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アニメ進撃の巨人 The Final Season 79話『未来の記憶』感想と考察 エレンから逃げられなかったグリシャと罪から逃げた壁の王【ファイナルシーズン】

進撃の巨人アイキャッチ

アニメ進撃の巨人The Final Season79話『未来の記憶』の感想と考察。今回はグリシャとフリーダお姉ちゃんが気の毒な回でした。
エレンとジークの記憶ツアーから、エレンがマフラーに何を思っていたのか、壁の王の矛盾とその行いの真の目的、そしてそっくりだったグリシャとフリーダ、ジークの洗脳が解けるまでを考察します。

個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
原作漫画の大きなネタバレは注意書きしてますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします。
なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。

ジークお兄ちゃんと行く進撃記憶ツアー

むちむちのおててから始まった79話。
昔のエレンって母ちゃん似だと思ってたけど、抜けた面構えはグリシャそっくり。
こんなかわいらしい赤ちゃんが、どうしてああなった……

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

そしてTPOをわきまえたのか、半裸だったお兄ちゃん、服着てる。
まあ、TPOわきまえないと、ロン毛のヒモと半裸のヒゲが、自分の父親をストーキングしてるやべぇ絵面になるもんな……(ただの不審者)

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

↑ロン毛とヒゲが自分の父親をストーキングする絵面

グリシャも、見えたのが半裸のヒゲだったらなにも見なかったことにしたかもしれない。

壁の中で人を愛したグリシャ

さて、グリシャって元々お医者さんだったわけだけど、親が医者だったから『なんとなくそのままなった』感じでしたね。妹が殺されてから虚無感抱えて生きていたし。
マーレにいた頃は、医者1、復権派9って感じ。口では『エルディアを救う』と言っても、『マーレへの復讐心』ばかりが目立って、とても『私は命を救う医者だ』なんてセリフが出てくるような人には見えなかった。
医者としての『使命感』や『やりがい』を感じるようになったのは、壁の中で人を愛するようになってから。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

マーレ時代は『患者診て薬出す作業』だったのが、人からの信頼や感謝の言葉に、『自分は人を救っているんだ』とやりがいを感じるようになったんやろーなぁ……
次男坊は『壁の外には自由がある』と思っていたのに、その『壁の外』から来たお父ちゃんにとっては、『壁の中』にこそ自由があり、『自分らしく生きられる場所だった』というのはなんとも皮肉……(もちろん『憎しみを捨てた』ことが大きかったんだろうけど)

さて、そんなグリシャを見ているジークお兄ちゃん。
『理解させてやる』なんて言っておきながら、どんどん自分が父親を理解してますね。エレンに嫉妬まで出てきた。
グリシャが父親として『めっちゃいい人』なシーンはノーコメントなのに、お金持ちを診療してるだけで黒い疑惑を連想してる。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

相手のことを『理解』すると、憎むに憎みきれなくなるのよね……だから父親を憎んでいたいジークは、グリシャを『理解』しないよう、都合の悪いこと(この場合は『善良な人』の部分)からは目をそらし、怪しいところは『ほらほら、やっぱ悪い人だー!』って自分の憎しみを正当化しようとしてる。

まあ、誰とは言わないけど、世の中には理解しようとすればするほど理解不能すぎ怒りと殺意しか湧かなくなるヒモ男もごくまれにいるんだけどね。

誰とは言わないけど。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

エレン「なんでオレ見んの!?」

この『父ちゃんを悪者にしよう』とがんばってる感。そして他者へ優しさや愛情を向けている姿はスルーするの、『どうしてその愛を俺には向けてくれなかったの?』という切なさの裏返しにも見えるよお兄ちゃん……だってこの時のグリシャを見るジークは、『憎い相手』を見てるというより、寂しそうに見えるんだもん……(つД`)

なぜそう思った?エレンが父親に洗脳されていると思ったワケ

『わからせてやる!』と言っときながら、むしろ自分が『弟が洗脳されてるわけではない』と理解したジークお兄ちゃん。
が、今度は逆に、エレンを理解出来なくなった模様。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

