アニメ進撃の巨人 The Final Season 82話『夕焼け』感想と考察 暗い夜の始まり 島民とイェーガー派『賢い選択』の果てに【ファイナルシーズン】
アニメ進撃の巨人The Final Season82話『夕焼け』の感想と考察。
今回は、島民がエレンを支持する謎や、そんな島民と訓練兵達の違い、アニとアニパパの不器用親子の関係、ジャンがなってはいけない姿は誰なのか、なぜエレンはフロックを協力者に選んだのか、コニーにとって母ちゃんはなんなのかなどを考察しとります。
原作漫画の大きなネタバレは注意書きしてますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします。
なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。
島民達が捧げているもの
トロスト区から始まった今回の82話。
ちょっとオシャレに装飾するんでなく、こんなドーン! とテキスト出てきてちょっと吹いた。いや、わかりやすいけど。
さて、そんなトロスト区では、壁の崩壊に思いっきり一般人巻き込まれてます。(トロスト区だけちゃうやろけど)
住民同士で争い起こりそうになってたりと、やっぱエレンお前島守る気(以下略)
住民達の『心臓を捧げよ』に違和感あるのは、そもそもこの言葉は『誰かを守るために自分の心臓を捧げます』っていう利他的な意味の言葉だったはず。
でも住民達が今言ってる『心臓を捧げよ』って『俺らの自由のためにおまえの心臓を捧げろ』という『利己的な意味』で使ってない? だってあんたら、『島を救うためにお前ちょっと心臓捧げてくれ』なんて言われたら、全速力で逃げるでしょ。
『死んだ甲斐があったな』も、それ『死んでもらった甲斐があった』の間違いでは?
まあ、言ってる側にも被害に遭ってる人いるけど……元々、エレン支持者だったんだろうか? 支持してきた手前、被害に遭ったとたん手のひら返しもカッコ悪いし、なにより責任とりたくないから、無理やりにでもエレンを肯定してるの?
だって『エレンのことを怒る』ってことは『エレンを支持した過去の自分も怒らなきゃいけない』ってことだからなぁ……
つまり、
- エレンのことを怒る
- エレンを支持した過去の自分も怒る
- エレンも悪いが支持した自分も悪いと認める
- こうなったのは自分のせい
と、認めることになるよね……
となると、この人達が本当に支持したいのはエレンじゃなくて『エレンを支持した過去の自分』じゃない?
でもこれさー。それで死んだのが親兄弟や自分の子だったら? その人達に対しても『死んだ甲斐があった!』って言うの?
死ぬまでいかなくても、たとえば子供がこれでケガしてんのに、親が『心臓を捧げよ!』なんて言ってたら、子供『パパは僕の心臓捧げていいって言うの?』『僕をケガさせた人が正しくて、ケガした僕が悪いの?』って思っちゃうんじゃないかな……
そう思ってグレちゃったのがグリシャなんですよ……
グリシャの父ちゃん『賢い選択』の果てに
グリシャの父ちゃんも、娘を●されたというのに、それでも『マーレという大国への服従』が『正しい選択』なんだと、息子に『お前が我慢しろ!』と強要した。
たしかに『これ以上ひどい目に遭わないように』という視点では、クルーガーさんが言った通り『賢い選択』ではあった。
ただ、その後のフォローが『愚か』だったよね。
この時のグリシャは、『一緒に怒って欲しかった』と思うよ……たとえマーレに直接言うことは出来なくても、『父さんだって悔しい! 腹立つ!』と、グリシャの気持ちに寄り添ってくれてたら、グリシャもあんなに憎しみを腹の中に抱えずに済んだかもな……
しかし父ちゃんは『楽園送りになっていいのか!』と、グリシャを否定した。
これって、自分達を人質に子供を脅してるよね。
で、そんな『賢い選択』をしたグリシャの父ちゃんがどうなったかというと、『我が身の安全』は得たが、もっと大事な『我が子からの信頼』を失った。
おかげで息子は復権派に走り、嫁さんと共に楽園送り。反出生主義に育った孫は巨人継承して寿命1年もない。自分はメンタル病むし、一応奥さんはいるけどもうどっちが先に死ぬかという段階。
挙句の果てに、知らん間に生まれてたもう1人の孫が、自分ら踏みつぶしに来ます宣言してくる始末。
『家族を失わない』ために『賢い選択』したはずが、家族どころかなにもかもすべて失ってないこの人?
