アニメ進撃の巨人 The Final Season 87話『人類の夜明け』感想と考察 その3 脳死のヒストリアと大きな赤ちゃんのエレン
アニメ進撃の巨人The Final Season87話『人類の夜明け』のいつもよりネチネチしてお送りする感想と考察その3。
今回は、後半のエレンの回想に登場したヒストリア関係がメイン。
ヒストリアの元に来たエレンの目的はなんだったのか、ヒストリアの『子供を作るのはどう?』発言の真意、ヒストリアがエレンに期待していたことや、結果としてエレンがやったことはなんだったのかを考察。
過去すでにした考察と色々かぶるかもしんないけど、そこはおさらい感覚でどうぞ。
原作漫画の大きなネタバレは注意書きしてますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします。
なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。
ヒストリアの妊娠、真相判明
ヒストリア関係のことは過去にも考察したけど、結論自体は当時と変わらず。
最終回のネタバレOKでしたら、こちらに動画版もあります。
さて、そんなわけでアニメ87話では、ヒストリアの妊娠が『意図的なものだった』ということが判明しました。
おおむねローグさんの推理通りだったわけだけど、違ったのは言い出しっぺがまさかのヒストリア本人だったということ。
ローグさんは『イェレナにそそのかされた』と思ってたんだよね……つまりローグさんが疑ってたのはあくまでイェレナ。
『お飾りの女王様以上になる気骨はなかったんだ』とガッカリしたからローグさんは怒ってたんだろうね……そういう意味じゃあ、彼は『ヒストリア女王に期待してた』とも取れる。
私も、当初は恋人が出来て『若気の至り』でうっかりとか、そんなんだと信じたかったんだけどね……だってヒストリアが『子供を利用する親になる』なんて信じられへんかったんや……
この真相って兵団はもちろん、仲間達への裏切りでもあるよね。仲間達のことまったく信頼も期待もしてなかったってことになるんだけど。
でもって、確実に言えるのは、
エレンがヒストリアの計画妊娠を止めなかったのは間違いない
ということ。
……ねぇエレン。
ど う い う こ と ?
エレンとヒストリア、言葉の意味
『親に利用された子供』だったはずのヒストリアが『子供を利用するのはどうか』と聞いてんだよ? なんで止めないの?
いや、そもそも、その手前の会話でハッキリエレンを止めてるよね?
そこからどうしていきなり正反対のことを言ってきたのか、気にならなかったの?
しかもヒストリアの『性』を利用したってことだよね?
本 当 に 気 持 ち 悪 い よ 。
第一さ。
『あの時オレを救ってくれた世界一悪い子』なんて言ってるけど。
これ、シリアスな雰囲気と顔でごまかされてるけど、言い方変えると、
『オレのためにもっかい世界一悪い子になってよ。前なってくれたんだから、もっかいなってくれてもいいでしょ?』
って言ってるよね?
『オレのために世界一悪い子になってくれた』って自覚があるんなら、むしろもう二度と『世界一悪い子』にさせちゃダメでしょ。
なのに厚かましくも『オレのためにもっかい悪い子になってくれ』って?
ヒ モ っ た れ る な 。
エレンが計画妊娠止めなかったワケ
『子供作るのはどう?』だなんて、ヒストリアへの好意云々以前に『まともな大人』なら怒って止めなきゃいけないことだよね?
なんならYa●oo知恵袋に、
『嫌なことを回避するため妊娠しようと考えています。どう思いますか?』
って投稿してみなよ。見ず知らずの人達ですら、みんな怒って止めてくれるぞ……『子供は道具じゃねぇ』って。
そりゃたしかに『継承回避』は出来るかもしれない。
けど『出来ちゃった子供』は『用が済んだからもういらねーわ』ってわけにはいかないんだよ?
エレンさんは『オレが死んだ後もあいつらの人生は続く』なんて言ってたけど、こんな目的のために作られた赤ちゃんの人生も続くわけなんですけど?
