進撃の巨人 ああ勘違い!?神か悪魔かエレンの正体考察 本当の非情な決断編【最終回ネタバレ】
進撃の巨人、最終回から数ヶ月経ちましたが、ようやく『エレンは何者だったのか』の考察がまとまりました。
こんな『考察すれば考察するほど腹立ってくる主人公いねぇよ!』ってくらい一番考察が難しい子だったよ……あんたって子は……
長くなっちゃったんで、3回に分けます。1回目となる今回は、エレンがなぜカルラママの死に関与したのか、エレンがしたのは『非情な決断』だったのかについて。
過去の考察記事ですでに書いたことも混ざってるんで、『エレン考察の総集編』みたいに思ってください。
思ったことを好き勝手に書いてるので、そりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
139話最終回時点の内容です。ネタバレ配慮してないんでご注意を。
改めて考えるカルラの死の真相
『お前の母親が巨人に食われたのは俺のせい』と自分を責めたのがライナー。
『母親が巨人に食われなければこんなことには!』と一番エレンをかばってたのがジャン。
そしてその『母親が巨人に食われる状況』を用意したのがエレン。
これは『てめぇライナーの兄貴とジャンの兄貴に詫び入れろや』って己の臓物吐くまでヤクザ蹴り叩き込まれても文句言えねぇオチ……!
↑ヤクザ蹴りお手本
さて、最終回で、この『カルラの死』に未来エレンが関わってたって判明したわけだけど、なんで諫山先生はこのコマ入れたのか、ずーっと考えてたんですよね……『必要』だから入れたわけだろうし、ものすごく『重要な情報』のような気がして。
先生、要所要所で『エレンはこういうヤツですよ』と言わんばかりに『人さらいめった刺し』ぶっこんでたけど、それの上位互換ってこと?
エレンって、傍目には『やさしい両親の元に生まれた普通の子』なんだけど、兵長の『こいつは化け物』発言を裏付けるエピソードが、幼き頃の『ミカサ拉致事件』。
これ、他の漫画の主人公なら『犯人を出し抜いて被害者を連れ出す方法』を考えますやん。
警察だって、『被害者救出』を優先して、まずは投降するよう犯人説得するし。(少なくとも日本では、犯人攻撃は最終手段)
でもエレンは、事前に武器を用意したり不意打ちで喉を掻っ捌いたりと、『犯人殺害』が最優先事項。しかも震えたりしないためらいのなさ。(ミカサは『できない』って震えてたのに)
その後の父親とのやりとりも、『早く助けてあげたかった』と『もっともらしいこと』を言ってはいるのですが、どうにも『お説教』が怖くて自分を正当化しているだけに見える……(『人さらい殺害』より『父ちゃんの説教』が怖いってどうなん……)
つまりこの事件の時のエレンの行動原理は、『誘拐された少女を救うため』という『正義感からの行動』というより『自由を奪うヤツは●す』という『自由を奪われた怒りからの行動』であって、もし仮にミカサがすでに死んでいたとしても、この子同じことをやってたと思うよ……
エレンの原動力
エレンの原動力って、昔っから『自由』だったんですよね。
実際、トロスト区奪還作戦の際、エレンが巨人化で動かなくなった時、
母親の仇はどうした → 起きず
どうして外の世界に行きたいの? → 起きた
つまりエレンにとって『正義感』や『恨み』は原動力にならない。
さて、エレンは記憶ツアーでミカサの拉致事件を振り返りなら『自由を奪われるくらいならそいつから自由を奪う』『オレは生まれた時からこうだった』とジークに語ってたわけですが。
この事件の『上位互換』が『カルラの死の真相』だとすると、エレンの告白が意味することは『オレは自分の自由のためなら母ちゃんの自由ですら奪うクソ野郎です』ってこと?
つまり『自由を奪われるくらいならそいつから自由を奪う』の『そいつ』の中には、『悪人だけでなく、友人恩人親兄弟をも含むすべての存在が含まれていた』ってことになる……
『ベルトルトを見逃すため』にしたって、『自分ちに向かわせる』必要はないよね……?
カルラ救助が間に合ってたら……
もし『カルラ救助』が間に合って、巨人から逃げることが出来れば、まあ、まずは『駆逐してやる!』がなくなって、『エレンの物語』が始まらないよね……
でもカルラが生き延びたとしても、足を悪くしてそう。そんな母ちゃんほったらかしに、エレンもミカサも兵士になるかな? 仮に兵士になったとしても『調査兵団』はどうだろ。カルラだって、元々猛反対してたわけだし。
グリシャだって、エレンに巨人継承させるやろか……『エレンに巨人継承させる』ってことは、カルラ的には夫が突然行方不明になり、13年後には息子も失うわけだし……
なんにせよ『カルラ生存』って、エレンにとって自分が『不自由』になるルート。
ワンピースの尾田先生が『冒険の対義語は母』って言ったそうですが、うまいこと言うよなぁ……だからといって『自らの手で母ちゃん排除するヤツあるか!』って話だけど。
『自由を取り返すためなら力が湧いてくる』なんて言ってたけど、力の湧きどころおかしくない?(これは自由の化け物……)
エレンは『非情な決断が出来る強い指導者』?
