進撃の巨人最終34巻 追加エピソード考察!エレンに託された世界のその後と122話『二千年前の君から』の真の意味【最終回139話】
進撃の巨人最終34巻の追加エピソード考察その2です。
最後の最後まで、読者のハートにしょう油のシミの一滴まで残してくれた諫山先生、ホントお疲れ様でした。
思ったことを好き勝手に書いてるので、そりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
進撃の巨人最終34巻ネタバレ満載なんでご注意を。
最終34巻変更部分
さて、34巻は追加エピソードの他に、掲載時との変更もありましたね。まずはアルミンの台詞。
紙面掲載時も『この過ちは絶対無駄にしない』と巻き貝セットでエレンの過ちやんわり否定してたわけだけど、あー、そっか。これだと『この過ち』が『どの過ち』を指してるのかわかりにくかったのか……(なんで『虐殺肯定』という話が出てきたのか不思議だったんだけど、これのせいだったの???)
単行本では『お前がやっとんのは完全に間違いじゃボ●ェ!(要約)』とよりド直球の火の玉ストレートになった模様。
138話のマフラーを巻くミカサの顔も、より覚悟の決まった顔になった。
口元が出てるか出てないかで、ずいぶん印象変わるんだなぁ。
巨人がいなくなった世界・その後
特装版Endingの最終回のネームによると、リヴァイ達がいるの『オニャンコポンの故郷?』のイメージらしいですね。
なるほど。じゃあこの四人が一緒にいたのは、
ガビファルコ→新婚旅行
オニャンコポン→現地ガイド
リヴァイ→財布
こういうことか!(悪魔か)
それにしても、オニャンコポンが一番故郷に連れてきたかったのはハンジさんなんだろうなぁ……(;ω;)
さて、エレンによって『巨人がいない世界』を託されたわけですが、その後も追加されましたね。
ミカサ、結婚して家族が出来たようでよかったよ……ユミルちゃんの夢を叶えてくれたみたいや。
なんか見覚えのある後ろ姿が一緒だけど、前の男のマフラーを巻くことを許すって仏様か。
むしろミカサじゃなくてエレンのほうが好きなんじゃないかあんた。(病みなのか闇なのか)
まあ、エレンを取ったミカサはもはやミカサじゃないからなぁ……ジャンが一番好きなのは『エレンが好きなミカサ』だったのかもしれん。
ミカサは最後までエレンを愛していたのかもしれないけど、それをひっくるめて愛せるとはまさに男の中の男だぜあんた……(;ω;)
そしてミカサも、エレンが『捨ててくれ』と言ったマフラーを棺の中まで持っていくの、エレンへの愛を最期まで貫いたな……
エレンのお墓が意味すること
それにしても、エレンのお墓周辺が広場みたいになってるってことは、島もそうだけど、外の世界もエレンの存在をどういう形であれ『肯定』してるってことかな。
『エレンの墓がある』って、世界からすりゃ『こっちは墓すら作れなかった人がほとんど』『島の住人はエレンを神格化している』と怒りそうなもんなんだけど。
↑夫婦が二組ってことは、お子さんは二人生んだのか。そして孫が四人。
実際、ミカサも『このままじゃきちんと埋葬させてもらえない』って危惧してたし。
なのにエレンの墓が、別に隠れることなく堂々と存在し、その向こうで街が発展を続けてるってことは、『エレンの存在』を忘れない(肯定した)ことで、島と世界は共存・共栄していくことが出来たってことか……
エレンを担いでた島の住民にしても、『エレンを否定』されたら『自分達も否定された』ってことになって、世界との仲がこじれそうなんだよなぁ。
がんばったよアルミンもヒストリアも。エレンとの約束、ちゃんと守ったんだなぁ……
やがてミカサは年老いて、命を全うするけれど、木は生長を続け、エレンの墓は木に包み込まれるように消えていく。
ミカサに手を添えてるのは息子かな? あれ? ということは、この時ジャンは……(涙)
墓が完全に見えなくなった頃、兵器が爆弾落としてる。
これは『エレンの墓が見えなくなる=エレンが忘れられた』ってこと?
『エレンが忘れられる=平和の終わり』ってことで戦争が始まったとしたら、かつて『世界を滅ぼそうとしたエレンの存在』が世界の平和を守っていたみたいだなぁ。
結局、『巨人』がいようがいなかろうが、『人類を滅ぼすのはやっぱ人類』ってことなんでしょうね。ピクシス指令は正しかった。
どうせこうなるなら『巨人』は存在したって良かったんじゃあ……
だって壁の中も外の世界も『巨人』がいてくれたおかげで、人間同士の争いを回避出来てた節があるからなぁ。『巨人の存在』を肯定したハンジさんは正しかった。(でもそうなると、ユミルちゃんが解放されなくて困るんだけどね……)
『巨人(エレン)』がいなくなったことで人間同士の殺し合いが始まったってのは皮肉。
そして文明が崩壊し、そこからさらに長い年月が経ち、ある日、一人の少年(少女?)が、穴の空いた巨大な木を見つけ、そして、
第1話 (エレンから)二千年後の君へ
が、始まるわけですね。怖っ!