それってつまり『賢い選択』と『正しい選択』はイコールではないってことなんですが。
島民もそう。エレンへの憎しみや不満を訴える被害者達を『だってそうしなきゃみんな死んでただろ!』と否定し、『大勢の島民』を人質に『心臓を捧げよ!』と自分で自分を脅してる。
島民的には、別に『ヒストリアに巨人継承してもらってぷち地鳴らしで世界をけん制』でも十分良かったはずなのにね。その辺の事情知らんかったのかもしれんけど。
なのにエレンを支持するのは、幾万の『壁の巨人』を操るエレンの始祖パワーに恐怖して『これ逆らったらヤバイ!』と、無意識のうちに『服従』してるんじゃない? それが『賢い選択』なのだと。
だからかつてグリシャの父ちゃんがしたように、泣いてる人たちに我慢させることで、自分達が助かろうとしてない?
でもそれをした結果、今はよくても『将来的にすべて失う』んじゃあ、『本来の目的』果たせてないよ?
いや、そもそもそれは、本当に『賢い選択』なのか?
だってグリシャの父ちゃんが『その選択』をした理由は、『立ち向かうだけ無駄だ』という『あきらめ』だったから。
つまり島民は、エレンを『支持してる』というより、ミラクル始祖パワーという『強大な力』に立ち向かうことはあきらめて絶対服従を選んだってことかな? それって世界には勝ったかもしれないけど、巨人には敗北したよね。
これでホントに島の外が滅びた時、『もう争いのない自由で平和な楽園が訪れる!』と思ってるんなら、ずいぶん快適な脳内だよなって思うわ……
今回のタイトル『夕焼け』だけど、それって『暗い夜の始まり』ってことだからなぁ。
シャーディス教官と訓練兵達、本当の『賢い』選択
島の一般人が、『始祖の巨人』という『強大な力』を前に『服従』を選択してる一方で。
『過去の自分達(と言ってもちょっと前だけど)』を『間違いだった』と考え直したのがスルマくん達訓練兵。
こちらはシャーディス教官という『血の通った人間』に、『教官は俺達が守る!』と胸キュンなことを言い出した。
なんかこれ、前回考察したルイーゼとカヤみたいだなぁ……
ルイーゼが『等身大のミカサ』に興味がなかったように、島民も『等身大のエレン』に興味ないんですよ。だってこの人達、エレンの『人柄』なんて知らないでしょ?
『何も知らない』からこそ、『神様』みたいに崇めることが出来るし、必要以上に恐れることも出来るわけで。
ただ、確実にわかっているのは『強大な力を持っている』という点だけ。
『強大な力』を見て、『邪魔なヤツは圧倒的な力で屈服させることが正しい』と思った結果、ルイーゼは『屈服させる側(イェーガー派)』になり、島民は『屈服する側(ひどい目に遭っても我慢する)』になった。違うのは『させる』側か『する』側かってだけ。
一方で『弱くてかっこ悪い姿』を見せながらも、それでも巨人という『圧倒的な力に立ち向かった』サシャに惚れたのがカヤ。
今の訓練兵達はサシャに惚れたカヤと同じで、教え子にぶん殴られるという『かっこ悪い姿』をさらしながらも、それでも、そんなことした自分達を責めることなく、体を張って助けてくれたシャーディス教官という『等身大の人間』に惚れた。
『手のひら返し』と言うと悪く聞こえるけど、『あやまちだ』と気づいたら『正せる』って、根はまじめで素直な子達だと思うよ……(素直がゆえに、親の言葉や多数の意見をまじめに真に受け、流されちゃうんやろな……)
大人ほど、『自分のあやまち』を認めたがらないからなぁ。
『あやまちを認めたくなかったせいで部下を死なせまくった』と思い込み、悔やんでるのがシャーディス教官。
でもその経験がなきゃ、今のシャーディス教官は絶対いなかったでしょ。調査兵団をめっちゃ強く育てたのも、間違いなくシャーディス団長だったし。
