アニメ『チ。-地球の運動について-』第12話 俺は、地動説を信仰してる 感想と考察 その覚悟は生か死か 覚醒オクジーとバデーニの洗礼
アニメ『チ。-地球の運動について-』の感想と考察。今回は第12話『俺は、地動説を信仰してる』となります。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう
ノヴァクのいつもの手口
- まずフレンドリーに接します
- 一旦帰ります
- 安心させたところで狩ります
……実に手慣れたもんやで……(白目)
ラファウの時からこの手口だよなぁ……一旦帰ることで相手を安心させると同時に揺さぶりをかけ、そこから狩るの……ようわかっとるわ。
バデーニくんもバデーニくんで、ちゃっかりダミー研究資料用意してたり、抜かりがないな。だけど、さすがにネックレスのことまでは知らなかったから……
あなたが作ったネックレス、完全にノヴァク専用のお助けアイテムになっちゃってますよフベルトさーーーーーん!
ノヴァク、脱力系ゆるキャラに見せかけて、見るべきところはきっちり見、そして相変わらず仕事が早い……!
覚醒・光のオクジー
ノヴァクが去り、ネックレスのことを知って慌てて逃走の準備をした2人ですが。
オクジーくんが、バデーニくんにちゃんと自分の意見を言ってる……!
これまで言われっぱなしだったのに! 遠慮がちではあったけど、ちゃんと断言した!
そしてバデーニくんも、オクジーくんの話を聞いてあげられるようになったんやね……
『第三者による反論が許されないなら、それは信仰』っての、まさに今の『教会の教え』じゃないの? 本来、棲み分けるべき『研究』と『信仰』をごっちゃにしてる。
そして、そんな『ごっちゃにした教え』によって苦しめられたのがオクジーくん。
『間違いを永遠の正解』として思考停止してたかつてのオクジーくんは『この世界に希望なんてない』と絶望して生きていたし、ピャスト伯も本当は気づいていたけど、師匠を否定することが出来ずに『間違いを永遠の正解』として人生を捧げてしまった。
これはある意味、『生きるとは苦しいことなのです!』という『教会の教え』に、自分がわざわざ合わせに行っている。
それはもはや『信者』という名の『奴隷』なんよ……
この感動を守るために地獄へ行ける
ノヴァクの再アタックに、オクジーくんが戦う覚悟を決めてしまった……
バデーニくん、オクジーくんを止めたきゃ素直に『お前が死んだら私が悲しい!』と言えばいいのに、論理的に説得するの、やっぱバデーニくん。
だけど覚悟ガンギマリ野郎は『説得』じゃ止まらねぇんだよ……!
人の心を動かすのは『感動』だ!
さて、オクジーくんの『俺は、地動説を信仰してる』って、その直前までの話と併せて要約すると、
『俺は信者、あなたは研究者』
『あなたは研究者として、他人の意見や自分の間違いを受け入れることも大事では? でなきゃあなたは研究者ではなく信仰者になってしまう』
『だけど俺は、間違いであったとしても地動説を信じ抜く。なぜなら俺は研究者ではなく信仰者だから』
ってことだけど、同時に『俺はあなたを信じてる』とも言ってるよね……オクジーくんの『神様』は『地動説』であり、それを読み解いて教えてくれたのがバデーニくん。
バデーニくんは『神の教え』の伝道師として、『自分が神様を誤解して伝えてしまった』と気づいたんなら、受け入れて訂正する『責任』があるんだよ。その『責任』を放棄して、異なる意見を暴力で排除しているのが今の教会。
バデーニくんは、今の教会と『同じ』になっちゃいけないと思うのよ……そうなると苦しむのはバデーニくん。
そういう意味じゃ、ピャスト伯は『自分は研究者』と勘違いした『信仰者』だった。
師匠はピャストを『対等の研究者』と見込んで後を託しただろうに、肝心のピャストは『師匠の信者』になってしまったことで期待に応えることが出来ず、ずっと苦しんだ。
だけど最後の最後、『間違い』を受け入れたことで、本来の『研究者』として師匠の元へ逝くことが出来た。
方やオクジーくんは、『研究者』にはなれないけど『信仰者』にはなれた。
ただ、信じる『神様』は自分で選んだ。
かつてのオクジーくんは、みんなが『神様』と呼ぶものを、考えなしに自分も信仰した。それは『選択』を他人任せにすることであり、『思考』を放棄することでもあった。他人が『選択』してくれるなら、自分が考える必要はないからとっても楽で、無責任に生きられる。
だけど『他人』が『オクジーくんにとって都合のいい選択』なんてしてくれるわけがない。
だから彼にとって、この世界は苦しいものとなった。
だけど、グラスさんや占星術師のおじいちゃんやらの出会いと別れが彼の止まっていた『思考』を動かし、地動説という『神様』がもたらした『感動』が、彼に『他者を受け入れる勇気』と『選択の自由』を与えた。
どう転んでも『信仰者』にしかなれないのなら、『暴力』で奪う神様よりも、愛で『感動』を与えてくれた神様を信仰したほうがいい。
なのでオクジーくんは、地動説の『信仰者』として、その『導き手』であるバデーニくんを守るために命を賭けた。自分が救えるのはバデーニくん1人が精一杯だけど、バデーニくんはこれから大勢の人を『教え』によって救える可能性を持った人だから。
バデーニの困惑
過去、友達に裏切られたり、自分の探究心を否定されたりしてきたバデーニくんにとって、これほど困惑することはないやろなぁ……色々、ひどいこと言って来たのに。
しかしその『ひどいこと』の内容はかつてのオクジーくんが思ってたことだから、一周回ってかつてのオクジーくんの肯定……!
