【進撃の巨人】あいつやそいつの面構えの違いを考える
進撃の巨人考察も20回目となりました。今回は『表情』に注目。
諌山先生は表情の描き方がすごいですよね。余計なセリフとかなくても、表情ひとつで今、どんな気持ちなのか訴えてきます。(一切セリフなかったのにユミルちゃんはすごかった)
今回は、『どうしてこんな風に描いてんだろ?』という点に焦点を当てて考察します。
あと、そんな顔に描かれている皆さまの行く末についても。
今さらなものやよその考察とかぶったりとかそりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
2020年3月の127話時点の内容です。ネタバレ配慮してないんでご注意を。
エレン支持者が悪人面に描かれているのはなぜか
ネット界隈で『イェーガー派ってずいぶん悪人面に描かれてるよね』というのを見かけました。
きれいなおめめのアイツとの違い
兵団支部でデモやってる民衆とか、なにかを罵倒したりするシーン、たしかに皆様悪そうな顔してますね。いや、状況的にそらそうやろと思うのですが。
ところがです。やってることは非道なのに、ずいぶんきれいなおめめに描かれてる人がいるんです。
そうだね。みんな大好き☆グロス曹長だね。
この差ってなんですか?
それは、『正義の行いをやっているから』でしょう。
最終的にはクルーガーさんに落とされて終了したわけですが、少なくともグロス曹長は『エルディア人を根絶やしにすることは正義の行い』と心の底から信じているように思えます。そうでなきゃこんなきれいな目はしないでしょう。
ご本人が言ってる通り、市街地に出てきたスズメバチの巣とかクマを人々のために駆除している感覚。グロス曹長的には、心の底からエルディア人を人だと思ってなかったんでしょうなぁ……
島サイドに話を戻します。
めっちゃキレイなおめめに描かれてるグロス曹長に対し、割と悪人面に描かれている島民。
『エレンを支持する=悪魔と認める』だと考えると、諫山先生は『悪人面』というより『悪魔の顔』として描いているんではないでしょうか? 知らんけど。
中にはルイーゼみたいにキレイめに描かれてる子もいるけど、あれはグロス曹長みたいに『本気で正しいと信じてる』からでは。(疑うことを知らない無邪気な子供?)
↑『真っ直ぐ』なんだけど、どこか『狂犬のような』真っ直ぐさなんだよなぁ。
それに複雑な感情を抱いていたのがファルコ達。
良くも悪くも、素直で真っ直ぐすぎたんでしょうな……
あと、クサヴァーさんも。
これから食い殺されるっつーのに、たいへん穏やかなお顔で……
幼少ジークが出会ったのが、クサヴァーさんではなく兵長や104期ユミルみたいな人だったら、彼の人生は大きく変わってたと思わずにいられない。
でもこれ、『悪人面に描かれている』ということは、彼らの中にはまだ『自分達の行いは悪魔の所業だ』という自覚があるということの現れではないでしょうか?(まったく自覚がないどころか正しいと思ってるのがグロス曹長やルイーゼ。だからきれいな目。フロックはそもそも悪魔になりたくてなったからあの顔で正しい)
そう考えると、覚悟を持ってガチ悪魔になっているエレンのあの顔は、先生的には超正しく描いてるんじゃないですかね。知らんけど。(エレン放送の顔、どえりゃー顔しとる)
進む意思を嗤う豚の行く末
126話の考察後編でも書きましたが、現在のイェーガー派の皆さんって、もうじき完成する安全な家畜小屋を喜んでるようにしか見えないんですよね……
この場合、『ご主人様』は『エレン』ってことになるのかな?
『ご主人様』は家畜が快適に暮らせるように小屋を建て、食事を与え、外敵からも守ってくれる。
しかし忘れてはならない。『家畜』の存在理由は『ご主人様に食われる』ことであると。
つまりこの仕組みで行くと、イェーガー派を支持する皆さん(家畜)は、エレン(ご主人様)に食われることになるよね……現状、ご主人様ポジションにフロックがいるわけですが。(昔、『注射器私物化した!』と咎めといて、今『エレンの代弁者』ゆーてイェーガー派私物化してるよね……)
それに『巨人の力で外の敵滅ぼす』って『巨人に屈した』ことになるんですよ。『人間としての』力で解決したわけじゃない。(それを『弱い人間の発想だ』と認めているのがエレン本人という皮肉)
むしろ『立体機動』こそ人類の英知と希望の結晶なので、それで巨人を屠りまくる兵長のほうがよっぽどヒーロー。(そのアッカーマンも『巨人の力』なんですが、『巨人化しなかった』ってことは『巨人に屈しない=巨人より強い人間』とも取れる?)
