アニメ進撃の巨人 The Final Season 78話『兄と弟』感想と考察 口だけジークとぼっちのエレン【ファイナルシーズン】
アニメ進撃の巨人The Final Season78話『兄と弟』の感想と考察。
今回は、どうしてエレンは質問に対してとんちんかんな回答ばかりするようになってしまったのかや、『座標』の形の謎、そしてジークがエレンの本音を聞くまで律儀に待ったのはなぜなのか考察しとります。オープニングとエンディングのエレンについても少し。
情報量が多くて、毎回考察が長くなっちゃうのはご勘弁を。
原作漫画の大きなネタバレは注意書きしてますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします。
なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。
上っ面と口だけのジーク
さて、前回『トモダチ教』に走っちゃったコルト兄ちゃんですが、ジークと直談判ついでに黒い本音ぶちまけ。そりゃあマーレ云々なんかより、家族のほうが大事だよなぁ……しかもこんな天使みたいな弟……
でもコルト兄ちゃん。『子供を巻き込んで平気な人ではなかったはずだ』って、ホントに『その通りの人』ならそもそも『レベリオ襲撃』なんかしなくてだな……(『平気』じゃなくても『やる』か『やらない』かは別)
そしてジークお兄ちゃんもジークお兄ちゃんで、ファルコが脊髄液口にしたことを知って、マジでお辛そう……
でもやるんだよねこの人。
『弟を想う気持ちはよくわかる』とか、まるでコルトを理解するようなこと言ってっけど、でもお前、弟疑ってたじゃん何言ってんだこのヒゲ?
ピークちゃんがやられたと思った時も、ホントお辛そうな顔するんですよこの人。
でも、ライナー達にガンガン投石しまくってんの。
ホント上っ面と口だけだなこのヒゲ……
ジークお兄ちゃん、世界を救うだのなんだの、一見やってることは壮大だけど、言い分を要約すると、
「俺がこうなったのは自分以外のなんかのせいであって俺は悪くないんですぅ!」
「俺がやろうとしてることは世界を救うことなので、そのための犠牲は仕方ないことなの! 俺の辛さもわかって!」
だよね……
何でもかんでも『人のせい』にすることで、『俺は悪くない』って、それ、子供がやることやで……
仲間達を●しまくったヤツの正体がこんな小者とか、そら兵長もブチギレる。
やはり雷槍は刺せるだけ刺しておくべきだった。(一本で済ませる兵長のやさしさ)
進撃のそっくり兄弟
エレンもさぁ。
一応、『叫び』を阻止するような姿勢見せたけど、でも結局、あなたなにもしなかったよね? 前からワインのばらまき知ってたくせに、ずっと黙ってた。
でもってジークとの待ち合わせ場所が、アルミン達がいて、なおかつ『ワイン飲んだ人達が集まってるシガンシナ』ってどういうことよ……こんなとこをジークとの待ち合わせに使うとか、マーレの襲撃があろうがなかろうがダメじゃん。
『巨人化』を回避し、なおかつ『さっさとジークと接触したい』んなら、自分からジークのトコに行きゃ良かったのに。潜んでる敵を警戒したから?
だったらなおさら、シガンシナから離れたほうが、『仲間』を危険にさらすこともなければ敵をあぶり出すことだって出来たんじゃないの? 敵が狙ってるのはエレンの『始祖』なんだから。
なのに、なんにもしなかった。まさかハンジさんと一緒が気まずいとか兵長と顔合わせんのが嫌だったとか言わないだろーな……
それどころか『逃げろ』と言ってるイェレナ無視して、戦いを激化させたのよねこの人……
おかげで司令達が……! あんたの恩人じゃなかったの!?
なんにもしなかったくせに、今さら『叫び』を阻止するポーズ見せたところで『上っ面と口だけの男』にしか見えませんよ……ホント、ジークお兄ちゃんそっくりですね……
繰り広げられる兄と弟、絆の連鎖
そしてコルト兄ちゃん……!