つうか、この赤ちゃんの物語はエレンのせいで始まってしまったんですけど?
しかもその子供を、命がけで産むのも育てるのもヒストリアだよね? なによりその子に対する『責任の所在』は?
少なくとも兵団は、『生まれる子供』に対して『責任』はきっちり取る準備してたよ……こんな運命背負わせるからには、ヒストリア共々命がけで守り、なに不自由なく大事に育てる覚悟でいた。
でもエレン、あなたは?
あなたの寿命は残り4年。兵団はあなたが潰した。その先はずっとイェーガー派が守ってくれると思ってたの?
むしろ『自分達の権力の維持』を目的に、よくて『巨人継承の道具』として管理下に、悪くて『王家』であるヒストリア親子を抹殺。
そんな未来が見えるんだけど。
エレンは一体、ヒストリア親子にどう責任を取るつもりだったの?
そもそもあなた、『責任』を背負ったことなんてあったっけ?
『背負わせプロ』のエレン
過去、リヴァイはエレンに何度か選択させたことはあった。しかしリヴァイは『選択の結果』を共に背負う『覚悟』を持った上で選択させた。
そしてレベリオ襲撃の時も、勝手にやったのはエレン。しかし『責任』を背負ったのはハンジさん。
エレンは『責任』なんて背負ったことはない。
むしろ全方面に『責任』を背負わせまくった。『自分の命の責任』ですらも。
昔からそう。勝手に戦いに来たのはエレンのくせに、『オレが死んだらお前のせい』とばかりに『エレンの命の責任』をミカサに背負わせた。
これ、言ったのがエレン(子供)だったから見過ごされてたけど、大人だったらありえないよ……
カルラもミカサママも、サシャだって、『自分の命の責任』は自分で背負っていたから、保護対象に『逃げろ!』と言ったんですけど?
次は兵団に『エレンの命責任』を背負わせたよね? だから『来てくれる前提』の雑な襲撃計画立てたんでしょ?
しかしあまりの傍若無人に手に負えないと判断した兵団は、『けじめ』をつけるためにエレンの巨人を他の人に移す計画を立てた。
ところが今度は、イェーガー派が『エレンの命の責任』の受け皿になった。次はユミルちゃんに。そして最後は……
『自分の命』に責任持てねぇクソガキ様が、『他人の命の責任』取れるわけがねぇ……!
どうりで今、ヒストリアのこと『ほったらかし』なわけだよ。気にしてくれたのアルミンくらい。
それともなにか? 『発言の責任』を取って妊娠してもらったの? それより前にした『巨人継承受け入れます』という『発言の責任』は取らせずに?
もしくは、前回の考察みたいに最後は巨人やエレンに関する記憶全消して解決するつもりだった?
そうすりゃ、ヒストリアが狙われる理由が消え、『取るべき責任そのもの』もなくなっちゃうからね?(嫌味)
『祝福』か『呪い』か。生まれる子供は誰のために
エレンってさ。ヒストリアに『親子で食い合いなんてさせない!』なんて、一見かっこいい事言ってたけど。
それ、『なんの』ため?
だって『継承回避』は『目的のため』の『手段』のはず……
『目的』は『ヒストリアの幸せ』じゃないの?
でもヒストリア、お世辞にも『幸せそう』には見えないよね。
なぜならおなかの子は『利用するため作られた子』だから。
そしてヒストリア自身も『欲望のために子供を利用する残念な親』になってしまった。まさにロッド・レイス。
『幸せ』が目的のはずなのに、用いた『手段』のために不幸な気分になったんじゃ、本末転倒もいいところなんだけど。
たしかにヒストリアには『将来的に巨人継承してもらう子』を産むことが求められてたわけだから、そっちもそっちで『島のための生け贄』かもしれない。しかし、たくさんの『祝福』は受ける。
なのにエレン。『あなたの生け贄になるための子』は産ませてOKなんだ?
そしてその子は『世界中の人々を踏みつぶすために作られた子』という『呪い』を受ける。
ねぇ、エレン。
これ、『誰の』ため?
