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アニメ『チ。-地球の運動について-』第25話 最終回『?』感想と考察その3 アルベルトの進む道は? 全方面幸せになる方法

チ。-地球の運動について- アイキャッチ

アニメ『チ。-地球の運動について-』最終回『?』の感想と考察その3。
今回は、ノヴァクは正しかったのか、大人達の醜態を見たアルベルトの進路や、本当に、ラファウにはあれしか選択肢はなかったのかなど、好き放題に考察しとります。

前回の続きとなりますので、まだの方はこちらもどうぞ

アニメ『チ。-地球の運動について-』第25話 最終回 『?』 感想と考察その2 好奇心の怪獣 ラファウ4つの『なぜ?』

  • 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
  • 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう

ノヴァクは正しかったのか?

さて、ラファウという怪物が登場したことによって、ラファウを排除しようとしたノヴァクの『正しさ』が証明されたような最終回でした。

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

なんならアントニもそうだよね。結果論ではあるけど、シモンくんがヨレンタを逃がしたせいで、後の世でドガン! されちゃう被害者が現れたんだから。
だけど、彼ら彼女らは、勝手に『怪物』になったんじゃない。

『ラファウ』や『ヨレンタ』という『怪物』や『悪魔』を作ったのは、ノヴァクであり教会だよね?

ノヴァクや教会が『人の好奇心』を『否定』したから『否定』され、そのための『殺人』を『肯定』したから『肯定』されただけ。
ある意味、『教会のやり方』を誰よりも肯定してくれているありがたい存在ですらある。(嫌味)

『否定』も過ぎれば一周回って『肯定』になる。『肯定』も過ぎれば一周回って『否定』になる。
そうした『潰し合い』の末、最後はみんな、何も残すことなく消えていった。OPの最後で、ラファウの手の中にあったネックレスが消えてしまったように。

それでは『彼らの行いにはなんの意味もなかったのか?』というと、そんなことはない。ラファウの手の中で消えたネックレスは、『彼らの行い』をちゃんと見ていたアルベルトの手の中に再び現れた。

アルベルトの選択

自分の『知りたい』という欲求のせいで、ラファウという『好奇心の怪物』を家に呼び込み、父を失うことになったアルベルトだけど、彼自身、ラファウを憎んだり恐れているようには見えないんだよね……今でも『先生』と呼んでるし。(なお、『憎しみ』をこじらせてさらなる悲劇と不幸を呼び起こしたのがノヴァク)

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

『なにがあっても、君の好奇心を否定しない』って言われて、ホントに嬉しかったんだろうな……
だからアルベルトも、ラファウの『好奇心』を否定しない。まあ、ラファウがやったことはアカンけど。

アルベルトがかしこいのは、情に流されず、父とラファウ、2人のいいとこ・悪いとこを『平等』に見ているとこだと思う。恨みや悲しみで『パパびいき』して、一方的にラファウを『悪者』にしてもおかしくないのに。

アルベルトは父親とラファウ、混ざり合うことのない水と油の争いを見て『どっちも正しくどっちも間違い』と思った。
彼は、どちらも愛し、どちらも尊敬していたから、憎むことが出来なかったんだろうと思う。そんな彼の苦悩を、司教さまは、『どちらか選択する必要がありますか?』と問うた。

水も油も、生きてく上ではどちらも必要。どちらかを選ぶなんて出来ない。
司教さまを通じて己の心を見つめ直したアルベルトは、水と油を混ぜるため、石けんになった。

アルパパ「水屋と油屋の間をとって洗剤屋に就職したか……」
ラファウ「まあ、汚れ落としに洗剤は必要ですからね……」

先人がつけた社会の汚れを落とし、本来の美しさを取り戻すんだアルベルト!

全方面幸せになる方法

ラファウとアルベルトパパ。水と油。正反対で相容れないこの両者。
結局、『一番いい解決法』として、ラファウは『アルベルトパパの排除』を選んだけど、本当にそれしかなかったのだろうか?

