アニメ『チ。-地球の運動について-』第19話 迷いの中に倫理がある 感想と考察 ヨレンタとノヴァクの過酷な人生
アニメ『チ。-地球の運動について-』の感想と考察。今回は第19話『迷いの中に倫理がある』となります。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 完全に初見となります。心優しい原作勢は、あたたかく見守ってあげましょう
教会脳のアッシュ
今回から、新たに異端審問官のアッシュくんが登場しました。
まー、シモンくんとまったく逆のタイプ。レフくんはまだ人の心あったけど、それでも拷問は実行したりと、悪い言い方するとレフくんは『中途半端』なヤツだった。(こういう人が『普通』なんだけどね)
アッシュくん、自分が『正しい側』と信じて疑わないの、教会脳だなぁ……ここまで振り切ってると逆に感心する。
拷問のためにここまで御大層な器具つくるとか、これもう『趣味』でしょ!(いや、この器具作ったのがアッシュくんってわけじゃないだろうけど!)
『趣味』と『実益』を兼ねてるとか、それはもう天職……!(白目)
出世したダミアンと過去の人のその後
ノヴァクの部下・ダミアンくんが司教になってた。偉くなったなぁ。
ノヴァクの陰に隠れて存在感薄かったけど、この人も色々と苦労を積み重ねた人だもんな……
とはいえ、この人がどんなに『いいこと』語ったところで、痛めつけられた側からするとアッシュくんと同じ。だって『やりすぎだ!』って咎めはしても、檻から出してはくれないんでしょ?
なに善人ぶってんのこの人? 右の頬に唾かけられたんなら、左の頬にも唾かけてもらうくらい屁でもないでしょ。
なのに、水沈めんの止めずにそのままおしゃべり続けんだよね……(終わった頃には死んでるじゃん……)
さて、今回は、かつての登場人物のその後がわかってきました。
ポトツキさんはさすがにお亡くなりになってたか……
そして本を転記したクラボフスキさんは、本を守ったままなんとか(あの世に)逃げ切った模様。
『廃村で見つかった』ってことは、バデーニくんが住んでた村は疫病かなんかで滅びたわけか……
それにしても皆さま、すぐに『あれは●年前~』とか出てくるの、記憶力良すぎない? 私なんて『今のトコ引っ越して何年だっけ?』ってくらい覚えてないよ……
25年後のノヴァク
そしてついにノヴァク登場。
ヨレンタの死(偽装)をきっかけに『ヒャッハーーー!』できるチワワになるか期待したけど、骨の髄まで徹底的に従順なドーベルマンだった……!
……あれ? てことは、『ヨレンタが死んでない』ことも『アントニの策略にハメられた』ってことも、『ノヴァクは知らん』ってことになるよな……
レフくん、教えてあげなかったの? もしや『口封じに消された』って可能性もあんの……?(アントニならそんくらいやりそう)
てっきり、そのまま教会で働いてると思ってたけど、急にレフくんの生存が怪しくなってきたな……『自分の巻き添え食らって死んだ』なんてことになったら、さすがにシモンくんが気の毒すぎる……
『前提』を疑えなかったノヴァク
さて、ノヴァクに話を戻して。25年もの間、どうしてたか気になってましたが、娘を奪われた怒りを『教会(自分)のせい』にするんではなく、とことん『地動説(他人)のせい』にしてたことが判明しました。ダ~メだこりゃ。(白目)
アッシュに『行き詰った時は前提を疑え』と言っといて、『行き詰った自分の人生』の『前提(俺は正しい)』は疑えないんだね。(嫌味)
いや、せめて教会の改革派として活動するとかちょっと期待してたんだけどな……ダミアンくんのヒモになって、ずっと飲んだくれてたんか……お前らもう夫婦だよ!
……ノヴァクって、『試合』には全勝してるから『立派なトロフィーやメダル(働かずに生きる)』は手に入るけど、『勝負』には全敗してるから『大事なもの(ヨレンタ)』を失う人生だったよね……そらやる気出ねーか。
なのに、『地動説』が現れるとやる気出した……! それもうむしろ好きだろ!