今は教え子達の身の安全のために服従を促したけど、『来るべき時が来たら立ち上がれ(強大な力に立ち向かえ)』ってのは、引退した身とはいえ『今はダメでもいつの日か』と、未来に『希望』を託し続けた調査兵団の魂が生きてるね……
ちなみにそんな調査兵団を『賢い』と言ったのがグリシャだったりする。
グリシャが壁の中で人を愛せたのは、『希望』を見たからじゃないですかね。
グリシャの父ちゃん的価値観だと調査兵団は『愚か者』なんだろうけど、『服従=賢い選択』と思ってそうした結果はさっき言った通り。
本当の意味での『賢い選択』をしてるのは、『希望』を育て、守ったシャーディス教官なんだろうと思う。
世話焼きヒッチとツンデレアニ
さて、ヒッチとアニが再会しました。
さすがに4年間石の中で同じ姿勢で固まってたんじゃあ、体カチカチでしょうな……しかも意識あったとか、もはやその辺の修行僧より過酷な修行詰んだよね……
そんな状況でも、わざと足跡つけてミスリードを促す知恵働かせるとか、結構元気なんじゃあ……?
それにしてもヒッチ、初登場時はアホっぽい嫌味キャラのふりして、根は世話焼きだったり仕事はきっちりこなしたりと、『本物のいい女』だよねこの子。マルロのヤツ、こんないい子を泣かせやがって……(つД`)
そして混乱に乗じて結局アニを逃がしてあげるの、『兵士』としてはダメかもしれないけど、『人』としての情が厚い。
そして突然始まるアニの生い立ち劇場。
誰にも語ったことなかっただろうに、ヒッチには話してもいいと思ったんだろうなぁ。
外伝じゃあ陰気なルームメイトに『オシャレしなさいよ』とお土産買ってきてくれたり、正体バレた後でさえも、4年間、ずっと自分のことを理解しようと通い続けてくれた子だからな……
そしてヒッチのおかげで『考えもしなかったこと』を考え続け『取り返しのつかない罪を犯した』と自覚できたけど、『父の元へ帰るためならまた同じことをやる』ってのは、規模が違うだけで『島を守るために世界滅ぼします』と言ってホントにそれをおっぱじめたエレンと同じだよね……
ヒッチの『帰っても瓦礫と死体しかない』は『そんなことをしたってお父さんには会えない』と諭す意味で言ったのかもしれないけど、『そんなことしたって島は救われない』というエレンへの非難にも聞こえる……
アニとアニパパ、不器用親子のすれ違い
アニ、ずいぶんいい家の前に捨てられてるんですが。ここってアニの親の家?
でも自分ちの前に赤子捨てないよな……
女側が『責任取れ!』って意味で男の家の前に赤子を置き去りならわかるけど、『母親の浮気相手がエルディア人』ということは、母ちゃんはマーレ人で父親がエルディア人でしょ?
エルディア人がこんないい家住めないでしょ……それとも、ここって孤児院かなんかの施設の前かな?
しかし、ライナーも父ちゃんマーレ人だけど、オイオイ、結構マーレ人とエルディア人のカップルおるやんけ。まあ、だいたいが遊ばれてたようだけど……
さて、アニの話じゃ『パパは良い暮らしをしたいがために、自分を戦士として育てただけ』と語ったけど、でもそれだったら男の子のほうがよくない?
格闘技なんて、女の子より男の子のほうが将来的に強くなると思うんだけど。わざわざ女の子を育てるか?
ボコボコにされたのに喜んだのだって『自分の格闘技(と、育て方)のすごさ』をアニが証明してくれたようなもんだし。だってこんな小柄な女の子が格闘家のおっさんボコるって、すごすぎるでしょ……
そして『あやまちだ』と気づいたら謝罪し、正せるって、それって『いい大人』では……だって足のことといい、アニが島へ送り込まれることといい、この人、自分の不幸を『マーレやアニのせいにしたことなかった』ってことでしょ?
