烏は主を選ばない アニメ20話 黄金の烏 きれいな長束と無敵の初音【感想と考察】

『烏は主を選ばない』、今回はアニメ20話『黄金の烏』の感想と考察となります。とうとう最終回かー。
- 個人的な感想と考察です。考えるだけなら自由だ!
- 現時点で原作は2巻までしか読んでいません。アニメ14話以降のお話は完全に初見なので、心優しい原作勢はあたたかく見守ってあげましょう
真相判明! 初音登場
小梅ママこと初音が登場し、彼女の幼少期を含め色々判明しました。
- 借金をカタに父親に売られ、かわいそうな幼少期を過ごしました
- そんな親父を閉め出して、凍死してもらいました
- 治平に見初められたのは嬉しかったけど、小梅が生まれてからはそっちに愛が向けられ嫉妬してました
- 涸れ井戸で猿と会ったのは愛人で、治平は猿の存在すら知りませんでした
- 率先して女を生け贄に捧げたのは私☆
- ちなみに生け贄は『荷物』とだけ言って治平に運ばせました
- 手紙の件は『小梅のため』に治平自身が書きました
- ぶっちゃけ自分が幸せになれりゃあ娘も含め他人はどーでもいいです
いやー、想像以上にワルだったわこの人。
愛人もドン引きしとる……(出てった後に作った男なら、別に不倫じゃないか……?)

アニメ 烏は主を選ばない 20話 黄金の烏
これは後の世で、『山内三大悪女』とかそういうタイトルの本に名を残すレベル……
前回、小梅ちゃんがかーちゃんに『やっと見つけた』と言ったってことは、初音が家を出てった後、『どこへ行ったか』までは、初音が接触してくるまで治平も知らなかったのかな?
ということは、自分から捨てておいて、後になって『せや! アイツ使ったろ!』と、都合のいいときだけ利用しにすり寄ってきたってことになる。普通にクズ……(白目)
仙人蓋も一応治平にあげたようだけど、どういうものなのか、ちゃんと教えたんだろうか……小梅ちゃんちの財政状況は変わってないし、相当、取り分は少なかったように見える。
治平、思ってた以上にかわいそうな人やった。そりゃあ栖合のこと考えると、『完全なる被害者』とまでは言えないけど。
とりあえず治平の不幸の始まりは、『井戸が涸れたこと』ではなく、『女を見る目がなかったこと』かな……
『両親が罪人はかわいそう』と思って、自分1人が罪をかぶる手紙を書いた治平だったけど、元女房はおかまいなしにさらに重い罪を重ね、守りたかった娘は疑われたあげく『母親に絞め●されかける』という心の傷を負ってしまったの、ホント報われねぇ……(白目)
『ろくでなし』の娘たち
ずいぶんワルな初音だったけど、『治平に見初められて嬉しかった』ってのは意外だった。自分からすり寄ったわけじゃないのか。
けどこの人、『愛されてる自分』が好きだったのであって、『治平自身』を愛していたのか、ってなると……
初音と小梅ちゃん、『父親がろくでなし』という点は似てると思う。小梅ちゃんだって、父親の替わりに働いて、やっと稼いだお金は治平に搾取されてたし。
ただ、治平にはまだ、『超えちゃいけないライン』ってのがあって、『娘への愛』がそのライン超えを防いでいた。
だけど初音のパパは『娘への愛』がなかったんで、平然とライン超えしてしまった。娘の『女という性を金にする』はクズすぎる……
この点に関しては、初音はマジでかわいそう。
『父親』に搾取され、苦しめられた初音にとって、『父親』に愛される小梅は、『自分が得られなかったもの』を何もしなくても手に入れた『ずるい子』で、嫉妬の対象だったんだなぁ……もちろん治平にそんなつもりはなくて、初音が勝手にそう思ってたんだろうけど……
初音は『なんでこうなった』と泣いてたけど、『依存』が原因じゃないかな……

