任を果たすため、娘に引導渡しに来たに違いない!
↓
父に娘●しなんてさせない!
↓
ドガン!
……ノヴァクに気づいていようがいまいが、視認される前にドガン! するしかなかった……ヨレンタ『いい子』だから……(白目)
ノヴァクが知らんまま終わったのは、ある意味幸せだったのかもしれんけどさぁ! でも一瞬、『ヨレンタが見えた』みたいな顔もしてたし……
うーむ、この先ノヴァクが『あれがヨレンタだった』と知る可能性があるとすれば、ドゥラカかな……頭巾、もらっちゃったし。
昔かぶってたのと同じ頭巾なら、ノヴァク、娘にはめっちゃ上等なの貢いでたんだな……そしてそれをずっと使い続けてたヨレンタ……
研究者のヨレンタと組織長のヨレンタ
ヨレンタは、前回ドゥラカに『信念を忘れさせるものに出会った時の感情を大事にせんと、私みたいになっちゃうよー』なんて言ってたけど、本人は『自分は感情を捨てた』と思ってるんかね……そりゃ、そうでもしなきゃ自爆なんて出来ないけど。
でも本人が思ってるほど、感情捨ててないと思うよ。そうでなきゃ、ドゥラカをかばうことも守ることもしないでしょ。
ヨレンタも、かつて『中身ガキの大人』に傷つけられ、その一方で『本物の大人』に助けられたりもした子だからなぁ……
少女時代に『本物の大人』に出会い、その『歴史』を大事にしてきたから、今のヨレンタがいる。
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アニメ チ。-地球の運動について- 第20話 私は、地動説を愛している
だけどそのために、『異端解放戦線』なんてもんを作って、人を傷つけてるのも事実なわけで……
今のヨレンタはもはや『研究者』じゃない。『ピャスト伯に顔向け出来ねぇ!』って気持ちもわからんでもないかな。
でも現在の教会をどうにかせんと、かつての自分や、オクジーくんにバデーニくんみたいな不幸な研究者たちが出てくるのも事実なわけで。
『それをするのは自分じゃなくてもいいよね☆』って逃げてもよかったのに。でも『父ちゃんが異端審問官』と知ってしまって、『自分がやらなきゃいけない』と思ったのかな。多くの『同胞』とも言える研究者達が、父ちゃんに取り締まられたわけだもんな……逃がしてくれたシモンくんにも申し訳が立たないし、オクジーくんとバデーニくんにも……
うーん、『自分の信念を忘れさせるものに出会った時の感情』を大事にした結果、バデーニくんは『自分の利益』を捨ててオクジーくんの本を未来に託し、ヨレンタは『自分の命』を引き替えにしてでもオクジーくんの本を世の中に広めようとした。オクジーくんの『感動』パワー、すげぇな……
いや、でもさすがに、『自分の本のために友達が爆死を選ぶ』なんて、オクジーくんは望んでなかったと思うよ!?
手袋がヨレンタの手に戻ることで、再び『研究者のヨレンタ』として生きられる未来を期待してたんだけどなぁ……(涙)
ノヴァクの怠惰な罪
ラファウにオクジーくん、そしてついにヨレンタまで、『ノヴァクの怠惰』の犠牲者になっちゃった……ノヴァク本人は『自分は熱心な働き者』と思ってるんだろうけど。
ラファウの件でノヴァクが覚醒して教会に今のやり方に関して疑問を呈するとかしてりゃあ、オクジーくんやバデーニくんはあんなことにならなかったかもしれない。
ヨレンタが処刑(偽装)された後、覚醒して教会と戦ってりゃあ、ヨレンタは異端解放戦線なんて作る必要なくなったかもしれない。
そして今回。自分が真っ先に馬車から降りてりゃ、ヨレンタ爆死は回避出来たかもしれない。
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アニメ チ。-地球の運動について- 第20話 私は、地動説を愛している
いやあんた、前回あんなにやる気みせておいて、なんで出てくるのが最後なんだよ! 我先にと馬車から降りて、一番に組織長の顔拝めよ!