「アルベルトパパは『資料を燃やす』と言い出すし、それを阻止するためには殺すしかないじゃないか」とラファウは言うだろうけど、実はものすごく単純な解決方法があった。

彼と、『友達』になることだった。

ラファウが本当に語るべきだったのは、その資料の有用性や得られる利益ではない。過去の自分に何があったのか、アルベルトパパの過去には何があったのかを語り合い、互いの『理解』を深めればよかった。

ラファウとアルベルトパパには、欠落しているものがある。『知識』を重視するあまり、『人の心』を置き去りにしている。

アルベルトパパは『人の心』を置き去りにした結果、アルベルトの『好奇心』を檻に閉じ込めようとし、彼の幼い心を苦しめた。
ラファウは『人の心』を置き去りにした結果、アルベルトの『家族』を奪い、『知』への恐怖を植え付けた。

両者ともに、傷ついたのは『本人』じゃない。無関係な子供。
どちらもアルベルトを愛する心はあったはずなのに、愛するアルベルトを自分達の身勝手で傷つけている。

ここで、第一話の冒頭にもあった、司教様の問いかけを。

硬貨を捧げればパンを得られる
税を捧げれば権利を得られる
労働を捧げれば報酬を得られる
なら一体、何を捧げれば、この世の全てを知れる?

それは、時間。

この世のすべてを知る方法

ラファウは、『知りたい』という欲求が先走って、『信頼を得る』という手順を省いてしまった。
アルベルトパパも、『好奇心への恐怖』のあまり、疑うばかりで『相手の事情を聞く』という手順を省いてしまった。

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

それに必要なのは『時間』。

ラファウはアルベルトに『ん?』と思うことが大事と教えておきながら、『人の心』に対する『ん?』がなかった。

ラファウは、『資料の内容』を知ることより先に、『アルベルトパパの心の闇』を知るべきだった。
アルベルトパパが、どうしてそこまで『好奇心』を恐れ、疑うのか。『ん?』と思えば、それを突破口に、『資料を見せてもらう』までは行かなくても、『資料を燃やす』は一旦保留にしてもらえたかもしれない。
アルベルトパパも、どうしてラファウがそこまで資料を欲しがるのか、『ん?』と思えば、そこから彼の考え方を『理解』出来たかもしれない。

彼らは『知』や『利益』を得ることに対しては『勤勉』だったかもしれないが、『人の心への理解』に関しては『怠惰』だった。

その『真理』は

人の時間は限られている。たしかに『無駄』は省きたいというもの。
アルベルトパパが『人の役に立たない道なら止まるべきだ』と好奇心を排除しようとしたのも、ラファウが『多少の犠牲はやむを得ない』とアルベルトパパを排除したのも、それが問題解決のための『真理』と思っていたから。
ノヴァクやアントニ、ヨレンタやシュミットもそうだった。

では、その『真理』は、美しいか?

彼らの『真理』には、『美しさ』が欠けている。世界を変えるために、『暴力』や『お金』を使った。
一番、『手っ取り早い』から。
『無駄なこと』に、時間なんてかけていられないから。

だけど、その血なまぐさい『真理』に、一切心を動かさない人がいたのも事実だった。
どんなに『暴力』を振るおうと、『金』を与えようと、最後に人の心を動かすのは『感動』。

皮肉なことに、『それ』を一番よく知っていたのが、ノヴァクを始めとする歴代主人公達だった。
その『無駄なこと』こそが、もっとも『重要なこと』だと知っていたはずなのに。
ラファウも、かつて『得(大学進学)』と『感動(地動説)』を天秤にかけて、『感動』を選んだはずだった。悲しいことに、どこかでその『感動』を落としてしまったらしい……

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

司教はアルベルトに『神を失っている』と言ったけど、ラファウは『自分』を失っていた模様。

結果、アルベルトパパとの『心』をおざなりにした話し合いは平行線となり、最後は大人の醜態を子供に見せつけた。
両者共何も得られず、すべてを失った。
『時間』を惜しんだ結果、一番『遠回り』になった。

『秘密』を打ち明ければ何を得られる?

