進撃の巨人 ああ勘違い!?神か悪魔かエレンの正体考察 フロックの勘違い編【最終回ネタバレ】
進撃の巨人、エレンの正体考察。
3回に分けてお送りしましたが、今回でラスト。エレンのヘタレポイントとラムジーくんへの謝罪の意味、読者もフロックも勘違いしてたエレンの正体についてです。
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思ったことを好き勝手に書いてるので、そりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
139話最終回時点の内容です。ネタバレ配慮してないんでご注意を。
エレンのヘタレポイント
エレンは一見『揺るぎない覚悟』を決めてやってるように見せかけて、結局『頭めちゃくちゃになった』『仕方なかった』と、まるで『巨人の力』や『自分とは別のなにかのせい』にするような泣き言を吐きました。このヘタレ野郎め。
たしかに『光るムカデくん』の影響か? と思えないこともないけど、ジークの話からして、やっぱムカデくんは単に『生きるのに一生懸命』なだけで、どうにもムカデくん自身に何か意思があるようには思えないんですよね……
『銃が人を殺すのではなく人が人を殺す』の言葉で言うところの『銃』のポジション? 実際、『巨人の正体』がそれだったし。
第一、『母親を巨人に食わせるよう仕向けといて『仕方なかった』ちゃうやろ!』とも思うよ……
『カルラの死の真相』でわかったのって、『エレンの物語』は他でもない『エレンが始めた物語』だったってことなんですよね。
つまり『壁が破壊された』からでもなければ、ましてや『ライナーのせい』で始まったわけでもなかったんですよ。あんたライナーの兄貴にちゃんと詫び入れたんやろな?
130話じゃあ『仲間のため』みたいなことを言ってたけど、意地悪言わせてもらうと、自分の行動を『仲間のせい』にして『正当化している』だけだよねこれ……?
だってエレン、アルミンの『僕達のためにやったの?』のという問いに『はい』とも『いいえ』とも言わなかったんですよ……
もしここで『はいそうです』なんて言っちゃえば、『アルミン達のせいでラムジーくん達は踏みつぶされた』ということになり、さらには『エレンを守って死んでいった人達』は『エレンに世界を踏みつぶしてもらうために死んだ』ことになる。
かといって『違います』とも言わないヘタレぶり。あんた『すべて自分のため』と言い切ったユミル姐さんの爪の垢煎じて飲みなさい。
ラムジーくんへの『ごめんなさい』
『僕達のためにやったの?』のという問いに『はい』とも『いいえ』とも答えなかったエレンですが、特にエレンのヘタレぶりが垣間見えるエピソードが、ラムジーくんへの『ごめんなさい』。
この『ごめん』、『ラムジーくんへの申し訳なさ』で言ったんじゃなくて、『自分が少しでも楽になりたいがため』に本音吐いただけなんじゃないの? だってこれ、言葉が通じていれば言わなかったよね……?
『ごめんなさい』って、『自分が悪いことをした』と認め、なおかつ『相手に許して欲しい』時に使う言葉でしょ?(最終回で『許されるわけないだろ』とか言っといてあんたって子は……)
ラムジーくんにしてみりゃ『『ごめんなさい』言うくらいなら地鳴らしすんなや!』って話なわけでして。
だったらむしろ『退かぬ!媚びぬ!省みぬ!』くらい言えや! このヘタレ野郎め!(どこの帝王)
しかし『それが出来ない情けなさ』を持っているのがエレンなんだよなぁ……
ラムジーくんを助けたのも、『かわいそう』とか『善良な心が捨てきれなかった』とかじゃなく、自分が『悪い人』になるのが嫌だったんじゃないの?
これから『人類史上もっとも悪いこと』をしようとしといて『いいこと』するって、それ完全に『同期殺そう』としといて『いいこと』しようとしてたクリスタ……
てっきり『覚悟の上』でやってると思いきや、こんな『悪役』にもなりきれない『ヘタレ野郎』だったとは、かつてライナーも嘆いた『中途半端なクソ野郎』。本当にかっこ悪いよ……!