そら『エルディア人は滅ぶべき』と思ってるわけでも『洗脳』されてるわけでもないのに、兵団を裏切る理由がないもんな……
そうでなきゃイェレナを介してジークの計画を伝えた時点で、イェレナはとっ捕まり、ジークだって島に連れてくるわけないし。(ん? ということはコイツ、イェレナ切り捨てる気だったな……)

ところが、エレンは計画に乗った。(←この時点では『エルディア人は滅ぶべき』という考えの人間と思った)

進撃の巨人The Final Season 78話 兄と弟

進撃の巨人The Final Season 78話 兄と弟

しかし、ボールは受け取ってくれない。(←この時点では『洗脳』を疑った)

進撃の巨人The Final Season 78話 兄と弟

進撃の巨人The Final Season 78話 兄と弟

そして『やっぱり』ジークを裏切った。(←『洗脳だ!』と確信)

進撃の巨人The Final Season 78話 兄と弟

進撃の巨人The Final Season 78話 兄と弟

つまり『ジーク的脳内ストーリー』は『復権派グリシャの目的はマーレ滅ぼしてエルディア帝国復活! そのために俺を利用しようたってそうはいかないゾ☆ 父親の復讐の道具にされてるかわいそうな弟、俺が救ってあげなきゃ!』だったんかな。
でもエレンは洗脳されてない。なのに兵団を裏切った。そらわけわからんわな……

『最初』で『最後』の無償の愛

そして『例の事件』へ。
さすがのジークも、相手が人さらいとはいえ9歳で●人やってるのにはドン引きした模様。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

ジークだって『両親を売る』ということをやってるけど、それだって『クサヴァーさんに言われてのこと』だったし、当然のようにためらってた。
これがエレンだったら、両親に逆らいまくり、自分の自由のために自分の意思で親を売り、クサヴァーさんのことも『つまんねぇおっさん』としか思わなかったかもな……

さて、ジークお兄ちゃんがなんかしゃべってんのに、それよか幼い自分がミカサにマフラー巻いてあげてんのを見てるエレン。ホント、お兄ちゃんに興味ねぇな……

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

ミカサの「あったかい……」は、マフラーじゃなくて『あなたの無償の愛』のことを言ってるみたい……

このミカサにマフラーを巻いてあげるのって、エレンが他人に『無償の愛』を『初めて』与えた瞬間だったよなぁ……
まさかそれが『最後の無償の愛』だとは思わんかったけどさぁ……(嫌味)
ミカサはこのたった一回の『無償の愛』に応えて続けてくれたのにあんたって子は……!

ぶっちゃけ、悲惨な事件で両親を亡くし『寒い』と言ってる女の子がいたら、アルミンだってコニーだってマフラーくらい巻いてあげるよ!
ジャンなら、自分が全裸になってでもあっためてくれるよ!

ジャン「人を変態にするな!」

しかしこの『無償の愛(マフラー)』、エレンには『自由を縛る鎖』に見えてたんだろうか?

だってミカサに『戦え!』ゆーて人を●させたのがエレンなんですよ……
ついてくるとわかっていても調査兵団に行ったのがエレンなんですよ……
レベリオ襲撃だって『仲間達が来てくれる前提』で計画立てたんですよ……
今だってミカサや仲間達の援護があってようやくジークと接触果たしたんですよ……
『全部1人でやろう』としてるふりして、『全部他人頼り』の情けないヒモっタレ男なんですよ……

なのにミカサは、そんな二千年に1人レベルの最低最悪のクソヒモ男最初で最後の『無償の愛』が『エレンの本性』だと信じてる。
エレンよ。母ちゃんのことといい、お前にとって『無償の愛』とは『自由を奪う鎖』だったのかい?

進撃の巨人The Final Season エンディング

進撃の巨人The Final Season エンディング

だから手放して、『自由な世界』へ飛び立とうとしたの?

記憶ツアー最終日~そして1話へ~

そして1話へ。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

これは見えてますね……

エレンの調査兵団志望にジークが驚いた顔してるけど、これってエレンが『自らの意志で調査兵団に入った』とは思ってなかったってこと?

