機動戦士ガンダム水星の魔女第16話『罪過の輪』感想と考察 手段を間違えたベルメリアとプロスペラの野望
機動戦士ガンダム水星の魔女第16話『罪過の輪』感想と考察。
今回はプロスペラの野望と手段を間違えたベルメリアさんとニカとの対比、『お母さん教』にどっぷり染まってるスレッタとミオリネの苦悩など。
- 個人の感想と考察です
- ガンダム知識はにわかなので『熱いガンダム談』は期待せんでください
プロスペラの目的
プロスペラさんが『世界を書き換えたい』なんて言ってましたが……
言ってた内容をまとめると、
- エリクトの生態コードはデータストームと完全同調出来たものの、幼い体は宇宙の過酷な環境に耐えられなかった
- データストームのネットワークを使ってエリクトの生態コードをルブリス(後のエアリアル)に転移することでエリクトの命を繋いだ
- 今のエリクトはパーメット粒子と一緒。エアリアルという体がなければ物理空間では崩壊
- クワイエットゼロでデータストームの領域を広げればエリクトは自由に生きられる
え? プロスペラは『データストームの向こう側』に行っちゃったエリクトの元に行きたいんじゃなく『データストームが来い』ってこと?
つまり『世界がエリーに合わせろ』って言ってんのこの人?
スレッタはお母さんを『神様』みたいに思ってるけど、プロスペラはエリクトを『神様』と思ってない?
これがファンタジーもんならスレッタがエリクトの器にされそうなもんなんだけど、『そもそも器が必要ない世界に作り替えましょう』ってこと? そのためのクワイエットゼロ?
そうすりゃガンダムという器がなくてもエリクトがこっちの世界でも生きられて幸せになれるってことなの……???
プロスペラとベルメリア、手段と目的の違い
ラジャンさんのお話では、クワイエットゼロの草案は『多種多様な植物の生存戦略を人類に適用出来ないか』って内容だったと思うんだけど……
ただそれが、戦争がなくなることとどう繋がるのかがちょっとよくわかんない……
どっちにせよ、プロスペラの目的だと『人間性の回帰』から遠ざかるような気がすんだけど……肉体失うんでしょ?
デリング総裁とプロスペラ、『過程は一致していても最終目的が違う』って感じだよなぁ……
一方、ベルメリアさんがやりたかったのは『人間側を宇宙空間に耐えられる体に作り変える』ってことかな?
ベルメリアさんが考えた『データストーム耐性のある人工中枢神経を使用する拡張神経理論』のために作られたのが強化人士。その被害者がエランくんシリーズか……
プロスペラは『世界が書き換われ』。
ベルメリアさんは『人間が書き換われ』。
『書き換える対象』が異なるだけで、やってることはどっこいどっこい。
ニカとベルメリア、選択の行く末
今回はベルメリアさんのこともわかってきましたが……
いや、『強化人士』作りの発端あんたかーーーーーーい!
入社した会社で『命令されて仕方なく』じゃなく、むしろペイル社は『師匠に却下された自分の理論採用してくれた上、実験の場まで提供してくれたいい会社』ってことじゃん!
【朗報】ペイル社CEOのお姉さま達、いい人だった
なのに、この『自分を拾ってくれたありがたい人達』をなぜか悪者扱いし、当の本人は『ホントはこんなことしたくないの! 私ホントはいい人なの!』って顔してる。
エラン5号くんにしてみれば『ホントに『いい人』なら『自分の理論間違ってました!』って認めてでも僕達を助けてよ!』って言いたくもなるよね……
でもやめないんでしょ? この人。
それって結局『自分が掲げた理論は正しい』と信じてて、捨てられないからだよね? 逆を言えば『自分が掲げた理論の正しさ』のためなら『未来ある若者の命』を犠牲に出来る人だってこと。
ベルメリアさんって一見『やさしい人』に見えるんだけど『残酷なやさしさ』だよね。拾った犬にやさしくして、期待させるだけさせておいて、結局飼えず涙ながらに『ごめんねごめんね』言いながら捨てる人みたい。
ぶっちゃけ、『悪人』に振り切ってヒャッハーしてる人よりタチ悪いのって、こういう中途半端な人だと思うよ……知らん人から見れば『いい人』『かわいそうな人』に見えるから。
だけどよく知ってる被害者からすればとんでもない『卑怯者』。だってそのせいで、正当な理由で責めてるはずの自分が、まるで悪者みたいな図式になるんだもんな……
今回、ニカが『被害者のフリやめる』なんて言ってたけど、ベルメリアさんって『被害者のフリをやめられなかったニカの末路』だよね。そしてニカは『ベルメリアが選べなかった選択をした人』になった。
ニカは『仲間の存在』が勇気を与えてくれたけど、ベルメリアさんにはいなかったのかな……だから『弱い人』のままだった。『弱い人』だから重い責任を背負えず『人のせい』にする。
今からでも『善良』になって自分の理論放り捨ててしかるべき場所に助けを求めるか、マッドなサイエンティストに振り切ってヒャッハーするか、これまで通り中途半端になるか……ベルメリアさんの結末やいかに。
シャディクガールズとサリウスのこれから
シャディクガールズ、やはりアーシアンだった模様。
じゃあ『フォルドの夜明け』とは、単純に雇用関係結んでただけでそれ以上の関係はないってことかな?
