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機動戦士ガンダム水星の魔女 感想と考察 スレッタとプロスペラ奇妙な親子関係

機動戦士ガンダム 水星の魔女 アイキャッチ

今回は『機動戦士ガンダム水星の魔女』のスレッタ・マーキュリーに焦点を当てて考察します。
いや、考察する予定はなかったんだけど、第1シーズン最終12話のフレッシュトマトがなかなか衝撃的だったんで……(ホラーで〆とか誰が予想したよ……)
最初は『ガンダムで学園物?』と思ったけどガンダムはやはりガンダムだった。
スレッタだけのつもりだったんだけど、次回はグエルくんの考察もします。

  • 個人の感想と考察です。
  • 12話までのネタバレ全開です。
  • ガンダム知識はにわかなので『熱いガンダム談』は期待せんでください。

衝撃のフレッシュトマト回

さて、最高にサイコなラストで第1シーズンが終了した水星の魔女。『ヒロインの趣味がトマト栽培』ってこのため……?

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

よりにもよって、トマトを大事に育ててるミオリネさんの目の前で人をフレッシュトマトにしておきながら、いつも通りのテンションと口ぶりで『助けにきたよ!』と超いい笑顔で血まみれの手を差し出す……
どこぞのなんちゃらイェーガーさんといい、はやってんのかな。おサイコ系主人公……

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

ミオミオ、もうトマト食べらんないんじゃ……

このシーンで問題なのは『人を●したこと』じゃないよね。『人を●すことに罪悪感も責任感も一切感じることなくニコニコ通常運転』なのが問題なのよ……

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

これがまだ、人をあやめたことや血を見て取り乱すとか、覚悟のある真剣な顔だったりしてくれるんなら、ミオリネも『勢いあまってやってしまったんだ』とか『私を助けるためにスレッタにそんなことさせてしまった!』と思える余地もあっただろうけど、『子供が虫を潰しただけのような笑顔』で登場。
『地球の魔女(自称)』との戦闘の際は誰も●したりしなかったもんだから、てっきり『人を●すことに抵抗があるんだな』と思ってたんだけど、単に相手がうまいこと避けてくれただけで、スレッタ自身はやる気満々だったってことなの……?

第2シーズンの1話がもしこのシーンから開始なら、ミオリネさんに罵倒されて正気に戻ればいいんだけど、『でもやらなきゃミオリネさんが死んでましたよ? 逃げたらひとつ、進めばふたつ!』とか平然と返したりしたら、ホラーだよなぁ……ミオミオ、ただでさえ父ちゃんピンチな上、目の前で人がフレッシュトマト(もはや隠語扱い)にされるのを目撃してメンタルヤバイだろうに、そこにホラーなスレッタ登場……
大人でもPTSD発症して、仕事どころか日常生活が困難になってもおかしくないのに、16歳の子が処理しきれんのこれ?

もしこれでスレッタが平然としたままなら、ミオリネ的には11話で『ずっとそばにいて』とか言わなきゃよかったって後悔しそう……
スレッタちゃん。『進めばふたつ』なんて言ってるけど、進んだ結果何かを得ているのはお母さんだけで、あなたは『人としての心』と『ミオリネさんの心』失ってません?

マーキュリー親子の奇妙な関係

なんともサイコ感あふれるスレッタだったけど、でも元々のスレッタってサイコパスとは思わないんですよね……他人に気を遣ったりするし、逆に自分が他人にどう思われてるか気にしたり、ふつーの陰キャ。
リストが埋まってくのを喜ぶのなんて、年相応の子だよね……

目の前でかーちゃんが涼しい顔で人を撃ってる姿に、動揺もしてるし怯えてもいる。『人にそんなことしちゃいけません!』という道徳心もあったはずなのに、プロスペラに『ミオリネさんを守れ』と言われた途端『そんなこと』をやっちゃう。ただ手段を選ばなかっただけ。

12話で一番不気味だったの、いつも通りのテンションとやさしい口調で、怯える娘に語り掛けるプロスペラ。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

言ってることは、なんかすごくもっともな感じだし、彼女が人を●したことでスレッタが助かったことは事実に違いないけど、娘をガンダムに乗せて戦わせようとしてることに変わりはない。

