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アニメ『チ。-地球の運動について-』第21話 時代は変わる 感想と考察 飲み込んだドゥラカと吐き出したフライ

チ。-地球の運動について- アイキャッチ

アニメ『チ。-地球の運動について-』の感想と考察。今回は第21話『時代は変わる』となります。

  • 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
  • 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう

悲劇はあってはならない

前回のラストで騎士に引き留められ、何気にピンチを迎えたシュミット一行。
てっきり『機転を利かせて怪しい馬車の中を調べようとしたデキるヤツ』なのかと思いきや、ホントにボロ布が欲しいだけだった……!

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

いきなり馬車の中見ようとするし、あ、こりゃバッサリやられるな、と思いきや、ドゥラカが父ちゃんの形見を差し出した……だと……!?
命拾いしたなにーちゃん!

ドゥラカの卒業

前回のドゥラカは『これが私の信念』と、父が残したお金と布のことを語ったというのに、今回のドゥラカはそれらの『信念』を全部手放してしまった……
それも『自分の欲望』のためではない。『誰かのため』に。

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

これまで『得ること』ばっか考えてた子が、『与えられる子』になった……ドゥラカちゃん、あんたって子は……!(つД;)

ヨレンタの『信念を忘れさせる何かに出会った時の感情も大事にせーよ』というお言葉、ちゃんと大事にしてる!

そりゃあ強力すぎるよな……ついさっきまでおしゃべりしてた人が、『信念』のために自爆するとか……
ガチもんの『信念』見せつけられて、もう軽々しく『信念』なんて語れないよ!

そしてついに出版活動開始となりました。
オクジーくんが本を書き、バデーニくんが後世に託し、ヨレンタが出版する、と、第2部主人公達の見事なリレー!
そして本のタイトルが作品のタイトルってのは胸熱だな……ヨレンタの名前を発行人として入れようとか、ドゥラカ、なんだかんだで情に厚い子だよね。
おじさんに『情』を捨てられた子だからな……だから自分は『拾う』のか。

にしても、活字が割れてんの、絶対フライくんの仕業だろ。
そしてこの本が出版された時、25年前に死んだはずの娘の名がなぜか表紙に載ってる本を手にしたノヴァクがどうなるのかが今から心配。

判明!25年前の君

3章の始めに登場しておきながら、ずっと謎だった『25年前の君』の正体が判明しました。

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

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お前かーーーーーーーい!

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

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いや、てっきり、OPとかEDで空さしてる後ろ姿の君かと……
『裏切ること』は予想してたけど、『25年前の君』だとは思わんかったわ。お父ちゃん、立派な人だったのに!
前回、シュミットやレヴァンドロフスキは過去を語ってくれたのに、こいつだけないなー、と思いきや、真っ先に語られてた……(白目)

『人の手によって引き起こされる悲劇はあってはならない』『任務遂行に情など不要』という主張をして『悲劇を起こしていた』のがシュミットだったけど、すぐ横に『人の手によって引き起こされた悲劇の被害者』『完全に情をなくした人』がいたという皮肉……!

しかしまあ、『どこにも所属してなかった』ってのは意外だったな。どうりで、ヨレンタの名前が教会に知られていないわけだ。
『所属』もしてないのに通報して裏切るとか、逆にこえーよ! だって騎士団が到着したら、自分も一緒に●されるってことだよ?
どんなに『私は教会の味方です☆』と主張したところで、フライには『教会の敵をやってた事実しかない』んだから。『内輪揉めで裏切ったんやろ。信用できんヤツや』としか思われないって!