そんなエレンの『憧れのアニキ』だったライナーは、どんなにみっともない姿をさらそうと、自分のしてきたことを決して人のせいにしなかったんですよ……
エレンの『憧れのヒーロー』だったリヴァイ兵長も、仲間のために、最初から最後までかっこよさを更新し続けたんですよ……
結局、エレンにとって『憧れの人』って『憧れの人』のままで、自分がそうなることは出来なかった。
こんなん情けのーて、おかーちゃん涙ちょちょぎれるわ!(いつ母ちゃんになった)
正直、こんなことをするくらいなら、『敵の存在』とか『巨人の存在』を否定することをやめて、ユミルちゃんにあと50年くらい残業してもらったほうが『みんなと一緒』にいられたジャン……
ユミル「なんという非情な決断……(;ω;)」
『自由になる生き方』って、ハンジさんみたいに『否定しないこと』だと思うんだよなぁ。
『なんでもかんでも肯定する』って意味じゃなくて、酢豚にパイナップル入ってようがポテサラにみかん入ってようが「あ、ここのはそうなんですねー(ウチはしないけど)」でいいですやん。口に合わないなら『食わない』という選択肢もあるんだから。
『ありえない! キモッ!』ってわざわざ否定するから争いが起こるわけでして。(『肯定しない=否定する』ってことじゃないと思うんだけどなぁ……)
エレンはヘタレつつも『駆逐してやる!(存在の否定)』という幼き頃の誓いをとうとう曲げなかった。おかげで全方面に余計な争い起こして、多大な犠牲を出した。
かつてエレンは、『聞き分けのねぇガキ』『大事なものが捨てられなかった』とフロックに責められてたけど、その頃とまったく変わってない。
フロックの『正しさ』と『勘違い』
皮肉なことに、エレンのことを『聞き分けのねぇガキ』『大事なものが捨てられなかった』と真っ正面から責めたのが、4年前のフロック。この頃のフロックが、一番エレンの正体を見抜いてたと思う。(距離があったからかえって客観的に見れたのかも)
しかし数年後に、エレンが『世界を滅ぼす』と言い出した時、『悪魔に生まれ変わった!』と思ってしまったのは、フロックもまた『聞き分けのねぇガキ』だったってことかな?
彼もまた、『自分が一番正しい』と思ってるクチなんですよね……だからエレンが『世界を滅ぼす』と言い出した時、『俺が正しいとわかってくれた!』と思ったから協力したのかなぁ……
ところが、フロックが『変わった』と思ってたエレンは、実は『まったく変わってなかった』という……そこがフロックの勘違い。
人類を救うのはエルヴィンだった?
4年前のフロックが言ってた『人類を救うのはエルヴィン団長だ』ってのは『間違ってはなかった』と思うんですよね。
結果論だけど、エレンがやらかしたことを考えると、あの注射は本当にエルヴィンに使うべきだったんじゃないかと思う。でも他者への思いやりが強いリヴァイには『エルヴィンを地獄へ呼び戻す』という『エルヴィンへの非情な決断』が出来なかった。
『エルヴィンに使うべき』と言ったハンジさんのほうが、リヴァイよりも『非情な決断』が出来る人でしたね。そういう意味ではリヴァイよりも団長向き。
もしリヴァイがアルミンではなくエルヴィンを復活させていれば、エルヴィンは『ヒストリアに巨人継承してもらう』という『非情な決断』をさっさと下して、三兵団の方針はひとつにまとまったかもしれない。
そしてヒストリアには『獣の巨人』ではなく『自分の超大型巨人を継承してもらう』というこれまた『非情な決断』をしたかもしれない。何を企んでるかわからないジークを連れてくるのは、やっぱリスク高いし。(実際髭ワインばらまいとる)
エレンがなんか企んでても『他の兵士に食わせる』という『非情な決断』をしてでも回避したかもしれない。
全部『かもしれない』ではあるけど、これはエルヴィンが『人間性を捨てた本物の悪魔』になるルートですやん……(;ω;)
リヴァイが阻止するかもしれないけど、注射をエルヴィンに使うと決めたのがリヴァイである以上『決断は私、実行はお前。これまで通り何も変わらない。他でもないお前がそれを望んで、アルミンを見捨てて私を地獄へ呼び戻したんだろ?』とか言われそうだな……
リヴァイ的には、エルヴィンが復活すれば、自分が『非情な決断』せんで済むけど、エルヴィンに『非情な決断させ続ける』ことになるから、これってある意味『他人(エルヴィン)に非情で自分に甘々』な決断……
エルヴィン復活ルートは人類にとっては『正しい選択』だったかもしれないけど、リヴァイにとってはやはり『後悔する選択』になりそう。
エルヴィン生存ルート・問題点
しかしこのルート、巨人は駆逐されないことになるよね?
