アニメ『チ。-地球の運動について-』第8話 イカロスにならねば 感想と考察 ピャストの未練とイカロスになったヨレンタ
アニメ『チ。-地球の運動について-』の感想と考察。今回は第8話『イカロスにならねば』となります。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう
正直バデーニと正直ヨレンタ
出会ってしまったオクジー&バデーニとヨレンタ。
バデーニくん、オクジーくんに『助手』と言わせず『雑用係』とキッパリ言い切っちゃうの、性格悪すぎて逆にいい人に見えてきた。自分の性格の悪さを一切隠さない正直者だもんな。(本物のクソ野郎は善人ヅラする)
しかも誰に対してもそうなんだよ……良くも悪くもみんな平等に見下してるから、一周回ってむしろ信頼出来るんじゃね?
バデーニ「退かぬ! 媚びぬ! かえりみぬ!」
ヨレンタもヨレンタで、最初はいもしないご主人さまをでっち上げてごまかしてたけど、バデーニの小難しい話に余裕でついて来ちゃったり、『解いたのヨレンタ』ってあっさりバレてますね。
ご主人さまが褒められんのに自分が照れちゃったり、嘘をつけない正直者……!
ノヴァク「オレの教育のたまものかな……」
ヨレンタが女性であるが故に差別したのが研究所の男達だったのに対し、女性だからこそ利用しようとするのがコルベとバデーニ。そして女性だからこそ『守らなきゃ』と考えるオクジー。
最初、問題児だったはずのオクジーくんが、バデーニ登場によって相対的にまともに見えてしまうじゃん!
見ている人は見ていた
ピャスト伯、思ってたより『強キャラのおじいちゃん』ポジションだった……
ピャスト伯の様子からして、割と最初からコルベが出した論文のことは疑ってたんだな。そしてヨレンタが書いたものだってことも見抜いてた模様。
前回、2人の前に現れたのは偶然通りかかったんじゃなくて、真相を確かめるためだったんじゃないの?
だとするとコルベくん。キミ、あんま信頼されてなかったってことだよそれ。のんきに『かしこいよ☆』なんて言ってる場合じゃなかった。
仮に、ヨレンタがバデーニ達と出会うことなく、コルベの思惑通りに過ごしていたとしても、どこかのタイミングでコルベはピャスト伯に〆られてたかもな……
イカロスになったヨレンタ
さて、前日はコルベの『都合のいい子』になってしまい、問題解いたのも自分じゃないと言ってしまったヨレンタですが、次の日には『あの問題解いたの自分やで』と白状し、『天動説の支持者であるピャスト伯に紹介したるわ』と言ってくる大胆不敵さ。
昨日の今日で進化しすぎぃ!
周囲のダメ男達からは認められてなかったけど、ピャスト伯に認められていたことがわかって自信をつけたのかな。
バデーニくんも、ヨレンタを『女性』ではなく『1人の研究者』として見てくれてるし。初対面なのに。
そしてピャスト伯の名前を聞いた途端、ビビって帰ろうとするバデーニくん。あなた、この研究を完成させるのに必要な大胆さを備えてるのは自分だって言ってたじゃん……
しかも、いざとなったらヨレンタを魔女にして逃げようってセコい算段立てちゃうし。まあ、コイツならそんくらいしそうだな……(性格の悪さが視聴者に確信される男)
バデーニとヨレンタ、覚悟の差
いざとなったら魔女にしたろとひどいこと考えてるバデーニくんだけど、でも同時に『ヨレンタに負けた』と認めたくない『強がり』なのかも? なにしろバデーニともあろう者が、小娘の言葉に納得して、選択を変えちゃったわけだから。
『利用した』んじゃなくて『手玉に取られた』のよあなた……
なにしろこの時のバデーニくん、『太陽に近づくな』とイカロスに忠告したお父ちゃんになってるじゃん。地動説に挑むってことは、イカロスにならなきゃいけないのに。
