『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』見てきたんで感想と考察【善逸VS獪岳 前編】

特に意味のない有給で『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』を見に行ってきました。いやー、映画見に行くの、超久しぶりだった。
記事を書く予定はなかったけど、せっかくなんで『善逸VS獪岳』の感想と考察だけでも書いておきます。(うっかり長くなったので、前後編に分けました)
『特典が善逸だったから』というわけでもないんですがね。

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 第二弾入場者特典
思いつきで行ったんで、入場者特典もらえるとかも知らんかったわ……
映画の感想は、なんというか、『元々は善人だったけど他人のために悪になり、他人のおかげで本来の善人に戻ろうとしたものの、本物の悪人のせいで再び悪になり、鬼になることで『本来の自分』を失った』のが猗窩座。
『元から悪人だったのが善人になろうとしたものの、鬼になったことで『本来の自分』を取り戻した』のが獪岳って感じだったな……『善逸と獪岳』で対比になっていたけど、『猗窩座と獪岳』も対比になってる。
猗窩座は人間時代の記憶がなかったのに、獪岳には人間時代の記憶がそのまんま残ってるの、鬼になることで『本来の自分』を『失った』か『取り戻した』かの違いだったんだろーか? しらんけど。(雑)
- 『劇場版「鬼滅の刃」第一章 猗窩座再来』のネタバレ含みます
- 原作漫画は最終回まで読破済みですが、二章以降のネタバレはしていないのでアニメ勢も安心です
- 個人の感想です。需要と供給のバランスなんぞ知ったこっちゃありません
劇場版・アルティメット善逸
これまで、鬼と戦う時はピーピー泣き言わめいて、気絶でもせんと戦えなかった善逸が、『じいちゃんの死』によって覚醒&漆ノ型を引っさげた『アルティメット善逸』になって、気絶しなくても上弦を単独撃破という快挙を成し遂げた今回の劇場版。

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
いやおまえ、本来は『じいちゃんの死』がなくても『それ』出来なきゃダメだぞ……!
じいちゃんがお亡くなりになってから『ちゃんと出来る子』になっても『手遅れ』なんや……! まあ、善逸が一番そのこと理解してるだろうけど!
結局、『甘え』が善逸をダメな子にしてたんだなぁ……
だけど甘えられるじいちゃんがいなくなったことで、否応なしに『甘え』を断ち切らねばならなくなった。逆を言うと、そこまでの荒療治をしなきゃ『ちゃんと出来る子』になれなかったというか……
獪岳を斬った善逸が『ごめん、兄貴』って謝罪したのは、善逸が最初っから『ちゃんと出来る子』だったら、『こんなことにはならなかった』と悔やんだのか……?
でもその人(獪岳)、善逸が最初から『ちゃんとした子』だったとしても鬼になってたと思うよ。
ちゃんとした善逸
ぶっちゃけ、善逸が『ちゃんとした子』だったら、そっちはそっちで完璧すぎて、獪岳『俺より後から来たクセに!』『あいつと一緒に柱とか、弱い俺へのお情けなんだろ!?』って、今度は激しい嫉妬でやっぱ鬼化すんじゃね?
- 修行から逃げない
- だいたいの鬼瞬殺
- 子供相手にちゃんとかっこつけられる
- 長男(炭治郎)が次男ポジになる
- 女の子にモテる
- 出来る弟子にじいちゃんニッコニコ
- 鎹雀が鎹鷹に
チュン太郎「チュン!?(ボクが『ちゃんとしてない子向け』みたいに!?)」
伊之助「オレの出番は!?」
やっぱ善逸は、『ビビリのギャグキャラ』にでもせんと釣り合い取れねぇ……!
そもそも『すごい人』はすでに柱がいるから、善逸まで『すごい人』になっちゃったら、『すごい人のバーゲンセール』で炭治郎が霞んじゃう……
獪岳の人物像
獪岳って、良くも悪くも善逸とは真逆なようで。
善逸は、素直に甘えられる子だし、自分の弱さを隠すこともしないし、女の子に好かれたくて尽くしたりもする。だまされたりもするけど。
獪岳は自分を強く見せるために、『助け』を求めたり『自分の本心』や『弱み』を見せたりしない模様。
そして『愛情』を欲しがっている割に、そのために何かを与えるようなこともしない『ケチ』でもあった。
幼少期、鬼に襲われた時だって、お香消したりせんと、そのまま『助け』を求めて寺ん中に逃げ込んでりゃ良かったのに、そうしなかった。(まあ、恐怖でパニくってたんだろうけど)
結果として、『自分が助かるために仲間を売ったクズ』になった。
そして『暴言』という形で『自分の本心』をぶつけてたようにも見えるけど、その裏には『自分だけを特別に見てくれる人』を求めていたように見える。
彼にとって残念だったのは、悲鳴嶼さんも桑島師匠も『性能でかわいがるかどうかを決めるような人ではなかった』こと。
獪岳が欲しかったもの
獪岳は師匠からの羽織のプレゼントに、最初は喜んだ顔をしたけど、『善逸にも贈られた』と気づいた途端、拒絶した。
つまり羽織が『自分だけ』に贈られたんなら喜んで着たってことでしょ?
矛盾してるよね。獪岳はじいちゃんの『善逸びいき』に腹を立ててたのに。なのに獪岳は『平等』でも腹を立てる。
だけど獪岳にしてみれば『俺はちゃんと修行をしてるし、型だって五つも習得した。だけど善逸は何度も修行から逃げるし習得出来た型もひとつだけ。どう考えても俺のほうが優秀で優遇されるべきなのに、そんなカスと俺が『対等』だって? 許せねぇ』だった。
彼にとって『優秀な自分が優遇されること』は、『差別』ではなく『区別』だったのだろうと思う。
だけどじいちゃんにとっては、『隊士』としては『上下』があっても、『孫』としては『どっちもかわいい』だけだった。仮に善逸が優秀で獪岳がおちこぼれだったとしても、じいちゃんはどっちも大事にしてくれたはずなんだよ……だけど、そっちもそっちでひねくれるんでしょ? しってる。
つまり獪岳は、『差別』に腹を立ててたんじゃなく、『愛情を独占出来ないこと』に腹を立ててたんだよ。だから『ちゃんと出来る子・できない子』関係なしに、『善逸そのもの』が邪魔で仕方なかったんじゃないの?

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴
とはいえ、もしじいちゃんが、善逸を見限って獪岳だけを『特別扱い』したら、それで満足したか? となると、それも怪しい。彼の『幸せを入れる箱』には、穴が空いているから。
『自分が満たされない原因』は『自分の内側』にあるのに、それに気づかず『外部』に原因を求めた。その矛先が善逸に向けられただけ。
だから善逸がいなくなったって『満たされない現状』は変わらず、次は『もっとくれないからだ!』と、これまた『外部』に原因を求める。
そういう人は、最終的に孤立する。
結局、善逸が最初から『ちゃんと』していようなかろうが、関係なかったと思う。彼が『幸せを入れる箱』の穴に自ら気づいて塞がない限り、獪岳はいずれ鬼になってただったろうから、善逸はあんま思いつめなくていいんだよと思いました。(感想)
ちょっと長くなったんで、続きは後半で。
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