オクジーくん的には『あ、グラスさん、俺の意見聞いてる時こんな気分だったんだ』くらいは思ったかな? まさに『他人は自分を映す鏡』。
かつてのオクジーくんって、バデーニくんに似てる。いや、真逆の2人なんだけど、『自分の正しさ』を疑わず、『他人』を排除する『傲慢さ』はそっくり。
違うのは『やり方』。オクジーくんは一見謙虚に見せかけて、ウジウジと『でもでもだって偉い人がそう言ってたからそうなんだもん!』って子供みたいに駄々こねて自分の殻に閉じこもるやり方なのに対し、バデーニくんはどっかの蛇姫みたく、見下しすぎて逆に見上げて他人を追い払うやり方なだけで。
オクジーくんは、他人を排除するバデーニくんにかつての自分を見て、ほっとけなかったのかな……それもう『友達』じゃん。
闇オクジーくんを光のオクジーくんにしたのは、グラスさん達であり、そしてバデーニくんなんよ。
『責任の範囲を自己完結』で済ませるタイプのバデーニくんは、『他人の命の責任』なんて取りたくないからオクジーくんに先に逃げるよう何度も言ったのかもしれない。
だけどオクジーくんは、バデーニくんを確実に逃がすために、『2人の命の責任』背負って逃げずに戦う選択をした。
そらここまでの覚悟魅せられちゃったら、バデーニくんは洗礼するしかないよ!
神様が許さなくても、バデーニが許す。それはもう神様。
傲慢も、限界突破すれば神になる!
バデーニ「私が神だ」
オクジー「人が神様になっちゃダメです」
バデーニ教へようこそ。
悪魔に取りつかれた男
洗礼を受けたオクジーくんが……! 覚悟ガンギマリの漢の面構えに……!
登場時、あんなに視聴者不安にさせた男が、覚悟決めた瞬間反動で好感度爆上がりさせた……!
バデーニくんの洗礼を受けたことで、かつてこの世界に絶望し、天国に救いを求めていた古いオクジーくんとお別れし、この世界に生きる希望を持ち、地獄をも恐れないNEWオクジーくんに生まれ変わったんやなぁ……
にしても、あっちゅー間にノヴァク以外全滅させるとか、いや、改めて強いなあんた! 相手が弱すぎたのかもしれんけど!(普段は研究者とかそんなんばっかだったろうから……)
それにしても、ノヴァクと『死ぬ覚悟』の話をしていた、悲しい過去持ちの審問官。
ある意味ガチで『悪魔に取り憑かれてる人』を目の当たりにして逃げ出しちゃうって、悪魔に屈しちゃったね……
『口だけでしたー』と証明ついでにうっかりで自滅って……いや、そうはならんやろ!
ノヴァクじゃなくても『えぇ……?(困惑)』ってなる……この世界の神様、口先だけのモブに厳しすぎません……?(白目)
死ぬ覚悟はあるか?
ついにノヴァクとの一騎打ちで幕を閉じた今回。
かつて、速攻で白旗大降伏してたオクジーくんはもういないんだな……今ここで逃げるってことは、『神様を見捨てる』ってことだから。
『いざって時、退いたら終わり』な時がある。これを言ったのがコルベくんというのが非常に残念です。(残念な男・コルベ)
さて、馬車で『死ぬ覚悟』の話をしてたノヴァク。オクジーくんも『死ぬ覚悟』でここに来たように見えるけど、ノヴァクはオクジーくんに『死ぬ覚悟はない』と言っている。私もそう思う。
そもそも以前のオクジーくんは、ずっと『死んで天国に逝くこと』を考えてた人なんだよね。でもその頃だって、ホントは『死ぬ気』なんてなかった。だから白旗大降伏したわけで。
かといって、『生きる覚悟』もなかった。どっちつかずのフラフラしたヤツ。
今のオクジーくんにあるのは、『死ぬ覚悟』じゃなくて『生きる覚悟』でしょ?
