進撃の巨人138話『長い夢』感想と考察 ムカデくんがんばる。エレンと始祖ユミル 矛盾する行動のワケ
進撃の巨人138話『長い夢』感想と考察。
今回は光るムカデくんの謎と、エレンと始祖ユミルの行動がどうして矛盾だらけだったのかについてです。初代壁の王と『不戦の契り』とは一体何だったのかについても考察するよ!
思ったことを好き勝手に書いてるので、そりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
2021年3月の138話時点の内容です。ネタバレ配慮してないんでご注意を。
光るムカデくん、がんばる
さて、137話で登場した『巨人パワーの源では?』と思われる光るムカデくんですが。
アルミン爆弾でも死なないんかーい!
じゃあマジで不死身なんだ……三姉妹に咀嚼されても生きてたわけだし……
他のユミルの民に取り憑いたりしないってことは、『ヤダヤダ! エレンにしか住みたくないんだもーん!』ってことなんだろうか?(だだっ子か)
というか、ムカデくんが『巨人パワーの源』なら、これが体内から出たらエレンはもう巨人化出来ないのかと思いきや、しれっと巨人化しとる。まあ、たしかに巨人化にムカデくんの有無が関係してるなら、ライナー達の体にもムカデくんがいなきゃおかしいもんな……
それにしても姿が違うけど、エレンがなったのは『始祖の巨人』じゃなくて『進撃の巨人』なの?
でもサイズがアルミンの超大型と同じだし……『ラスボスが親友』という熱い空気を読んで、ユミルちゃんが特別バージョン作ってくれたん?
ユミル「『熱い少年漫画』をするために同サイズで作成しました」
しかしロン毛は維持。ユミルちゃん、ハゲはキライかい?
シャイニングムカデはなかまをよんだ!
真っ先に『ラガコ村と同じ手口』と気づくのがコニーって、故郷のことは片時も忘れてないんだね……あんたってやつぁ……(;ω;)
それにしても、巨人ならすぐそこに超おっきいの、いっぱいいるジャン。
『わざわざガスまき散らして新たな巨人用意した』ってことは、『ジークの脊髄液で巨人化した巨人しかジークの言うことを聞かない』ってのと同じで、『壁巨人くんはムカデくんにはコントロール不可』と思っていいの?
ムカデくんの力ですべての巨人を操ってたんなら、そもそも『ジークを取り込む必要』なかったし『ジークが死んでストップ』も説明つかないもんなぁ……(壁巨人くんのもぐもぐタイムが始まらないのは、誰かの命令がない限り『何もしない』特別製ってことなのかな……)
だからムカデくんは、ムカデくんの脊髄液? で、手近なトコにいたユミルの民を新たに巨人化させたってことなの?
つまり始祖の巨人の『巨人を操る能力』と、『ムカデくん』は分けて考えたほうがいいってことなのか?
ということは、『巨人を操る能力』は『始祖の固有の能力』ってことになるけど、それだと『王家の血筋じゃなきゃダメ』ってのはどういうこと? ってなる……
『始祖の巨人』の真の能力って……
もしかして『始祖の巨人』の固有能力は『すべての巨人を操る能力』ではなく『脊髄液でユミルの民を巨人に変える能力』で、2000年間、その直系の子孫や近い親戚(王家の血筋)しか『始祖の巨人を継承しなかった=その脊髄液しか出回っていない』もんだから、『王家の血筋の人の言うことしか聞かない巨人しか世界に存在していない』ってことなんだろうか?
すべての巨人(ライナー達含む)はみんなその脊髄液で巨人化したから、始祖の巨人の影響が出てるん?
実際、ジークの脊髄液ワインで巨人化したファルコも、ジークの『獣の巨人』の影響出てるもんなぁ……
ユミルの民はみんな『ユミルちゃんと初代フリッツ王の子孫』のはずなのに『王家の血筋』と『そうじゃない血筋』で分れてるのはなんでやねんと思ってたけど、元々は『血筋が特別』なんじゃなくて『継承した巨人が特別』なのであって、2000年かけて『特別な血筋』になっていったってことなんだろうか。
じゃあ、もし始祖継承者のエレンの脊髄液で巨人化薬作ってたら、エレンの言うこと聞く巨人が作れてたの?