サリウスさん、みなしごの保護活動とか、やはりまだ善良なほうでは……?
恩を仇で返されちゃってるのが気の毒ではあるけど……
シャディクガールズの良心・サビーナさん、こういう『男に尽しちゃう系』の女の子が、最後は『男の身勝手の代償』として取り立てられるのがお約束だけど、大丈夫かね? 今から心配だよ……
シャディクくんはこの子をもっと大事にすべきだと思うの……
そしてサリウス氏までいなくなったことで『次の総裁誰にすんべ』という展開に。どうやらこのために拉致った模様。
この状況、グエルパパが存命だったら黙っていなかっただろうけど、お亡くなりになったから……グエルくんがなんもしなくたって、グエルパパはどっかのタイミングで消されてたんだろうなって思う……
それにしてもシャディクくん、『総裁の座を狙ってるわけじゃない』みたいな雰囲気出しといて、ガッツリ総裁の座狙いに行っとるやん……(『狙う』とは言ってないが『いらない』とは言ってない)
サリウス氏どうなっちゃうんだろ。解放したらシャディクくん的にまずいと思うんだけど……かと言って命取るわけでもないってのは、せめてもの『育ててくれた恩』なのか……
【朗報】グエルくん、弟くんの元に生還
そう簡単に帰してもらえるんかと心配してたグエルくんですが。
帰ってくるんかーーーーーーーい!
髪型もさっぱりして『修行の旅から帰ってきた人』みたいになっとる……(ある意味修行だった)
オルコットさん、いい人……! まあ、なんか交換条件出されたのかもしれんけど。
やっぱ『御曹司』は口実で、ほっとけなくて連れてきちゃったんやろな……あのままほったらかしだと、『グエルパパ●した犯人』としてしょっ引かれるとか『テロリストの仲間』とか疑われて色々ややこしくなってたかもしれんし……そういう意味では、オルコットさんはグエルパパ●害の罪(表向きの)をかぶってくれたとも言える。
グエルくんにしてみりゃあ『なんで地球に連れてかれたんや』って感じかもしんないけど。
でもその経験がなきゃ、『父ちゃんの死』から立ち直ることも『地球の現状』を知ることもなかったからなぁ……その経験がこれからどう生きるのか。
グエルくん、帰れて良かったけど、一番良かったのはラウダくんだった……ちょっとした息抜きすら責められ、さすがにちょっとかわいそうだったし。
それにしてもこの兄弟、仲良しでなにより。父ちゃんみたいな『邪魔者は蹴落としてでも上り詰めてやるぜ!』って野心家に育ってたら、グエルくんが帰ってきたらラウダくんはむしろ困るだろうし、自分がいない間にラウダくんが会社継いでたらグエルくんは腹立てるだろうし。
グエルパパ、暗殺とか悪いことは失敗したけど、子育てに関しては成功してる……(ママがよかったのかもしれんけど)
恐怖のお母さん教
ようやく学校に戻ってきたミオリネが頼もしすぎる。
口論や暴力で相手をねじ伏せるのではなく、きっちり証拠を抑えてどうするか本人に選択させて引き下がらせるの、チュチュじゃ出来ないよなぁ……
そしてスレッタとミオリネが再会したけど……うん。スレッタの『ちがう、そうじゃない感』が……やっぱこの子、過去に見立てた通りだった。
父ちゃんに反発しまくってるミオリネを近くで見てきたくせに、スレッタ本人は『なんでもかんでもお母さんの言うとおりにする』ことを『全然おかしいことじゃない』と思ってるってことだよね?
スレッタや、その理屈で言うと『お母さん以外はみんなまちがい』ってことになるんだけど……
『お母さんに言われたんで、学校作るのあきらめまーす』なんて、チュチュが聞いたら激怒すんで……
ソフィのことがあったから、来るか期待した反抗期、来ない……!(絶望)
スレッタとベルメリアの違い
『言われた通りのこと』をやって罪悪感抱いてたのがベルメリアさんだったけど、ベルメリアさんはまだ『人間らしさ』があった。
スレッタは振り切ってて潔いかもしれないけど、なんか、ベルメリアさんとは違った『タチの悪さ』がある。
だってスレッタ、『自分の頭』で考えてないから。
ベルメリアさんは『自分もCEOも神様でもなんでもないただの人だ』と思っているから、言われたことに抵抗を覚えることも『罪悪感』を抱くことも出来るけど、スレッタは『お母さん』を『神様』だと思っている。
『神様』は間違えないし絶対正しい。すでに『正しい』と決まっていることだから、やったことの意味なんて考える必要がない。だから『罪悪感』を抱けないんじゃないの?