身分や考え方が異なる者同士でも友達になれることは、オクジーくんとバデーニくんが証明している。
彼らの『友情』は、美しかった。

アニメ チ。-地球の運動について- 第14話 今日のこの空は

アニメ チ。-地球の運動について- 第14話 今日のこの空は

ラファウとアルベルトパパ、両者が、『互いを知る』ことに時間をかけることが出来ていれば、同じ『知』を重んじる者同士、よき友人になれたかもしれないのに。
両者共に、『他人に語りにくい過去』があったのだろうと思う。特にラファウは、自分が生きてることが教会にバレたら一巻の終わり。
それを告白するというのは、まさに『命がけ』と言える。

だけど、『信頼』が得られる。

ラファウがホントに壊すべきだったのは、アルベルトパパの『猜疑心』だったと思う。そのためには『ナイフ』ではなく『酒』でも用意して、自分の『秘密』を打ち明けて、時間をかけてお互いのことをとことん語り合えばよかった。
だけどそうしなかったのは、ラファウこそが『保身に走った俗物』だったから。

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

アニメ チ。-地球の運動について- 第25話 『?』

ラファウや、『己の信念』に賭けにゃアカンのは自分の命であって、他人の命やないんや……(白目)

ラファウに、『秘密』を打ち明けるが勇気があればなぁ……
そうすりゃアルベルトパパのラファウへの猜疑心は消え、アルベルトはもっと自由に学べるようになり、ラファウも孤独から解放され、探求者として、信仰者として、『この世の真実』に近づけたかもしれない。
そのためには、『他人』を動かすのではなく、『自分』が動けばよかった。

もちろんこれは『理想論』。のんきでけなげでわがまま、話にならん子供が考えそうなこと。
だが、美しい。

第一話で、すでにフベルトさんが『答え』を教えてくれていたのに。『地球(自分)が動くことで、美しさと理屈が落ち合う』と。
その『美しさ』のために、『地球を動かす』という困難に挑んだのがラファウだったはずなのに。

アニメ チ。-地球の運動について- 第2話 今から、地球を動かす

アニメ チ。-地球の運動について- 第2話 今から、地球を動かす

悲しい! 私は悲しいぞラファウ……!

え? 秘密を打ち明けて、それでもダメだったらどうするかって?
ん~……

はい、ケシの実! ( ・∀・)つ【ケシの実】
はい、ドス! ( ・∀・)つ=lニフ

アルベルト「アカンやん」

相容れない相手と友達になる。人類史上、これほど困難なもんはない。


それでは今回はこの辺で。たぶん次回でラスト。司教さまやドゥラカが飛ばした鳩の結末など。
おもろかったら下にあるイイネボタン押してもらえると元気とやる気が出ます。

次の考察はコチラ

アニメ『チ。-地球の運動について-』第25話 最終回 『?』 感想と考察その4 歴史の登場人物になったアルベルト

前回の考察はコチラ

アニメ『チ。-地球の運動について-』第25話 最終回 『?』 感想と考察その2 好奇心の怪獣 ラファウ4つの『なぜ?』

  • サクラソウ より:

    今回も面白い考察ありがとうございます。
    今回、とんでもない行動をしたラファウでしたが、別に闇落ちしたわけでもなく、彼の本質は12歳の頃から変わってないと思うんです。彼は地動説を信じると言った日から迷わず行動し続けただけ。
    迷わず信じて行動するって、一見美しいように思えるけどそのせいで他人から見れば間違った行動をしてしまうことがある。その危うさを表現したいからこそ、家庭教師はただのモブではなくラファウでなきゃいけなかったのでしょうね。

    • とわこ より:

      コメント、ありがとうございます!
      アルベルトの家庭教師がモブだと、たしかにこの衝撃のラストはなかったですね。いや、でも人は●しちゃダメだよラファウ……

      いただいたコメントを読んでふと思いましたが、ラファウって、『グラスさんが観測していた火星みたいなもん』だったのかもしれないですね。
      観測者(視聴者)視点だと突然曲がっちゃって『どーしちゃったのラファウ!?』と惑わせる。だけどラファウ視点だと、昔から何も変わらず前に進んでるだけ。みたいな。
      元々ラファウは『嘘つきな子』だったはずですが、『だって仕方ないじゃないか』と自分に嘘をついて刺しちゃったのか、純粋に『これしかない』と信じ切ってやっちゃったのか……そこは本人と神のみぞ知る。

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