『生きる覚悟』が出来たから、この世界に『期待』したんじゃないの?
なにより、死んじゃったら『地獄行き』だからなぁ……そんな怖いトコ、行くとしてもできれば先延ばしにしたいでしょ。
死ぬ気で行っても死ぬんじゃねぇぞ
オクジーくんの『神様』を守るために一番確実なのって、『オクジーくんが勝つこと』なんだよね。『死ぬこと』じゃない。
オクジーくんが死んじゃったら、『時間を稼せぐ』ことに成功はしても、『危機がなくなる』わけじゃないんだよ……何より、『託された側』がうまく逃げ切れるとも限らない。
まさに『託すなんて不安で希望とは思えない』と言ったオクジーくん本人や、バデーニくんが言った通り、その選択は『不正解』ということになる。(まあ、だからと言って、『2人一緒に逃げても逃げ切れるとは限らない』ってのも事実だけど)
バデーニくんだって、オクジーくんに死んでもらうために『洗礼』したわけじゃないでしょ。
だから『不正解』を『正解』にひっくり返すには、オクジーくんはノヴァクに勝たなきゃいけない。
次点で『相打ち』、最低でも物理的にバデーニくんを追えないくらいにはダメージを与えないと。
ただ問題なのは、相手が『ヨレンタのパパ』ってことなんだよなぁ……ノヴァクを●すなんてことになったら、恩人であるヨレンタを悲しませることになる。
ノヴァクの勝利条件
一方で、ノヴァクとしては、オクジーくんもバデーニくんも、確実に始末しなきゃまずいよね。
なにしろ生け捕りにして自分以外の審問官に『ヨレンタも関係してます』なんて証言されちゃったら、ヨレンタがあぶないじゃん……
ノヴァク、前回『オレじゃなきゃダメなの?』と不満そうだったけど、マジで自分が行ってよかったね……ノヴァク登場で焦ったのがオクジーくんだったけど、ヨレンタが一緒にいて焦ったのはノヴァクでしょ。
もし他の人に行かせてたら……と思うと、内心、穏やかじゃなかっただろうなぁ……
うーん、ノヴァク的に一番丸く収まるのは、ここでオクジーくんを確実に●して、バデーニくんにも消えてもらって、2人の存在を闇に葬ることだろうな……ヨレンタには『2人は遠くに旅立った(嘘は言ってない)』と伝えりゃいいし。
オクジーとノヴァク、2人の生存条件
でも、ヨレンタにとって『本当に一番いい』のって『パパ生存。友達も生存』なんだよね。
えらそーに『死ぬ覚悟』を語ってたノヴァクだけど、ホントはノヴァクにだって『死ぬ覚悟』なんてないと思うんだよ。ヨレンタが悲しむから。
『娘のこれから』を見届けられずに死ぬなんて、ノヴァクにそんな覚悟あるの?
第一、本当に『死ぬ覚悟』があったんなら、傭兵やめる必要なんてなかったでしょ。強いヤツを求めて戦い続ければよかった。
なのに現在のノヴァクは、異端審問官として『弱い人』ばかり相手にしている。
ノヴァクにあるのは『どんな卑劣なことをしてでも生きる覚悟』だと思うんよ……だからノヴァクは強い。
だけどそれは、オクジーくんも同じ。
つまり『オクジーくんもノヴァクも助かる』には、『オクジーくんが勝利かつノヴァクを●さない』にプラスして、『ノヴァクが2人のことを意図的に見逃す』という選択をしなきゃいけないことになるな……
ノヴァクが白旗大降伏してくれりゃあ、オクジーくんも剣を鞘に収めるだろうし、ヨレンタが悲しむ事態は回避されるんだけどなぁ。でも部下全滅させられちゃったしなぁ。(約1名を除く)
ノヴァクは『娘のためならなんでも出来る』と言っていたけど、果たして。
そしてバデーニくんもどうするだろね。
当初の予定だと手紙を書いてトンズラだけど、オクジーくんの言葉にハートは動いたんだろうか。
それでは今回はこの辺で。
おもろかったら下にあるイイネボタン押してもらえると元気とやる気が出ます。
前回の考察はコチラ