エレンって、『仲間の幸せ』を願ったり、『お前らからは奪わない』と言ってた割には、ガチでタマ取りに来たりすでに記憶を消してたりと、えらい矛盾するようなこともしてるんですよね。いや、『記憶』やらハンジさんの命奪っといて『奪わない』なんてよく言えたな!
そうなると、浮上するのが『エレンは血も涙もない嘘つきサイコ野郎だった』疑惑。
たしかにイェーガー派をはじめとする『エレンをよく知らない人達』は、エレンのことを『非情な決断が出来る強い指導者』と思っていたから支持したんですよね。
でもそれだと『なんでヒストリアの巨人継承拒んだの?』って謎が出てくる。
だって、本物の『非情な決断が出来る強い指導者』って『己に対しても非情な人』じゃないの?
つまり『大事な仲間』や『有能な部下』にも『死んでくれ』って言える人。
『どうでもいい人』に『死んでくれ』と言うのは『他人に厳しく自分に甘々』な人。(イェーガー派や島民にとって『外の世界の人』は『どうでもいい人』だった)
でも、『非情なだけ』じゃあ誰も付いてきてはくれないわけでして。『人の心を動かす熱さ』と『自らも犠牲になる勇気(己への非情さ)』を備えてこそ『強い指導者』と呼ばれる。それらを全部持っていたのがエルヴィンやピクシス司令。
そういう意味では、ハンジさんとリヴァイは『上司』としては理想的なんだけど、『指導者』としての『非情さ』は足りなかった。
『非情な決断』が出来る人と出来ない人
兵団は『ヒストリアに巨人継承してもらう』という『非情な決断』はとっくに出来てたんだけど、調査兵団だけがそれに抵抗していた。
その後の『エレンを他のヤツに食わすわ』っていう兵団の『非情な決断』にも抵抗して、かばっちゃった。(リヴァイは『ヒストリアに継承してもらう』という『非情さ』は見せたけど、エレンには『非情』になれなかったよね……)
たとえるなら、子供が悪さをした時『本人の不始末は本人にケジメをつけてもらう』という『父親的な厳しさ』で突き放す強さを持っていたのがエルヴィンやピクシス司令で、『悪いのは私でこの子は悪くない!』という『母親的な甘さ』で守ろうとしちゃったのがハンジさんとリヴァイと言ったところかな……
その『エレンへの甘さ』がこの事態を引き起こしたと考えていたから、ハンジさんはケジメをつけに行き、リヴァイも辛い決断を下さざるを得なくなっちゃった。
この2人は、決して『非情な決断が出来ない人』というわけじゃないんですよ。
『他者への思いやり』が強いもんだから『あんた犠牲になってくれ』という『非情な決断』がなかなか下せず、『自分自身に非情な決断を下す』という『悔いなき選択』をしたんですよ……
じゃあ、エレンはどうなの? ってことですが、たしかに『世界を滅ぼす』をマジでやっちゃうのは『冷酷非道』。
でも、エレンが本物の『非情な決断が出来る強い指導者タイプ』であるなら、どうして『ヒストリアに巨人継承をしてもらう』という『非情な決断』は出来なかったん?
レベリオ襲撃にヒストリアの計画妊娠、イェーガー派登場による島でのごたごた、髭汁ワインや壁崩壊でめっちゃ人死んだけど、それってそもそも『ジークで地鳴らしをしたから起こった出来事』なわけでして。
おかげさまでリヴァイ兵長があんな目やそんな目に……エレンてめーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
『地鳴らし』に必要なのはジークじゃなくて『王家の血を引く巨人』。つまり巨人継承さえしてくれればヒストリアでも『フルパワー地鳴らし』は可能なわけでして。
決定権はエレンにあるわけだし、なんなら『未来の記憶』のことを話せば、ヒストリアならエレンと一緒に『人類の敵』になってくれたと思うよ……
だって『計画のために子供作る』より、こっちのほうがずっと『ヒストリアらしい』と思うの……『ヒストリアはこんなクソな目的のために子供を利用するなんてしない!』って信じてたよ……信じてたのに……(;ω;)<エレンのアホー!