にもかかわらずそれをしたってことは、フライくん本人も、『必要な犠牲』として我が身を捧げる覚悟で通報したってことになる……
『強いてあげれば神と正義のため』ってのはそういうことか。

でもフライくん。『必要な犠牲』ってものが肯定されるんなら、あなたのパパとママも『必要な犠牲だった』と、その死が『肯定』されなきゃ筋通らんのよ……

フライの慈悲

シュミットの『白状するなら騎士団が到着してからするべきだった』に対し『これは慈悲だ』と語ったフライだけど。
あなた『憎い叔父さん』と同じになってどーすんの。

16話の考察ですでに書いたけど、あの時の叔父さんは、ホントは不安で迷いがあったと思われる。だから兄貴に確認して『安心』したかった。『自分の正しさ』を。
だけど期待した回答が来なかったんで、感情のままブチギレた。

フライくん、あの時の叔父さんと同じなんだよ。ホントは『不安』で、シュミットに『確認』して『安心』したかった。『自分の正しさ』を。

フライは『自分の浅はかさを理解する時間』『絶望する時間』『改心する時間』を『あげてる』と言ったけど、それらの『時間』をフライに『あげてやった』のはシュミット。
『追い詰められてる側』が『教会政党派は間違ってませんと言え!』って、脅迫にもなってないじゃん……

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

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フライ、裏切っておきながら、シュミットに『すがった』んだよ。
だからこのタイミングで自分の裏切りをバラした。時間が欲しかったから。

フライが異端解放戦線に入ったワケ

フライくん、『憎しみ』を晴らしたいんなら、教会に所属してお仕事すりゃよかったのに。だけどどこにも所属しなかったのは、もう『誰も信用出来なかった』ってことなんじゃないかなぁ……
なにしろ『血の繋がった叔父さん』に両親●されたわけでしょ? 『所属』していた村は十字架を燃やして自分達の居場所を奪うし。
そら人間不信&所属恐怖症にもなるかな……

そんなフライが『異端解放戦線』に所属することが出来たのは、『他人を信じることが出来ない』からこそだと思う。

『教会』に所属したら、『同志』は『信じなきゃいけない』でしょ? 命を預けなきゃいけないし、『嘘』をついたら自分が悪者。
フライはそれが怖かった。

だけど『異端解放戦線』には所属出来たのは、最初っから『信じていない』から。

ドゥラカと同じ。彼女は『神様を信じていない』から、『神様』を『恐れる』必要がなかった。
フライも『信じていない』から、『恐れる』必要がない。『嘘』だってつける。どうせ相手は『敵』だから。

シュミットの慈悲

フライが、誰にも胸の内を明かせず生きて来たんだとしたら、なんとも皮肉な結末だったよね。
異端者を憎み、異端者をこの世から消し去ることを願っておきながら、実際に彼がやったのは『異端者を救って教会を攻撃する』という矛盾した行動。
そしてついに『自分の願いが叶う!』というその時になって気づいたんだと思う。

フライのことを知ってる人が、『憎い異端者にしかいない』という事実に。

まさに『自分の浅はかさを理解する時間』だったね。
これまで『復讐の奴隷』だったフライくんだけど、『目標達成確実!』となったとたん、『復讐』という名のご主人様から『解放』されたんだよ。

『お前は自由だ(訳:もうお前イラネ)』って。

まさに『絶望する時間』。
もしシュミットが嘘でも『教会正当派は間違ってません』と言うとしたら、それはこれから死にゆくフライへの『慈悲』。

『すべての異端者を消し去りたい』『みんなの目的と自分の目的は違う』『任務遂行に情は不要』と『情』を切り捨てて来た男が、最後の最後で憎い異端者の『情』にすがった。

しかし悲しいことに、シュミットもまた、フライと同じく『すべての宗教を消し去りたい』『みんなの目的と自分の目的は違う』『任務遂行に情は不要』という人だった。
『フライの過去』なんて知らないシュミットにとって、フライは『ただの裏切者』でしかなく、かけられる『慈悲』があるとすれば、この場で『終わらせる』ことくらい。
『最大の敵』と思っていた人こそが、ある意味一番フライと同じ考えを持つ『同志』だったというのは、皮肉が効いてるな……出会い方によっては、『最高の友達』になれたかもしれない。

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

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フライが最期に手を伸ばすの、『何か』にすがってるみたいで悲しいなぁ……
これが『改心する時間』だったのかな。『もっと早く、胸の内を話せばよかった』って……