『あなたのため』だよね?
『自殺』を阻止したくて『射殺』したエレン
エレンがしたことって、例えるなら、
友達「自殺してやる!」
オレ「そんなのダメだ! 『自殺』なんてオレがさせない!」銃パーン!
ってな感じで『自殺』される前に『射殺』したってことだよね? うん。間違いなく『自殺』は阻止出来た。『他殺』になったけど。
ヒストリア「サイコパスかな?」
つまりこのたとえ話の『オレさん』にとって『自殺を阻止すること』が重要だったのであって『死なせない』ことは重要じゃなかった。
エレンがやったのってこれと似たようなもんで『巨人継承を阻止すること』が重要だったのであって『ヒストリアの幸せ』は『目的』ではなかった。
だから継承さえ回避できりゃあ『方法』はなんだってよかったんでしょ? むしろより確実性が増してありがたかったくらいじゃないの?(嫌味)
じゃあ、ヒストリアの元にやってきたエレンの目的は結局何だったのかってーと、
自分が『仲間想いの超いい人』になること
だよね?
そのための『手段』としてヒストリアを使ったんだよね?
おかげでみんなに『エレンは俺達のためにこんなことを!』と、まんまと勘違いさせることに成功した。
そういうことだよね?
『いい人』になるため仲間を道連れにしたエレン
エレンの目的が『島の外を滅ぼす』であるなら、巨人継承さえしてくれりゃあヒストリアでも出来るわけじゃん?
わざわざヒストリアに逃げるよう助言しなくてもよかったし、フロックに協力してもらう必要もなかったし、イェーガー派なんてまったく不要。
はっきり言って、レベリオ襲撃の犠牲も、兵団上層部の犠牲も、余計な犠牲でしかない。
けどそうしなかったよね? なぜか。
『みんなを裏切った世界一悪い人』になりたくなかったんだよね?
ヒストリアでフルパワー地鳴らしするってことは、最初っから最後まで、余計なことは一切せず『良い子』にしてりゃいいだけ。
当然『フルパワー地鳴らし』起こした瞬間、みんなからすりゃあ『話が違う』わけだから、自分が『裏切者』になるよね?
不意打ちでやるわけだから、壁の崩壊で大勢の人が死ぬ。その罪でもめちゃくちゃ責められるし恨まれるよね? かばってくれるイェーガー派もいない。
島を守るために巨人継承したはずのヒストリアが、世界を滅ぼすという『悪いこと』のために連れ去られるわけだから、ヒストリア女王救出のために島一丸となって裏切者のエレンを討ちましょうってなるよね?
なのにそうしなかった。このルートだと文字通り『自分が世界のすべてを敵に回した超悪い人』になるから。
なのでエレンは、ヒストリアに巨人継承回避してもらい、邪魔な仲間達も突き放し、その上で『オレがこんなことをするのは島を守るためです!』とわざわざ『宣言』することで、『超いい人』になった。
つまり。
自分が『超いい人』になりたいからヒストリアに『超悪い子』になってもらったんだよね?
自分が『悪者だ』と思われたくないから、散々世話になった兵団に『悪者』になってもらったんだよね?
自分が『裏切者』になりたくないから、『大事』と言ったはずの仲間達に『裏切者』になってもらったんだよね?
自分が『非情な決断』したくないから、他の人や大事な仲間達に『非情な決断』してもらったんだよね?
自分の『自由』を犠牲にしたくなかったから、みんなの『自由』を犠牲にしてもらったんだよね?