結局自分達は『人の皮かぶった怪物』で、島外滅びた後も巨人による支配は続くことになる。(抵抗する者は暴力で黙らせるジ●イアン方式)
そのことに気づいて、『家畜は嫌でござる!』『拙者は人間でござる!』とハンジさん側に寝返る人が出てきたりするのか?(何故侍)
しかし問題なのは、『家畜小屋』から逃げた後のプランがお先真っ暗なこと。
家畜小屋の外は危険。飛び出た瞬間、飢えた狼に食われるかもしれない。
それでも外に出た。
安全な家畜小屋の中で、他の家畜達は『馬鹿なヤツだ』と笑う。しかし、忘れてはいけない。家畜の生殺与奪権はご主人様が握っているということを。
今日笑ったあいつが、明日、ご主人様の食卓にのぼっているかもしれない。
クルーガーさんがグリシャを、エルヴィン団長がハンジさんを後継に選んだのは、そういったところだったのかも。
ハンジさん的に辛いのが、『世界の真実』を知る前のメンバーが兵長と104期数人しか残らなかったことやな……それ以降に入ってきたメンバーとそれ以前からいたメンバーでは入団理由が変わっちゃって、元々の『調査兵団』の存在理由とズレが生じていそう。(編入組の中堅はみんな死んじゃって、今は新兵ばっかだし……助けてシャーディス教官!)
ハンジさん達がイェーガー派の皆さんを説得するとなると、『おまえら一生家畜(他人に命握られてる)やけどええんか?』という点をつつくことかな?
ハンジさんには調査兵団団長として『巨人の真実』を世界に報告する義務が残っているので、最後まで生き残って欲しい……(『お花畑』言われとっけど、『暴力で解決☆』より困難ないばらの道やぞ。毒蛇もスズメバチもヒグマもでっぞ)
さて、一方で『屈してもいいじゃないか』と言ったのがフロック。
【屈してもいいじゃないか】
訳:狼に食い殺されるくらいなら家畜として楽に生きようぜ!
備考:ただし生殺与奪権はこっち持ち☆
…………
あ。エレン、この子のこときっと嫌いだ。
となると、『エレンを止める方法』って、みんなが一斉に『家畜は嫌でござる!』すること?
『守るべき家畜』が、みんないなくなっちゃえば、家畜小屋の主人は廃業ですし。
もし島全体が『世界と話をしよう』という流れに進むことに成功すれば、エレンも地ならしする意味がなくなって、マガトさんを通じて島外との対話に進むとかありえるか? うーん、でもそんな都合よくいくかなぁ……(すでにマガトさん死亡扱いでマーレに飛行船が帰っちゃってるし、マーレも嫌われまくってるしなぁ……)
かといって、『島の外が滅びたことで敵はいなくなり、島民はみんな平和に暮らしました。めでたしめでたし』で終わってくれる、そんなやさしい世界やないと思うんや……(すでに内ゲバが起こる兆しが)
仮に内ゲバが起こらなかったとしても、地球の反対側で起こった地震の津波が自分とこまで来ることあるんやぞ? 島だけ天変地異もなく平和なわけないやろ……
それに『ユミルちゃん解放する方法』ってのがまったく言及されてないんですが。(肉体は二千年前に死んでるし『道』を通じてヒストリアの子に転生?)
場合によっちゃ『解放条件=世界からユミルの民が一人残らず死滅する』の可能性もあるんじゃねーの? 知らんけど。
エレンが島外滅ぼした後(島外のユミルの民死滅)、最後はユミルちゃんが壁巨人くんを島でスキップさせたりして。知らんけど。
今回はここまでです。
次は趣向を変えてタイプ別キャラ診断みたいなヤツです。(同じ記事にまとめるつもりが、長くなったんでわけました)