巨人の継承問題は続くし、ユミルちゃんは残業確定。このルートで一番困るのってユミルちゃんじゃあ……?(非情な決断)
そういう意味じゃあ、フロックの『巨人を滅ぼすことが出来るのは悪魔』のほうは『外れてる』んですよね。
エルヴィンじゃ『巨人は滅びなかった』わけだし、エレンも『悪魔じゃなかった』んですよ。
だってエレンは『人間性を捨てた悪魔』どころか『なにも捨てられなかったヘタレ野郎』だったわけだし。(アルミンがエレンに言った『君の最悪の過ち』とは『大事なもの(仲間や自由)を捨てられなかった』ことなのかもな……)
そんなエレンさんが調査兵団に入る時言ったのが『とにかく巨人をぶっ●したい』。
つまりエレン的には『巨人を一匹残らず駆逐すること』が『人類を救うこと』『自由になること』だと思ってた。思考回路はグロス曹長だけど。
でもふたを開けてみると、『巨人から解放され自由になること』と『人類を救うこと』は別問題だった。
それを両方解決できるのが壁の王やジークの案だったのも事実だけど、そっちは納得できないので却下。
かと言って『人類は救われるけど巨人問題は解決しないエルヴィン生存ルート』は、『自由』を『巨人から取り戻す』ことが目的のエレンからすると、これもハズレルート。(いくら『自由を取り戻すためなら力が湧いてくる』からって『人類駆逐する勇気』出すなや)
だからエレンが悪役買って『アルミンに巨人の駆逐と人類救済』をいっぺんにやってもらうこの『アルミン生存ルート』こそがエレン的にはパーフェクトルート。
ただ、エレンのやり方が甘っちょろすぎて余計な犠牲出まくり、アルミンの肩身が狭くなっただけなんです……!
アルミンにこんなこと言わせやがってエレンてめー!(アルミンに『甘っちょろい』なんてよく言えたな……)
そして『巨人を絶滅させる』と言ってたリヴァイ的にも、アルミンに注射を使ったことで、ある意味『有言実行』になった。そういう意味じゃあ一番のエレンの味方。そんな兵長にエレンてめー!(2回目)
少なくとも兵長は、ハンジさんと人類の8割踏みつぶしてまで巨人滅ぼしたいとは思ってなかったと思うよ……! エレンてめー!(3回目)
ネームでも『巨人は絶滅した』のセリフにはバツついてんのよね……
ああ勘違い!?神か悪魔かエレンの正体
『子供』って、『あいつが殴ったからオレもあいつを殴った』と人のせいにしたり、『オレを邪魔するヤツ(巨人)がみんないなくなっちゃえばオレは自由』と、短絡的で視野が狭いことを考えるんですよね。
嫌いな相手でも妥協点を見つけ、折り合いをつけるのが『大人』なんやで……!
