進撃の巨人129話懐古 シャーディスがハンジ達の味方をしたワケとフロックの今後考察!
進撃の巨人129話『懐古』の感想と考察です。2ヶ月長かった……
なんつーか、うん。129話をわかりやすく言うと、
『正』だけで『義』がないのがフロック達。
『義』だけで『正』がないのがハンジさん達。
『正』も『義』もないのがエレン。
そういや『正』と『義』をひっくり返して読むと『ぎせい』になるんだな……(だからどうしたって話ですが)
そしてみんな頭進撃。(選択した道を進み続ける)
『エレンを止める』と決めた以上、『同士討ちは嫌なんでやめます』でマガトさん達だけで行かせてたら結局それ、島の外見捨てるのと同じだし……その程度の覚悟なら、いっそ何もしないほうがマシだよねってことになるし……
そして実際、マーレ組だけだと負けてた……雷槍つよい。(発明したハンジさんとしては複雑だよな……)
フロックが港に先回りさえしてなきゃなぁ……でもフロック側も必死だからな……
頭進撃な『正』と『義』がケンカしちゃうとえらいことになる。そんな129話でした。(『正』と『義』は両方そろって初めて意味を成すと同時に、必ずしも両立出来るとは限らないことをまざまざと見せつけられた気分や……)
129話考察後編はコチラ
今さらなものやよその考察とかぶったりとかそりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
2020年6月の129話時点の内容です。ネタバレ配慮してないんでご注意を。
全方面追い詰めまくる容赦なさ
先日のNキャスの取材(ありがとう自動録画機能)で、先生が『ジュラシック・パークも影響があった。追い詰められるほど面白い』ゆーてたけど、確かに今のハンジさん達の追い詰められっぷりはそんな感じですよね。ドSだということは知ってたけどさ……
どこぞの兵法書では『敵にも逃げ道用意しとかな、死に物狂いで向かってきてめっちゃヤバいで』と注意してるけど、お互い背水の陣すぎた……(水どころか煮えたぎるマグマが迫ってる状態)
フロックとの会話とか巨人継承も期待してたけど、そんなんやってる暇もないくらい、どっちもいっぱいいっぱいで、悠長に会話イベント挟んでる場合じゃなかった……
『急がば回れ』とは言うけど、この場合、悠長に計画立ててたらその間に増援来る&マーレ壊滅で回り道してても詰んでるし……つうかすでに『もうレベリオあかん……』状態だった……(改めて128話の一芝居はがんばったほうだと思う……)
ところで『裏切り者』とめっちゃ罵られてますけど、そういやイェレナと今のハンジさん達ってやり方や志が違うだけで『故郷を裏切った』という部分は同じ立場ですね。(これが『生存競争』でなければ義を持って正そうとしているようにも見えるんですが……うーん)
一方で、イェレナは故郷の行いに失望しての『裏切り』。ジークや、言ってしまえば初代壁の王と同じような思想。(104期ユミルの『どうしてその殺意が自分に向くんだよ!』を思い出すなぁ)
同じ『裏切り者』だけど、内に向いてるか外に向いてるかでこんなに変わるんやな……(むしろイェレナ『自分のほうがまだマシ』くらい思ってそうな気も……)
この辺の『同じようで違う点』が、イェレナの今後の行動(エレンの居場所へのヒント提供)に影響与えたりするんでしょうかね?
しかし、言ってしまったらイェレナ退場待ったなしのような気も……
シャーディス教官がハンジさん達の味方した理由
そして期待はしてたけど、シャーディス教官助けに来てくれた! 死んだ……
やはり窓の人影は教官でしたね。この辺は126話の考察後編に書いた通りかな。
この人も、辞めたとはいえ調査兵団ガチ勢だからな……イェーガー派の言い分もわかるけど、かつての調査兵団団長として、巨人に屈することだけは許せなかったんでしょう。
一度は去ったけどずっと未練があったんでしょうな。
『敵だったはずのアニと一緒にいる』ってことは、『地鳴らしを止めるために協力関係を結んだ』ってことに他ならないですからね。
協力して抗う道を選んだ104期達の姿に、最後は調査兵として死ぬ決意をしたのかな……
さて、それではシャーディス教官、いや、調査兵団12代目団長シャーディスさんがハンジさん達を手助けした理由について。
そもそも『お髭ワインばらまきによる兵団支配』って、『『巨人で』島を支配した』ってことになるんよね。それなんてエルディア帝国?