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

そして母ちゃんが全力で止めてくれてるのも、ジークにとっては驚きだったんだろうか。たとえるなら『調査兵団に行く!』とジークが言ったら褒めるのがダイナだし。

あれ? ひょっとしてジークって『危険から守るために子の障壁となってしまう親心』に一回も触れたことなく生きてきたんじゃあ……?

だって自分を愛してくれていると思っていたクサヴァーさんにすら『生まれ来たのは間違い』と同意され、『俺が巨人を継承する!』と言ったら喜んでくれたもんな……じいちゃんばあちゃんも、娘●されてもマーレに頭下げる人らだったし。
ジークにとって『愛』とは、『相手の都合のいい子になること』だった。そうすれば、相手が喜んでくれるから。
もちろんダイナだって、復権派のことさえなければ優しいかあちゃんだったんだろうけど、そういうところはカルラと真逆。

『すべての罪』から逃げた壁の王

さて、ついに壁の王と対面の時が来ました。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

目の色が変わった。これはフリーダお姉ちゃんではなく『初代壁の王』になってますね。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

どうやら壁の王は『残虐なエルディア帝国の歴史』を『否定』することで『自分はとてもいい人』と思ってるようだけど。
でもその割にこの人『虐殺肯定』してるんですよね。
そして誰よりも『罪』から全力逃走し、『巨人の力』も守る気ゼロ。

だって壁の王がしたことが『贖罪だ』って言うんなら、なんで世界のエルディア人への憎しみは、和らぐどころか悪化してんの? 『謝ってない』からでしょ?

そもそも『罪を受け入れましょう』と言ってるくせに『罪の記憶を消した理由』って何? 『記憶にございません』って言われたら、被害者はむしろ腹立てるもんでしょうが。なのに消した。
『罪から逃れるため』以外になんかあんの?
ライナーは『過去の罪』に苦悩しながらも、逃げずに戦い続けとるんやで……!

そして『虐殺ダメ! 絶対!』と言うんなら、他人に『虐殺させること』も『ダメ』って言わなきゃダメでしょ。『する』のはダメで『される』のはいいって、それってむしろ『虐殺はしていいことです』って言ってるよね?

『人の手から巨人パワーを守らなきゃ!』と言ってる割に、大勢のユミルの民と九つの巨人は島の外に置いてけぼり。おかげでマーレが巨人パワーで好き放題やってるけど、これを『巨人パワーを守ってる』とおっしゃるので?

壁の王が『していた』こと

なんかおごそかな口調とえらそうな雰囲気でごまかされているけど、この人、一見『正しいこと』を言ってるようでいて、やってることは矛盾だらけなんですよ……

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

王様が『言ってる』こと
①「虐殺はダメです」←正しい
②「罪は償わなきゃいけません」←正しい
③「王として人の手から巨人パワーを守らなきゃ」←正しい

王様が『やってる』こと
①「虐殺されましょう」←矛盾
②「罪の記憶消しました」←矛盾
③「他の巨人は島の外に放置しました」←矛盾

この人も大概『雰囲気詐欺師』。

本当に罪を償う気があるんなら、記憶なんて消さず、民に『罪と向き合いましょう』と訴えなきゃいけなかったんでは? グリシャの言うとおり、それこそが『王様の仕事』であり『贖罪』ってもんだと思うんですが。

だけどこの人、それが『面倒』だったんじゃないですかね?

『いくら反省しても許されない』なんて言ってるけど、それって裏を返すと『どうせ許されないのに反省するだけ損だよね☆』っていう開き直りでしょ?

要約すると『大勢の民説得すんのめんどいから、罪は私一人が背負うってことであんたらの記憶消すね。自分を犠牲に民を罪から逃がし、理想の楽園に住まわせてあげる私、なんて民想いの立派な王様☆ 民を道連れに滅びてあげるから、世界は私を英雄と思って死ぬほど感謝しろよ☆』ってとこですかね?