すべてにやる気なくしてたと思いきや、活版印刷とか最新技術の情報はちゃんと仕入れてるとか、なんなんだよお前!
『本を奪った』という情報だけでそこにたどり着くの、マジで『仕事は』出来る人だったんだな……シュミット氏、『ドガン』で済ますんじゃなく、目的悟られんようきっちりファイヤーーーー! やっとくべきだったね。(証拠隠滅)
ノヴァクの決意
ノヴァク、『地動説をぶっ●す!』とカッコよく誓ってましたが、『その地動説の信奉者があなたの娘さん』という皮肉……! ノヴァクが投げるブーメラン、ホンマ芸術点高いな!
まあ、たしかにラファウが言ってたね。『あなたの敵は異端者じゃない』って。
その言葉の意味を考えた結果が、
異端者は敵じゃない
↓
悪いのは異端者を生み出した地動説
↓
異端者はかわいそうな被害者
↓
正しい俺が救ってあげなきゃ!
って思考になるの、どっかのジ●ク・イェーガーかな?(白目)
みんなの人生は『地動説』に狂わされたんじゃなくて『教会』に狂わされたんだと思うよ……
なのにその『前提』は一切疑わず教会に尽くすの、けなげ……!(『ヨレンタはいい子』って『前提』も疑ってないな……)
それにしても、オクジーくんのネックレスはノヴァクの手に渡ってたんだね。ナイフでちくちくされてボロボロだけど。
そのネックレスを手にした者の末路は『地動説に命を賭ける』なんよ……ノヴァクは果たして。
あやしいフライ
今回はシュミットさんの出番が少なかったですね。
活版印刷のことやら、今後の行動をフライくんが聞き出していたけど、しゃべって大丈夫? 目的や今後を気にしたり、この人一見、視聴者への解説係に見えるけど、『実はどっかのスパイでした☆』ってオチない?
でも教会のスパイなら、すでにヨレンタの名前が教会に渡っててもよさそうだしなぁ……
渡ってたら、ノヴァクのリアクションはどうなったことやら。まあ、ここまで来ると『よりにもよってウチの娘と同じ名前だなんて! 許せん!』ってなりそうな気がするけど……(むしろ幸せな思考回路かもしれん)
教会には『改革派』もいるそうだけど『そっち側の人』って可能性あったりする? なんか、フライくんが怪しく見えて来た。
異端解放戦線は教会と敵対してるけど、かと言って『改革派』がヨレンタ達の『味方』とは限らんからなぁ……
もしスパイだとしたら、印刷機を奪われるとかぶっ壊されるとか起こりそうだけど果たして。
ヨレンタの過酷な人生
今回から本格的に組織長・ヨレンタが参戦したわけですが、その……かつての上品でおとなしいお嬢さん時代からは想像もつかんくらい苛烈なご婦人に進化を遂げていた……!
剣を手にするどころか、金蹴りすら出来そうになかった女の子だったのに、今じゃオクジーくんですらボコれそうな強キャラ感! そら、野郎どももついてきちゃうよ!
これはノヴァクの血ぃ引いてますわ……
物腰は終始穏やかだけど、ドゥラカが本燃やしたこと、実はめっちゃキレてましたね……?
まあ、こっちが人●してまで奪取した亡き友の本を、『自分の欲望』のために勝手に燃やしておいて、『自分の手柄』のように『利益よこせ』は腹立つわな……『一字一句間違いなく暗記してる』って断言出来るわけでもないくせに。(しかも印刷技術も印刷代もヨレンタ持ち……)
『オクジーの書』の存在を知って、熱出すほど喜んだって、ヨレンタ、ずっと『孤独』だったんだろうなぁ。
今でこそ組織長として大勢の部下を率いる存在だけど、その人達が集まった目的は『教会をやっつけるため』でしょ?