なんかしれっ、とホラーぶっこんで来たよ! 『きちんと埋葬』させてもらった結果『順番(ループ)』が回ってきましたってことなんこれ……?
光るムカデくん「サンキューミカサ!」
まあ、今度の子は奴隷じゃなくて犬を従えた子だから、ユミルちゃんと同じにはならなさそうだけど……
それとも、意表を突いてわんこのほうに憑き『進撃の巨犬』が始まるん?(『お手』が命がけに)
『何が正しくて何が間違っていたか』なんて誰にもわからないけど、『エレンの選択』と『ミカサの選択』が二千年の時を超えてこの子を生んだんだなぁ。
まさにミカサがユミルちゃんに言ってあげた言葉がこの子になって返ってきたみたいで、なんかロマンを感じる。
うーん、それにしても、エレンの頭の中でムカデ君の一部が生き続けていたってことか……もしかして光るムカデくんがあんなに一生懸命エレンの方に向かったのって、外に出た光るムカデくんとエレン本体に残ってた光るムカデ君が引き寄せ合って、それと完全に切り離されたから、頭から下のムカデくんは消滅したの……?(『頭がめちゃくちゃに』ってそういう……?)
それが地中で再生し、木の下で次の宿主を待ち続けたのか……?
122話『二千年前の君から』の違和感
『歴史が繰り返してる』ってことは、じゃあもしかして、122話の『二千年前の君から』ってタイトルの『二千年前の君』はユミルちゃんのことじゃなかったってことなん……?
だって122話のタイトルってなんか変なんですよ。『二千年後の君』がエレンで『二千年前の君』がユミルちゃんとして考えると、
第1話:二千年後の君へ
→ユミルちゃんからエレンへ
第122話:二千年前の君から
→ユミルちゃんからエレンへ
どっちのタイトルも、言い方変えただけで『送る側と受ける側』は同じ意味の日本語になってるんですよ……
1話と122話のタイトルが対のもので、122話のタイトルを『エレンからユミルちゃんへ』という意味にするんなら『二千年後の君から』とか『二千年前の君へ』にしなきゃ変。
そりゃあたしかに、122話は『ユミルちゃんからエレンに始祖パワー渡すお話』でもあるから、『ユミルちゃんからエレンへ』でも合ってるっちゃあ合ってる。
それでもやっぱ、エレンからユミルちゃんへ『お前は奴隷じゃない!』と言ってあげる回でもあるから、『エレンからユミルちゃんへ』を意味するタイトルになっていないことに『あれ?』とモヤモヤしてたんだけど……34巻の追加エピソードで新たな『二千年後の君』が登場した。
新たな『二千年後の君』が意味すること
この子の身にこの後起こることは、まあ、言うまでもなく光り輝くヤベーアイツとの遭遇ですよね……(それにしても、穴が出来た理由が非常に納得出来る理由だったな……)
これってつまり、光るムカデくんによる巨人発生と消滅による発展と衰退の歴史は二千年周期で起こってて、ユミルちゃんが始めてじゃないってことじゃないの?
『巨人はユミルちゃんが作ってた→じゃあユミルちゃんの巨人は誰が作ってたんだ?』って謎が残ってたけど、え? じゃあユミルちゃんは実は『始祖』じゃなくて、そのまたさらに『始祖』がいて、その『始祖』がユミルちゃんの巨人作っとったん……???
何が言いたいのかというと、『二千年前の君』を指す人物が『ユミルちゃんより二千年前の誰か』として考えると、122話のタイトルはとたんに意味として正しくなる。
図にするとこう。
122話は『『二千年後の君』であるユミルちゃんが巨人化という能力を『二千年前の君』からを受け取ったお話』だから、タイトルが『二千年前の君から』。
つまり122話は『エレンからユミルちゃんへ』という『未来から過去へ後退したタイトル』なのではなく、1話の『二千年後の君へ』と同じ、
『過去から未来へひたすら進撃したタイトル』だった
と考えると、このタイトルにはなんのおかしいところもない。
というわけで、進撃の巨人もっとも進撃していた選手権第1位は、『過去』なんてまったく見向きもせず、ひたすら未来へ『進撃』し続けた光るムカデくんに決定!