いや、『お母さん』って、我が子を『そういうこと』から遠ざけようとする生き物だと思うんだけど……
そもそもこの人、仕草といいしゃべり方といい、いつも『演劇でもやってんのか?』って感じなんだよなぁ……『愛する娘』なんて言っちゃうし。
なんか、スレッタがホルダーになるのも、ミオリネが会社作って助けてくれるのも、12話のデリング総裁襲撃に至ってすらも、まるですべてがこの人の『台本通り』のような不気味さがあるんですが……

『正しい』お母さん

人が戦いを迫られた時、たいていの母ちゃんは『親として我が子にそんなことさせまい』と、子供を安全な場所に避難させるもんじゃないの?
骨のある母ちゃんなら『私がエアリアルに乗ってあいつら蹴散らしたらぁ!』くらいしてもよくね?(それをやってくれたのがグエルパパだった。詳しくは次回)
で、無茶する母親の姿に、震えてた我が子が『私が行く! 私が行ってみんなを助けるんだ!』って勇気を出して『自分の意志』で戦いに行く選択を取る、というのがお約束。

でも、この親子に関してはまったくの逆だった。

たしかにこの状況下では『スレッタに戦ってもらうのが一番確実』なのは事実。『全体を守る責任』の観点から見ると、たしかにプロスペラは合理的で正しい。
『正しい』んだけど『母親としての責任』という観点から見ると『子供の命』に対して無責任。
仮に『前者の責任を優先させた』にしても、娘を戦場に送るなら、もーちょい『血の通った人間味』を見せてくださっても……シャディクくんのパパですら、計画実行にあたり『ほんまに参加するんか?』と本人の意思と覚悟を確認してましたよ……?(こちらも詳しくは次回)

プロスペラは悩める子羊(スレッタ)にアドバイスしてる風に見せて、その実、自分の望むほうへ望むほうへ上手に誘導しているよね。その結果、娘の『思考力』と『責任感』が育つ機会を奪っている。『心がない』んじゃなくて『心が育っていない』子供。

『人をあやめる強大な力』を手にする以上、そこには『他人の命を背負う責任感』がなくてはいけない。幼い子供が銃を手にしてしまった結果、家族や自分を撃ってしまったりする悲劇が起きるのは、『責任』というものをまだ知らないからなわけで。
スレッタはガンダムという『強大な力』を持っているのに『責任感』が乏しい。なぜなら『自分の行動の責任』を『お母さん』に握られた子供だから。
『自分の命に責任感がない』から言われるがまま戦いに行き、『他人の命に責任感がない』から、人をフレッシュトマトにしても平然としてる。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

スレッタちゃんや。あなたは『自分の意志』で『ミオリネさんを守る』という責任を背負って戦うと決めたと思ってるでしょうが、完全にプロスペラママの都合のいい方角に進むよう、マインドコントロールされてますよ……

なんかプロスペラにとっては、エアリアルはもちろん、スレッタも『自分が作った作品』みたいなもんなんじゃ……
それとも、プロスペラ的には『まさか笑顔でフレッシュトマトするとまとまでは思ってなかったわー☆』なの……? いやそれでも、いくらエアリアルが実戦仕様じゃなかったとはいえ、『戦場に送る』ってことは『命のやりとり』を行うってことだし……
プロスペラさん。あなたに人の心はありますか?

『信じる』ってなんだ?

スレッタって、最初からなんか違和感があった。うまく言えないけど。
特に気になったのは、9話のシャディクくんとの決闘の時に『私はミオリネさんを信じる!』ってやたら『信じる』言ってた時。

なんか薄っぺらく聞こえるんだよなぁ……たとえるなら『私はミオリネさんを信じる! なぜなら私がそう思ってるから!』と言ってるだけで根拠がない。
会社面接では間違いなく落とされるヤツやね……

『信じる』って都合のいい言葉だよね。『私は●●を信じる!』って言えば『自分が友情に厚い超いい人』みたいに聞こえるし、逆に疑いを持つ者には『お前は●●を信じないのか!』って『悪者』にすることも出来るから。

そもそも『信じる』っていうのは『共に責任を背負う覚悟』がなきゃ言っちゃダメだと思う。だって覚悟もなしに『信じた』結果、ダメだったとき『おまえは私の信頼を裏切った!』って『相手のせい』に出来るから。
たとえば親御さんが、子供から『僕を信じて!』って言われてやらせてあげるのは『責任は親の自分が取る』つもりでいるから。逆に『親が責任取れない(取るつもりがない)』ことは、子供が何言っても猛反対する。