ヨレンタにとって、『地動説』のために『共に命を賭けた仲間』は、25年経った今でもオクジーくんとバデーニくんだけなんだよなぁ……
そういう意味では、目的が『お金儲け』とはいえ、オクジーの書を読み、『これは価値あるものだ』と認めたドゥラカは、オクジーくんが連れてきてくれた『新たな仲間』と言える。志はちょっと違うけど。
でも、『違う』からこそ別の視点でものが見れるようになるから、これもまた『神のお導き』なのかもしれん。
それでも地球は回ってる
ヨレンタの話、お金教のドゥラカはいまいちピンと来てなかったようだけど、ヨレンタの行動原理は『真理』であり『感動』なんだね。『正しさ』じゃない。
この30年間、ヨレンタにはすげぇ『変化』が起こっているのに、土星は宇宙の法則に従って淡々と動き続けている。ただそれだけ。
毎日、規則正しく太陽が昇るのと一緒。まあ、ドゥラカにとっては、その『法則』が苦痛らしいけどね……
だけど、人間が泣いたり争ったり激動の時代を迎えたりしてても、『宇宙の法則』を前にはちっちぇことなんよ……まさに『神』。
本来『人間の営みに干渉しない』のが『神』だと思う。
『宇宙という神様』は、人に何も禁止していない。ただひたすら『宇宙の法則』に乗っ取って、回り続けているだけ。
でも現状、『教会』が『神の代弁者』を語って『人の自由』を奪っている。
ヨレンタは、本来『神が人々に与えた自由』を取り戻すために戦う選択をしたのか……その点に関しては、ヨレンタとシュミットは利害が一致している。
ドゥラカ、『権威の中で生じる思考停止は、宗教に限らず学問の中でも起こる』なんて忠告めいたこと言ってたけど、ブーメラン刺さってるよ……
『どうしてそんなに稼ぎたいの?』に対し、『それが私の信念だからです』って、回答になってねぇ……! たぶんヨレンタは『もうけたお金』を『何のために使うのか』を聞きたかったんだと思うんだけど!(つっこまないであげるヨレンタの大人力)
『死の恐怖』や『不安』から逃れるためにお金が欲しいだけのクセに、自覚あるのかなこの子……(自覚、大事)
ドゥラカは『信念を忘れさせる何かに出会った時の感情も大事にせーよ』というヨレンタさまのありがたいお言葉を大事にしたほうがいいと思う。
『でないと私みたいになる』とヨレンタは言ってたけど、いや、むしろ『おじさんみたいになっちゃう』と思うよ。大事にすべき『姪御への愛情』を粗末にした結果、すべてを失ったからなあの人……
時を超えた再会
最初は『教会潰すためにオクジーの書利用すんじゃねーだろな』と心配だったけど、組織長がヨレンタで安心した。そりゃあ『利用する』事実は変わらんだろうけど、ヨレンタの本当の目的は『古い友人に会いたかった』だよね?
ドゥラカだって、口ではお金お金言ってるけど、『この本は金になる!』と思ったのは『感動した』からなわけで。
本の中とはいえ、ヨレンタがオクジーくんと再会出来たの、ホンマ奇跡やった……我が身が滅んでも、刻んだ文字によって『想い』は未来に託されるロマン。(つД;)
ヨレンタ、この25年間、メンタル病んでおかしくなっても仕方ない状況だったろうに、それでもオクジーくんやバデーニくん達とは『ズッ友』のままでいてくれたんだね。
運命を『呪う』でも『逃げる』でもなく『戦う』選択をし、そして『真理のために生きる』という『信念』も貫いていた。
ヨレンタは『自分は決して正しくない』と理解してるんだよなぁ。そして『自分は地獄に落ちる』ことも受け入れてる。
これはラファウやオクジーくん達と同じ覚悟ガンギマリ淑女……! そりゃー小娘のちょっとした非難の言葉なんぞ屁でもねぇわ。
でもその一方で、父ちゃんは『自分の正しさ』を一切疑わず、そのせいでどんどん歪んでいくってのが……なにこの親子。
ヨレンタ、ノヴァクといつか再会しそうだけど、『再会した日が今生の別れ』になりそうな悪寒……!
父ちゃん、あの手袋はずっと持ってるんだろうなぁ……ヨレンタ、相変わらず苦労が手に出てたけど、再びあの手袋に手を守ってもらえる日は来るんだろうか。
それでは今回はこの辺で。
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