それに、上手にやった時は『さすが俺の娘』と褒めてたよねこの人。
アニパパ、1人で孤独だったんかね……外国から来たというし。
これって理由は後付けで『自分と似たような境遇の子をどうしても見捨てることが出来なかった』んじゃないかなぁ……つまりきっかけは無償の愛。
単に『愛情の伝え方』を知らない不器用な人だっただけで、本人は最初からアニを愛していたんでは……そしてアニも、不器用すぎてうまく愛情を受け取れなかったんでないの?
『自分には格闘技しかない』もんだからそれを教えることしか出来ず、その格闘技を生かしてアニに良い暮らしをさせようと戦士にしたものの、予想以上に結果を出してしまって、おかげでアニは寿命13年になるわ『悪魔の島』に送り込まれるわとなったもんだから『間違いだった』と後悔した。
でもストレートに『帰ってきてくれ』と伝えたことで、ようやくアニも『愛情』を受け取れたんだろうか。
その瞬間、『ホントの親子』になれたから『この人は私の父だ』と思えるようになったのかなぁ……
あ、ぶっちゃけ『血縁上の父親』って意味ではないと思う。似てないってのもあるけど、そもそも既婚者と浮気するようなダメ男が、浮気女が産んだ子を育てるという大人の責任感持ってるとはとてもとても……(冷淡)
ライバルは、なってはいけない自分~ジャン編~
前回の考察では『ライナーやガビのなってはいけない姿がエレン』と書いたけど、『ジャンのなってはいけない姿』ってまさにフロックだよね。(訓練兵達の『なってはいけない姿』はイェーガー派か)
なお、フロックは昔のジャンのことを『いい加減でムカつく生意気なヤロー(悪口)』と思ってた模様。
そしてそんな『昔のジャン』に『戻れ』と言っている。
これってつまり、『今のジャン』は『責任感あるカッコいい野郎』と思ってるってことか……
でもって『いい加減でムカつく生意気なヤロー』に戻ったジャンに、『島の統治者側のお仕事』やってもらおうってことは『この島の統治はいい加減でムカつく生意気なヤローが行います☆』ってことになるんですが。
だって政治にせよビジネスにせよ『責任感あるカッコイイ野郎』は多いに越したことはないはずなのに、わざわざ『いい加減でムカつく生意気なヤローに戻れ』ってことはつまり『責任感あるカッコイイ野郎はいりません』ってことでしょ?
それって『いい加減でムカつく生意気なヤローにとって住み心地のいい島を作ります☆』って宣言しとるようなもんなんですが。
それ『新時代』ちゃう。古い王政時代に逆戻りしとる。(そもそも『エルディア帝国復活』と言ってる時点で古い時代に『戻ろう』としとる)
さらに言うなら、昔のジャンを『いい加減でムカつく生意気なヤロー』と思ってたフロックは、エレンから『いい加減でムカつく生意気なヤローと思われてる』ってことにならない?
だって、ジャンで良かったじゃん。協力者。
なんか『俺はエレンの代弁者!』と、ずいぶん誇らしげに言ってるけどさ。
なんでエレンは、フロックを協力者として選んだの?
『責任感あるカッコいいジャン』は、『自分の計画に協力してくれない』とわかってたからでしょ?
つまりエレンの視点で考えると、
- 『責任感あるカッコイイ野郎』じゃ自分の計画に乗ってくれないんで逆の人を協力者にしよう!
- 『責任感あるカッコイイ野郎』の逆の人としてエレンはフロックを選んだ
- つまりフロックは『責任感あるカッコイイ野郎』の逆である『いい加減でムカつく生意気な野郎』とエレンは思ってる
ということになるんだけど、フロック、あなたホントにそれでいいの……?
それとも『大事な仲間』であるジャンを巻き込みたくなかったから?
そっちもそっちで、フロックは『大事じゃないから巻き込んでOK!』ということになるんだけど、あなたそれでいいの……?
