進撃の巨人最終話『あの丘の木に向かって』感想と考察 エレンとアルミン夢の終わりの巻き貝【139話】
進撃の巨人最終話『あの丘の木に向かって』感想と考察、今回はカゴの中のハムスターみたいになってる島民や、本当は怖いアルミンの巻き貝とエレンの夢の終わりについてです。
思ったことを好き勝手に書いてるので、そりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
2021年4月の139話最終回の内容です。ネタバレ配慮してないんでご注意を。
置いてけぼりのパラディ島
パラディ島だけ置いてけぼり感がすごい。
どっかで見た顔のおっさんがいる……スルマくんにしては老けすぎだし、もしやとーちゃん? 親子で兵士だったの?
なんか、壁はなくなったはずなのに、島全体で自ら見えない壁を作って引きこもって、前進どころか旧時代に後退してる感じ。
そしてその状態を3年維持したのか……しんどそう。
この人ら、一体何と戦ってるんだろう。以前は『巨人』という『目に見えて存在する脅威』に囲まれてたから、それに抗い、進もうとする調査兵団に、島の外から来たグリシャは『すげぇ』と感動してたわけだけど、しかし今、外の世界に『敵』はいない……
ヒストリアも『みんなめっちゃびびってキャンキャン吠えとるでー』と手紙に書いてるんだよなぁ。
ヒストリアの手紙はちょっと『自虐』も入ってそうですね。かと言って、女王様として島民をあんまり否定することも出来ないというか。
外の世界は戦争なんて『そもそも出来ない状況』で、島なんか相手にしてらんないのに、島民はそれも知らずに『来ない敵』に怯えて『戦わなきゃ戦わなきゃ』って自分らで自分らを追い込んでるんだもん。もっと楽しいことに時間とお金使えばいいのに。
もちろん『内側』にいる島民はくそ真面目に『前進』してるつもりなんだろうけど、『外側』から見ると巨人に怯えて壁の中に引きこもってる頃とたいして変わらんというか。
このびびりっぷり、部屋ん中でくつろいでる飼い主さんにカゴの中から真剣に威嚇するハムスターみたいでかわいい!(突然のハムスター)
…………。
このハムちゃん達、もうほっといてええんちゃうかな。
そりゃあ、コニーとジャンは家族に会わせてやりたいし、ガビとカヤも再会させてあげたいけど。島民は、これはこれで、ある意味幸せなんじゃあって気もする……実際、貧富の差はあれど、壁が破られるまではそれなりに平和だったわけだし。
あと何年かすりゃあ、今叫んでる兵士の皆さんも昼間から酒飲みだして『オレ達が役立たずのタダメシ食らいって馬鹿にされてる時のほうが平和に暮らせるんだぞー』って言いだすんちゃうかな。
そして1人の少女が森で遊んでたら木の穴に落っこちて、光るムカデくんのようななにかに取り憑かれておっきくなり、『進撃の巨人2』が始まるんですね。(アカン)
島民の現状・諌山先生の狙い
それにしても、今の『戦え』言ってる島民の状況が『1巻時点の出来事』だったら理想的だったのにね。その時は『どうせ勝てない』とあきらめムードだった。
その当時より以前から戦ってたのが調査兵団だったわけだけど、その調査兵団はすでに立体起動を捨て、戦いを終えたのに、当時戦ってなかった島民は巨人も敵もいなくなってからやる気満々で『戦え』と言っている。(今頃?)
一歩先の時代に進んでいるようで、結局、調査兵団と外の世界はさらにもう一歩進んでいて、『取り残されている』ことにそのものには変わりがないというか。
かつて、安全な壁の中からわざわざ外に出て戦う調査兵団を、多数の壁内人類は笑っていたんですよ。ところが今度は、自分達が世界から笑われる『順番』が回って来たって感じ。
これ、ものすごく皮肉で滑稽だなぁ……先生、狙ってます?
出てこなかったスルマくん達
イェーガー派が『自由の翼』つけてんの、汚されてるみたいですげぇ嫌だったけど、そのマークが新しいものに変わってたのはホントに良かった。(ヒストリアの仕業だったら好感度爆上がりだけどどうなんだろう)
ただ『自由の翼』の完成度が高すぎて『パチもんくさいのしか作れませんでした』感がすごい……これはすぐ消えるヤツ!
そういや、スルマくん達109期の皆さんが結局出てきませんでしたね。
一見、軍国主義突っ走ってるように見える島ですが、シャーディス教官の希望である『109期達が出てこなかった(参加してない)』のがポイントでしょうか。
前回の考察でも書きましたが、ヒストリア女王が軍を支持しておらず、あくまで『傀儡の女王』を続けているとすれば、現在は目立たないよう『時を待っている(まだ立ち上がるべき時ではない)』状況ってことかな。調査兵団の帰還を待ってるの?
あと、アンカさんも見当たらない。アニメで『ワイン飲んでないことが確定=シガンシナから待避した』と思われるので、無事だと思うんですが。
ピクシス司令の側近だったアンカさんが『戦え』ゆーとる面子の中に混じってたらすげぇヤだもんな……無事逃げ切ってるか、機会をうかがってるとかだといいんだけど。
ヒッチもそうだけど、フレーゲルくんやブン屋さん、超冷めた目のブラウスさん一家と、調査兵団ガチ勢と接点があった人らとそうじゃない人らとの温度差がすごいんですよね。何気にリコさんもいるけど、心中やいかに。
フロックは帝国帝国言ってたけど、ヒストリアは『エルディア国』と言っているし。
これでわかるのは『島のすべての人間が今のこの状況を支持してるわけじゃない』ってことでしょうか。
ヒストリアが『ガチ女王』として覚醒してこれから死にものぐるいでがんばるつもりなら、109期達はその擁立に立ち上がることになるのかな?