この人『残虐な歴史に心を痛めた』のは嘘じゃないんだろうけど、『先祖の非道な行い』に『怒った』んじゃなくて、『虐げられる哀れな被害者』を『かわいそ~! 救ってあげなきゃ!』と超上から目線で、救って『あげた』んだろうな……まー、ジークそっくり……

壁の王が九つの巨人を連れてこなかったワケ

しかもこの王様、『我が子』のこともまったく信頼してなかったんですよね。『託す』と言えば聞こえはいいけど、自分の子孫が『平和な世界を築いてくれる』と信じてたんなら、『不戦の契り』という名の『強制洗脳システム』作る必要がなくてだな……

進撃の巨人89話[ 諫山創 ]

進撃の巨人89話[ 諫山創 ]

そして『巨人の力を守らなきゃ!』と言うんなら、どうして『九つの巨人』を自分の手の届かないとこに置いてったのよ……
『マーレを信頼していた』から? 『我が子』は信頼出来ず強制洗脳システム作ったのに?

それとも、『連れてくることが出来なかった』から?
『無垢の巨人』は操れても、『意志をもつユミルの民』は操れないようなんですよね……操れるんなら『巨人大戦』なんてそもそも起こらないんだから。
それを証明してんのが、皮肉にも王様の子孫であるウーリとフリーダ。
始祖を継承した瞬間から、元々持ってた『思想』が消えて100パーセント『壁の王の思想』に入れ替わるんなら、ウーリがケニーに頭下げるわけないんですよ。そのまま握りつぶしゃあいい。

進撃の巨人69話[ 諫山創 ]

進撃の巨人69話[ 諫山創 ]

フリーダもヒストリアの元に通って、読み書きや『生き方』教える必要ないんですよ……どうせ『未来』なんてないんだから。
『壁の王』になっちゃうのは、あくまで『不戦の契り』が発動してる間だけ。つまり『初代壁の王の思想に逆らった時』。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

グリシャ登場で初代壁キングモードになったってことは、フリーダお姉ちゃん、この時、民を救うことを考えたんだろうか? だからこそ『不戦の契り』が発動した。

つまり『記憶』にフタをすることは出来ても、『心』まで操れるわけじゃない。おそらくそれは、他のユミルの民や九つの巨人も同じ。
でも、そんなの王様本人だってわかってるはずなのに、壁作って引きこもる計画を立てた。

ということは。壁の王が巨人をマーレに置いてったのは、『マーレを信頼していた』わけでも『連れてくることが出来なかった』わけでもなく、『はなから連れてくる気がなかった』ってこと?

『心』を操れないのに『九つの巨人』なんて連れて来ちゃったら、今度は自分の『楽園』で巨人大戦だもんなぁ……そもそも巨人パワーがあれば壁越えちゃうし、なにより自分の命が危ない。(現に進撃が壁を越えて始祖パワーを奪いに来た)
我が子すら信頼しない人なんだから、他人なんてなおさらでしょ。さぞかし人望なかっただろうから、そらアッカーマンに見限られる。(アッカーマンは『信頼』で動く)

『贖罪』する気のなかった壁の王

そして終わらせることも全部『他人任せ』。
この人がやってたお仕事、『民を守る』ではなく『俺様のための楽園を守る』だけでしたよね……?
おごそかに『裁かれる日が来たのです』なんて言ってたけど、それってつまり、自分は楽園を享受するだけしておいて、畳むのも後始末も他人任せってことですよね……?
初代壁の王的には『来なけりゃラッキー、来てもどーせ自分の代じゃないもんねー☆』ですよね……? それが『償い』? 誰が、誰に対しての?

この王様、『我々は罪人だ』と言ってはいるけど、その『我々』の中に『自分』を含めてないでしょ?
むしろ『世界を救った俺様に償わなきゃいけない罪なんてあるわけねーだろ! 裁きはお前らだけが受けりゃいいんだよ!』が本音じゃないの?