7話でミオリネが会社を興すと言い出した時、大人達が簡単に出資してくれなかったのは、ミオリネがまだ子供というのはもちろん、『お金』に対する『責任』を背負っていたから。

しかしミオリネ自身が『大嫌いな父ちゃんに頭を下げる』という『覚悟』を見せたことで状況が変わった。

だって会社設立で助かるのはスレッタであり、ミオリネ自身にはなんの得もない。それどころか『気楽な学生生活』を犠牲にして『損』すらしている……
スレッタがいなくなったところで、『地球に逃げる』という選択肢もあった。
にもかかわらず、大嫌いな父ちゃんに頭を下げ『父ちゃんから逃げずに進む覚悟』を見せた。
父ちゃんが出資してくれた途端、出資者が現れたのは、『信頼と実績』を積み重ねた経営のプロである父ちゃんが『共に責任を背負ってやろう』という『ミオリネへの信頼』を見せたから。

スレッタは簡単に『信じる』なんて言うけど、『責任はミオリネさん持ち』のままで『自分がなにかを支払う覚悟』があるように見えないんだよなぁ……だってあなた『ミオリネさんのためにエアリアルを捨てる』なんて出来ないでしょ?

とはいえ、この年頃の子なんてそんなもんだろうし(ミオリネやシャディクくんが大人すぎ)、11話のミオリネさんとの会話で、これから成長していくんだろうと安心したんだけど、12話のプロスペラ母ちゃんとの関係見ててなんかわかった気がする。
この子の言う『信じる』って『信仰』なんや……!

『いい子』のスレッタ

スレッタって、すごく『いい子』なんだよね。『母ちゃんの言うことはなんでも正しい』という、実に『都合のいい子』。
エアリアルがガンダムだって知った時ですら、プロスペラの『あなた達を守るためだったの☆』という『説明』に『いやお前、それで納得するんかーい!』ってくらいあっさり納得したし。

でもって問題の12話でも、最初はきょどってても、母ちゃんの言葉にさっきまでの動揺はどこへやらで、あっさり納得して血を踏みつけてった。納得しすぎて、人をフレッシュトマトにしても通常運転続けられちゃうくらい。
まさに母ちゃんが望んだ通りの子。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

もはや『宗教』だよね。『親子』というより『神様と信者』。
社名が『シン・セー(神聖)』って、ってそういう……???

スレッタの二面性

スレッタは普段陰キャで、自分に自信がなさそうにおどおどしてるのに、『お母さんの教え』に従った行動を取る時や、エアリアルでの決闘においては『負けない』という自信にあふれてる。3話で『あなたのことあなどってました』ってグエルくんに言った時は『え? そういうこと言える子なの?』と正直驚いたよ……
その『自信』がどっから来るのかっていうと『私とエアリアルは負けない! なぜならお母さんがそう言ってるから!』という『信仰心』なんじゃ……
そして本当に強いんだから手に負えない……

9話のシャディクくんとの決闘あたりの頃の『私はミオリネさんを信じる!』ってのも『神様(プロスペラ)』が『嫁さん(ミオリネ)』に置き換わっただけで、根拠のない『信仰心』から来てるんじゃない?

信者って『神様』を疑わないんよ……第三者からするとツッコミどころ満載の教えだろうと無条件で信じるし、『やれ』と言われたら無意味なことでもやる。なぜなら神様が『そうしろ』と言ってるから。
そりゃあ楽だよね。自分は考えなくても『神様』が考えてくれる。自分は素直に『神様』の言う通りにするだけで幸せになれると信じてる。なぜなら『神様』がそう言ってるから。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

でもそれ、言い換えると『思考の放棄』というか……『あらゆる責任』を神様に丸投げしている。

だからスレッタは普段はおどおどしてる。『自分の』行動や考えに自信がないから、ちょっとしたことで不安になり、困った時はお母さんに泣きつく。
でもエアリアルに乗って『信者モード』になると迷いも不安も消えて最強になる。『私とエアリアルは負けない』という『根拠』を『お母さん任せ』にしてるから。

それって『全部自分が決めて自分の言う通りに動いてくれる信者』を欲している『神様』にとっては『超都合のいい子』だよね……一番のサイコパスはプロスペラでは……
スレッタが『気持ち悪い』ってよく言われちゃうのって、『神様が作った自我のない自動人形』みたいな感じが周囲にそう思わせるんじゃあ……

