メダリストscore56『JGPファイナル中国大会SP(後編)』感想と考察 いのりのカンフーナルキッソスと司の解答
メダリストscore56『JGPファイナル中国大会SP(後編)』時点の感想と考察です。
今回の記事書いてた頃、ちょうどNHK杯フィギュアがあったので見たのですが、そういえば、リアルフィギュアはこれまであんまりちゃんと見たことなかったなぁ……せいぜい、ニュースのスポーツコーナーの結果見るくらい?
改めて見たけど、解説さんの言ってることや選手のすごさがわかってきた……ありがとうメダリスト。
絵画もそうだけど、スポーツも『見方』を知らないと、本当の意味で楽しめないんだなぁ。
- 内容は56話時点のものです
- 個人の感想です。効果には個人差があります
見る側も成長が必要
今回はようやくいのりの滑走でした。だいぶ久しぶりな気がするなぁ……
タイで初めての海外試合の時は、他の選手の演技と自分の演技を比べて感情が乱高下していた子が、今回は他選手の演技見ても『きゃーステキ~☆』するくらい余裕ぶっこいてたし、大丈夫っしょと思っちゃいたけど、いざ滑走が始まると、やはりハラハラするね……
それにしても、ノービス時代は『ジャンプのすごさ』で競っていたのが、今度は『芸術的な見どころ』や『曲の世界感』が加わって、いのりと共に『見る側』もレベルも上げてかなきゃいけない『新鮮さ』が加わってきた。
映画のテーマソングなら映画の内容も理解してなきゃいけないし、単に『曲に合わせて滑りゃいい』ってもんじゃないよなそりゃあ。
いのりの滑走も、これまで積み重ねた成長を感じられ、瀬古間さんじゃなくても子の成長を見守る親気分になるね……今(ジュニア)でこれなら、シニアになったらどうなんのこの子。
司の解答
さて、今回のいのりの結果は、タイでのライリーの問題提起に対する司の解答でしたね。
タイ戦の時、コレオシークエンスの得点が伸びなかった原因として、ライリーは『広々使えるリンクがないから練習量が足りなかった』と、つまり『環境の問題』を挙げた。
![メダリスト score45 善意の策動[つるまいかだ / 講談社]](https://asuhon.sakura.ne.jp/dshonki4120/wp-content/uploads/medalist045_02.jpg)
メダリスト score45 善意の策動[つるまいかだ / 講談社]
だから『移籍して環境変えようZE!』と提案したわけだけど、それって『負担』がかかるのは結局選手になっちゃうんだよね。
しかも、そこまでして結果が出なかった時、『代償』を支払わなきゃいけないのも選手。
一見、『選手に適切な環境を与える』という『コーチとしての責任』を果たしたようでいて、『リスクをすべて選手に負わせる』という『無責任』になりかねない。どんなに大人が『ダメだった時は責任取ります!』ったって、『失った時間』ばかりはお金じゃ買えないんだよ……
当時、覚えることが多すぎて、すでにパンク状態だったいのりにとって、それはもはやリスクしかない博打だった。
まさに『空回りにしかならない本気の証明』になりかねない。
司は、その辺のことをよく知っていた。まさに自分が通った道だから。挫折が少ないライリーにはない『強み』だと思う。
![メダリスト score56 JGPファイナル中国大会SP(後編)[つるまいかだ / 講談社]](https://asuhon.sakura.ne.jp/dshonki4120/wp-content/uploads/medalist056_02.jpg)
メダリスト score56 JGPファイナル中国大会SP(後編)[つるまいかだ / 講談社]
ライリーは『環境を変えれば解決出来る』と自信を持ってプレゼンしたけど、司は『コーチ側が変わる』ことで解決に挑んだ。
育てるべきは選手かコーチか
いのりはまだ、ジュニアになったばかりの中学生。表現力など一朝一夕でどうにかなるもんではない。練習だって、大人が止めなきゃ『しすぎる』いのりに、これ以上の負荷はかけられない。
でも、てっぺん取りたいのは『今』なわけで。
そこで司は、いのりの『負担』を肩代わりするために、選手よりもコーチに負荷をかけた。やり方が筋肉質!
