アニメ『チ。-地球の運動について-』第13話 『自由』を 感想と考察 奴隷のノヴァクと人の子オクジー
アニメ『チ。-地球の運動について-』の感想と考察。今回は第13話 『『自由』を』となります。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう
剣は折れても心は折らず
剣を折られても、なお諦めないオクジーくん。
ノヴァク的には剣を折った時点で『勝った』と思うところだけど、それは負けフラグなのよね……
肉を切らせて骨を断つとは言うけど! ようやったよ!
えらそーなこと言っといて、『まいった』『死ぬかと思った』なんて言葉が出るってことは、やっぱノヴァクにこそ『死ぬ覚悟』なんてなかったんじゃん……
ついにノヴァクを追い詰め、勝ったー! と思いきや、まさかの第二陣到着……!(『勝ったと思ったら負けフラグ』を即回収するスタイル……)
たった2人相手に、そんな大群で来んの!?
あ、これはオクジーくん死んだー! と思いきや、助けるんだ。意外。
それは人類の『傲慢』か『可能性』か
オクジーくんが不思議な夢を見ていましたが。
これは大学に行った夢か……『夢は寝て見ろ』とは言いますが、夢の世界で夢を叶えてた。
この塔、OPでも見たヤツですね。バベルの塔?
超・ざっくり調べてみましたが、バベルの塔とは『人類の傲慢に神様が怒って、作業していた人間の言語を乱して建設を妨害した』と言われているそうで。
つまりバベルの塔は『人類の傲慢さの象徴』ということになるけど、オクジーくんが夢に見た塔は『人類の可能性の象徴』だったよなぁ……現に人類は、塔なんか作らんでも月まで行っちゃったし。
昔の人(塔作って登る)からすりゃあ、現代人(ロケット作ってぶっ飛ぶ)のほうがよっぽどイカれてんじゃん!(さすが末裔)
これを『罪深いこと』と否定し、天を目指すなと言うなら、それこそ人類は『獣と同じ』で良かったはずなんよ……『知性』いらない。
『自由』の意味を理解しないノヴァク
ノヴァク、オクジーくんが語った『自由』がわからんのは、『根っからの奴隷』だからだろうな……『思考』を放棄してる。
『聞くため』のお口は持っていても、『聴くため』のお耳は持ってないのよこの人……
ノヴァクが言ってる『神様』って、『親』みたいなもん。『親』の庇護下にさえいりゃあ幸せになれると思っている。
けど『子供』って、いつかは親から『自立』しなきゃいけないじゃん。
いい年こいて無職職歴なしのヒキニートとか、飼育者(親)いなくなったら『詰み』だよ?
自分の生殺与奪権を他人に丸投げした上で得られる『自由』は『自由』じゃないんよ……ただのペット。
要約すると、ノヴァクは『せっかく神様がペットにしてくださったのにバカじゃんお前』と言っている。
奴隷のノヴァク
そんな『神様』のために働くノヴァクは、『毒親に尽くす奴隷化した子供』のポジションだと思う。もしくは家畜。
親に愛して欲しくて、尽くして尽くして尽くしまくる。それは『愛』ではなく『依存』。
だから拷問とか処刑とかひどいこと出来たりするんだよ……『神様の奴隷』だから。
腹の底では『あなたのためにこれだけのことをやってるんだから、自分は愛されるべき』と、見返りを求めている。
でも『ご主人様』は、『奴隷にムチを打つのが自分の仕事』と思ってる。『置いてやるだけ感謝しろ!』と思いはしても、『愛する』なんてことはしない。
だから奴隷は搾取されるだけで、最後はなんにも残らない。
家畜も同じ。どんなに愛し愛されようと、最後はお肉になる。
オクジーくんは、これまで依存していた『神様』という名の『親』から自立しようとしてるだけ。別に『神様』を否定してるわけじゃない。
『知』を得たことで、『獣』から『人の子』に生まれ変わっただけなんだよ……
ノヴァクの『規範がないなら獣と変わらない』に対し、オクジーくんの『今ある規範を疑えないなら、それも獣とたいして変わらない』ってのはまさにその通り。『知性』いらない。
『神様から自立する(天国は自分で作る)』という発想が出てこない限り、ノヴァクはずっと奴隷なんだろうなぁ……
刺さるノヴァクブーメラン
結局、オクジーくんに斬られたノヴァクの部下3人はお亡くなりになったようですが、ジバクくん含めて『4人』と言わなかった点については、一応、良識はあったな。職業柄、『嘘ついちゃダメ』ってだけだったのかもしれんけど。
ジバクくん「せやな」
オクジーくんが己の信念のために3人●したことを、ノヴァクは『異常だ』『妄信的信奉だ』とか言って責めてたけど、『己の信念のため』『妄信的信奉のため』に人を拷問して処刑しまくったお前がそれ言うんかーーーーーーい!