でもミオリネはそうじゃないよね。側にいるのが『自動人形』じゃ困る。
いい経営者は部下の意見をちゃんと聞き、いい部下は経営者にちゃんと忠告したりブレーキかけたりするものなんよ……ミオリネはともかく、便所飯しちゃうようなスレッタにそれ出来るの?(むしろスレッタのせいでミオリネさんが会社経営続けられるメンタル保てるのかというレベルに……)

シャディクくんの『水星ちゃんは素直でいい子だ。まっすぐで嘘をつかない。だが、キミを守る力も助ける視野も持ち合わせていない。キミにすがるだけのただの子供だ』って、そう意味なんじゃないかなぁ……

シャディクとの決闘の意味

こっからは9話のシャディクくんとの決闘らへんの話を。
そもそもミオリネが会社作ることになったのは、スレッタが魔女裁判にかけられてエアリアルがピンチになったからだよね? しかも世間の逆風強いガンダムの会社。
スレッタとエアリアルのために会社を興すまでしてくれたのに、なんかあった時、矢面に立つのはミオリネさん。会社が大コケしたら責任取るのもミオリネさん。

なのに肝心のスレッタ本人は、なんか『他人事』みたいなんよ……『ガキの使い』じゃあるまいし、気分は『部活動』、するのは『お手伝い』程度じゃダメでしょ。
『ガンダム』について勉強してんのも奔走してんのもミオリネだけで、スレッタは言われたことをするだけ。なんかミオリネ社長が孤独じゃん……(この年頃の子にそこまで考えるのは難しいというのもわかるけど)

これじゃミオリネ社長にぶら下がってる他の社員と同じで、『ミオリネさんの隣』にいない。いいの? そのポジションで。
だってあなたは『花嫁』の隣に立つ『花婿』でしょ……これじゃあむしろ『お母さんと子供の関係』じゃない。(11話なんて『仕事が忙しいお母さんにちょっと放置されてすねた子供』みたいだったし……)

一方、ミオリネを心配してたシャディクくんは、『ミオリネがガンダムの会社を興す原因』となったスレッタに『花婿なら嫁さん止めたれ』と『スレッタの責任感』に訴えた。
ところがスレッタからの返答は『花婿なら嫁さん信じる!(※責任はミオリネさん持ち)』という『責任』と『思考』を放棄したトンチンカンな返答だった。

……スレッタちゃんや。シャディクくんが聞きたかったのは『あなたから見たミオリネさんの覚悟』やのーて『あなたの覚悟』だったと思うのよ……そこは嘘でもいいから『ダメだった時は私も責任取ってエアリアルを手放す覚悟です!』くらい言ってあげないと、シャディクくん安心して『ミオリネ任せよう』なんて思えないでしょ……
あなたそんなんだから『ミオリネにすがるだけのただの子供』なんてシャディくんに言われちゃうのよ……!(シャディクくんの『人を見る目』は確かだと思う)

この戦い、本来ならシャディクくんは勝たなきゃいけなかった。しかしスレッタが強すぎたのと地球寮のメンバー舐めすぎたせいで、シャディクくんは『絶対に負けられない戦い』に負けてしまった。
正直、スレッタってここらで1回負けるべきだったと思う。そら負けたら『機動戦士ガンダム水星の魔女』終了ではあるけど。(ある意味こっちも負けられない戦い……)
シャディクくん、年の割に責任感があってしっかりしてるんだけど、『恋心』に関しては『臆病な少年』だったね……

『他人軸』で生きるスレッタ

シャディクくんの言う通り、スレッタちゃんは『素直でいい子』なんだけど、ミオリネを始め周囲の子は『親離れ』しようとしてるのに、スレッタは『親離れ』なんて言葉知らないんじゃないかってくらい『お母さん教』にどっぷり浸かってる。
いつまでも『お母さんの教え』にすがり、自分の行動に対して責任感のない子供のままだったもんだから、手段を選ばなかった。その結果、たしかに『ミオリネさんの命』は守れたけど、『ミオリネさんの心』には深い傷を与えた。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第12話

11話のミオリネとの和解でこれからに期待出来そうな兆しを見せてはくれたけど、12話であっさり『お母さん教』に染め直されちゃったスレッタのままでは、悪い意味で『素直で(都合の)いい子』すぎて、ミオリネ守れないと思う……

