【鬼滅の刃】サイコ童磨の牧場物語 後編 人になった伊之助と人になりたかった琴葉【考察】
『鬼滅の刃』の上弦の弐・童磨メインの考察です。童磨、カナヲ、伊之助あたりのことを三回に分けてお送りします。
今回は童磨にプラスして、伊之助あたりのことを。
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- 『劇場版「鬼滅の刃」』の、第二章以降の原作ネタバレを含みます。ネタバレが困るアニメ勢はご注意を
- 個人の感想です。需要と供給のバランスなんぞ知ったこっちゃありません
童磨の牧場物語
『家畜』が幸せでいられるのは、自分が『家畜だ』と知らないから。
知らない限り、信者達にとって『極楽教』は『この世の楽園』であり、童磨は『自分達を救済してくれる尊いお方』だった。
もし鬼殺隊が童磨を討つべく極楽教に乗り込んで来た日にゃあ、信者達にとっては鬼殺隊こそが『自分達を脅かす悪党』になってたんだろーなぁ……
逆を言うと、『自分は家畜だ』と知った瞬間、その幸せは壊れる。『家畜の末路』なんてだいたい決まってるから。
![鬼滅の刃 第160話 重なる面影・蘇る記憶[吾峠呼世晴 / 集英社]](https://asuhon.sakura.ne.jp/dshonki4120/wp-content/uploads/kimetu160_05.jpg)
鬼滅の刃 第160話 重なる面影・蘇る記憶[吾峠呼世晴 / 集英社]
『極楽教』って、童磨の『牧場』だった。
ほとんどの鬼が獲物をわざわざ『狩りに行く』中、童磨は親が用意してくれた『牧場』を有効活用し、家畜化した人間を大事に『飼育』してた。ただ、どこにも『出荷』せず、全部自分で『消費』してただけで。
つまり他の鬼が『モンハン』で人狩り行ってる中、童磨だけが『ぼくもの』で人飼いしてたんだよ……!
童磨「みんなハンティングアクション派だったから、俺みたいなほのぼのシミュレーション派とソリが合わなかったのかぁ」
猗窩座「それだけが理由じゃないと思う」
堕姫と妓夫太郎みたいに、さらった人を保管する鬼はいたけど、人のほうから来るよう仕向けて飼育するとか、無惨をも食い物にするとか、他の鬼と比べるとなかなか異質な鬼だったな……(そーいやキメツ学園でも無惨食い物にしとったわ……)
人になりたかった琴葉
さて、そんな童磨牧場にうっかり逃げ込んでしまったのが、伊之助ママこと琴葉だった。
そもそも琴葉は、婚家で奴隷扱いされ、伊之助にまで害が及んだことで、『奴隷』ではなく『母』として覚醒したから逃げた人。
『奴隷』じゃ子供は守れないから。
逃げた先は『極楽』だと思っていた。
特に琴葉は『心がきれい』だったんで、童磨に気に入られ、大事にされた。
童磨は琴葉を喰うつもりはなかったらしいけど、それって『食用家畜』から『愛玩用ペット』になっただけで、『人間扱いしてない』って点は同じでして。
![鬼滅の刃 第160話 重なる面影・蘇る記憶[吾峠呼世晴 / 集英社]](https://asuhon.sakura.ne.jp/dshonki4120/wp-content/uploads/kimetu160_02.jpg)
鬼滅の刃 第160話 重なる面影・蘇る記憶[吾峠呼世晴 / 集英社]
しのぶがかつて炭治郎に言った『キミは心がきれいですね』は、『私だと腹立てちゃうのに偉いなぁ』『友達を信じる思いやりのあるいい子だね』って意味だったけど、童磨が言う『心のきれいな人』ってのは、『疑うことを知らないだまされやすいバカ』って意味だよね?
そりゃー童磨が好むタイプだよなぁ……
伊之助の勘違い
『奴隷から脱した』と思いきや、今度は『家畜にされてただけ』という、とことん男運がなかった琴葉。
伊之助を川に落としたのは、『母』としての一縷の望みであり、『人』としての『最期の抗い』だったかなぁ……少なくとも『家畜として死ぬこと』は回避されたわけだし。
まあ、『野生動物』としてたくましく生きることまでは想像してなかっただろうけど……
そうして生き延びた伊之助は、炭治郎達と出会い『人間』になった。
琴葉は『出会い』に恵まれなかったけど、その分、伊之助が『出会い』に恵まれたのは幸運だったよなぁ。育ての猪といい、言葉教えたじーさんといい。
伊之助、当初『しのぶと昔会ったことある』と勘違いしてたけど、そーいや琴葉(当時)としのぶって同年代なんだな……いつも笑顔を見せていたのと、年頃も似てたから勘違いしたのか……(涙)
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鬼滅の刃 第160話 重なる面影・蘇る記憶[吾峠呼世晴 / 集英社]
母親のことも、最初は『捨てられた』と思っていたけど、童磨の言葉のほうが残ってしまってそう勘違いしたか?
これは琴葉がかわいそうだし、伊之助もそんな勘違いした自分が許せなくて腹立つよな……
琴葉は『人』として幸せになりたかっただけなのになぁ。伊之助と一緒に。
なのに、婚家では『人間の鬼』に『奴隷』にされ、逃げた先では『本物の鬼』に『ペット』や『家畜』にされ、とことん『人としての尊厳』を鬼に奪われ続ける人生だった。鬼に人生滅茶苦茶にされた点も、しのぶと似てるかもしてない。
伊之助の戦う理由
最初の伊之助って、『強くなるための手段』として鬼狩りしてた感あるけど、『なんのため』に強くなりたいのかはハッキリしてなかった。『生きる為』なら、山で暮らしてた時のままで十分だったはずだし。
初めて琴葉を思い出したのは、那田蜘蛛山で父蜘蛛に●されそうになった時。『父親』に恵まれなかった伊之助が、偽物の絆とはいえ『家族』を守ろうとする『父親』に●されかけた時に、DV親父やDV鬼から自分を守ろうとしてくれた母を一瞬でも思い出したの、幼子には強烈なトラウマだったんだな……
九死に一生を得たその後は、『自分の弱さ』を自覚して、周囲の人との交流や煉獄さんの死やら色々経て、ぼんやりとだけど『強くなる理由』が見えて来た。
そしてしのぶの死と、琴葉の存在を完全に思い出したことによって、『強くならなきゃいけない理由』がハッキリした。むしろ善逸より鬼との因縁あったわ。(元々鬼との因縁があったわけでもないのに鬼狩りするハメになってしかも勝ち続けてる善逸の異常性……)
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鬼滅の刃 第160話 重なる面影・蘇る記憶[吾峠呼世晴 / 集英社]
しかもその『因縁』を教えたのが敵である童磨という……猗窩座は『よくも思い出させたな』で弱体化したけど、伊之助は『謝意を述べるぜ思い出させてくれたことを』でパワーアップしたぞオイ。
舐めプして毒喰らってあげたり、わざわざ敵をパワーアップさせたり、童磨はやっぱ無惨の敵かな?
無惨「お前なんでそう余計なことすんの?」
童磨の『鬼が人間に負けるわきゃねーべ』という傲慢さ、無惨様そっくり!(嫌味)
奪われ続けた琴葉お母さんにとって、強くなって『人としての尊厳』を取り戻し、たくましく生きてくれた伊之助は、『自分が生まれてきた意味』を与えてくれた最高の孝行息子だったね。
それでは今回はこの辺で。
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