そしてエレンは、仲間達のことを信じてたから『地獄への道連れ』にしたんだよね? すべてを犠牲にしてでも絶対来てくれるとわかってたから。
ジャン「しれっと混ぜるな」
でも本物のヒーローはね。『愛する人には見送る側でいて欲しい』と思ってるから、『地獄への道連れ』になんてしない。だからヒーローの友達は愛と勇気オンリー。
アルミン「ア●パンマンかな?」
しかしエレンは『愛と勇気だけがトモダチ? そんなのはイヤだ!』という子だった。
『オレのためにすべてを犠牲にしてでも駆けつけてくれるオトモダチ』を手放したくなかったし、『誰か』のために『なにか』を犠牲にするなんてまっぴらごめんで、あれヤダこれヤダと駄々ばかりこねて、他の人に大事なものを捨ててもらいまくった己に激甘なヘタレ野郎。
そのくせ『めっちゃいい人』と思われたい非常に外面のいい野郎でもあった。
だからまるで『みんな幸せに生きていけますように☆』と願っているかのように進撃した。
でもさ。ぶっちゃけお仲間達は、あなたがなんもせんでも各自勝手に幸せになったよ?
むしろあなたが余計なことしたせいで、不幸になった人続出したんだけど。
特別でもなんでもない凡人のくせに、『みんな幸せに生きていけますように☆』って?
おこがましいにもほどがある。
考えなしのエレン
まあ、果たしてエレンがそこまで考えた上でやったのかとなると、ぶっちゃけそこまで考えてないと思う。『未来の記憶』頼りで、他のことはマジでノープランだったんじゃない?
それどころか、むしろ本気で『みんなの幸せ』のために真剣にやってる『つもり』ですらあるんじゃないの?
無自覚にダズを●そうとしたクリスタとまったく同じ。『クリスタと同じ』だから、アルミンやハンジさん達に一切『助け』を求めなかった。
自分が『超いい人』になるのを邪魔されたくなかったから。
瀕死のダズが『して欲しかった』ことは『死にたくないので助けてください』だった。
しかしクリスタがダズに『してあげたかった』のは『一緒に死んであげるから大丈夫だよ☆』だった。
これで本当に2人とも死んでたら、クリスタは『超いい人』と思われるけど、ダズは『こいつのせいでクリスタが!』と周囲に恨まれるんですが。
しかしクリスタは『相手が望むこと(生きたい)』ではなく『自分がしたいこと(逝きたい)』をしてただけなので、そんなことには気づかない。まさに大迷惑な偽善者ガチ勢。
だから104期ユミルにつっこまれるまで、本人は大まじめに『いいこと』してるつもりだった。
エレンも同じ。
エレン、あなたさぁ。
『自分を犠牲に仲間を守ろうとする超いい人のオレ』に『酔っぱらっていた』んだよね?
『酔っ払い』のやることだから、そら『合理性』もなけりゃあ『矛盾だらけ』にもなるよね?
『酔っ払っている』から『本性』が出たんだよね? だって理性的な人でさえも、酔っぱらうと『人殴る』とか出来ちゃったりするから。
しかも恐ろしいのが、生まれた時からこうだったってこと。
『シラフの状態』が存在せず、むしろ『常に酔っぱらってる状態』が『通常モード』なもんだから、本人も周囲も気づきようがない。
まだ、傍目にシラフでも『自分は酔っ払ってる』という自覚のあったエルヴィンのほうがよっぽどマトモ。
すべてを失ったヒストリア
『世界を滅ぼす』って、普通に考えて『超悪いこと』だよね。
エレンはそれを『やる』と言ってるんだから、まるで『みんなのためにオレが悪者になります!』と言ってるように見える。
ヒストリアもそう思った。そしてこう考えたんじゃない?
『この人がこんな恐ろしいことを考えるようになったのは、私を愛しているからだ!』って。
けど、本当にそうかな?
エレンがヒストリアを愛していて、本当に『何を犠牲にしてでもキミを守る!』って気概があったのなら、まずご自分を犠牲になさってもよろしかったはずでは?