アニメ 烏は主を選ばない 20話 黄金の烏
治平に愛された小梅ちゃんは、もらった愛情を糧に誰にも依存することなく、1人で生きていく覚悟を決めて去ったけど、『愛情』という『糧』がなかった初音は『1人じゃ生きていけない人』だった模様。治平の元を去ったあと、すぐ男作ったみたいだし。
親父が『真のろくでなし』だった初音にとって、『幸せ』とは『与えるもの』ではなく、『誰かからいただくもの』だったんだろうね……
その結果、『憎い父親と同類』の『搾取する人』になってしまった。
自分しか愛せない。だけど『くれる誰か』がいなきゃ、幸せになれない孤独な人。
色々な矛盾を抱えた人だった……
雪哉を信じた小梅
小梅ちゃんは後から雪哉が来ることを見越して初音のトコに突撃したようですが。
この『信じる』ってのも、なんかかわいそうだな……『小梅の無実』を信じてるわけじゃない。そっちの『信じる』であったなら、対面したときに母親が怪しいことを知らせてもよかったし。
でも母親の存在を知らせなかったのは、あの時の雪哉じゃ『今度は母親に罪を着せる気だ!』になると『信じて』いたからだよね? 雪哉は小梅を疑っていたし、なにより『母親』大好きっ子だったから。
『北家当主の孫』として見られるのが嫌だった雪哉だったけど、その雪哉が『罪人の娘』として小梅を見て、傷つけてしまった。
その結果、小梅は誰にも頼れず、1人で母親の元に殴り込みをかけ、母親に●されかけるという『さらなる心の傷』を負ってしまった。
これは……故郷を想うあまりの暴走とはいえ、雪哉、やっちまったな……

アニメ 烏は主を選ばない 20話 黄金の烏
小梅ちゃんへの罪滅ぼしのためにも、雪哉はこれから、死に物狂いで若宮さまに仕えなアカン。
無敵の初音
なんやかんやの末に、若宮さまが初音に刺されるとは思わんかったな……いや、こんなん絶対、烏暴れてるスキに逃げてると思うじゃん……

アニメ 烏は主を選ばない 20話 黄金の烏
なんというか、『すべての八咫烏を救うこと』が若宮さまの使命なのに、その若宮さまの命を一番狙ってきたのが『八咫烏』っての、すごい皮肉……
朔王は『取りこぼした分はこちらが引き受ける』と言ってくれたけど、初音的には『1人残らず救えよコンニャロー!』なんだろうな……自分は『取りこぼしのそのまた取りこぼし』なんだもん……
初音が逃げずに刺しに来たの、『山内の安寧のために!』と言っている人達に対する『怒り』や『憎しみ』がそうさせたんかね?
『どーせ死罪は免れないし、だったらもっと罪重ねたらぁ!』っていうヤケクソか? 愛人も仙人蓋で狂ったし……まさに無敵の人。
しかもその後、あっさり捕まってるし。
これは『一矢報いた』から、これ以上は『もーいーや』ってことだろうか。
その後、対面した長束さま、初音の言葉にだいぶ動揺してたけど、やっぱ長束さまは心がきれいなんだよ。
『きれいなもん』しか見てこなかったから、底辺にあふれる『ガチもんの悪意』には免疫なかったんじゃないかな……

アニメ 烏は主を選ばない 20話 黄金の烏
だって『いくつもの村を壊滅させる』というデカい悪事やらかしといて、その『目的』が『お金が欲しかっただけ』というスケールの小ささでしょ?
なのに当の本人はちっとも悪びれない。まあ、『仕方なかったんですぅ~!』なんて見苦しい言い訳こかずに悪女貫くだけ、初音はまだ潔くて逆に好感が持てるけど。
でも冷静に考えてみりゃあ、一般人が人を●す時って、『大義』があることのほうがよっぽど珍しいと思う……大抵は個人的な恨みだの金だの人間関係のもつれだの酔った勢いでだの、そんな理由で●してるし。
敦房を始め、何かしら『大義』のために『悪いこと』してる宮烏ばかり見てきた長束さまにしてみりゃ、たしかに『理解の範疇』を超えているかもなぁ……(だからと言って、初音クラスはなかなかおらんやろけど……)
朔王の言葉の意味
長束さまは『正しいこと』をするために、下々がよく見えるよう『高いところ』に上ったのかもしれないけど、今度は下のほうにある『小さいもの』が見えなくなってしまった。
そして『見えないものを見ないまま』でいた結果、代償として大事な弟が刺されてしまった。
長束さま、めっちゃいい人だし、『山内を良くしたい!』という気持ちが本物なのは間違いないんだろうけど、あまりに『きれいすぎる』んだよ……心もお手々もお顔に至るまで。
そりゃ『正しい』に越したことはないけど、『正しさ』だけでは人の心は動かせないし救えない。