『弟突き飛ばしてダッシュで逃げる』ってことも出来たんですよ……間に合うかどうかは別として。
むしろそっちのほうが兄ちゃん助かってファルコ的には『いい結果』になったかもしれないのに、コルト兄ちゃんが弟を大切に思う気持ちは口だけじゃなかったということが『証明』された。
その『証明』の『対価』が、弟や未来の妹にとってお辛すぎる……!
『人を信じると最悪の結末がやってくる』のが進撃ワールドなんだけど、ちょっと違ったみたい。
正確には『トモダチ教の神様を信じると最悪の結末がやってくる』だね……信じてたのは『信じたい相手そのもの』じゃない。
コルトだって、『あんたが何考えてんのかわかんない』と、『ジークという人物』を信じてたわけじゃなさそうなんですよね。信じたかったのは『自分の都合の良い理想の展開』だった。
とはいえ。ジークを信じていようがなかろうが、『南の撤退用の飛行船』に向かうには、ジークの後ろの出入り口通らなきゃいかんという『詰み』の状況がお辛い……
むしろ反対のウォールローゼ側に逃げたほうがワンチャンあったかもしれないけど、マーレ育ちのコルトに『撤退あきらめて悪魔の島で暮らす』なんて思いつくわけないよなぁ……
ガビも、未来の兄ちゃんが半分黒焦げで、夫(予定)は巨人になるとか、もう思考停止してもおかしくない。
しかもファルコはライナーに襲いかかるわ、ライナーはとっても安らかな顔になるわガリアードくんが食われるわ……
ガリアードくん、『ジークがやられて、エレンはもう始祖パワー使えない』と思ったタイミングでの登場だからね……口では『もう俺は戦えないから仕方がない』みたいなこと言っときながら、自分が『ライナーとファルコ、両方助けたい』と思ったからそうしただけじゃねーかあんたって子は……!
あくまで『いつも通り』の憎まれ口叩きながら助けちゃうとか、本当にかっこよかったよ……!
マルセルお兄ちゃんが自分やライナーにしてくれたことを、今度は自分が『お兄ちゃん』として弟分のファルコにしてあげるだなんて、こっちも兄と弟……(つД`)
それにしても、ジークの命令を受けてたはずのファルコが急に方向転換したのは、食べにくい鎧よりも食べやすいのが現れたからなのか、それとも別のなにかの力なのか……ちょっと疑わしいところ。
???「生きろライナー!」
あらがい続ける自由人
そして別のところでは、果敢に車力のピークちゃんに挑んだものの、フロック以外全滅。
それにしてもフロック……生き残ったのはたいしたもんだと思うけど、アルミンとミカサが現れたとたん、加勢するどころか姿が見えなくなるってどういうことかな……?(疑惑)
そしてライナー怒りの鉄拳が炸裂したと思ったら、逆に硬質化されて動きを封じられることに。
エレンすげー! って思うけど、でもこれって『硬質化』がすごいのであって、進撃の巨人の『元々の能力』じゃないよね……?
エレン、お前の強さって全部『もらいもん』か『奪ったもの』じゃねぇか……(そりゃ『上手に使った』のはエレンの強さだけどさぁ……)
ライナーの動きを封じたところでエレン脱出……ん? 足音がぺたぺた?
なんと!
ズボンが切れてる!
原作で、ガリアードくんに足切断されたのにズボンと靴履いてて散々つっこまれてたからなぁ……『道』に行ったら直ってたけど。
まあ、『道』でも切れたまんまだと『膝から下がはだしの怪しいロン毛男がボーボーのすね毛むき出しで『力を貸してくれ!』と少女に声かける事案発生』で保護者に一斉通知が届きますからね……
怪しいロン毛「言うほどボーボーじゃないですけど!?」
そしてガビのミラクルショットによる『断罪』が下された。『打ち首』と言うより『撃ち首』に。
この状況下でガビちゃん、あんたすげぇよ……もう色んなことがいっぺんに起こって虚無になっててもおかしくないのに、どんなに奪われようとそれでも立ち上がってあらがい続けるんだもんな……お前は自由だ……!
