明日から本気出す

※本日の本気はお休みです。

  1. TOP
  2. 作品感想
  3. 鬼滅の刃
  4. 【鬼滅の刃】産屋敷と無惨、同じで真逆なふたり前編 産屋敷家の責任の果たし方【考察】

【鬼滅の刃】産屋敷と無惨、同じで真逆なふたり前編 産屋敷家の責任の果たし方【考察】

鬼滅の刃 アイキャッチ

気まぐれが起こったので、今回は『鬼滅の刃』の感想と考察を。
正反対なようで同類の、お館様こと産屋敷耀哉と鬼舞辻無惨をテーマに考察します。
今回は前編・産屋敷編。

  • 『劇場版「鬼滅の刃」第一章 猗窩座再来』までのネタバレ含みます
  • 原作漫画は最終回まで読破済みですが、劇場版の二章以降のネタバレはしていないのでアニメ勢も安心です
  • 個人の感想です。需要と供給のバランスなんぞ知ったこっちゃありません

鬼殺隊が非公認組織なワケ

お館様は、柱達から信頼通り越してもはや信仰みたいに扱われてるけど、無惨も無惨で、上弦あたりからはそういう感じで見られてたりと、なんか似ているこの二人。

でもこの二人が根本的に違うのは、『責任の所在』だと思う。

鬼殺隊のことで不思議だなぁと思ったのが、『政府非公認組織』ってこと。
非公認だったせいで、『鬼の存在』が世間では『ない』こと扱いにされて、そのせいで昔、頭おかしい子扱いされて病院送り寸前になったどこぞの水柱がいてだな……

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

たぶん『非公認=鬼の存在がないこと扱い』だったせいでお労しい目に遭った人、結構いたんじゃね……?
逆を言えば『公認』になると困る人がいた。それが産屋敷家。

これって、『政府公認組織』になっちゃったら、『責任の所在』が『産屋敷家の外側になっちゃう』からじゃないの?

鬼殺隊が公認組織になったら……

もし鬼殺隊が『政府公認組織』になったら、産屋敷家ががんばって資金稼ぎせんでも政府から維持費が得られるかもしれないし、無惨も大々的に追いかけられると思うんだけど。

あれ? 無惨的にはむしろそっちのが困るんでは……???

だけど、産屋敷家が『鬼を出した責任』を『公的機関に譲渡する代償』として、鬼狩りとは関係ない仕事要求されたり、政治的な問題にも巻き込まれそうだしなぁ……
『首領は産屋敷家じゃなくてもいーじゃん』『むしろ腹切って詫びろや』なんて産屋敷下ろしが起ころうもんなら、元々短命な一族だからあっさり途絶えそう。

そもそも産屋敷家が『無惨討伐』を一族の使命として戦うことを決めたのは、『一族から鬼を出したから』ではなく、『一族から鬼を出した呪いによって一族の子供がすぐ死ぬようになったから』でしょ?
それって『子供がすぐ死ぬ』なんてことがなければ、鬼殺隊なんて作らなかったんじゃあ……?

じゃあ、鬼退治をとことん『産屋敷家の責任の範疇』に収めているの、一貫して『産屋敷家存続のため』じゃん。

産屋敷家の目的

これまで、産屋敷家から後継ぐの嫌がって逃げたり、他人に押しつけようとする人が出なかったのは、『責任の放棄=お家断絶(死)』に繋がるからかな……
どんなにステキな夢があっても、命あっての物種なのよ。(健康、大事!)

そういう意味じゃ、産屋敷家は『産屋敷家を人質に取られている』ってことになる。
だから、必死に無惨を討ち取ろうとしていた。一族が『鬼』による束縛から解放され、『自由』を手に入れるために。

決して『慈善事業』ではないってことだよね。むしろ無惨同様『利己的』で、『生きる執念』は無惨と互角じゃん……『個人(無惨)』か『一族(産屋敷)』かの違いがあるだけで。
『無惨と同類』のにおいがするの、そのせいじゃないかな……

とはいえ、産屋敷家には鬼と戦う『力』がないものだから、そこだけは『外注』する必要があった。それが鬼殺隊。
ある意味鬼より鬼だよね。『おまえんトコの身内』のせいで被害者を出してんのに、その被害者達に『オレんちのために働け』ってんだから。
だけど強制ではない。一応。

選別試験が必要なワケ

鬼殺隊入隊の『選別』って、別に『強制』ではない。
だからあれって、あくまで『死んでも自己責任』なんだよなぁ……温厚なツラしてスパルタが過ぎるやろ。
そら『ここで死ぬようなら鬼殺隊入っても早いか遅いかの違いしかあらへんやろ』ってのはわかるけどさぁ……
むしろ、入隊希望者は全員鬼殺隊に入れたほうが『得』だと思うんだけど。

だけど入隊条件に『選別』を通すことで、『責任の所在』が『本人のもの』になっている。

『選別』がどういうものかは最初から知らされている。それでもなお『鬼殺隊に入る!』と言うのなら、『責任の所在』は『決めた本人』と、送り出した『育手』のもの。産屋敷家は、その時点ではあくまで『場』を設けただけ。(想定外のめちゃ強鬼がいたことに責任はないんか? という気もするが……)

選別で死んでも、『育成不足』『人を見る目がなかった』『諦めさせることが出来なかった』 育手の責任。
別に育手に『今年は●人送れ』なんてノルマが課されてるわけでもなさそうだしなぁ。でなきゃ鱗滝さん、炭治郎に『岩斬れ』なんて無茶ぶり出来んし。