現にこの王様、九つの巨人を遠くに排除し、調査兵団をつぶそうとし、子孫も洗脳しちゃったりと、『自分の都合の悪いこと』からはとにかく逃げてる。こんな人が『罪と向き合う』なんて出来るわけねぇ……

つまり壁の王って、『世界を救う』つもりもなければ『罪を償う』つもりもこれっぽっちもなかったんですよ。『俺さえよけりゃあ他はどうでもいいんだよ!』という、とにかくケチくせぇ思考回路の人だった。
これまでの王様との違いは、単に殺意が『内側』に向かってるか『外側』に向かってるかってだけ。まー、クリスタそっくり。

進撃の巨人 40話[ 諫山創 ]

進撃の巨人 40話[ 諫山創 ]

クリスタも『こんな雪山で倒れた仲間を見捨てない私ってやさしい☆ このまま一緒に死んであげたら、きっとみんな私をすばらしい聖女さまとして語り継いでくれるよね☆』をやろうとしたんですよ……ガチ聖女の104期ユミルのおかげで回避されたけど。

でもって、クサヴァーさんにも似てる。
『君は悪くない』と言ってジークを『罪』から逃がしたのがクサヴァーさんだけど、壁の王も『罪から逃れてはなりません』と言ってる割には民から『罪の記憶』を消している。
おかげで『罪の歴史』を知らない大多数の民に『オレ悪くないもん!』という『でけぇ逃げ道』を作ってる。『歴史』に学んだ兵団上層部のほうが、よっぽど『先祖の罪』と向き合ってるよ……(そしてそんな『罪と向き合える人』を排除し、『オレ悪くないもん!』と、自分らの横暴を正当化したのがエレンやイェーガー派や島民……まー、ジークと同類)

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

クサヴァーさんと同類なんだもん。そりゃあジークも『気が合いそう』と思うわな……

しかもウーリやフリーダといった『子孫』まで、『自分の横暴』を正当化するための道具にしている。
少なくともウーリとフリーダは『自己犠牲の精神』で『仕方なく』巨人継承したわけじゃないんですよ……『民を救うため』に自らの意志で巨人継承したのがこの2人。
初代壁の王と真逆の思想と、本当の意味での『王の資質』があったからこそ『不戦の契りに縛られた』ってのが皮肉……

進撃の巨人The Final Season 69話 正論

進撃の巨人The Final Season 69話 正論

ヒストリアも『民を守るため』に『巨人継承します』と言ったのにね。どうやらこちらは別の王様に縛られた模様……

本当の意味で『次に託す』ということをやったのって、作中じゃあ調査兵団とミカサの母ちゃん、ケニー伯父さんくらい?

タイバーさんは壁の王を『平和思想』と言ってたけど、ここまで自分勝手で横暴なひどい王様、そうそうおらんで。
そりゃあこんな口ばっかりでやってること矛盾だらけで慕ってくれる人には遠慮なくヒモりそのくせ見返りは与えず自分の自由のためなら親兄弟友人知人恩人幼子からお年寄りまですべての人の自由すら奪うことが出来てなのに一人ではなんにも成し遂げられず終わらせることも後始末もすべて人に押し付け都合の悪いことは『記憶にございません』で逃げだし神にも等しい力を手に入れながら生み出せるのはう●こくらいの無責任極まりない天元突破の偽善者キング、そりゃあ腹立って、こんな顔↓にもなるよね。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

なあ、エレン!(嫌味)

エレン「悪口全乗せ!?」

フリーダお姉ちゃんのご兄弟も、あんまりわかってなさそう。王様がたった今、『罪から逃げてはいけません』『我々は滅びるべき』『虐殺されましょう』と言ってたのに、自分らは『その男を生かしておくわけにはいかない!(罪の隠蔽)』『早く●して!(虐殺を肯定)』『私たちの楽園が壊されちゃう!(滅びの否定)』って。いや、ある意味『初代壁の王』にそっくりなのかも……
初代王的にはむしろご兄弟のほうが継承するにふさわしかったんでは? 問題はそういうヤツほど『継承から逃げる』ことだけど。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

父ちゃんのこの逃げっぷり。うーん、これは子孫。

『似た者同士』のグリシャとフリーダ

レイス家虐殺後のグリシャの狂った感じが原作を超えててすごい。『未来の記憶』で『レイス家を虐殺する』ことを知っていて、そのつもりで来ていたというのに。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