ラジャンさんが『人々は思考を放棄し兵器に選択を委ねる』なんて言ってたけど、まさに『スレッタは思考を放棄しお母さんに選択を委ねる』状態になっとる……
『思考の放棄』『責任の放棄』って、『人間性の放棄』とイコールなんだろうな……
現状、スレッタの『お母さん教』どうにかせんと、エンディングでミオリネをリードして仲良く踊る関係になる未来がまったく見えない……
ミオリネVSプロスペラ
とうとうミオリネが、自分の父ちゃんがプロスペラの仇であると知ってしまったけど、やっぱミオリネへのモラハラはささやかな復讐だった模様。冒頭のベルメリアさんの時もそうだったけど、やっぱ壊れてるよこの人……
『恨みを晴らしてくれ』ってささやきは『プロスペラ本人の声』だと思うよ。亡くなった旦那さんは、最期に『愛してる』と言いはしても『恨みを晴らしてくれ』なんて言う人には見えなかったし……恩師の人もそう。
今はスレッタを操り人形にしてるけど、今度はミオリネを操り人形にして、グループ乗っ取るつもりかな……それがプロスペラの復讐?
となると、デリング総裁が意識不明に陥ったのは都合がよかったってことかな。このままミオリネが総裁になって、誕生日迎え次第スレッタと結婚させて、計画も自分主導で進めて『もうお前の居場所ねーから』ってタイミングで総裁が目覚めてくれたら、またとない復讐になるかもね……総裁から地位も名誉も妻との夢も娘も、すべて奪ったことになるんだから。
でも気になるのが、デリング総裁が『プロスペラの復讐心』を知らないなんてことあんのかってこと。プロスペラの昔の名前知ってたし。
かつて自分がしたことの被害者であると知らずに懐に入れてしまったのか、承知の上で懐に入れたのか……前者ならドジっ子だけど、わかってて仲間に引き入れたのなら、かつて自分がしてしまったことを『過ち』として認めていて、その『落とし前』なんだろうか……?
だって、デリング総裁は『人間性の回帰』を目的に『人間性を奪いかねない兵器』である『ガンダム狩り』をしたわけでしょ?
だけどその結果、『プロスペラ』という人間性を失った『魔女』を生み出してしまった。それって『失敗』だったってことじゃん。
総裁の『人間性の回帰』という『目的』は間違ってなかったと思う。ただ『手段』を間違えたんだと思うよ……(『問題は排除して解決!』はアカン……)
この辺、サビーナさんの誘いに『目的は正しくても手段を間違えたくない』と断ったニカとの対比になってるよね。ベルメリアさんもそうだしスレッタもそう。
『目的』は間違ってなくても『手段』を間違えたから、ベルメリアさんは罪悪感に苦しんでいるし、スレッタはミオリネを苦しめている。
ということは、シャディクくんは『かつてのデリング総裁の過ちを繰り返すポジション』ということになるけど、サリウスさん、阻止出来るかな……
プロスペラの野望を阻止する方法
これもう、プロスペラの野望を阻止するには、スレッタが『お母さん教卒業』するしかないんでは……? そのためにはやっぱり『決闘』でスレッタが敗北するしかない?
この先決闘あんのかね? 一応セセリアが残ってくれてるけど。(なんだかんだで根はいい子だよねこの子)
ただ決闘となると、誰がスレッタに勝てるの……?
これまで『一対一(スレッタVS対戦者)』だと思っていた勝負が『二対一(スレッタ&エリクトVS対戦者)』だったってことじゃん……いや、これなんかズルくね……?(一番最初の『ズルして勝った』という陰口が『まさにその通り』だったというオチ……)
そんな不利な相手に勝てる可能性持ってるのは、責任を背負える男・グエルくんしかいない……!
地球の地獄を見てきた者だ。面構えが違う。
一方で、ミオリネが総裁選に出そうな流れになってるけど、シャディクくんは『後ろ盾がなきゃ厳しい』なんて言っていた……
仮にミオリネが総裁になったとしても、それだとプロスペラの思惑通りになっちゃうわけでして。
総裁にならなきゃ両親の夢であるクワイエットゼロが危ない。かと言ってプロスペラの思惑通りもアカン。
こうなりゃいっそ、グエルくんと手ぇ組むって可能性もあんのかな? ジェターク社もヤバいらしいし。
それともサリウスさん奪還して後ろ盾になってもらって、プロスペラを牽制? この人も、シャディクくん止めたいだろうし。
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それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
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