そうだとしたら、ハンジさんが目ぇ輝かせそうでちょっと怖い。悪魔ハンジさんと天使ハンジさんのせめぎ合いが見れそうや……
悪魔ハンジ「ちょっと試すだけ! ちょっと試してすぐ止めるから!」
天使ハンジ「早まるなバカ! どうせやるならもっと計画的にちゃんとやるんだ!」
リヴァイ「どっちも悪魔じゃねぇか」
~5分後~
悪魔ハンジ「やっぱ巨人ってあの純粋無垢なつぶらな瞳がカワイイよね☆」
天使ハンジ「わかる~。あの目で見つめられるとキュンキュンするよね☆」
リヴァイ「仲良くなってんじゃねぇよ」
モブリット「すみません、すぐ持って帰ります」
いやー、でもそれだと『始祖継承者じゃないジークの脊髄液でも巨人化すんのはなんでやねん』ってなるから違うかなぁ……それとも、すべての巨人は始祖の脊髄液で巨人化したから、始祖の能力(脊髄液で巨人化)をみんな引き継いでんの? アニも色々飲まされたって言ってたしなぁ。
そしてそのアニメと同週に公開された最新話で同じガスの話出てくるって、これ計算して作ってんの……? だってこのエピソード、原作ではもうちょい前にあった話なのに、わざわざ後ろに回しとるんよ……
逆に、『完全に偶然』だとしたら、去年の休刊の時のサウナ表紙といい、つくづく漫画の神様に愛されてますね先生……(『計算』だったらそれくらいやりそう、『偶然』だったらもはや驚かない域)
光るムカデくん、その目的は?
光るムカデくん的には善意も悪意もなにもなく、『ただただ生きるために死にものぐるいで一生懸命』って感じしますね。これ自体になにかしら意思があるようには見えない……
つまりムカデくん的には、始祖の巨人の中で平和に生きていたというのに、
「え!? 敵が来るの!? がんばって戦わなきゃ!」
「うわ首が飛んだ! がんばって繋げなきゃ!」
「マズい外に出ちゃった! がんばって元の体に戻らなきゃ!」
「何コイツ私とエレンを引き裂くつもり!? 助けてみんな!」ガスぶっしゅー
ということですね! ただただがんばって生きてきたシャイニングムカデくん、けなげ……!
コニー「迷惑だな」
ジャン「人類史上、ここまで迷惑なことした生き物はいねぇってくらいには迷惑」
じゃあもしかしてエレンとユミルちゃんの矛盾した行動って、このムカデくんの『生存本能』の影響モロに受けた結果ってこと?
いや、だってエレンもそうだけど、ユミルちゃんも『もう巨人作んのヤダヤダヤダ! こんなお砂場ヤダヤダヤダ! もう解放されたいのー!』っていうのが目的だとしたら、世界よりもむしろユミルの民こそ滅ぼさなアカンやん……なのにユミルの民だけを生かすために、それ以外の人類滅ぼそうとしとる。
ユミルの民と『道』で繋がり、巨人を求められる限り、ユミルちゃんは巨人作らなアカンやん……だって『自分で勝手に辞める』ことが出来るんだったら、とっくにそうしててもいいはずなのに。
エレンもそう。『ライナーと同じ』なら、エレンの望みは『オレを殺してくれ』のはず。なのにめっちゃがんばって抵抗し、幸せを願ったはずの仲間をガチで殺しにきとる。
ということは、エレン本人は死にたくて仕方なかったけど、ムカデくんの『生存本能』に支配されて、『死にたいんだけどどうあがいても生きるために精一杯がんばっちゃう』ってこと?
つまり、始祖継承者は自分ではどうがんばっても死ぬことが出来ないもんだから、誰かに殺してもらう以外に死ぬ方法がなかった。
じゃー壁の王がえらい回りくどい自死をしようとしたのもそのせいなの?
とはいえ、ムカデくん的には『世界を滅ぼす』必要はないはずなんだよなぁ。ジークが言ってた通りなら、『生きて増えること』が目的なわけだから、終わりのない戦いが続こうが、誰が始祖を継承しようが、自分が生き続けることさえ出来れば他はおかまいなしだろうし。
つまり『世界を滅ぼす』は、やっぱ『エレンの意思』だよねぇ。
じゃあ、あくまでムカデくんは『がんばって宿主のお手伝いしてただけ』って感じかな……ユミルちゃんがせっせと巨人作ったのは、ムカデくん自身には戦闘能力がないもんだから、他の誰かに戦ってもらう必要があったからなんだろうか。(まあ、こんなでかくて頑丈なの、ぴちぴち動き回るだけで十分やっかいだけど……)
じゃあ地下牢でエレンが鏡に『戦え』言ってたの、ムカデくんの影響だったんじゃあ……エレン本人としては誰かに食ってもらって楽になりたかったけど、もう一方でムカデくんの生存本能に触発されて、戦うよう自分に言い聞かせてたの?