それでもこれだけ狂うの、グリシャが元々持ってた『善良さ』の裏返しみたい。エレンが『殺した時の感触が残ってる』なんて言ってたけど、グリシャが人を●してなんとも思わん人だったら、そんな記憶むしろ残らないはずなんですよ……それだけグリシャには強烈だったってことだよね……
それどころか『命を救う医者』としての『誇り』があった。だからメスを落とした。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

そして親兄弟が『●せ!』と言ってる中、フリーダお姉ちゃんだけがそれをためらったのは『この人、私と同じだ』と気づいたからなのかも。(だから全力で戦えなかった?)

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

目の色戻ってんですよ。つまりこの時のフリーダは壁キングじゃなくて元のフリーダ。
ひょっとしてウーリとケニーのように、この時のフリーダもグリシャと『話』をする気になってたんじゃあ……?
そしてグリシャも、『出来ることならそうしたい』と思ってたんじゃあ……

たしかにクルーガーさんから『始祖奪え』と言われてはいたけど、それって『手段の一つ』であって『目的』じゃない。
ジークはグリシャをいまだに『復権派』と思ってたようだけど、グリシャはもう『マーレへの復讐を誓った復権派』じゃないんですよ。『壁の中で人を愛した』グリシャの目的は、家族や壁の中の人々を守り、そして『エルディアを救う』だった。だから一度は壁の王の根城まで来たものの、中断したわけで。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

汚れた手で、赤ちゃんは抱っこ出来ない。

一家虐殺せんでもエルディアが救われる方法があるんなら、それに賭けたはずなんですよ……それを『使命から逃げた』とは言わない。むしろ『使命に逃げた』ことになる。

ところがグリシャは、エレンの圧と『報いることが出来なかったらどうしよう』という『恐怖』に支配され、かと言って逃げたくても逃げようがないんだから、そら発狂もするよな……

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

グリシャが『虐殺行為を行う』って、これまでの『医者として人を救ってきた自分』を否定し、さらには自分を愛してくれた人達を裏切るようなもんだもんな……なのに、そんな父親を間近で見て育ったはずの息子が、それをするよう圧をかけてくる。

一方で、人々に愛情をもって接してきたフリーダお姉ちゃんも、血の繋がった家族からめっちゃ圧をかけられてる。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

『みんなを守って!』と言う母ちゃんはまだ言い方に優しさがあるけど、父親と兄弟は心優しいフリーダに『そいつを●せ!』と、モロに●人を強要してくるんだよな……

『自分を一番苦しめるのが肉親』っての、ほんとグリシャと同じ。(余計な外野がいなきゃ、もしかすると奇跡起きてたんじゃ……)

『親の背を見て子は育つ』って言うけどさぁ……ぶっちゃけそんなこたぁないってのがよくわかるというか……(レイス家は長女以外のご兄弟は親そっくりになったようですが……)
長男の時の子育てを悔やみ、反省を込めて自由に育てた結果がこの次男坊って、狂いでもせんとやってられんわ……

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

グリシャが狂えば狂うほど。ためらうことなく人を●し、自分の行動の正当性を言ってのけ、その後も平然とこれまで通りの生活を送ってたエレンの異常さがより一層引き立つよね……兵士として訓練を受けたアルミンですら、初めて人を殺めた時は吐いてたのに。

おまけに、やらせるだけやらせといて、『これでエルディアは救われるのか!?』という父ちゃんの問いに何も答えないんだもんな。これは『答えたら自分にとって不都合が起こるから』、ですかねぇ……?
エレン、あなたって正直者だよね。『そうだよ。これでエルディアも世界も救われるから安心してね☆』って、苦しむ父ちゃんに教えてあげないだもんね。ほんっっっと、嘘のつけない正直者だよねー。(嫌味)

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

それにしてもグリシャ、『同じ人ですか?』ってくらい一気に老けた。心労で寿命縮んだ? いや、元々寿命迫ってたけど。
このかすれた涙声、より一層グリシャの苦悩が伝わってくる……これはアニメじゃなきゃ味わえない。