それにしてもこれ、脚立? が浮いてるんですが。
こんな見るからに重い鉄パイプ(※対巨人砲)を細腕で抱えて、しかも初めての使用で見事にヒットさせるって、どんだけ怪力なんこの子。
しかし、この首ちょんぱが原因で接触成功させてしまう皮肉。
そうか……ここは鉄パイプ(※対巨人砲)でぶん殴りに行けばよかったのか……!(ガビちゃんがバーサーカーに)
でも、ぶん殴りに行ったところでエレンはジークと接触果たしたわけだからなぁ……ある意味、本当の意味で始祖の巨人に『一番槍を入れた』のはガビちゃんかもしれない。
すれちがう兄と弟
時はさかのぼり、レベリオ襲撃より前に。
そして『正直』な『嘘つき者』がここにも……よそでは美しい兄弟愛見せてくれてるのに、こちらの兄と弟ときたら……
コイツ、絶対兄ちゃんの話聞いてないだろ。
ぶっちゃけ王家の殺害事件の話、しないほうがよかったんじゃない?
だって矛盾してるよ?
『親父がそうしなきゃオレは食われて死んでました(親父を肯定)』とか言ったその口で、『親父は間違ってる(親父を否定)』って。
話の流れ的に『父ちゃんは正しかったと肯定したいんやな』とジークお兄ちゃんは思ったのに、いきなり逆のこと言い出すんだもんな……そら困惑するよ。
それならむしろ『父ちゃんが余計なことをしたせいでオレはこんな苦しみを味わうことになりました。あなたと同じく、オレも父ちゃんが憎いです』くらいの事言えばいいのに。
もしくは父ちゃんを肯定しつつも『父ちゃんの罪を償うためにオレはどうすればいいのお兄ちゃん!?』と苦悩する超かわいい弟としてジークお兄ちゃんにヒモりに行けよ。女の子にはヒモりまくるくせにヒゲのおっさんは嫌ってか。
ホント、嘘がヘタだね……!
とんちんかんのエレン
エレンってさ、『質問』にちゃんと答えないんですよね。
地下牢のハンジさんの時もそうだし、レストランでのアルミンとミカサの時もそう。
ハンジさんの質問
「ヒストリアはもうどうなっても良かったの?」
エレンさんの回答
「戦槌の巨人を食いました(関係ない話)」
アルミンの質問
「本当にジークやイェレナに懐柔されたの?」
エレンさんの回答
「オレは自由だ(曖昧な回答)」
ジークお兄ちゃんの質問
「計画に賛同してくれるのか?」
エレンさんの回答
「あれは4年前のことでした(無駄な情報の詰め込み)」
こんな感じで、『はい』『いいえ』で回答しないの。用意したセリフ言ってるみたい。
おかげで質問した側は、意味わかんなくて『え?』ってなっちゃう。
エレンが昔から『人の話が理解できずいつもトンチンカンな回答するヤツ』だったならわかるけど、別にそういうわけじゃない。ファルコやライナーとはちゃんと『会話』が出来ていたし。
相手は『エレンのことを知りたい』んですよ。
なのに、意図的にせよ無意識にせよ、相手の『あなたのことを知りたいという気持ち』は尊重せずに、『とにかく自分の言いたいことだけを言う自分勝手な状況』を作り出している。
これ『会話のキャッチボール(互いの理解を深めること)』を『拒否』してるってことだよね?
それは何故か。『相手に自分を理解される』ことはもちろん、『自分が相手を理解してしまう』と『これから自分がすることが出来なくなってしまうから』じゃないの?
それを回避するため余計なことをしゃべらないよう気をつけた結果、回答がトンチンカンになり、自分でも『何やってんだ』ってわけわかんないことになった。(実際、人は『なにかをごまかしたい時』にそうなることがあるらしい)
FinalSeasonになってから、エレンはずっと無口でしかめっ面して、強キャラみたいにかっこよく見せてるけど。イェーガー派の人達はそんなエレンを見て『なんかすげぇことやってくれそう』と勝手に期待してるけど。
エレン、あんたさぁ。仲間達が怖くて逃げてるだけでしょ? エルヴィンみたいに頭が回るわけでもなければ嘘をホントのように言い張る胆力があるわけでもなし。だから黙るんでしょ? だから突き放すんでしょ?