賢者オクジーの予言

フライのお母ちゃん的には、『フライが自分達の分も幸せに生きること』が『希望』だったと思うんだよ。だから我が身を呈して逃がしたんだろうに。
そんなフライくんの末路、視聴者的には、かつてのオクジーくんの言葉がしみじみ思い起こされる。

『託すと言えば聞こえはいいが、他人が自分の思い通りに受け継ぐかなんてわからないし思いもよらない反論されることもある』
『そんなの不安で希望とは思えない』
『それこそが託すことの本質』
『他者が引き起こすねじれが現状を前に向かわせる希望』

今のフライをお母さんが見たら、『復讐なんていいから、あなたは幸せに生きることを考えて』と言ってくれるかもしれないけど、フライ的には『これ(復讐)こそがオレの幸せで生きる意味』と反論するかもしれない。
その結果、『ねじれ』が発生し、シュミット達がピンチに陥った。
だけどフライが引き起こしたその『ねじれ』によってシュミットが覚醒し、『現状』を前に向かわせる『希望』を生んだ。

飲み込んだドゥラカと吐き出したフライ

今回のドゥラカは、『これが私の信念』と語ったはずの布とコインを手放したけど。
ドゥラカは『信念を捨てた』と思ってるかもしれないけど、『卒業』したんだよ。亡きパパに『すがる』ことを。
安心しろドゥラカ。『しっかりかみ潰して溶けたんで飲んだ』だけだ。お父さんが残してくれたものは、形は失っても、ドゥラカの血となり肉となって共に生きてるぞ……!

一方、フライは『すがってた』だけだと思うよ……『自分が生きる支え』が『復讐』しかなかったから。それは奴隷。

『揺るがない信念』ってかっこいいかもしれないけど、それは『終わりの始まり』かもしれないし『隷属化の始まり』かもしれない。
ヨレンタが言っていた『信念はすぐ呪いに化ける』とはまさにその通りで、フライは『信念』に呪われていた。

ヨレンタは『自分の信念』を『これは呪いではないか』と迷いながらも結論を出して『完成』させた。だから迷いなく終わらせた。
次の『誰か』の信念の礎になれることに希望を抱いて。

フライは『これが自分の信念』と思い込み、その『信念』に『すがった』。だから思考が停止した『奴隷』になった。
フライとドゥラカの『違い』は、フライは思考を放棄したこと。

考え続けたドゥラカと思考停止のフライ

ドゥラカは『父の死の原因』を『考えた』結果、『悪いのは貧乏だ!』と結論を出し、『みんなが豊かになるため』の行動をした。
フライは考えなかった。
『目の前で理不尽に両親を●された現実』があまりに強烈すぎて、『なぜ両親は●されなければいけなかったのか』『なぜ叔父さんはそんな凶行に走ったのか』という『原因』は一切考えず、『自分の恨み』を晴らすことだけを考えて生きて来た。その結果『復讐の奴隷』と化した。

『奴隷』だったから、『感情の主導権』も『生きる意味』も『迷うこと』さえ、全部『信念』という名の『ご主人様』に搾取された。
そして『ご主人様』から解放されたとたん、自分の腹の中で消化することが出来なかった黒い感情を吐き出して死んだ。

ドゥラカは『自分の信念』がまだ『未完成』だっただけ。だから迷う。
迷いながら『信念』の完成に向かってる。お父さんの形見を手放したのは、通過点でしかない。
ヨレンタの『迷いの中に倫理がある』ってそういうことだと思う。

フライ、ホントは『お父さんみたいな人』にならなきゃいけなかったのに、叔父さんが強烈すぎた……その結果、全方面から『裏切り者』と指さされる立場になるとか、お母ちゃんが知ったら泣いちゃう……!

『信念』は固定化しても、『思考』は固定化したらアカン。

爆上がるシュミットの好感度ゲージ

『神を信じない』と言っていたドゥラカが初めて『神頼み』し、そしてこれまで『情への憂慮など不要』『行き詰まった時は神頼み』だったシュミットが、すべての責任を背負って自らの意思で選択した……!