つまりムカデくん的には『なんかよーわからんけど宿主が戦ってるから自分も死なないよう宿主をがんばって応援した結果』こーなっちゃっただけなの?
なんにせよジャン達が報われねぇ……!
光るムカデくんと謎資源
最後のトラップとしてシャイニングムカデくん、がんばってガス噴射しましたね。
……ん? ガスって、それじゃあやっぱ、パラディ島の謎資源とムカデくんって関係あるんじゃあ……だって氷瀑石が気化したガスを立体機動に使ってるんでしょ?
ムカデくんも氷瀑石と同じで、中身は空気に触れると気化するようになってて、それが今回噴出したガス? え? じゃあ立体起動のガスと今回ムカデくんが噴出したガスは同じか、似たようなもんってこと?
それに全身光ってるし。これもレイス家礼拝堂の『光る鉱石』と『無関係』と言うほうが無理やろ……
パラディ島にしか存在しない巨大樹の森といい謎資源といい、あの島の地下ってムカデくんの仲間がぎょーさんいて、その恩恵を受けて暮らしてるとしたら、かなりヤバいんじゃあ……兵士の皆さんは確実にガス吸ってるし。巨人化したりせんやろな……
一匹殺しても、次のシャイニングムカデくんが覚醒し、また誰かに寄生するなんてことないんだろうか。それとも、エレンに憑りついてた1匹だけなんだろうか。2000年の間に、食べて継承以外で巨人化能力得たのってユミルちゃんだけだったわけだし。
もしムカデくん1匹で謎資源とか全部生み出していたとしたら、死んだら島の資源も全部消滅。立体起動も光る鉱石も使えなくなって、後の世で立体機動は『伝説の武器』として語られる存在になったりとかすんのだろうか。うーむ。
……ここまで巨人の謎に迫っとんのに、なんでハンジさんおらへんの……(;ω;)
それにしても、もし謎資源の原料がムカデくんなら、その資源を使って巨人を殺す立体起動が生まれ、エレンを殺す者を運ぶ飛行艇が飛んだって、皮肉というか、ようできた話やなぁ……
エレンとユミルちゃんの目的と『不戦の契り』の意味
結果論ではあるけど、これじゃあヒストリアに巨人継承してもらってたほうがよっぽど『みんな幸せ』になれたジャン……
サシャだけで済んでりゃまだマシで、ダズやサムエル、フロック達104期、さらにはハンジさんまでお亡くなりになり、ジャンとコニーはここに来て巨人化。アルミン達巨人継承者達と、ズタボロのリヴァイ兵長はもう精神病んでいい。
ミカサちゃんに至っては、エレンの生首抱きしめて、めっちゃいいお顔で笑ってそう。
守れてねぇ……!!
さて、『結局エレンはなにがしたかったんや』って謎ですが、エレンの望みとして一貫して確定してるのは『自由になりたい』なんですよね。
エレンの首斬られて、ユミルちゃんがえらい嬉しそうなんですよ……これって、エレンがようやく地獄から解放されて自由になったのを喜んでるみたい。
じゃあユミルちゃんがホントに待ってたのは、エレンじゃなくてエレンを殺してくれる人ってことだよね……(次回の考察で詳しく)
もしかして『進撃の巨人』って、『始祖の巨人』の『自殺』を阻止するための『保険(もしもの時の備え)』だったってこと?
137話のジークの話が合ってるなら、シャイニングムカデくんは『がんばって生きること』が目的と思われます。
そのためには自分の宿主である『始祖の巨人』継承者が継承以外で死ぬのはダメ。もし死のうとしても、絶対に死なないよう阻止するのがムカデくんのお仕事。
ところが、めっちゃ強い自殺願望を抱く宿主が現れた。それが100年前の初代壁の王、カール・フリッツ。
人類を巨人から解放するには、ムカデくんごと始祖の巨人を殺す必要があった。でも自分じゃどうあがいても死ねない。
そこで思いついたのが『不戦の契り』。
ユミルちゃんもシャイニングムカデくんから解放されるために、壁の王の願う『不戦の契り』に応じた。なぜなら『自殺』が出来ない以上、誰かに殺してもらう以外方法がなかったから。誰かに殺してもらうには、絶対に自分が勝っちゃいけない。
そのための『不戦の契り』ってことなんだろうか? 民、道連れになっちゃうけど、もうそんくらいしなきゃ終わりそうになかった?