ヒストリアでフルパワー地鳴らしやってたら……
実際、同じ『フルパワー地鳴らし』を起こすにしても、ヒストリアですれば、マーレでの失踪もレベリオ襲撃も全部不要だったんスよ……
当然『イェーガー派』なんてのも必要ないから、フロックは悪魔にならんで済んだんですよ……
イェーガー派がいないから、兵団乗っ取り事件も起こらなかったし、ジークとイェレナの企みも、兵団にチクれば終了なわけでして。(髭汁ワインばらまいたって、ジークの『叫び』がなけりゃあ脅しにもならん)
少なくとも、始祖パワーを手に入れるまでに起こったサシャの死やザックレー総統の暗殺、兵長の大ケガ、兵団員の巨人化は回避出来たし、エレンも『みんなと一緒』にいられたりと、もっと簡単に事が進んだでしょうに。
その状態で『フルパワー地鳴らし』発動したとして。兵団上層部が無傷なら、港での殺し合いみたいなことは発生しなかったし、ハンジさん達だけでなく『兵団総出』で『エレンを止めに行く』可能性すらあったやん……
そうなれば、『自分が人類の敵になって世界を一つにする』っていうエレンのシナリオは、もっとスマートになってたと思うよ……おかげで島だけが『エレンを救世主』扱いしてるし『戦え戦え』なんて時代に取り残されたこと言ってるし……
なんか『中途半端』なんだよね。
本物の『人類の敵』になりたかったんなら、ヒストリアを『エレンに利用されたかわいそうな女王様』に仕立て上げて、『世界』だけじゃなく『仲間』からも『パラディ島』からも『人類史上最も悪いことしたヤツ』にされるくらいの覚悟見せろや!
そしたら、もしかするともしかしてマーレの英雄・ライナーさんが悪者(エレン)に捕らわれたヒストリア女王様を救い出し、ロマンスの神様降臨するミラクル起こしてくれたかもしれんのにあんたって子は! ライナーさんに謝っときや!(『進撃の巨人』でロマンスの神様降臨は死亡フラグ)
進撃の巨人継承者が目指したもの
過去、巨大樹の森でジャンはエルヴィンの作戦で『人が死にすぎ』と責めること言ってたけど、
↑これで言うところの『壁の中の人類(世界)』ではなく『仲間の命(パラディ島)』を選んだのがエレンってことになるのかな……
アニメ1期の最終回で、アルミンに『エレンはそれ(非情な決断)が出来ると思う』なんて言われてたのにね。
つまりエレンは『非情な嘘つきサイコ野郎』どころか『甘っちょろいヘタレ野郎』だった。だからヒストリアを『地獄への道連れ』にする根性がなかった。
フロックとジークお兄ちゃんは道連れOKだった。(悪魔じゃねぇか)
もしかすると、旧リヴァイ班のトラウマから仲間達を突き放したのかもしれないけど、それって104期ユミルがクリスタに指摘した、『良い人だと思われたい』だと思うよ……
おかげで『不要な争い』がバンバン発生して、守りたかったはずの仲間や恩人を巻き添えにして殺しとる。そして、島民からは『良い人』だと思われてる。それ、なんてクリスタ?
エレンが『非情な嘘つきサイコ野郎』じゃないってことは、『お前らが大事』も嘘ではなかった。ただ、自分で 『非情な決断』 を下せない『ヘタレ野郎』だったもんだから、代わりに『仲間達に非情な決断』を下してもらっただけなんです……!(クソ野郎じゃねぇか)
雰囲気のせいで騙されるけど、このセリフ↓も言い方変えたら『進撃継承者が溜めに溜めまくった多額のツケをミカサちゃんに支払ってもらうその日のために進撃してました★』と言っとるんやで……このすけこましヒモ野郎め!
ユミル「ツケ払ってくれる人ずっと待ってました」
そしてカルラの件も、『巨人を向かわせた』のであって、『カルラを食う』は『巨人任せ』ですよね……? クソ野郎も度が過ぎるとむしろ好きになってくよ……
エレンは『自由』を求め、その『代償』は『同胞』に支払わせ、さらに進み続けて膨れあがった『ツケ』はミカサに支払わせた。これはこれである意味非情。
進撃継承者に必要なのってジゴロの才能なの?(嫌味)
※ジゴロ:女から金を得て生きている男。ヒモ、すけこまし。
ミカサちゃんはこの男と結ばれなくて本当に良かったと思います。うん。
エレンがミカサに与えたもの
それにしても、結局エレンってミカサや仲間から『もらう』ばっか。
『与える』ことが出来たのって『ミカサにマフラー巻いてあげた時だけ』ジャン……あれって、『他人の自由を奪う』エレンが、初めて『他人に与える』ことが出来た瞬間だったんじゃないの?
じゃあ、最終回最後のセリフが『マフラーを巻いてくれてありがとう』だったのは、エレンが初めて他者に『与える』ことが出来たキーアイテムだったからか……?
でもさー。50話で初めて始祖パワー発動した時、そのまま『他者に与えられる大人』に成長していけばよかったのに、『与える』どころかジゴロの才能開花させてどーする……! (『もらう』のは子供。『与える』のは大人)
『たまにはミカサを守れ』と言ってたカルラママも、こりゃあきれてますわ……
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
次回は、エレンとエルヴィンの共通点と違いについてです。
↓次の考察はコチラ
↓前回の考察はコチラ
進撃の巨人×動物農場 エレンはどの動物?進撃の動物診断 自由の翼編【動画版 最終回 34巻ネタバレあり】+キノの旅も少々