そもそもエレンがヒストリアを愛していたのであれば、自分がヒストリアに嫌われようと、島中から悪者にされようと、島が滅びようと、ヒストリアを連れ去ってどっかに閉じ込めるとか、そんくらいやってくれてもよくない? レ●アースのザ●ード様のように。(古い)
それだったらヒストリアは最初から最後まで『かわいそうな被害者』で、何も失わずに済んだ。
しかし、エレンのお望み通り妊娠して継承回避してあげたことで、毒両親と同類になり、周囲からも『軽率』『あの覚悟は嘘だったんじゃねーの?』と疑われ、継承回避にがんばってくれてた仲間達をも裏切り、104期ユミルの願いもむなしく、それまで築き上げた矜持も信頼もなにもかも失った。
何も失いたくなかったエレン
一方で、エレンはなにも失ってない。
たしかに『兵団からの信頼』は失ったけど、その『兵団』はなくなり、残ったのは『イェーガー万歳!』な人達。
仲間達からの『信頼』も、『エレンは俺達のためにこんなことを!』と勘違いさせたことで見事回復。
『エレンのため』にすべてを犠牲にしてくれるイェーガー派や、すべてを敵に回してでも駆けつけてくれるお仲間も手放さない。
『正義』を犠牲にしたようでむしろ『自分の独善』という名の『正義』を振りかざして進撃。
『世界一不自由』なツラしといて生まれた時から誰よりも好き放題に『自由』を謳歌している。
エレン、あなたは『みんなのため』に『何を』犠牲にしたの?
むしろ全方面に『オレを愛しているならオレのためにお前らのすべてを犠牲にしてくれ』という要求をしてるよね……?
だってエレンが世界を滅ぼすことにしたのは、『自分の大事なものを何一つ差し出すつもりがなかったから』だよね? そのために、始祖パワーを私物化した。
フロックのエレンに対する理解力、さすがエレンの婚約者。
エレン「いつ婚約したの!?」
イェーガー派もそうだった。彼らが死に物狂いで戦ったのは『大事なものが奪われる!』と思っていたから。
『なんにも失いたくない』から戦った。
結局エレンは、『誰か』のために自分が悪者になるつもりなんて毛頭なかった。
おかげさまで現在、フロックや島民達からは『超いい人』と思われてるよね?
アルミンやジャン達からも『超いい人』だと思われてるよね?
エレンのせいなのにハンジさんに『こうなったのは私のせい』と責任背負わせたよね?
ねぇ、エレン。
これ、『誰の』ため?
エレン・イェーガー、ヒストリア殺人事件
恐らくヒストリアは『エレンは愛する私のため(目的)に世界を滅ぼす(手段)と言っている』と思ったんだと思う。
だからヒストリアは、『私のためにそんなことしないで!』という思いやりの心で、
ヒス「私が子供を作るのはどう?」
なんて聞いた。
これ『そんなの絶対ダメだ!』と言ってくれると信じていたからじゃないの?
『わかった。協力する』だけでいいじゃん。わざわざこんなことを聞いたのは、止めてくれると思ってたからでしょ?
『愛する私にそんなことさせるくらいなら、すべてを敵に回してでも私を連れ去って!』と思って、こんな発言したのかも。うーん、これは悪い子。
子供作るんだったらそれからだよね?
ところが、なんて返したのかは不明だけど、エレンが止めなかったのは間違いないんですよ。その後、ホントに妊娠しちゃってんだから。
そして今、ヒストリアの側にいるのはエレンじゃない。
つまり、
エレン「なるほど、それなら継承回避出来る! サンキューヒス!」
的な回答に、ヒストリアはのーみそパーン! ってなったんやろな……発言内容がどんなんだったとしても『反対しなかったという事実』が大問題。
結局、エレンには『真意』もへったくれもなくて、口から出た言葉通り滅ぼしたいから滅ぼすと言ってるだけだったことが判明。
この瞬間、ヒストリアは死んだ。
エレンがヒストリアの魂を殺害した。
……そら、ずっと目が死んでるの当たり前だよ……死んでんだもん。
表舞台に出てこないのも当たり前だよ……死んでんだもん。
せめてもの救いは、ヒストリアの子がエレンの子じゃなかったことかな……
エレンの子なわけないんだよ。だって子供ほど親に『責任』を与える存在いないジャン。
子供のためなら自分の自由を差しだせる人じゃなきゃ、人の親になんてなっちゃダメ。
少年漫画のエレン、少女漫画のヒストリア
アニメ86話考察で『ヒーロー願望』について書いたけど、ヒストリアには『ヒロイン願望』があったんじゃね?