つまりエレンの目から見ても、今のジャンは『責任感あるカッコいい野郎』。だから計画をしゃべるわけにはいかなかったってことになるんですが。当然アルミン達も。
だって『責任感あるカッコいい野郎』は、恩をあだで返したり暴力で人を支配したり同胞を巨人に変えたり、ましてや『俺達さえよけりゃあそれでいいんだよ!』と、世界滅ぼして喜んだりしない。
だって『責任感あるカッコいい野郎』の面構えじゃないだろコレ。
ジャンは、エレンのことを『むかつくけれどカッコイイ』と思ってたんですよ。なぜならジャンは自分のことを『いい加減でムカつく生意気なヤロー』と思っていたから。
しかし今、目の前にいるフロックは『ジャンのなってはいけない姿』であり、エレンはそんなフロックを『協力者』として味方につけた。つまり今のエレンは、かつてジャンが『カッコイイ』と思ってたエレンとは違う。むしろ『いい加減でムカつく生意気なヤロー』。
だってエレンが今やってるのって『俺達はエレンに大量虐殺してもらうために戦ってました』ってことにするための行為だもんな……
エレンがやってることの意味
ジャンは『この戦いの先に何があるのか』『なんのために命を使うのか』を知りたかったんですよ。
そしたらエレンの『世界滅ぼします宣言』が来た。
それってつまり。かつて、エレンを守るために命を落とした大勢の兵士や、王の独善と戦い、心臓を捧げたエルヴィン達、なんなら発足から今に至るまで『人類を守るため』に心臓を捧げたはずの調査兵団そのものが、『島の外の人類』を滅ぼすために命を懸けて戦い、そして命を落としたってことになっちゃうんですよ……もちろんサシャもそうだし、ザックレー総統やピクシス指令達もそう。
サネスさんは今頃『そうか、王はこれを恐れてエレンを●そうとしたんだな。やはり王は正しかった』と思ってると思うよ……まあ、この大量の超大型巨人作ったの壁の王だけど。
壁の王や世界にめっちゃキレてたくせに、その王様や世界に『ホラ見ろやっぱ俺ら正しかったじゃん!』と確信させたのが今のエレン。
初代エルディア王の『巨体で世界を支配しろ』という言葉に『終わりだ!』なんて言っといて『巨体による支配を開始』したのが今のエレン。
幼い頃『調査兵団バカにすんな!』ってキレてたくせに、人類史上最も調査兵団をコケにした男。それが今のエレン。
エレンに調査兵団をこの上ないってくらい侮辱され、しかもこんなことのために利用されたジャンは、エレンにブチギレていいはずのポジション。
しかし、あまりに強大な力を前に、臆病風に吹かれちゃってるねこれは……追い打ちをかけるように、フロックの『もう戦わなくていいんだよ☆』という悪魔のささやきに揺れてる。
しかしそこに、去り際のオニャンコポンの目。
ジャン的に、怒りも憎しみも悲しみすらもない『無表情』なのが、逆にダメージデカいやろな……牢屋からジャン達を出し、『エレンを助けよう』『子供は未来だ』と、説得したのオニャンコポンなのにこの仕打ち。
むしろこのオニャンコポンの目に何も感じなかったら、まさにジャンは『いい加減でムカつく生意気なヤロー』という『フロックが思ってた通りの人でした』ということになるね。
つまり、これまでの経験を経て育った『責任感あるカッコいいジャン』を『否定する』ってことになる。果たしてミカサちゃんは、そんな『いい加減でムカつく生意気なヤロー』に惚れてくれるかな?
コニーの悪魔と帰る場所
エンディングとコニーをかぶせてきたな……
まさに今のコニーは悪魔の子。ファルコと初対面のフリしたり、善良な兵士のフリしたり、真の悪魔は天使の皮をかぶってやってくる……!
しかしそのままだと母ちゃんを『悪魔の母ちゃん』にしてしまうぞ!