ところが、それにさえもシャイニングムカデくんの強い『生存本能』が刺激された。
シャイニングムカデくん「あ、こいつ死ぬつもりや! せや、そーなる前に宿主変えたろ!」→進撃保険発動
そして100年がかりでグリシャが始祖奪還、エレンへ継承。
エレン「このまんまじゃ島が滅ぼされちゃう……せや! 世界滅ぼしたろ!」
シャイニングムカデくん「ええな! そのほうがワイもずっと生きられそうやしがんばって協力すんわ!」
レベリオ襲撃。
エレン「サシャ死んだ……いっそオレ誰かに食われたほうが……」
シャイニングムカデくん「自殺はアカン! 戦え! 戦って生きるんや!」
そして地鳴らし発動へ。
エレン「死にたい……自由になりたい……タスケテ……」
シャイニングムカデくん「エレンのバカバカバカ! エレンは1人やない! たとえ世界が敵になろうと、ワイはエレンの味方! みんなの力を合わせれば、どんなに辛い試練も乗り越えられる! そうやろユミるん!」
ユミル「(;ω;)」
いやー、最終回間際で登場したのがネオなラスボスではなくネオ・ヒロインだったとは……
くじけそうになる主人公に力を与え、最後まであきらめない心であがき続けるシャイニングムカデ子ちゃん、けなげ……!
ユミル「ヒドインやないやろか……」
あれ? でも『始祖の巨人』の自殺阻止の存在が『進撃の巨人』なら、そっちのほうがシャイニングムカデくんの宿主だったんじゃあ……?
『巨人から解放されて自由になりたい(死にたい)』がエレンとユミルちゃんの願いなら、それと相反するのがシャイニングムカデくん。
すべての巨人を操っているのが『始祖の巨人』だったけど、さらにそれを『がんばって生きようね☆』『どんどん増えなくちゃ☆』と超強力な生物的本能で支配していたのがシャイニングムカデくん。
で、その宿主が『進撃の巨人』だとしたら『ネオなラスボス』って進撃さんやん……うーん、この辺、どうなんだろ。やっぱ『始祖の自殺願望に危機を感じて』なら、始祖のほうが宿主で、進撃さんに救助要請したってほうが自然かなぁ……
まあ、別に進撃保険なんてなくて、色んな人の思惑が積み重なって、たまたまそーなっちゃっただけって気もするけど。(考えるだけなら自由だ!)
光るムカデくんと初代エルディア王
それにしてもシャイニングムカデくんは初代エルディア王かってくらい、王と同じことやってるよなぁ……
初代エルディア王って、現代人の価値観で見ると『ひでーおっさん』なんだけど、『よそから奴隷を連れてきて働かせる』って、見方によっては『自国の民を辛い労働から解放した民想いの立派な王様』とも言えるし。
ユミルちゃんを酷使したのも、『自国の民を戦で失わない』ためでして。(その辺はマーレも同じことやってたな)
まあ、それって逆に『奴隷』を失えば自活力のない民だけが残って自滅するという諸刃の剣でもあるけど……だからユミルちゃんが死んだ時、めっちゃ焦ったわけで。(マーレも巨人が通じなくなってきて、めっちゃ焦ってたよね……)
シャイニングムカデくんも、自分が労働せんでも生きられるよう、ユミルちゃんやエレンに働いてもらったってことだよなぁ……
ムカデくん単体では『増える』ことが出来なかったのかな? だからユミルちゃんに取り憑いて『子供』を増やしたんだろうか?
エレン(奴隷)が死ぬと困るから、死にものぐるいでがんばって戻ろうとしたの?
エルディア王は『自国を豊かに繁栄させる』、ムカデくんは『生きる』という目的のために、たまたま都合良く降ってきたのがユミルちゃんだったってことかな。
そしてユミルちゃん的には『森から逃げ出そう』としたら、『逃げ出した先はさらにデカい森でした』というオチだったということだろうか……報われねぇ!
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
次回はミカサの『行ってらっしゃいエレン』だよ!
↓次の考察はコチラ
↓前回の考察はコチラ