アニメ『チ。-地球の運動について-』第11話 『血』 感想と考察 オクジーとノヴァク、代償の取り立て始まる?
アニメ『チ。-地球の運動について-』の感想と考察。今回は第11話『血』となります。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう
口先だけの偽善者野郎
前回、『我々がしてることは異端者を救うためのいいことです!(要約)』とえらい人に語られ、『気を引き締めて取り組まなきゃな!』と、高潔な志を持って気持ちをあたらにした若けぇ2人の僧侶ですが。
司教の息子・アントニの登場とノヴァクパイセンの証言により、その『えらい人』が教会が定めたルールを守ってるようで破ってる矛盾が速攻で発覚……!
しかも『過去に嫌なことがあったんだろう』とかそんな私的な理由で天文学毛嫌いしたり、異端審問官増やしたりと、『それって権力の私物化ですよね?』っていう……
ここの司教とやら、どこぞのなんちゃらイ●ーガーと同類の口先だけご立派な偽善者野郎ってことやね。『愛』や『正義』を語っておいて、実際は自分の好き嫌いで差別しまくり、問題は暴力で解決(したフリ)。
どんなに『高潔な志』を語っても、行動に反映されなきゃないのと同じ……!
しかも『異端者をたくさん捕まえたら出世する』なんて仕組み、絶対出世狙いで無実の人とっ捕まえるヤツ出てくんだろ……上がそんなんじゃあなぁ……
そら下のもんはやる気なくして、組織は権力と欲望と差別にまみれて腐敗するわ……
問題はお金と暴力で解決!
司教、『子供は作っちゃったけど結婚はしてないからセーフ!』って、自分が違反から逃れるために、女性に対する『孕ませた責任』も、子供に対する『父親としての責任』も放棄したってことですよね……?
『犯罪をなくすにはどうすればいいでしょうか?』という問いに『法律がなくなれば犯罪はなくなります!』というポンコツAIの回答を実行したみたいな解決しやがったか……(※問題から逃げただけで解決はしてません)
息子が一応教会で働いてるってことは、少なくとも養育費くらいは払ったようだけど……『認知』はしましたか……?(制度があるのか知らんけど)
『父親の責任』が『金払っておしまい』というのであれば、世の父親はもれなく全員ATMですよ……(白目)
『認知はしない。だけど金払ったんだから責任は果たしたでしょ?』ってのは『責任』ちゃう。『金でごまかした』っちゅーんやで……(口止め料とも言う)
司教と息子さん、日頃どういう関係なのか不明だけど、仮に金だけ出して都合のいい時だけ親父ヅラして口出してくるような人だったとしたら、そら息子にゃ嫌われるよな……いくら出世させてくれたとしても。
ぶっちゃけ、レフくんとシモンくんがこれから幸せになるため取るべき選択は、こんな『問題はお金と暴力で解決!』なんてクソなとこ、速攻バックレることだと思うよ……しかも『キミたちがするのは立派なお仕事だよ☆』と語られた割に、同業者にめっちゃ差別的な目でにらまれるし。
今、この時代にこそ必要なのは『決闘代行』なんかじゃなく『退職代行』……!
だけど、『まじめないい子』ほど、バックレることを『悪いこと』『逃げちゃダメ』と思い留まってズルズル続けちゃうんだろうなぁ……矛盾だらけの現実から目をそらして、『これは人類のため!』って続ける決意しちゃうとか、『まじめさ』につけ込まれてるじゃん!
こっちの子は『拷問』やっちゃったもんな……それを否定するってことは、『自分が悪人』と認めるってことだから……
これは……『ノヴァクみたいになること』を『恐れる側』と、『自分もそうなろうとする側』とで友情が決裂するパターン……!?
いっそのこと、どこぞの進撃のザ●クレー総統のような『オレが偉くなってこの腐敗した連中全員芸術にしてやるぜ!』っていう芸術的センスにあふれた熱血主人公にメガ進化でもしない限り、この2人に明るい未来は見えない。
ザ●クレー「芸術はすべてを解決する!」
今回の爆弾発言
さて、前回、バデーニくんが地動説を完成させ、今回はその打ち上げ&今後の方針の語り合いのような飲み会やってましたが。
オクジー「将来的には大学に行きたい」
!?!?!!?!???
オクジーくんが……! オクジーくんが夢と希望を語り出した……だと……!?
『神の教え』に絶望し、『この世に希望なんかない!』って力説してた『闇オクジー』が、今は夢と希望に満ちあふれた『光のオクジー』に……!?
もうここまで来ると、グラスさんも喜ぶどころか衝撃的すぎて白目むいて泡拭いて失神するよ!?
オクジー「あんたそこまで言う!?」
オクジーを救ったもの
なんか今回は、前半と後半で対比になってるみたいだった。
『愛で人を救うこと』を目的に、夢と希望を持って僧侶になったはずの若者が、これから自分達が進むのは『上からの決定』に従うだけの血塗られた道だという現実見せつけられて絶望してるのに対し。
もう一方の、『神様の教え』に絶望し、天国だけに救いを求めてただただ生きるために血塗られた道を歩いてた若者は、『異端』と呼ばれる地動説に出会ったことで、『神様の意思』ではなく『自分の意思』で輝く未来に向かって歩くようになった。
結局、『神サマの教え』はオクジーくんを救わなかった。その『教え』とは、『あきらめる』ことで『ただただ従順に生きるだけの都合のいい子になれ』というものだったから。
オクジーくんを救ったのは、グラスさんを始めとする先人達の『知』と、オクジーくん自身の『知りたい』という欲求だったよなぁ……その欲求が、オクジーくんに『夢』と『希望』を与えた。
背中を押してくれたグラスさんの死は無駄じゃなかった……! 教会にとっては『悪い子』だけど!