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

まあ、中には本人めっちゃ嫌がってんのに借金のカタに送り出してキッチリ選別突破したヤベー師弟とか、そもそも育手もおらんのに参加したハジケた猪とかいるけど……

『選別』がなかったら

ところが、この『選別』を廃止し、誰彼かまわず入隊を許してしまったら、死んだ時に『入隊させた責任』が発生しちゃうんだよね。産屋敷側に。

つまり産屋敷家は、あくまで『産屋敷一族存続の責任』しか背負っていない。それしか背負えないし、背負うべきではないから。(背負っちゃったら、なんかあったら『産屋敷家のせい』にして逃げちゃう子が出てくる)

その代わり、約束通り生き残った者は、たとえ『戦ったのは錆兎で自分はほとんど寝てました』だったとしても『私の子供』として全員入隊を認め、色々世話してくれる。

耀哉「鬼殺隊への入隊後は衣食住が保証され、お給料も階級が上がればその分増量。突然のケガや病気のケアも万全。柱になれば土地建物贈呈。万が一の死亡補償も万全です。是非ご入隊を!(※ただし入隊前に厳しい審査があります)(※ただし入隊前の死亡は補償の対象外です)

鬼殺隊に入る人なんて、だいたい鬼に恨み持ってる人だからなぁ。たまにヘンな理由の人や、無一郎みたいにスカウトされた人もいるけど。
隊士達は、『鬼に●された家族の仇を撃ちたい』『鬼に苦しむ人を救いたい』。
産屋敷は、『一緒に鬼と戦ってくれる強い同志』が欲しい。そのためなら資金や活躍の『場』を提供する。
『相手が欲しがってるもの』を互いに与えることで、双方Win-Winの関係にはなっている。一応。

お館様の『責任』の取り方

一応、持ちつ持たれつとはいえ、実際に命を賭けて鬼と戦うのは隊士達だから、お館様的には複雑なところではあっただろうし、『責任』も感じていたようで。

で、その『責任の取り方』が、自ら大正のボンバーマンになることだった、と……

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

……いくら『タダで死ぬくらいなら憎いあんちくしょうに一発ドデカいのいてこまして死んだらぁ!』の精神だったとはいえ、女房子供セットで逝くのはさすがにイカれてんなと思いましたが……

無惨的には『鬼殺隊終了のお知らせに来てやったぜヒャッハーーー!』のつもりが、無残を前に知性的に振る舞っといて、一番『無惨終了の始まりだぜヒャッハーーーーーーーー!!』しとったのお館様やったわ。(白目)

いや、百歩譲って女房はわかるが、せめて娘二人は縄で縛ってでも逃がしたろうや。一家そろって覚悟ガンギマリすぎて、ドン引きしてる無惨が正常に見えるふしぎ!

予約も支払いも早めがお得

このボンバーも、吹っ飛んだのは『自分』と『女房子供』と『自分ち』と『無残』だけ、と、キッチリ『産屋敷家の責任の範疇』に抑えてんだよなぁ……お館様が『クソ野郎』だったら、こーいうのは『偽物』にやらせるんだけど、絶対に自分の手でいてこましたかったんやな……

ある意味、『産屋敷家の身勝手の代償』を、取り立てられるより先に自ら支払った、のかな……?(これには代償の取り立て人もビビる)

色んな作品を考察していて、確信してることがある。
『自由には責任』が伴い、『身勝手には代償』を支払わなくてはならない、ってこと。

産屋敷家は一族から鬼を出した『責任』を背負って鬼殺隊を作ったけど、同時に『産屋敷家の存続』という『身勝手』のために鬼殺隊を非公認組織のまま利用しているのも事実。

『身勝手の代償』は、『その人にとって一番失いたくないもの』が取り立てられるのが世の常なので、産屋敷家の未来を産んだ人(女房)も、産屋敷家の未来の一部(娘×2)も、ホントは道連れにしたくはなかったと思うよ……

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

テレビアニメ「鬼滅の刃」 / 吾峠呼世晴

でも取り立てられるより先に、自ら『代償』に釣り合うものを差し出すことで、輝利哉くんと妹達を『代償』から免除してもらったのかな……? ホラ、予約も支払いも『早割り』ってあるし。(言い方)

輝利哉「私は『割引き分』だったと!?」
くいな・かなた「じゃあ私達は早割特典?」

獅子は我が子を千尋の谷に落とすと言いますが

賛否両論のボンバーだけど、それでもお館様が先陣切って無惨に一発かましてくれたおかげで、珠代さんが無惨に接近することに成功し、柱集結で『お館様に何しやがったあぁぁぁぁぁ!』とめっちゃ士気上がった。

無惨「私は(まだ)何もしてないんです! 本当です!(本当)」

ここまでされちゃったら、輝利哉くん(8)も、のーみそフルスロットルで頑張るしかないわな……いや、隊士達にもそうだけど、我が子にはそれを上回るスパルタやわこの人。(初戦がラスボスという鬼畜プレイ)
『私の子供達』と呼んでる隊士達に厳しいことやらせてる以上、血のつながった我が子にはもっと厳しいのも、上に立つ者としての『責任』だよね……


それでは今回はこの辺で。
おもろかったら下のいいねボタンぽちっとしてやってください。

↓後編はコチラ

【鬼滅の刃】産屋敷と無惨、同じで真逆なふたり後編 鬼舞辻無惨の身勝手の代償【考察】

↓前回はコチラ

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』見てきたんで感想と考察【善逸VS獪岳 後編】

コメントする

※コメントとお名前は必須です