イェーガー派になった新兵達は、兵団上層部を『老害』扱いして一斉排除したけど、『年寄り』のほうがやってることの意味を理解していて(エルディア帝国復活させたら『巨人による支配の時代』に逆戻り)、『エルディア帝国復活!』と叫んでいる若者のほうがそのことを自覚なしにやっちゃってるのが怖い。
どんな作品でも『子供や若者は未来であり希望』扱いされるし、たしかにそうなんだけど、同時に『危うさ』も孕んでることをガッツリ描いてるよね……(酔いが醒めて、シャーディス教官の言葉を聞けるようになったスルマ君達がここで登場しなかったってことは、最終回のための希望として取ってるってことなんだろうか?)
過去にエレン(巨人になれる人間)を希望扱いしたのが、ここにきて最悪の形で返ってきたとも言えるな。
となると、一番最初のほうで『エレンは危険だ! ●せ!』と悪役っぽく描かれていた憲兵団は正しかったとも言える。(しかし現実には『弱い』がゆえに『巨人の力』に頼らなきゃ一方的に滅ぼされるだけで終わっていたというジレンマ)
イェーガー派も最初テロリストだったのが、今じゃハンジさん達のほうがテロリストだし……(さらにたどると王政編の時もそう)
最初悪役っぽく描かれていた人達が、後々『あれ? この人ら正しかったんじゃね?』と思わせてくるの、ほんま歴史の積み重ねみたい。現実でも、明智さん昔は『裏切り者の悪役』な扱いだったのに、数百年たった今では大河の主役ですもん。
願わくば、ハンジさん達も生きてるうちに『あれ? この人ら正しかったんじゃね?』ってなってくれればいいんですが……(死後評価されるどこぞの芸術家……)
さて、かつての部下や教え子と、なんか言葉交わしてほしかったなぁとは思うけど、シャーディス教官的にはこんだけ育った教え子に『もはや言うべきことは何もない』ってことでしょうか。ハンジさんも、すでに14代団長として戦う道を自ら選択してるし。
しかし、元部下や教え子達に存在を気づかせることなく退場は、本人が選んだこととはいえ悲しいなぁ……
ちなみにハンジさんとかシャーディス教官の行動がイマイチ理解出来ねー! という人のためにこんな動画があるのでぜひ見てってあげてください。(128話時点)
ついでにいいねボタン押してくれると喜びます。(宣伝)
あと外伝漫画ですね。
立体起動装置誕生やら当時の人の調査兵団復活に賭ける想い見てると、今のハンジ団長の行動の理由もわかるかもしれません。(現在、マガポケで週1で無料公開してます。これからクライマックス)
さよなら歴戦の猛者達……
それにしてもシャーディスさんは前々からフラグは立ってたから予想はしてたけど、まさかマガトさんと心中とは……あんた『血濡れの歴史を後世に伝えにゃならん』ゆーとったやん……
マガトさんはピークちゃん同様、潜入のためにたまたま調査兵のコート着てただけなんだろうけど、『自由の翼』を背負った者同士が出会うって何この運命の出会い……
しかしマガトさん、あんた死んでええん? 死に方はたしかに選べるけどさ。
ライナー「自分で死に方選んだのに死ねないんですが……」
そら船沈めとかなあかんし他に適任いないってのはわかるけど、マーレのトップがおらんなったら、エレン止めた後、島かばえる人いなくなるし……ライナー達もユミルの民だし寿命1年くらいだしガビとファルコは子供だし……それとも、これはもう世界とか島とか気にする必要もないくらい壊滅するフラグ?