コニーにとって『母ちゃん』って『帰る場所』なんだなぁ……だってもし母ちゃんがふつーに動ける巨人だったら、他の家族同様、とっくに討伐されてたんだもんな……つまりもう、『帰る必要』がなくなってた。
それって『故郷をなくした』と同じだよね。
そして今。『母ちゃん』という『帰る場所』がなければ、コニーは子供の誘拐なんてする必要がなかった。そういう意味じゃあ『母ちゃんの存在』がコニーの『自由』を奪っている。
とはいえ。もし母ちゃんまでお亡くなりになってたら、サシャを失った時みたいに、『憎しみ』に『自由』を奪われてたんじゃないの? もしくは、『兵士になった理由』もなにもかも失って、無気力に『ただただ生きるだけ』になっていたか。
それって、今まさに故郷を失おうとし、『強大な力に屈しろ』と迫られてる義勇兵達と同じ状況。
たとえどんな姿でも『母ちゃん』が生きているからこそ、コニーは憎しみに狂うことなく、コニーのままで生きていられたわけで。
ところがここで、母ちゃん復活アイテム(ファルコ)ゲットで狂い始めた。
目の前に『母ちゃん復活』をちらつかされて、コニーの悪魔がじっと出来なくなっちゃったんだろうなぁ……
でもそれで母ちゃんが復活したとして、抱き合って『生きててよかった!』と喜べるんだろうか?
冷静になった時、今度は『母ちゃんに子供を食わせた』という『新たな苦しみ』が待ち構えてるだけにしか見えないけど。
母ちゃんだって、それで人間に戻れても、もう旦那と下の子2人はいないし、『九つの巨人』を狙って誰かに食われることにおびえながら『ただただ生きるだけ』の地獄の新章が始まるだけだと思うよ……それってホントに『母ちゃんのため』なのかコニー……!
『母ちゃんに会いたい』という『自分の欲望』のために、むしろ母ちゃんを犠牲にしようとしてない?
急げアルミン! アルミンが助けたい人
アルミンも口では『新たな争いの火種を阻止するため』みたいなこと言ってるけど、ホントに助けたいのはコニーじゃないかなぁ……
だってコニーを止めることが出来なかったら、ガビがファルコを失うように、アルミン達もコニーを失うことにならない?
これでコニーが『母ちゃん生き返ったよー』とノコノコと戻ってきた時、アルミン達はこれまで通り仲間として『信頼』出来るの?
『巨人に子供食わせといて、どの面下げて戻ってきた』と思わずにいられる?
ジャンやコニーに、アルミンは『もっともらしい理由』を挙げて食わせることを反対してたけど、ホントの理由は『人としてそれはアカン!』だったんじゃないの?
コニーだって、たとえ母ちゃんを取り戻せたとしても、もう自分のことを一生許すことが出来ないと思う……
だって、母ちゃんが望んだ『みんなを守る立派な兵士』は、自分の欲望のために子供を犠牲にするなんてしない。
仲間にも母ちゃんにも顔向け出来なくなったコニーは、もうみんなの前からひっそり消えるんじゃないかと思う……
八方ふさがりのマガト。ヒーローは遅れてやってくる
飛行船が飛んでっちゃって『これでいい』なんて言ってるけど、マガトさん自身は結構ピンチな状況ですな。
だってこれもう、為す術ないでしょ。
マーレに帰れないとなると、まあ出来ることと言えば、もはや島で細々と自給自足で隠れ住むくらい? でもそんなの絶対しないでしょこの人。
最後までみっともなく足掻くために、ライナーと合流し、ライナーとピークちゃんと共に1人でも多くの『島の悪魔』を●して果てるくらいしかないんじゃない? それってアルミンが恐れてる事態だよね……
しかしそこに、遅れてきたヒーロー登場。
前回の教官と違って、こちらの『遅れて来たヒーロー』は満を持してド派手に登場するんでなく、通りすがりにトコトコ出てくるんだよなぁ……
めっちゃでけぇ大迫力のお口が目の前まで迫ってんのに、むしろ歯の本数数えてんじゃないかってくらい平然と突っ立ってんだもんな。
団長! 度胸が据わりすぎです!
そして去年の春のFinalSeason1の最後でドッカンしたまま終わり、FinalSeason2の初っぱなでいきなり川流れしてた人生ハードモードの人畜無害の死に損ないさん、お帰り……
お疲れ様です……
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
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