もし『ミオリネさんとエアリアル、どっちかを選んでください。選ばなかったほうとはもう二度と会うことは出来ません』って状況になった時、スレッタはミオリネを選べるの?
むしろ『どうしようどうしよう!』って母ちゃんに泣きついて『ミオリネさんは周りの人達やこれから出会う人達が助けてくれるだろうけど、エアリアルを助けられるのはあなただけよ!』なんて言われて、エアリアル選びそうなんだけど。12話時点のスレッタでは。

結局スレッタって『自分の考え』が乏しくて、『他人の考え』『他人がやろうとしてること』に乗っかって、その通りにしてるだけに見えるんだよね……
だからシャディクくんには『ミオリネ任せられん』と思われるし、エラン5号くんにも『押せば落とせそう』と思われる。『他人軸』で生きてるから。

そもそも『ミオリネさんの婚約者になった』こと自体がそうでしょ? 『そうしたくてそうした』んじゃなくて『成り行きでそうなった』だけ。
その時その時で一生懸命なのはわかるけど、『自分が状況を変える』んじゃなく『状況に自分を合わせる』ように生きてない?

たとえるなら『告白されて断れずにお付き合いをすることになり、がんばって好きになろうとしてる』みたい。(※ただしグエルくんは除く)

結局『相手が自分を好きであることを前提条件』に好きになろうとしてるだけ。そうじゃなきゃ、なんで5号くんに『ミオリネにとってキミは弾よけ(前提条件の崩壊)』なんて言われたくらいで動揺したの?
『弾よけ上等! なぜなら私がミオリネさんを好きだから!』って言えるくらいなら動揺なんてしないし、5号くんに『こいつ……強い!』とびびらせるくらい出来たはず……

大事なのは『相手にどう思われてるか』じゃなくて『自分が相手をどう思うか』だと思うの……(だからと言ってストーカーみたいになられても困るけど……)

スレッタの今後の成長の鍵

初期のミオリネは、逃げること、父親を否定することばかり考えてる『子供』だったけど、スレッタがきっかけで逃げることをやめ、お父さんと向き合うことで『父親への理解』が進んで行ったりと、大人の階段爆上がりした。
一方スレッタは『お母さん』にマインドを支配された子供のまま。最初はスレッタがミオリネに『進めばふたつ』なんて教えてたのに、今じゃミオリネが成長しすぎて『スレッタのお嫁さん』どころか『スレッタのお母さん』になっちゃってる。

やっぱスレッタが『大人』に成長するには、『お母さん教』に対する信仰心を打ち砕く必要があるんじゃない? そのためには、1回負けなきゃダメなんだろうと思う。
なにしろ周囲がどんなに『あのお母さんヤバい』と訴えたところで、スレッタ的には『信じる根拠がない』から『周囲がおかしい』ってことになるんだよね……皮肉なことに。(中にはその『教え』を信じて進めば進むほど失っちゃってる人いるけどスレッタ知らんし……)

だって『私とエアリアルは絶対に負けない! なぜならお母さんがそう言ってるから!』で、本当にその通り負け知らずなんだもんな……
スレッタを『お母さん教』から卒業させるには、まずエアリアルに対抗出来るガンダムの開発か……そのための株式会社ガンダム? じゃあパイロットは、かつて『俺の意志は必要ないってのか』と絶望したグエルくんか……

5号「僕は?」

グエルくんだけなんだよね。状況に流されがちなスレッタが、ちゃんと自分で『お断り』出来たの。(『ちゃんと』と言っていいのか怪しいけど)
そしてグエルくんも、『ダメな自分』のケツをひっぱたいてくれたのがスレッタだった。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第1話

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第1話

つまり最後は『お母さん教』の信者・スレッタ&エアリアルVSミオリネ社長率いる株式会社ガンダムが開発した新型ガンダムに搭乗したグエルくんで3話の決闘を再現。グエルくんが初めてスレッタに勝利し、一方スレッタは初めて『敗北』することで『お母さんは絶対じゃない』と覚醒し、これからは『自分の意志』で自立して生きることを誓うんだよ知らんけど!(雑)