オクジーくんとノヴァクの『違い』は、オクジーくんは『自分はノヴァクとたいして変わらん』と思ってるのに対し、ノヴァクは『俺とお前は別の生き物』くらいに思ってることだと思う。
なのでノヴァクが投げたブーメランは、『お互い信念のため働いていた』『覚悟はしていたでしょう』とあっさりかわされ、投げた自分にぶっ刺さった。悲しいことに、本人、ブーメラン刺さってることに気づいてなさそうだけど……(本人は『キャッチボール』と思ってるから……)
それにしても、オクジーくんがちゃんと『対話』してる……ちょっと前は、すぐ謝ってやり過ごそうとしてたのに。
それってある意味『対話の拒否』だよね……
???「公にしなければ、どうやって議論するのだ?」
オクジーくんは『自分は信仰者』と思ってそうだけど、思考を止めないキミはもう立派な『研究者』だよ……!
悪夢みたいな状況を受け入れろ
そしてバデーニくん登場……! オクジーくんの奮闘むなしく、逃げきれなかった……?
少なくとも、オクジーくんのおかげで『手紙を書く時間』は稼げたはずだけど、その宛先が誰なのかが現時点では不明。
手紙を無事に送れたんなら、オクジーくんの奮闘は『まったくの無意味じゃなかった』ことになるかな。
というか、そもそもバデーニくんに手紙を送れる相手がいたことに驚きだよ!(失礼)
さて、オクジーくんが書いた本燃やすわ、石箱は谷底に捨てるわして証拠隠滅したバデーニくんですが、オクジーくんが懸念した通りのことになってる……!(改めてわかるオクジーくんの思慮深さ)
ただ、『悪夢みたいな状況を受け入れる』のが、バデーニくんじゃなくオクジーくんになっちゃったのは……! さすがにそこまでは予想しとらんかったやろうけど、バデーニくん的には胸をなでおろしてる?
ノヴァク的には相手にダメージ与えるための行いのはずが、バデーニくんにはノーダメ!
バデーニ「よかった……!」
オクジー「人の心はありますか?」
いつ切る? ヨレンタのカード
それにしても、ノヴァクがオクジーくんを生かしたの意外だなー、と思ってたけど、本気で2人とヨレンタは『ただの知り合い』で、『研究にヨレンタが関わってる』とはまったく思ってなかったってこと……? 素直……!
ノヴァク「オレの娘が悪魔の研究に手ぇ染めるわけねぇだろ!」
『娘を信じてる』と言えば聞こえはいいけど、それは『信仰』。あなたは『娘の信者』ではなく『ヨレンタのパパ』じゃなきゃダメなのよ……
さて、バデーニくんが嘘ついたのは、別にヨレンタをかばってるんではなく、『一番効果的なタイミング』を見計らってるだけじゃね?
ここでバデーニくんが正直に『ヨレンタに協力してもらいました』って回答したら、ノヴァクが逆上&口封じで、多少強引にでも2人とも即刻処刑くらいしそうだもんな……
ヨレンタのカードを切るなら、大勢立ち合いの元でやらなきゃ!(悪魔)
まあ、オクジーくんは『ヨレンタをかばって嘘ついた』と思ってそうだけど、バデーニくんにそこまで殊勝な心意気があるとは思えん。(失礼)
『いざとなったら魔女にしたろ!』もホントにやるんじゃね?
なにしろバデーニくんは『有言実行の男』だからなぁ。ホントに本燃やしちゃうし。
いや、たしかに『燃やす』とは言っちゃいたけど!