MAPPAさんにオープニングとかめっちゃかっこよく描いてもらってるけど、お前お兄ちゃんに負けず劣らぬ超絶小者のしょーもない幼稚なぼっちヒモ男だからな?(辛辣)
たしかにイェーガー派とか取り巻きらしきものはいるけど、その人達が信じてるのは『エレン・イェーガーという名の神様』であって『ただのエレン』じゃないからね?
『信者』ではあっても『友達』ではない。
そしてまあ、リアルキャッチボールでも他人を拒否してるし。
そら『信頼』が得られるわけないわな。
ぼっち野郎のエレン
すべてのキャッチボールを拒否ったエレンだけど、オープニングでもエンディングでもぼっちなんですよ……
叫んだって聞いてくれる人が誰もいないぼっち野郎。
どんなに世界が美しくても誰とも共有できないぼっち野郎。
いや、別に『ぼっち野郎』が悪いわけじゃないんだけどさ。私も大概ぼっちだし。
でもこのエンディング、一見きれいなんだけど、廃墟だらけで他の人が誰も存在しないさびしい世界だよね?
エレン的に、これが『自由な世界』なの? 『巨人から解放された世界』というより『人類から解放された世界』に見えますが。
『駆逐してやる!』とか言ってたくせに、面倒くさくなってやめたの? むしろ人類が嫌いなの?
あなた昔、『生きてるだけなんて家畜だ!』とかえらそーにぬかしてたけどさ。
どんなに自由を堪能できても、誰も存在しない世界で『ぼっち野郎』が出来ることって、『ただただ生きるだけ』以外に何があんのよさ……ミカサのエンディングの時もヒストリアのエンディングの時も、最後に待っててくれる人いたのに。あなたには誰もいないじゃない……(それどころか最後自分が消えとる)
『ぼっち野郎』が『君を守る』だの『君を愛す』だの、せっかくのめっちゃいい歌があんたのせいで色々台無しにされてもーて、おかーちゃん違う意味で泣いてまうわあんたって子は……!
ぶっちゃけエンディングのこの歌はミカサの歌だと思う。だってエレン、誰も守ってねぇもんな……(なんでサシャ死んでんの? なんでハンジさん発砲されてんの? なんで司令達巨人になってんの? なんでミカサ達危険な戦場に駆り出されてんの……?)
そしてジークお兄ちゃんも大概ぼっち野郎。
脊髄液飲んだ人を『叫び』で巨人に変えて命令通りに動かすって、まさに『王様』だけど、それってつまり、『脊髄液』という強制アイテム飲ませない限り、あなたがどんなに叫んだところで『うるせぇな』と耳ふさがれて無視されますってことなわけでして。
『命令』が通用しないリヴァイは、そらジーク的に面白くない存在だろうな。リヴァイは『信頼』で動くんやで……!
脊髄液飲ませて操らないと、だーれも言うこと聞いてくれない王様とか、いる必要あんの?(だからアッカーマンに見限られた?)
一応イェレナいるけど、『ジーク』というより『巨人パワー』に神様を見た『信者』だからなぁ……
ケニーがいたウーリ、ヒストリアがいたフリーダのほうが、王様としてはマシだと思う。
それにしてもこの兄弟の中の人達、別の世界ではミ●トバーン氏(一貫して悪役)とヒ●ンケルさん(中身も外見もイケメン)やってるのに、こっちの世界では残念なヒゲ男とヒモ男やってるって、切り替え大変そうだな……(進撃のほうが人間くさいっちゃあくさいんだけど……)
記憶のかけら
記憶のかけら、アニメではどうなるのかと思ったけど、ぼやけた画像が流れていく感じになりましたね。ちょっと不気味。
ちなみに原作はこんな感じでした。アニメと見比べてみると楽しい。
アニメに出てきた絵はだいたい原作通りだけど、いくつかないものが。
人物の抜けは、ジャン、ハンジさん、アニ、カルラママ、ダイナ巨人、旧リヴァイ班、幼少ヒストリアあたり? いないことにはなにか理由があるのでしょうか……(これまでも、別のシーンに回すことがあったからなぁ)
なんかしれっとおかしいのも混じってた気がするけど……
※ここからちょっとネタバレ混じります。
順番に行くと、まず1話のミカサ。
きれいなライナー。
フェイ。これはグリシャの記憶。
一瞬エレンに見えるけど、これは鏡に映るフリーダお姉ちゃんなのでフリーダの記憶。もしくは『初めてフリーダお姉ちゃんの記憶を見たエレンの記憶』。まあ、どっちでもいいか。
しかしなぜこの記憶……? 特に意味のあるシーンにも見えない。
もしくは『フリーダお姉ちゃん』が重要なのではなく『鏡に映る自分の姿を見ている』というのが重要なの?