そら、これから『伝える後世』がおらんなる状況だと思うと死にたくなるかもしれんけど……(実際、もうマーレダメぽ状態……)
思い出の中に裏切り者であるはずのジークがちゃんといるのが切ない。
幼い頃から見て来たぶん、怒りと同時に、そうさせてしまった後悔もあったのだろうか……
コニーも心配したけど、なんとか生き残った。(すげぇハラハラした)
他のメンバーももう引き返せなくなったけど、これ『エレン殺してでも止める』という覚悟がついたとも取れるんだよなぁ……
ここまでのことしちゃったら、コニーやアニが言ってた『エレン殺す覚悟』決めなきゃいけないってことなんですよね。逆に『エレンに殺される覚悟』も。少なくともコニーは覚悟ついた。
そうなると今度はミカサかな……そもそもミカサの目的は『世界を救う』じゃなくて『エレンに帰ってきて欲しい』だからなぁ……
でもこれ、誰ももう島には帰れなくない……? ライナー達は『故郷に帰るんだ!』を目的に島でがんばってたけど、退路(故郷)を完全に絶っちゃったよね……
そしてフロックも、ご冥福お祈りします。
ご冥福を……
冥福……
うん……
なんつーか……死体とかハッキリ描写されてないもんだから、また登場しやしないか不安になるなぁ!
今回のフロックは主人公かってくらいがんばった。きっと今回でお前の人気うなぎのぼりだよ知らんけど。
23巻以降、ずっと覚悟ガンギマリでブレないからな。ブレてるのは髪型だけなんだぜ……
そして自分の攻撃も他人の攻撃もまったく当たらないミラクルボーイだよ!(それを上回るミラクルショットかましたのがガビ)
もうこれ神の加護受けてるだろ。ドSの神様の加護を……!
ドSの神「主人公なら絶対はずしちゃいけないところを外してもらうね……」
ミラクルボーイの未来
さて、フロックくんは不安あおるだけあおっといて、次回の冒頭でぷかぁと海に浮いてて安心させてほしいところですが。
亀の子たわしの次は頭にワカメか昆布かウニかナマコか乗っけて再登場もあり得そうで怖いです。知らんけど。
ずぶぬれで火もないから飛行艇爆破は無理だとしても、根性で船に侵入して、船沈めようと工作してるところを誰かが発見して撃たれるとかさ……技術者さん皆殺しにするとか。(銃も雷槍もいつも外しまくってるヤツが、こういう時だけの●太並みのスナイパーになるお約束)
まあ、フロックだし、ふつーに取り押さえられそうな気もする……出来ればそうなって……お前はもう十分がんばった。がんばったから……ね?
でも『船で移動』という一息つく時間が発生したわけだから、捕らえたフロックとなんか会話イベント発生はありそうな気もするな。現在の読者も、ハンジさん達の行動がいまいち理解出来ない人多そうだけど、一番理解できずに困惑してるのがフロックやろうし。(取材でも先生『キャラの心情は描いてみないとわからない』とか言ってたから、今月までが行動パートで、次あたりで心情パート来る?)
もしくは、次回もその次もまったく登場せず、『あれ? やっぱ死んだの?』と読者を拍子抜けさせた最終回で誰か撃たれるとか刺されるってのも王道だよね……(つい先日読んだ外伝漫画で、最後の最後で超輝いたヘルメスベルガーという御大層な本名の超小物な悪役がいてだな……)
そして『あの時私がちゃんと仕留めなかったからだ!』とガビちゃんが泣きながら自分を責めるまでが様式美。
【フロック生存により最終回でピンチになる可能性のある方々】
本命:ジャン(ガビを助けただけに憎さ100倍&ガビが最高に曇る←重要)
対抗:ハンジさん(『よくやってくれた!』がまさかのフラグ)
大穴:ミカサ(エレンが守りたかった人)
ほら……なんかこの調子だとエレンも最後死にそうだけど、エレンが『守れてよかった』と思って死んだ直後に、エレンが利用した人によってあっけなくミカサが●されるって最高に因果じゃね?(あ、でもエレン生きてるうちに死ななきゃ因果とは呼べないか?)