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

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他の面々にしてみれば、ドゥラカって『初対面のよくわからん小娘』だもんなぁ。仮にコインが最初から裏だったとしても、絶対信用出来ないよそんなの。
ドゥラカだって、この人達の『命の責任』背負えないでしょ。だから『神』にすがるしかなかった。

そこで『彼らの命の責任』を『背負える』立場にあるシュミットが、自らの意志でコインを裏返したってのは大きな意味がある。

レヴァンドロフスキくんの『それは提案ですか?』に対し『命令だ』ってのは、『失敗したってそれはドゥラカのせいじゃない』『全責任は私にある』っていう『覚悟』だよね。

ここでシュミットが善人ぶって『提案です☆』『選択はキミ達の自由だよ☆』なんて逃げちゃったら、『死んだらそれはお前らの責任』『失敗したらドゥラカのせい』ってことになっちゃうんよ……
そっちのがひどいし無責任。
『どうせ自己責任なら、各々、好きなように逃げてもいいよね!』ってなっちゃう。

だけどシュミットは『命令だ』と断言した。一見すると『ひどいこと』のように聞こえるけど、レヴァンドロフスキくん達には『命令に背いて勝手に逃げる』って選択肢はちゃんとあるんだよね。

組織の命令に背いたところで、『それを罰する人(ヨレンタ)』は、もういないんだから。
シュミットだって死ぬだろうし。

つまり彼らが『奴隷』でさえなければ、『選択する自由』はある。
だったらワンチャン、自分が生き残る可能性に賭けて逃げてもよくね? 失敗したって、『よくわからん小娘に賭けたシュミットのせい』なんだから。

シュミットの心を動かしたもの

『他人は変わらない。変えられるのは自分だけ』とはよく言ったもんで。
『任務遂行のために情など不要』と思っていたシュミットだったけど、その『情』こそが、人を動かす原動力だった。それを教えたのがフライ。

フライは『情を捨てた』と思っていたんだろうけど、全然捨ててなかった。本当に捨ててたんなら、『復讐心』なんて『感情』もわかないはずなんだよ。

彼が本当に捨てたのは、『考える』こと。

『異端者をやっつけるための計画』についてはいくらでも考えられるけど、その結果起こる『悲劇』については考えなかった。
彼は『自分の行いによって起きる悲劇』を考えることそのものが『情だ』と勘違いしてたのだろうと思う。

勘違いしたまま思考が固定化された結果、フライは他人に変わることばかりを要求して、だけど自分は『幼い復讐心の奴隷』のまま突き進んだ。
おかげで誰も何も変えられず、憎い叔父さんと同じとこに堕ちた。
結局、フライという男は、『憎しみ』という名の『感情』の奴隷だった。

一方で、捨てられた『情』を『拾う』と言ったのがドゥラカ。
ドゥラカが拾ってくれたから、シュミットは寸前のところで『情』を失わずに済んだ。
かつて『勘違いが嫌い』と言っていたのがシュミットだったけど、『情』こそが、任務遂行に最も必要なものだと気づいたか。
コインが表だったの、もはや神がシュミットに与えた『試練』やろ……

シュミット氏、最初は『うさんくせぇおっさん』だと思ってたけど、ちゃんと血の通った人間じゃん。
迷わず了解するレヴァンドロフスキくん、もしかすると初めてシュミットを『信頼』したのかな。前回の様子だと、シュミットとはただの『ビジネスパートナー』であって『信頼出来る友』って感じじゃなかったし。

アニメ チ。-地球の運動について- 第21話 時代は変わる

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シュミットがコインを裏返す決断をしたのは、結局『感情』だよ。本人は『合理的判断』とか言うだろうけど。(ツンデレしかいねぇ……)

ドゥラカは『自分が変わった』ことで、シュミットを変え、世界まで変えようとしてる。
シュミット達は『異端解放戦線』なんて名乗ってるけど、ホントに解放しなきゃいけないのは、所属関係なしに『奴隷化』したフライやノヴァクみたいな人達だと思う……


それでは今回はこの辺で。
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前回の考察はコチラ

アニメ『チ。-地球の運動について-』第20話 私は、地動説を愛している 感想と考察 ヨレンタとノヴァク、不幸な幸せ者と幸福な不幸者

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