エレンも鏡見てたしなぁ。
となると『私はお前でお前は私だ』という暗示なのか……エレンと壁の王は手段が違うだけでやってること同じだもんな。(LOSTGIRLSじゃ『鏡男』なんてのもいたしな)
レベリオ襲撃時のライナー。この記憶は原作になかったな……
『仕方なかった』と言うエレンに対し、『違う!』『全部俺のせいだよ』と言った時。
ホント、まったくこれっぽっちも同じじゃなかったわこの二人……エレン、あなたと『同じ』だなんて、ライナーさんに失礼でしょ!
夢見るアルミン。他の記憶はぼやけたりかすれたりしてる中、アルミンは鮮明なんですよね。エレンにとって、夢見るアルミンは強烈な存在なのか、『なりたかった自分』だったのか……
レイス家。背景がなぜか空になってるのは人物を強烈に記憶してるから? そして赤くなるのは血のイメージでしょうか……グリシャの記憶。
リヴァイ、訓練兵時代のサシャとコニー、ファルコと流れていきます。
コニーとサシャ、何やってんのあんたら。
これはクルーガーさんの記憶。タンスの中から家族が殺されるのを見てた時のですね。
超大型巨人。この不気味さはエレンから見たイメージか。
誰の記憶だよ!
この記憶、どっかで……! うっ! 始祖は視聴者の記憶とも繋がってただと……!?
おめめぱっちりラムジーくん。顔のアップだけ見ると美少女に見える……
グリシャ。これはフリーダお姉ちゃんの記憶? それとも……
そして夕日と鳥……ん? この奥にあるのはもしやラストバトルの某要塞……?
もしそうだとすると、これはあのエレンの記憶やね……
そして地下室の鍵が振り子になってヒストリアが。
まさかのスクカーのミカサとアルミン。
原作は目立たない場所でちっちゃかったのに、こんなガッツリ出てくるとは思わんかった。
海と鳥の影。これはエレンの記憶ですかね……?(『どこの』とまでは言わない)
最後にユミルちゃん。
ライナーが3回も出てきたり、どんだけライナー好きなんあなた……
おいでやす座標
そして『座標』に到着。
『座標』って、『光がうねうね動いてる』のをイメージしてたんですが、意外と静止画だった。
止まってるってことは、『木』をイメージしてるってこと? 『木』じゃ動かないよなそりゃあ。
『この光の先にすべてのユミルの民がいる』ってことになるんだけど、でも『見えないなにかで繋がってる』って、『枝葉』というより『根っこ』のイメージなんだけど。
しかも座標が『静止画』として描かれていることで、より一層『木の根っこ』に見える……そう考えると木が逆さまに埋まってるみたいに見えるな……
もしくは、エレン達がいる場所こそが土の中なの? 真っ暗だし。
『ユミルの民=巨人』が『大地の悪魔』と呼ばれるゆえんってそういう……?(『光るアイツ』がいたのも地下だったもんな……)
さて、始祖ユミルのことで散々しゃべった後になって鎖にツッコミを入れてくれるエレン。お兄ちゃんにどんだけ興味ないねん。
この引きっぷりが妙にシュール。
そして当然のようにジークお兄ちゃんの計画を拒否。ここまではアルミンの予想通りだった。ここまでは。
『かわいそうな俺様教』のジーク
エレンの本音を聞くまで律儀に待ってたジークですが、その割に、エレンのことは最初から疑ってたんですよね。
エレンを疑ってたんなら、エレンの意識が戻るの待たずに、さっさと始祖ユミルちゃんに命じりゃよかったのにそれをしなかった。
そして予想通り裏切られ、出てきた言葉が『やっぱりかよ』。
これ、『裏切られるのを期待してた』んじゃないの?