フロックに●されるミカサか? って話だけど、ユミルちゃんが解放されたことでアッカーマンパワーが消える→『普通の女の子』になったことであっけなく●されるとか、最高にエレンへの皮肉が効くと思うの……
『最終回! エルディアを救うのはこの俺だ~復活のF~』
ゴールデン・フロック来るか!?
…………
来なくていい!
そんなフロックくんの考察動画がこちらです。(128話時点)
フロック「死んでてほしいのか生きててほしいのかどっちなんだ……?」
『よくやってくれた』に見る『順番』の呪い
さて、考察班としては注目せざるをえない『よくやってくれた!』の意味です。
読者的には以前、ガビの『敵を殺せば褒めてもらえた』を知ってるだけに複雑な気分になった人もいたんでは。しかもそれを言うのがハンジさんという……(つらい……)
でもこれ、ホンマに『よくやってくれた』状況なんですよね。
もしここでガビがしくじれば、『仲間は全滅、世界も滅亡』でしたから……
王政編の時もありましたね。兵長がアルミンに礼を言うやつ。ほんと今のこの状況、王政編を思い出す図式になってますよね。主人公不在なとことかも。(ただしピ●チ姫役が髭面お兄ちゃん)
ガビには、これまで何度もそういうことがあったんでしょうな。アニやライナーも。(たぶん10歳にも満たない頃から)
切羽詰まった戦場で、『敵を殺して褒めてもらえた』のは『仲間を救った』からで、大人としてはとっさに出ちゃってもおかしくはないんですよね……しかも、一緒に戦う『仲間』であるならなおさら。
子供は罪悪感より『褒められた=うれしい』という記憶のほうが強烈に残って、『仲間を救う』というより『褒めてもらいたい』がために敵を撃つようになるってことかな……なんかこれ、現実にもある話なんじゃあ?
ハンジさんの『よくやってくれた』を罪深く感じるのは日本人だからなんだろうか?
まさに戦争とかそういうのが身近な世界に生きてる人にとっては、あそこでハンジさんが『よくやってくれた』と言わなければ、『なんで褒めないの?』『仲間と認めていないのか?』とむしろ疑問に感じたりするのかなぁ……うーん、どうなんだろ。
そしてこれ、個人的には『順番の呪い』に見えたんですよ。
これまでは、マガトさんが言ってたはずの言葉ですよねこれ。
でも前日のガビの涙で、それが言えなくなっちゃった。つまり、『役を降りた』。
しかしマガトさんが役を降りても、すぐ誰かが代わりを演じ始める。それがハンジさんになってしまった。
一番『順番』の呪いを恐れていて、気をつけていたであろうハンジさんが、知らん間にハマってたというのがゾッとするというか……
しかもハンジさんが役を降りたところで、次はジャンやコニー達が。そしていずれはガビに『順番』が回っていく。しかもみんな知らん間に。
どうりで終わらねぇわけだ……
そう考えると、なおさらマガトさんは死んではいけなかったんじゃあって思ってしまうな……ハンジさん、呪い終わらせられるのこれ?
サネス「がんばれよ……ハンジ……」
これ、物語の序盤ならなんとも思わないコマですよね。いよいよこれまでの積み重ねの集大成というかなんというか……王政編なかったら絶対注目せんかったよこんなん。
たった一言、たった一コマで色々考えさせられる、すげぇコマでした。
それでは前編はここまで。おもろかったらイイネボタン押してくれると嬉しいです。
129話考察後編はコチラ
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