一方でヨレンタは、まさに『太陽への挑戦』を決意したイカロスになった。覚悟を決めたヤツは、性別関係なしに強いんよ……
正直、ピャスト伯の理想の教え子はヨレンタだと思う。少なくともヨレンタは、『出世』や『箔付け』のために勉強してる連中とは違う。
逆に言うと『女だからこそ』理想的な教え子だったと言うべきか。『出世』や『箔付け』が欲しいだけの女は、『そういう男』を捕まえるために美貌や芸事を磨くんだよ。『研究所』なんてかわいげのないところ、最初から来ない。
果たしてヨレンタは、はがねのつばさを手に入れることは出来るのか。いわ、こおりタイプにこうかはばつぐんだ。
ヨレンタ「ポ●モンかな?」
強キャラじいさんズ
ピャスト伯との対面でも、通常運転のバデーニくん。
オクジーくんのことを『雑用係』なんて言っといて、こういう場ではきちんと『いい目をしている』とちゃんと自分の評価を伝えるんだよね。
バデーニくん、性格は悪いけど、相手が誰であろうと態度を変えない、媚びを売ったりしないって点では好感持てるんだよなぁ。
オクジーくん、自分の話になったことより、自分を褒めたことに驚いてんじゃね?
さて、ピャスト伯も、過去に色々あった人だったようで。OPの回る地球儀はピャスト伯関係だったんだな……
そして偉い人の過去には必ず『恩師』や『恩人』というものが登場する。
『1人で勝手に偉くなった人はいない』ってことなんだろうけど、バデーニはどうなんだろ? 今のところ、『すべて私1人の力であって、そんな人はいない』とか言いそうなヤツではあるけど。
いつの時代も、若いもんが時代を動かし、偉大なパイセンが導くんよ。
そしてかつて時代を動かした若いもんが、今度は偉大なパイセンとして若いもんを導く。
それにしてもフベルトさんといい占星術師のおじいちゃんといいピャスト伯といい、このアニメのおじいちゃん、信念と情熱持った強キャラ出がち……! もう、おじいちゃん達でエンディング並んで歩け!
フベルト「あと2人追加で5G」
ラファウ「『爺』の『G』ですか?」
歴史は繰り返すのか?
若かりし頃のピャスト伯、『学術発展に大事なのは無謀さ』っての、ヨレンタに似てるな。そして『遠目が効く』のが強みってのはオクジーくんと同じ。
そしてこの師匠、『私1人で宇宙を完成させる!』っての、バデーニタイプかな?
だけど現在、ピャスト伯が『宇宙を完成させねば』と言ってるってことは、この師匠は完成させることが出来なかったってことじゃん。『1人で完成させる』って言ってたクセに。
そして研究はピャスト伯が受け継ぎ、今もまだ完成していない。
さて、バデーニくんは『自分が研究完成させられなかったら資料は燃やせ』なんて言ってたけど、どうなることやら。
そんなセリフが出てくるってことは、地動説に『生涯を捧げる』覚悟はあっても、『命を賭ける』覚悟まではないってことでしょ? 今のところ、『自分が火あぶりになるくらいなら資料焼きます。どうせ他人が書いたもんだし私が死んだら意味ないし』ってなりそうなんだけど。
そもそもバデーニくんの目的が『自分の偉大さを世に知らしめたい』だからなぁ……ヨレンタも『コルベの元では研究は続けられても自分の名前は残らない』ことにショックを受けてたから、『名を残したい!』って点では同じかも。
少なくともフベルトさん達は、命を賭けたからこそ『託す』という重い選択をしたんよ……たとえ自分の名前が残らなくても。
オクジー&ヨレンタ、バデーニが、かつてのピャストとその師匠ポジションで同じ道を辿るとすれば、オクジー&ヨレンタもそうだけど、バデーニくんもどこかできれいなバデーニになって、研究を『託す』選択をするってことだろうかね?
バデーニ「今の私が汚いみたいに言うな」
それでは今回はこの辺で。
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