ヨレンタ的には『自分が組織長です』って『確認』させなきゃいけないから、真っ先に馬車から降りてりゃ、お互い『あれはヨレンタ!?』『あれはお父さま!?』って奇跡の再会する時間が発生したのに!
そうすりゃ、『ヨレンタ爆死回避ルート』が発生したんだよ!
ヨレンタ爆死回避ルート
『ヨレンタ爆死』の回避ルートーーそう、今こそノヴァクは『信念を忘れさせる感情』のままに、『従順なドーベルマン』から『狂暴なチワワ』になる時!
この場にいる目撃者 全 員 消 そ う ぜ !(悪魔)
そりゃあ、老いたノヴァクにゃちょっとキツいかもしれんけど、まずは適当に全員の後ろに回る。そこを不意打ちで『ヒャッハーーーー!』すりゃあワンチャン!
死体は全部、ヨレンタの爆弾でまとめてドガンと『ファイヤーーーーーー!』しちゃえば証拠隠滅完了!
なぁに。異端審問官の皆さまは、『己の信念に基づいた覚悟の上』で『そーいうこと』やってきたんだ。信仰のためならば、自分が『ファイヤーーーーー!』される覚悟ももちろんあったさ! なぁ、オクジーくん! シモンくん!
オクジー「お互いに信念のために働いた。覚悟はしてたでしょう」
シモン「『信仰』とは『生き方』です」
後はノヴァクが教会に『組織長は俺の部下を道連れに爆死しちゃいました☆』って報告すりゃオッケー!
なにしろ教会は『従順なドーベルマンなノヴァク』しか知らない。むしろノヴァクには、『これまで築き上げた教会からの信頼』がある。それをいつ使うの? 今でしょ!
むしろ25年間も『娘の死』をだまされたんだから、ちょっくら『だまし返す』くらいへーきへーき。
それからはもう『やることやったんで引退します☆』とか言って、ヨレンタと一緒にどっかに逃げりゃあいいんだよ。
これでノヴァクは『父さんはお前の味方だよ☆』という『ヨレンタのパパとしての責任』を守ったことになり、同時に『異端審問官としての責任』もちゃんと果たしたことになる。
本来は死ぬつもりだったヨレンタも、死から免れ、『異端解放戦線』からも解放され、血で汚れた手はお父さまからもらった大事な手袋に守ってもらい、本来の『研究者のヨレンタ』に戻れる。
これでこの親子はすべてのしがらみから解放されて、自由に生きられるってわけだ。
よかった……!
アッシュ「よくない」
『不幸な幸せ者』と『幸福な不幸者』
ヨレンタの死によって、結局ノヴァクは『口先だけの人』になってしまったな……かつて『父さんはお前を応援するよ☆』なんて言ってたのに。『応援』どころか、娘の最大の敵になっとるやん!
『地動説をぶっ潰す!』と決意表明した次の回で、その娘が『地動説を愛してる』と言い、その『愛する地動説』のために爆死すんだもんな……いや、ある意味『有言実行の人』なのか……『知らない』って罪深いな。
ノヴァクって、知らんうちに『仕事と私、どっちが大事なの!?』という二択に、選んでもいないはずの『仕事』を選択してる人生だった……
『この世界は好都合に未完成。だから知りたい』と突き進み、そこに『幸せ』を見出したのがラファウやオクジーくん達『地動説』に関わった皆さまでありヨレンタだった。そして知ってしまった彼ら・彼女らは『不幸な幸せ者』として、希望を胸に死んでった。
一方、『この世界は好都合に未完成。だから知りたくない』と引きこもったのが教会とノヴァク。
自分が『知らないまま』でいたいが故に最愛の娘を不幸にし、だけどその事実を『知らない』おかげで自分自身はそれなりの『地位』を築いて『幸せ』でいられるんだけど、そのことすら『知らない』もんだから、『幸福な不幸者』として、絶望と共に生き続けることになった。
ノヴァクの人生、ここまで来たらもはや神に寵愛されてんだろ……!(歪んだ愛)
この世には『知らない幸福』と『知る不幸』があるけど、得たのがどっちだったとしても『幸福に生きられるかどうか』は別なんだな……(白目)
それでは今回はこの辺で。
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