だってある日、自分は王家の血筋と知るわ、生まれながらに重い宿命を背負ってるわ、好きになった人は寿命があと数年。もうこれ『酔うな』と言うのが無理な『少女漫画の悲劇のヒロイン』ポジション。
でも、悲しいけどこれ進撃の巨人(少年漫画)なのよね。
『少年漫画脳』のエレンに、『お姫様と駆け落ちEND』なんて思いつくわけがなかった……!
だからヒストリアの『親切なご提案』に感謝して、心置きなく『少年漫画』しに行ってもーた……!
ヒストリアは自分が少女漫画のヒロインだと思いきや、レディコミのヒモインだったというオチ……!
これ、エレンが『え!? 子供ってオレと!?』ってアホな勘違いしてくれたほうがよっぽどマシだったよな……少なくともヒストリアを『そういう対象として見ている』ことに間違いはないわけなんだから。
ところが現実は、『そういう対象』としてすら見ていなかったことが判明。
散々好感度上げるだけ上げといて、卒業式の伝説の樹の下への呼び出しをブッチするかのごとき暴挙……!(古い)
それがお前のやり方かあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!(激怒)
恐怖のナチュラルボーン・ヒモ男
エレン周辺の人間関係を簡単にまとめると、
- 谷底へと落ちそうになるエレンをいつも阻止してくれるのがアルミン達。
- それに反発し、アルミン達には内緒で谷底に飛び降りることにしたのがエレン。
- 『谷底にお宝がある』と思い、エレンと一緒に飛び降りたのがフロック。
- エレンを止めようとしたものの、止めきれず一緒に落ちてしまったのがヒストリア。
- エレンが谷底に落ちたと知り、救助隊を結成して追いかけたのがハンジさん。
こんな感じだよなぁ……
ヒストリアがエレンと一緒に落っこちてしまったのは、『エレンが谷底に行こうとうするのはそこにお宝があると思っているからだ』と『目的を勝手に勘違い』してたせいだと思う。
だからどんなに『谷底に宝はないんだ』と説得しても、エレンの心が動くわけがない。
なぜならエレンにとって『谷底にお宝がある』かどうかは重要じゃなくて、『やっちゃダメ』と言われたことを『やる』ことが目的だったから。
最初から『説得』になってないのに、『説得は無理だ』とあきらめて、一緒に落っこちてしまった。
ミカサ同様、ヒストリアも『自分の都合のいいエレン』しか見てなかったから。
だから『エレンだけが悪い』というわけではないし『ヒストリアを●した』ってのは、言い過ぎかもしれんけどさぁ。
とはいえヒストリアは女王様。民が誤った方向に進もうとしていたらそれを阻止しなければいけない立場なのに、理由はなんであれそれを放棄したのは事実。
結局『お飾りの女王様』であることに甘んじて、責任を兵団に丸投げし、今のこの状況を見て見ぬ振りをした。
そういう意味では、彼女の罪は非常に重い。
一方、エレンの本性は『オレはおまえを理解しないがお前はオレを理解しろ』という尊大で嫌なクソガキ様だった。
なのに自分が『人からどう見られているか』だけは熟知していた。
なので『オレがしようとしているのはみんなのためです!』アピールすることで、『超いい人』と思わせ、尽くさせた。
まさにナチュラルボーン・ヒモ男……!
みんなエレンを『いい人』と『誤解』してたけど、しかしエレンはそれを『訂正』することはしなかったよね。
なぜなら『自分を正しく理解出来ない相手側の問題』と思ってるからじゃないの?
でも『相互理解』には、相手はもちろん、自分にも『相手を理解しよう』という気持ちがないと、いつまで経っても一方通行なんですけど?