アニメ 烏は主を選ばない 20話 黄金の烏
長束さまがどんなに『正しさ』を説いても、初音みたいな汚れきった人からすると『口先だけの偽善者』にしか見えないんだろうな……
朔王おじいちゃんの『人を上から見下ろしてちゃダメよ(要約)』ってのは、長束さまのダメなとこを見抜いてたしなめてくれたんだと思うわ。
しかしそうなると、不思議なのが路近さん。どっちかっつーと『汚れた世界』に生きてた路近さんが、何故主君として長束さまを選んだんだろ?
長束さまが、初音みたいな人を『理解出来ない』だけで終了しちゃう器なら、『主君』に値しないと思うんだけど、果たして。
不知火の正体
『そーいや不知火ってなんやったん?』と思ってたけど、そーいうことかーーーーーーーーーーーーーー!!!

アニメ 烏は主を選ばない 20話 黄金の烏
めっちゃ大都会!
つまり『山内の崩壊』って、人間が進出しすぎて、八咫烏が住むスペースが追いやられてるってことなん?
すでにいくつか飲み込まれてるって、それって、人間ワールドに行ってしまった八咫烏がいるってことじゃあ……『向こうに行ったら帰って来れない』なんて言ってたけど、『帰ってきた人』がいるから外界の本があるんじゃないの……?
元々は猿も、今の山内みたいに文明を築いていたけど、人間の進出によって住んでる世界が崩壊。狭いスペースでしか生きられず、原始的な生き物に退化してしまったってこと?
じゃあ、前回の『しゃべる猿』は、猿ワールドが崩壊する前の時代の生き残りってことなんだろうか……?
なんか八咫烏のことも詳しそうだったけど、『都合の悪いことは忘れる』って、もしや八咫烏が今いる世界は元々お猿さんが住んでて、追い出されたとかそんなんじゃないだろな……
若宮さまのコンプレックス
今回の浜木綿の話で、若宮さまにも悩みがあったようで。
『真の金烏』だからなのか『本人の意思』なのかは不明だけど、『八咫烏は●せない』って、一見『いい人』なんだけど、でも若宮さまが●さなくたって、結局他の人が●すわけでしょ?
見方を変えると、『自分の手は汚さず他の八咫烏に同胞●しやらせる卑怯者』になっちゃうんよね……
前回、猿の『己の欠けたところに手を当て、考えろ』という言葉に激おこしてたけど、『自分には心がない』と思ってた若宮さまのコンプレックスを刺激したんかな……
いや、どう見ても『熱血』だよあなた。『熱血』じゃなきゃ、苦悩もしなけりゃ人の心も動かせんのよ。
たとえるなら、泥沼で溺れている人を見つけて、助けるよう指示を出すのが長束さまなら、自ら泥沼に助けに入っちゃって『あんたアホですか!』と雪哉に叱られるまでがセットなのが奈月彦なんよ。
現に、若宮さまが刺されて周りめっちゃ心配してくれてんの、十分愛されてますやん。おにーちゃんなんかただのブラコン化しとる!

アニメ 烏は主を選ばない 20話 黄金の烏
澄尾さんも、『死んで詫びます』と言う忠義心というより『オレもあいつんトコ逝く!』っていう熱すぎる友情ですやん……殴ってあげる浜木綿のやさしさ。
ここまで愛されてんのに『心がない』はないわ……
そしてついに、雪哉の心まで動かしたし。

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若宮さまの言葉が、浜木綿へのプロポーズと同格なのいいよね……
それにしても若宮さまが刺され、そのどさくさに小梅ちゃんフェードアウトとは……
それに猿は? え? アニメ、このまま終わり?
尺が……尺が足りない……!
これって続編やるのかな……
とりあえず小梅ちゃん、強く生きて……!
そして最後の最後で、まさかの市柳パイセン再登場とは、なんておいしいヤツなんだ……
それでは今回はこの辺で。
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