![メダリスト score56 JGPファイナル中国大会SP(後編)[つるまいかだ / 講談社]](https://asuhon.sakura.ne.jp/dshonki4120/wp-content/uploads/medalist056_01.jpg)
メダリスト score56 JGPファイナル中国大会SP(後編)[つるまいかだ / 講談社]
司「筋肉は負荷かけて育てるもんだからね!」
シンになったいのり、幽霊になった司
司の作戦って、まさに『カンフーナルキッソス』の主人公が、幽霊に憑依してもらって戦ったように、司達コーチ陣がいのりに憑依して演じたってことだよなぁ……だからコーチ陣の『本気のお手本』が必要だった。
これって体力もそうだけど、コーチ自身が実力者であることも必須ですやん。
コーチに転身したからといって、『もう選手時代のように滑れんなってもえーわ』じゃなくて、『コーチになっても現役バリバリの滑り』が出来るよう、日頃から己に課すって、モチベーション保てるの? もう日の目を浴びることはないのに。
だけど司には『それ』が出来た。司が滑るだけで、いのりさんのモチベは爆上がりだからなぁ……
司って、たとえ自分が姿の見えない『幽霊』でも、『選手と共に戦う強い意志』があるよね。
しかもこの戦法を試したタイの次の大会で、しれっと優勝しとる。いきなり結果出とるやん!
![メダリスト score48 約束の日[つるまいかだ / 講談社]](https://asuhon.sakura.ne.jp/dshonki4120/wp-content/uploads/medalist048_01.jpg)
メダリスト score48 約束の日[つるまいかだ / 講談社]
当時、ライリーの『原因は環境の問題説』があっさり否定されて、司、何やったんやと思ってたけど……今回の大会は、その集大成だった模様。(ホントは全日本の予定だったのかもしれないけど)
大会前に、いのりが反抗期爆発させたのも、いい方向に作用したんだろーなぁ。
応えたいのりもえらいけど、『金メダリスト(ライリー)の助言』に惑わされず、『己の道』を信じた司もえらい。司も成長したなぁ。
そらこんな後輩いたら、洸平くんもケツに火ぃつくわな……
リンクを広々使える『環境のおかげ』で美玖を強く育てられたけど、同時に利用者が少ないという『環境のせい』で、美玖がスケートを辞めざるを得なくなったのが洸平くんだったからな……
司は『環境のせい』にせず『己の問題』として挑戦し、いのりを勝利に導いた。
安全志向で思い切った挑戦はしない洸平くんのこれからも気になるところ。
見えないところにドラマがある
てっぺん取るには、『遠慮』なんてしてる場合じゃない。そして『自分の1人の力』なんてたかが知れてる。
司が『過信』も『遠慮』もせず先輩コーチ(ついでにジュナくん)をこき使っ頼ったおかげで、今回、いのりを暫定一位にすることが出来た。
そして自分の『立場』も遠慮しなかったんで、会場で一番目立つ名物コーチになることも出来た……!
![メダリスト score56 JGPファイナル中国大会SP(後編)[つるまいかだ / 講談社]](https://asuhon.sakura.ne.jp/dshonki4120/wp-content/uploads/medalist056_03.jpg)
メダリスト score56 JGPファイナル中国大会SP(後編)[つるまいかだ / 講談社]
洸平「この幽霊目立ちすぎ」
リアルフィギュアでも、こんな風に見えないところで選手とコーチが色々作戦練ったり、特訓したり、色んなドラマがあるんだろうな……そりゃコーチもはしゃいだり泣いたりしてもいいよね。
次回はついにダリアちゃんか……滑走前のいのりは余裕そうだったけど、ダリアちゃんは大丈夫なんだろうか。
いのりに挑発的なこと言った手前、いい点数叩き出さないと立つ瀬がないと思うんだけど、吉と出るか凶と出るか。
それでは今回はこの辺で。
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