大きな赤子のエレン
私、エレンがガチもんのサイコ野郎で『お前らが大事』とか『島を守りたい』って気持ちが『まったくの嘘』とまでは思ってないんだよ。
震えていたミカサにマフラーを巻いてあげたこと、あれは『無償の愛』だっただろうし、形はどうあれ、ミカサのことだけはなんとか理解しようとしてたと思う。
『彼女いない歴=年齢』のジークに聞くまでわからんかった残念さだったけど。(え? あの人彼女いたことなんてないでしょ?)
ただ、エレンにとって『自由』の反対語は『不自由』ではなく『責任』だったんじゃないの?
本来『自由』と『責任』はセットなのに、それを知らず、『自由』だけを手に入れようとした。
結果、『責任』はすべて他の人へと流れて行った。なのに本人はそんなことには気づかず、のほほんとしてる。
それって『子供』だよね?
それも、びっくりするくらい『浅はかなクソガキ様』。
『浅はかなクソガキ様』だから、短絡的に『敵みんないなくなれば解決!』なんてアホなことを考え、恐ろしいことに実行しちゃった。
『浅はかなクソガキ様』だから、『発言の意図』を思いやることなく、自分の都合のいいようにしか受け取らなかった。
『浅はかなクソガキ様』だから『自分の非』を受け入れる器がなく、『大人のお説教』に逆ギレした。
『浅はかなクソガキ様』だから『自分のこと』や『目先のこと』しか考えられず、『他人の気持ち』や『自分がやってることの意味』、『さらにその先』のことまで考えられなかった。
『浅はかなクソガキ様』どころかむしろ赤ちゃんだったので、出すだけ出してスッキリしたら当然のように大人にケツを拭かせた。
ミカサ「行くぞ。エレンのケツを拭きに」
アニ「私は降りる……もう……拭きたくない……」
エレンは『悪魔』だのなんだの言われてるけど、私はエレンを『悪魔』なんて思えないんだよね。だって『悪魔』ってなんかかっこいいジャン?
でもエレン。あなた死ぬほどカッコ悪いの。あなたのいいとこ顔だけなの。
つまりエレン、あなたは『悪魔』なんかじゃない。
ヒモです。
【ヒモ男の特徴】
- 他人に厳しく自分に激甘
- 他人に尽くさせても他人に尽くすことはしない
- 釣った魚に餌は与えない
- へりくつこねて自分を正当化する
- 責任は取らない
- むしろ責任から逃げる
- 甘え上手
- 発想が幼稚
- 顔だけはいい
* * *
金眼銀眼さん
いつもコメントありがとうございます!
私もよく、他の作品見ながら、このキャラの考え方はエレンだな、あのキャラはハンジさんかな、と考えながら見ちゃうようになりました……楽しいですよね。
『風と共に去りぬ』はタイトルくらいしか知らなかったのですが、興味がわいたのでいずれ小説読んでみようと思います。
結局、壁の王やエレンの『文明ごと憎しみの歴史を葬る』という発想は『過去の歴史に学ぶ気はありません』という『学習の放棄』ですよね。『そのやり方は失敗だ』と知らないから同じことを繰り返す。
偉大な発明家は、みんな失敗に学び、地道な改善を繰り返すことで『正解』にたどり着いたのに。
このエレンと王様の問題解決能力のなさは、やはり『無責任』だったからでしょうね……
だから『責任』は他の誰かに押し付ける。
『贖罪』に関してもそう。壁の王やエレンにとって『謝罪』とは『自分が許されるためにするもの』だと思ってるのでは?
これって言い方を変えると『許してくれない相手が悪い! だから謝らないもん!』と責任転嫁してる。そら誰も許すわけがない。
だからなんにも解決することなく、ツケばかりが増えてった。
もしエレンが最終的に島も踏みつぶしてたとしたら、それはツケから逃げるために『自己破産した』ってことになるんでしょうかね……うーん、これは無責任。
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
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