『古い兵団をやっつけろ!』とやってたイェーガー派の皆さんだけど、これから『順番』が回ってきそう。
エレンとアルミン、夢の終わりの巻き貝
- アルミンが『ありがとう。殺戮者になってくれて』と言ったのはなんで?
- 訳:「夢を諦めて死んでくれ。『始祖の巨人』は僕らが仕留める」
アルミンの『ありがとう』発言そのものは『これから死ぬとわかっている親友を否定してお別れ』はどうしても出来なかったんじゃないでしょうか。
映画デスノートで『父親として、死にゆく息子を否定することは出来なかった』と言った、主人公のパパみたいな感じ?(いまわの際に『僕は間違ってなかったよね?』と父に問いかけるシーンがある)
つまりアルミンの『ありがとう』は『これから死ぬ親友への思いやり』であり、それ以上の意味はないと思います。
このシーンで本当に見るべきは『アルミンの発言』ではなく『貝を贈る』という行為のほう。
この『貝』ってたしか、諌山先生がインタビューで『夢の終わりを意味してる』って言ってたような。(マガポケベースで見たっけ? 紙面インタビューだったと思うんだけど、ちょっとうろ覚え……)
アルミンの夢は『海を見る』で、『海にしかないもの』の象徴がこの『巻き貝』。『それをゲットした=夢の終わり』を意味してるんだとか。でもエレンは、それに見向きもしないで海の向こうを見ている。
つまり『エレンの夢』はまだ終わっていない。
そして現在。
エレンの夢だか目的はこの世のすべてを平らにすることだと判明。(『すべて』って、まさかパラディ島も含まれてたんじゃあ……)
過ちを犯す友のためにアルミンが出来ることは、せめて残り2割の人達を救うこと。(日本だったら約2千万人。地球全体だと約15億4千万人まだ救うことが出来る)
なのでアルミンは『みんなと一緒に生きたい!』『でもそんなの許されるわけない!』と、やってることと言ってることが矛盾して泣いてるエレンに、『夢の終わり』の象徴である『巻き貝』を『自分の手から』贈った。
この巻き貝、引導です。
アルミンがエルヴィンになれなかったワケ
エルヴィンは口では『人類のために心臓を捧げる』と団長としての使命を掲げて戦ってたけど、ホントは『世界の秘密を知りたい』という夢のために戦っていた。
エレンは『巨人化能力を消し去る』という進撃継承者の使命を背負って世界を踏み潰しに行ったけど、ホントは『ミカサやみんなと生きたい!』という夢があった。
でも、もはやそれは叶わない。だからアルミンは、自らの手でエレンに『巻き貝(引導)』を渡し、そしてエレンは『この過ちは絶対無駄にしない』という『アルミンの誓い』を聞いてそれを受け取った。
これって、『地下室に行きたい……』って言ってたエルヴィンに、『夢を諦めて死んでくれ』って言ったリヴァイと同じジャン。むしろ優しい顔で『●ね』と言ってるアルミンのほうが残酷なんじゃあ……
そりゃーアルミンがエルヴィンになれるわけなかったよ。リヴァイポジションなんだもん。
リヴァイ兵長にあこがれていたエレンが実はエルヴィンポジションで、エルヴィン団長を目指してたアルミンが実はリヴァイポジションだったとは、最後の最後ですげぇどんでん返し来たなぁ……
もしかすると『自分が持っていないものを持っている』から、エレンはリヴァイに、アルミンはエルヴィンにあこがれたんやろか。
夢が終わったエレン、夢の途中のアルミン達
『エレンの物語』はこれにて終了だけど、アルミンやヒストリア達はこれからも生きていくんですよね。
エレンがやった『巨人パワーを消し去る』までの出来事なんてアルミン達にとっては人生の第1章がやっと終わったところジャン。大河ドラマならまだ前半。
寿命13年になる『ユミルの呪い』が解けたわけだからなぁ……現在22歳のアルミンが120歳まで生きるとしたらあと98年あるんだぜ!(ギネス級)
ライナーは150歳くらいまで生きるだろうから『プロローグが終わってこれから第1章が始まる』とこですね!(もはやエレンの呪い)
???「生きろライナー!」
エレンとエルヴィン、この2人は『親友に自分の夢を終わらせてもらった』わけだけど、アルミンとリヴァイは、『親友の夢を自分の手で終わらせた』ことによって、リヴァイは『夢の続き』を、アルミンは『新たな夢』を追いかける使命が生まれた。
ほっといてもいい島にアルミンが戻るってのは、エレンとの誓いを果たすために、まだ巨人から解放されてない人達を救いに行くみたいだ。
島をどうにかして初めて『人類を救った』ことになるんだから、アルミンはまだまだ道半ばだよ。
それにしても、アルミン達は空とか海見てるのに、アニはアルミン大好きだね……
* * *
金眼銀眼さん
熱いメッセージありがとうございます!
ハンジさん、リヴァイ、エルヴィンは、エレンやアルミン達を自らの行動と無償の愛で導き、最後まで見守り続けた素敵な大人達でしたね。特にハンジさんは、導いたり送り出したり『お母さんか』ってくらい愛情深い人でした。
普通なら逃げ出す状況でありながら、逃げずに人としての義と信念を貫いたのは、エレンや仲間達への深い愛がないと出来ませんよね……本当にすごい人だった。
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
次回は自由の翼から解放されたリヴァイ兵長や104期達とか他細かいところの予定です。
↓次の考察はコチラ
↓前回の考察はコチラ