ジークの『洗脳』が解けるまで

そしてグリシャの『愛の力』でジークお兄ちゃんが浄化された。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

『世界を救ってあげよう』だのなんだの言っておいて、一番『誰か』に救って欲しかったのがジーク。
そしてその『誰か』は、他でもない最も憎んでいた(と、自分では思っていた)父親。

ジークの『父親への憎しみ』っていうのも、結局、クサヴァーさんの『両親は君を愛さなかった』の言葉を真に受けて行った『自分自身への洗脳』だったよなぁ……
幼少のジークって、両親を憎んだり怒ったりしなかったんですよ。褒められると嬉しそうだったし、『楽園』にだって一緒に行こうと思ってたし。

ジークが親を『憎む』ようになったのは、これまたクサヴァーさんに言われて両親を売ってからですよね。罪悪感で壊れそうな自分の心を守るために、『そうされて当然の親だった』『俺は悪くない』と、がんばって憎もうとしたのかもな……
認めちまえよ。ホントは父ちゃんのこと大好きだったって。

そしてまあ、がんばって父親を憎み続けてきたジークだけど、ここにきて『父親はジークのことを忘れてない』どころか、夢にまで見ていることを知り、さらに『知るはずのない未来のジークの姿』を見て『ジークだ』と気づいた。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

記憶ツアーでのジークは、グリシャへの『理解』を拒否することで憎み続けようとしてたけど、それって逆を言うと『理解』が進めば憎しみの感情は和らぐってことなんだなぁ……
グリシャはジークを『理解』したことで間違いに気づき、そしてかつての家族を一切忘れなかったんですよ。だからそれを知った瞬間、ジークの『父への憎しみ』が和らいだ。
それと『逆』のことをやってたのが壁の王。そら憎しみが消えるわけねぇ……

さらには『どうやってお前を洗脳したのか教えてやる!』と自信満々に弟に言ったお兄ちゃん、『どうやって父親が洗脳されたのか』を知ってしまい、ショックを受けたところに、父親からの謝罪と『愛している』。

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

クサヴァーさんの『両親は君を愛さなかった』の呪縛が否定されたことで、長年の洗脳が解けた。なんというショック療法……

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

『人を救う医者』でありながら、息子のせいで『人を殺める』ことになってしまったグリシャだけど、最後に、昔別れたほうの息子を救えたのはせめてもの救い。

* * *

金目銀目さん
考察、ありがとうございます!(*・∀・*)ノ
『物理的な強さ』で『強大な敵』と戦ったのが『巨人の力組』なら、『強大な敵と』ではなく『己の弱さ』と戦ったのが『人間力組』でしょうか。『家族との繋がり』を感じられたのも、人間力組だったなぁ……特にカヤって、サシャの『人間力』に救われた子でしたし。(この辺、長くなりそうなんで別の機会に書かせていただきます)

フリーダとヒストリアも、言われてみればたしかに、フリーダはヒストリアに『愛されるために助けなさい』と見返りを求めるようなこと言ってますね……本人はそういうつもりじゃなかったのかもしれないけど。
アニメ79話で、王様は贖罪がどうのこうの言ってましたが、本当の『贖罪』って『圧倒的な力』で相手を『抑え込んだり』『抑え込まれてあげたり』するんじゃなく、誰もが持っている『人としての弱さ』を肯定し、その『弱さ』に人としてあらがい続けることなんじゃないかって思います。
遠回りしたけど、ヒストリアには『誰かに愛されるため助ける』のではなく『無償の愛で助け合える世界』を実現して欲しいですよね。

* * *

それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ

次のアニメ80話考察はコチラ

アニメ進撃の巨人 The Final Season 80話『二千年前の君から』感想と考察 始祖ユミルと初代エルディア王 豚を逃がした罪と罰【ファイナルシーズン】

前回のアニメ78話考察はコチラ

アニメ進撃の巨人 The Final Season 78話『兄と弟』感想と考察 口だけジークとぼっちのエレン【ファイナルシーズン】

進撃の巨人考察一覧はコチラ

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