しかも裏切られた理由を、なぜか父親のせいにしてる。どういうわけか『エレン本人の意思』の可能性を最初から消してるんですよ。
その理由は『エレンを信じてるから』というより『自分がそう思いたい』からそう思っただけ。『トモダチ教』に走ったアルミン達と同じ。
これは『かわいそうな俺様教』ってところだろうか……(またしても宗教が……)
つまりジーク的にエレンの真意は関係なくて、『未だあのひどい父親に苦しめられるかわいそうな俺様』を信じてる。だからエレンは『父親に洗脳されたかわいそうな弟』でなくてはいけない。
なぜなら、そうすることでよりいっそう『父親に苦しめられるかわいそうな俺様』に酔いしれることが出来るから。
ん? ということは『ジークはエレンを疑ってた』というより、一周回ってエレンを信じてたんじゃあ……『ひどい父親に操られるかわいそうな弟』としてだけど……
だから『かわいそうな弟を悪い父親から救ってあげるけなげな俺』をやりたくて、律儀にエレンの本音を聞くまで待った。めんどくせぇヒゲだな。
『父親』に洗脳されたジーク
ジークってとにかく『人のせい』にするんですよ。むしろ、両親がいた頃のほうがずっと大人だったと思うよ……
幼少のジークって、『期待に応えられない自分』を責めることはあっても、親を悪く言ったことはなかった。
今でこそ『洗脳洗脳』言ってるけど、『グリシャにそんな能力ない』ってことは、あなたが証明してるじゃない……あなたが父親に洗脳されてたんなら、どうしてあなたは復権派のためにもっとやる気出さなかったの?
あなた、両親に『洗脳』されるどころか『疑念』を抱いてたじゃない……
だから勇気を出して『復権派の活動やめてくれ』って言ったんでしょーが。
『人のせい』にするようになったのは、クサヴァーさんに言われて両親を売ってから。
そうでもしなきゃ、『親を売った』という罪悪感で潰れちゃいそうだったんだろうなぁ……そしてなにより、『君は悪くない』『君を愛さなかった親が悪い』という『いい人(ジーク的に)』のクサヴァーさんを否定することになる。
そしてクサヴァーさん本人も、『全部血のせい』と、『自分以外のなにかのせい』にする弱い人だった。少なくとも女房が子供連れて自害したのは、だましてたあなたのせいですよ……
そして『奥さん子供の死』を『血のせい』にしてたクサヴァーさんは、『ユミルの民の血』を引く自分のことを『かわいそう』と思ってたんですよね。ということは、当然ジークも『かわいそうな子』。
クサヴァーさんを肯定してたジークは『あ、僕って両親に愛されてないんだ』『僕ってかわいそうな子なんだ』『生まれてこなけりゃ幸せだったんだ』と、どんどん自分を『かわいそうな子』にしていった。
『ユミルの民の血を引く者はみんなかわいそうでなくてはいけない』『悪いのは血であって誰も(もちろん俺も)悪くない』『だから救ってあげなきゃ!』と、自分で自分を洗脳していった。
『父親に洗脳されている』と言ってるジークこそが、クサヴァーさんという『父親』に『俺はかわいそうな子』と洗脳されている。おかげさまで、仲間も誰も信頼せず、『かわいそうな俺様』しか信じない『ぼっち野郎』になってしまった。『仲間との信頼』を動力源にするリヴァイとは真逆。
それにしてもジークって、『弟を救ってあげる』だの『世界を救ってあげよう』だのとずいぶん上から目線のえらそうなこと言ってますよね。
こんなに上から目線なのは、みんなのことを『かわいそうな下の存在』として見ているから。だから自分が王様になって『救ってあげよう』なんて言い方をする。
そしてジークは自分のことを『誰よりもかわいそうな子』と思っている。
他人を上から目線で見ているジークこそが、誰よりも『自分』のことを『下』に見ている。
ジークが本当に『救ってあげたい』のは自分。
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
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