スレッタ、初期の頃『先生になりたい』なんて言ってたと思うんだけど、その夢息してるかな?
『水星の魔女』って『誰かに頼ってばかりだった子供が、自分の意思で進んでいく力を育てていく物語』なのかなぁ……
と言ってもまあ、現状『第2期でもみんな笑い合える関係が続くのか?』という問題があるけど……

それでは今回はこの辺で。
次回はグエルくんとグエルパパはどうしてああなったのかと、ジェターク親子とマーキュリー親子との対比です。

次の考察はコチラ

機動戦士ガンダム水星の魔女 感想と考察 グエルくんとグエルパパ、支払ったのは代償か責任か

  • 井筒孝庵 より:

    とわこさん、こんにちは。

    シーズン2が間近に迫り、いろいろ調べたり読み返したりしているところです。

    たまたま、WBCの1次予選のテレビCMで、RPGの「メメントモリ」(ざっくり魔女の物語)が目に止まり、(当然の)微課金スタンスでエントリーしてみたところ、結構ツボにハマって、“RPGなのに肝心の物語がない、二番煎じの課金ゲー・・”といった批判がありながらも、かえって2次創作的考察モチベを刺激されています。

    水星の魔女、メメントモリのどちらにも幾つかの大きな謎がありますが、共通しているのが、プロローグでの謎で、作中の重要人物が「いい人のはずだったのに魔女みたいになって、いったいどうしたのだろう? 何が起きたのだろう?」というところ。 ← 水星だとプロスペラの謎

    プロスペラの謎は、プロスペラがエルノラであるということでシーズン1でその一部が明かされましたが、

    プロローグとの関連での謎のもう1つが、「スレッタがエリクトと同一人物なのか別人なのか?」というところ。

    推測では別人で、1) エリクトはエアリアルに取り込まれている(呪いのモビルスーツ)、2) スレッタはエランのような強化人士なのかもしれない、と見立てています。

    だとすると、プロスペラとスレッタの関係は、通常の親子関係とは設定的に異質になってきて、

    今の流行りのAIの仕組み的に喩えると、プロスペラはデータ/コーパスを与える教師/ヒトで、スレッタはそこからあるべき姿を「模倣」しようとする生徒/AIのような関係です。

    リドリー・スコット監督の映画「ブレードランナー」や「プロメテウス」にみられる創造者とアンドロイドの関係、神と子のような関係を想像していて、フレッシュトマトでのスレッタの無感情というか脱感情的な振る舞いは、未発達な感情や自我の形成途上にあるからなのかもしれないと。

    逆に仮にそういうことだとすると、セレッタがミオリネ達との関係を通じて、シーズン2では人間的に成長(AI的には学習)していくことを期待してしまいます。

    セレッタのCV(声優さん)は、メメントモリの主要キャラの1人にも起用されて、来週から二元中継的に楽しんでいこうと思っているところです( ^ω^ )

    • とわこ より:

      コメントありがとうございます~!水星の魔女ももうじき2期始まりますね!
      予告では『誕生日までミオリネのお婿さん死守』ってことは、フレッシュトマト後も仲は無事続いてるってことのようで……(ミオミオトラウマになってない?大丈夫?)

      スレッタ本人も結構な謎ですよね。
      最近、ようやくプロローグ見ましたが、プロローグに登場したエリクトと同一人物であるなら、SFによくあるコールドスリープでもしてなきゃとっくに大人のはずですもんね……
      エリクトとスレッタが別人なら、じゃあエリクトはどこに行ってスレッタはどこから来たんや……パパがお亡くなりになった以上、エリクトの妹ってわけじゃないし。クローン???
      でも敵の機体落として『ロウソクみたい』と言ってたエリクトはフレッシュトマトしたスレッタみたいだったし……(あの瞬間のスレッタは4歳児だったということに……)
      エランのような強化人士であるなら、じゃあエアリアルに乗ってて平気なのは強化人士だから……?という割にには、ミオリネやエランも過去に乗ってなんともなかったし……そうなるとやはりエアリアル自体になんかある?(おっしゃる通りエアリアルに取り込まれたエリクトが守ってくれてる……???(((;゚Д゚)))ガタガタ)

      個人的には、全部エアリアル側に秘密があって、スレッタ自身はエリクト本人だろうが別人だろうが、プロスペラの最後の良心で『フツーの女の子』であって欲しいところです(;ω;)

  • 井筒孝庵 より:

    とわこさん、こんにちわ。

    待機のカウントダウンに入っています(≧∇≦)

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