『知』への欲求
オクジーくん、文字が読めるようになるにつれて『知ること』が楽しくなったんだなぁ……大学に行くための条件とかそういうのは知らんけど、ホントに行って欲しいよ……
しかも前回、バデーニくんにはなかなかひどいこと言われたでしょ?
かつてのオクジーくんなら、んなこと言われちゃったら『そうだよな。オレなんかどうせ』とか言って、そこで終了してたと思うんだよ……
でも今のオクジーくんは、人からどう思われようと、何を言われようと、『学ぶこと』をやめなかった。そしてその夢を口に出して伝えることまでしてる。
バデーニくんはどう思ってんだろ。呆れてそうではあったけど……
前回バデーニくんの『文字を読めないのはいいことなんだよ!』は、まさに『貧乏人はただ従順に生きるだけのいい子になれ。オレ達特権階級がお得に生きるために』を良しとするものだったからな……この点に関しては、ある意味『教会の教え』に従ってると言える。
だけどもう一方で、『知』への欲求は誰にも止められないことを一番知ってるのもバデーニくんのはずなんだよ。
『知識の共有』によって、信じてた友達に裏切られたバデーニくんだけど、グラスさんへの『知識の共有』がなきゃ、オクジーくんとの出会いもなけりゃあ石箱の存在も知らないままだったんだよね。
バデーニくんは、オクジーくんが現れたことで地動説と出会えたんだから、ちょっとは応援してやろうぜ……!
死神は 忘れた頃に やってくる
そして、い き な り ノ ヴ ァ ク 登 場 ……!
どんなにコミカルに振る舞ってくれても、オクジーくんにしてみりゃ完全に死神……!
ラファウもそうだったけど、この作品、『主人公が大学に行きたがると死亡フラグ』という仕組みでもあるんでしょうか……バデーニくんも『還俗して大学に』と思った矢先に目ぇ潰されて左遷だし。
これって、やっぱクラボフスキさん? 前回、ピャスト伯が落とした本を拾ってたけど、あれになんか書いてあった?
うーん、でもあの人が、仮に異端行為に気づいたとしても、激怒していきなりバデーニ売るとは思えんし……となると、ポトツキさんみたいに『善意で』通報しちゃった? もしくは拾った本を『善意で』届けた先でなんかあったのか?(『悪意なき善意』は時に悲劇を生む)
バデーニくんが『修道院長が悪評を広めた』って話をしてたから、クラボフスキさん経由でその修道院長の耳に入って通報された……?
それとも、クラボフスキさんはまったく関係無し?
前回、バデーニくんが浮浪者になんか頼んでたけど、そこから足がついたとか?
そういやバデーニくん、お出かけ前にお手紙書こうとしてたけど、実は捜査が迫ってることに気づいて、ラファウみたく石箱に残す遺書書こうとしてたんじゃないだろな……
なんにせよ、『通報があった』『司教直々のご指名』ってことは、やっぱバデーニくんの研究がバレたってことなんだろーなぁ……
代償の取り立て、始まる?
このまま『地動説が完成しました発表して終わりです』にはならんやろとは思っていたけど、どーなることやら。地下道掘ってたし、そこから逃げる?
少なくとも、ここでオクジーくんとバデーニくんが仲良く捕まって『研究のこと全部ゲロって終了』なんてさすがにないと思うんだけど。
第一、司教がノヴァクの言ってた通りの人なら、どんなに地動説の正しさを訴えても、『ダメなもんはダメなの!』で拒否されそうなんですが。それこそ、かつてバデーニくんが『そんな手紙はありませんでした』とラファウの手紙を燃やしたように。
ぶっちゃけ、ノヴァクの話や拷問シーン見てると、教会の偉い人達は『真理』なんてどうでもいいんだろうなって思うんだよね……『今の世界の保持』、すなわち『今の自分達の地位』さえ守られれば、いくらでも(他人の)『血』を流してOK。
それもう悪魔への捧げ物やん……
これはとうとう、過去の行いの『代償』の支払いの時が来たってことだろーか?
オクジーくん、仕事とはいえ、代闘士として特に恨みのない若者を●してきた過去があるからなぁ……
バデーニくんも、いきさつはどうあれ友人の命を奪った過去がある。そして特権階級としての差別意識から他人を見下す発言ポンポンしたり、『自分の得』のためにお手紙燃やした結果、『誰かの得』のために自分が燃やされるピンチを迎えるという特大ブーメランが返ってきた。
『差別を肯定する』『自分の利益のために誰かに損してもらう』ってことは、自分が『差別される』ことも『誰かの利益のために自分が損をさせられる』ことも肯定しなきゃいけないのよバデーニくん……
さて、これまで『無い袖は振れぬ』で未払いのままだった『代償』が、『夢』と『希望』を手に入れたことで取り立てが始まったと考えると、なんと皮肉な……(支払われる『代償』とは奪ったものに対して『釣り合うモノ』じゃなきゃいけない)
しかしそれだと、ノヴァクもいつか『代償』を支払う時が来ることになるけど。
オクジーくんとバデーニくんはひっ捕らえるのに、ヨレンタだけはおとがめなしなんて、果たして許されるんかね……?
それでは今回はこの辺で。
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