バデーニ「『嘘つきは泥棒の始まり』だからな」
オクジーくん視点だと、『読みもせんといきなり燃やされた!』ってなかなかのショックだと思うんですがそれは。(バデーニくんは少なくとも1回は盗み読みしてたけど)
いくら証拠隠滅のためとはいえ、キレてバデーニくんの元を去ってもよさそうなのに。
それでもオクジーくんは、孤独に生きるバデーニくんを案じて諭そうとしたり、命を賭けて時間稼ぎまですんのよね……
バデーニよ、神様は裏切っても、オクジーくんだけは裏切っちゃアカンで……!
バデーニくんがかばおうとしてるのは、ヨレンタよりむしろオクジーくんのほうだと思う。顔には出さないし口にはもっと出さないけど。
ひどいことはしてるけど、本燃やすことで『オクジーくんが読み書き出来る』って証拠を隠蔽してくれたわけだし。
ノヴァクの部下●したのだって、『悪魔に取り憑かれてました』で逃げるチャンスもある。認められるかは別として。
そのために『ヨレンタを使う』ってのはありそう……
ノヴァクの感謝
ノヴァクが自分の職務怠慢のことを言いだし、てっきり10年前のラファウの一件で、教会が変わるよう働きかけないでいたことを後悔してるのかと思いきや、
ノヴァク「もっと厳しく取り締まらなきゃ!(訳:変わるべきは異端者!)」
あ、このおっさん、思ってた以上に小者やったわ。(白目)
何が『やっとわかった』のかなこの人……
これは……ヨレンタが火あぶりにならない限り『あれ? おかしいの教会じゃね?』と気づかんヤツですか……?(むしろそれすら『悪魔のせい』にしてさらに異端者を憎むかもな……)
結局ノヴァクって、10年前からずーっと『怠惰な奴隷』のままだったんだな……誰よりもめっちゃ働いているはずなのに『怠惰』という矛盾。
その代償として支払われているのが、他でもないヨレンタ。
ヨレンタは『女性でも研究者として認められ、活躍できる世界』を望んでいる。だけどノヴァクが働けば働くほど、ヨレンタ(女性)が活躍出来ない不自由な世の中になっていく。
なぜならノヴァクは、『たった1人のヨレンタのパパ』として仕事してたのではなく、『大勢いる奴隷の1人』として、『ご主人様を喜ばせるため』にしか働いてないから。しかもその自覚はない模様。
以前、『娘を応援する』と言っていたのに、誰よりも娘の足を引っ張っているのはノヴァク。ダメ親父じゃん……!
従順なドーベルマンよりイカレたチワワ
結局、ノヴァクのこれまでの行いって『娘を愛しているがゆえ』じゃなく、ただの『自己愛』だったんだな……『娘にはいつまでも自分のかわいいお人形でいて欲しい』っていう『願望』の押し付け。
『ヨレンタが好きなことを自由にのびのびやって生きられる世界』にするために、『強大な相手』に立ち向かう『覚悟』なんてないんだよこの人。
だから『目立つな』なんて言ったんでしょ? 『自分が』幸せでいるために。
私が思うに、ヨレンタを幸せに出来るのは、『ご主人様(強いもの)に従順なかしこいドーベルマンなパパ』ではなく、どんなに勝てないとわかってる相手であろうと『娘を泣かすヤツは主人だろうが神だろうがのど笛噛みちぎってやるぜヒャッハーーーーーーーーーーーァァァァ!!』が出来る『凶暴なイカレチワワなパパ』だと思うんよ。(チワワにだってキバはある)
それが出来て初めて『娘のためならなんでも出来る』が『口だけじゃなかった』の証明になるんや……! この根性なしめ!
結局、彼が思ってる『平和な世界』は、10年前から相も変わらず『強いもの』のために『弱いものを我慢させる』ことで成り立つ『平和』なままだった。だからヨレンタは色々と我慢を強いられている。
ノヴァクが『飼い主を盲信する従順な犬』でいる限り、いずれノヴァクは最愛の娘に見限られるんじゃないの? だってヨレンタは『獣』ではなく『知性』を持った『人』だから。
ノヴァク、オクジーくんに『覚悟』で負け、レスバでも負け、最終的には人質取って暴力で解決ですか……(白目)
ラファウとの出会いがあったにも関わらず、目を背け、忘れ、変わろうとせず、相も変わらず『弱い者いじめ』を続けてただけなことにガッカリしたよ!
そして、オクジーくんのお口の運命やいかに!
それでは今回はこの辺で。
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