122話のタイトルが意図的なものだったのかどうかは不明だけど、最後の最後でタイトルマジックが明かされた気分で、やっぱすごかったよこの漫画……タイトルも油断ならない。
そして、我々が生きてる今の時代は『誰か』によって『巨人が消滅した世界』なのであって、いずれまた『誰か』によって『巨人発生の時代』がやってくるんだなと想像が掻き立てられる良いラストでした。
諌山先生、ありがとうございました!
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
↓次の考察はコチラ
↓動画版はコチラ
↓前回の考察はコチラ
すごい分かりやすかったです…!!ありがとうございます。
可能性として、2000年周期の脅威の可能性は、なにも巨人だけに限った話じゃないのではないでしょうか?ユミルちゃんが選んだのが巨人であっただけで。それこそ、時代にあった超化学物質だったり?どちらにせよ、これから始まるのはユミルの民ならぬアッカーマンの民の話っぽそうですね。ミカサよりリヴァイ兵長に似ているところ、ヒィズル国関連ではなさそうですし。
……なんてことを妄想しながらこの記事を読ませていただきました!まだまだ思いつくことがいっぱいです!進撃の巨人すごい!投稿者さんもすごい!!本当に助かりました!
コメントありがとうございます!喜んでいただけでうれしいです!
なるほど、たしかに脅威は『巨人』とは限らないですね……超能力みたいなのでも面白そう。(実際、始祖のパワーって超能力みたいなもんだったし)
この子は誰の子孫なんだろとか、ユミルちゃんの巨人は誰が作ってたんだろとか、すべてを語らず、読者が好きなだけ妄想して楽しめる余地を残してくれた諌山先生に感謝ですね!
こんにちは。
遡って拝見しています。
> 1話と122話のタイトルが対のもので、122話のタイトルを『エレンからユミルちゃんへ』という意味にするんなら『二千年後の君から』とか『二千年前の君へ』にしなきゃ変。
全くそうですよね。対になるはずの箇所、対称性が崩れてしまっている。かなり重要な箇所ですが、連載進行中はすっかり見落としていました。
第1話冒頭の“いってらっしゃい”は、ミカサ→エレンでなくて、ユミル→エレンへのメッセージだろうと原作の終盤まで推測していました。
アニメでその冒頭箇所を割愛したのは、誰が発したメッセージかが声でネタバレしてしまうという配慮からだろうと思っていました。← ミステリーの叙述トリックものだと映像化しにくい原因になるところ
結局、原作138話でミカサ による”いってらっしゃい“が最終確定して、今回のファイルナル完結編前編に原作1話冒頭シーンを入れてきたという経緯になるわけですが、
そうだとすると逆に、原作1話のタイトルの「二千年後の君へ」が担うトーンが下がってしまって(*´ω`*)
アニメは原作を必ずしも忠実になぞる必要がなく、制作者の解釈の余地があってもいいと思っているのですが、
その解釈も、原作の作品解釈の幅を狭めるように働くという場合もあり得なくなくて、
アニメ完結編後編で、原作のプロットがどう処理されていくのか、とても興味がわくところです。(迫力があるとか作画・構成のレベルが高いとかとは別な話として)
エレンの善性を描くのはプロットとして手遅れだと思いますが、特に後編では、エレンによる過去介入のような描写をどう処理してくるのか、注目しています。
個人的には進撃のSF設定は、「同時世界認識」というネタの点でユニークで、類する設定はSF映画「メッセージ」やSF小説「スローターハウス5」くらいにしかみられないレアなものとして高く評価しているのですが、
過去介入(の描写)が行き過ぎると、設定が有象無象のループものの域に堕ちていって、リセット的なものが有効なら何が運命(決定論)なのか何が一度限りの悔いなき選択(自由意志)なのかさっぱり分からなくなるし、カルラを積極的に自分の欲求の人柱にするよう(な介入)であれば、救い難いというか度し難いということに(*´ω`*)
個人的にはアルミンとの邂逅でのエレンのぐだぐだ言い訳はできるだけ削ってもらって単行本加筆部分を少し膨らませて欲しいところですね( ^ω^ )
過去記事にまでありがとうございます!
今のところ、ファイナルシーズンは原作に忠実な進行になってますよね。あんまりストーリーと大きな関わりのないところに追加描写とかはありましたが。
進撃はあまりハッキリと『これが答えです!』って言ってくれないから、どう解釈するかはすべて見た者に委ねるスタイルなんでしょうかね……諌山先生も、その辺のことを語ったりしなかったし、アニメもそのスタイルなんでしょうね。『答えは人の数だけある』。
完結編の後編はどのように描かれるのか、今から楽しみです。
実写の世界が2000年後だったりしませんか?