でもエレンって、それが出来なかったんですよ……『あれヤダ!』『これヤダ!』って『大事なもの』が捨てられず、全方面に駄々こねまくった末の『フルパワー地鳴らし』。
なんかそれって、『非情な大人の決断』に反旗を翻した子供みたい。
もしかすると、ユミルちゃんもそうだったんだろうか? 『豚さんを●す(食う)』という『大人の非情な決断』に反旗を翻して逃がしちゃったの?
でもしょせんは『浅はかな子供』。『それをしたらどうなるか』までは考えてなかったんだろーなぁ……
本人は豚に『いいこと』をした『つもり』が、大人からすれば大事な財産であり食糧を奪った『ただの悪党』。豚的にも、毎日ごはんがもらえる安全な場所から、突然生きるか死ぬかの危険な場所に追い出した『悪い子』でしかなかった。
死んだ後も、娘たちを救う『つもり』でわが身を犠牲に巨人を作ったのかもしれないけど、二千年の地獄の始まりにしかならなかった。しかし、そうとは知らないエルディア人は、王の奴隷でしかなかった始祖ユミルを『神様』として崇めた。
エレンも、『島を救う!』『自由を取り戻す!』って、一見かっこいいこと言ってんだけど、実は豚さんを逃がしたユミルちゃんと同じで、『非情な大人の決断に反旗を翻しただけ』なんじゃないの?
『非情な大人の決断(壁の外に出ちゃダメ・ヒストリアに巨人継承してもらう)』に反旗を翻したエレンが、『非情な大人の決断』を下せるわけがなく。当然『非情な決断が下せる大人』に助けを求められるわけもないから、大人を突き放して子供だけでやろうとした。
あれ? じゃあアルミン達は『大人認定』されてて、ヒストリアやフロックは『子供認定』されてた……?(そしてジークとイェレナは『子供』にナメられてた……)
エレンは仲間を救うために、我が身を犠牲に『いいこと』をしようとした『つもり』が、結局クリスタ的な『いいこと(と、自分が勝手にそう思っただけ)』だったので、肝心の仲間が巻き込まれ、犠牲になりまくった。
一方、そうとは知らない島民は、エレンのことを『島のためにわが身を犠牲にした死ぬほどいい人』と勘違いした。
104期ユミルがいなければ、ダズと一緒に死んで『死ぬほどいい人』として語り継がれたであろう女神クリスタと同じ。
4年前、調査兵団に入ったのを『間違い』と言ってたフロックは、今回もエレンを『俺たちの悪魔だ!』と間違えちゃったってことになるけど、本人がそのことに気づかないまま逝けたのは、ある意味幸せだったのかも……(『島(だけ)のためにわが身を犠牲にした死ぬほどいい人』はある意味フロックのほうでは……)
結局エレンって……
たしかにエレンは『自分の命』という『大事なもの』を捨ててるように見えるけど、エレンにとって『自分の命』は『大事なもの』じゃなかったんですよ。クリスタと同じで自分の命を粗末にしただけ。母ちゃん泣くぞあんた。
せめてもの救いは、アルミンと話をして『やっぱ死にたくない!(命、大事!)』と自覚してくれたことかなぁ……
『自分の命』が重いからこそ『捧げる心臓』に意味がある。ジークお兄ちゃんと同じやね。
手遅れになってから気づくのも同じ。ホント兄弟そろって、アルミンいなきゃダメダメな子達だった……
ここまで来ると、エレンがかっこよく言ってた『オレは生まれた時からオレのまま』って『生まれた時から中身は成長してません』っていうシュールギャグだったんじゃ……あんた19にもなって……
『道』で子供返りしてたの、精神年齢に体を合わせたの?(嫌味)
でも『非情な大人の決断に反旗を翻した子供』じゃなければ、ユミルちゃんは救えなかったのも事実でして。
結局エレンとは、『神様』でもなければ『悪魔』でもなく、ましてや『選ばれし特別な存在』でも『運命に翻弄されたかわいそうな子』でもなく。
大人達を困らせまくる『聞き分けのねぇただの困ったクソガキ様』だったのではないか。個人的にはそう思うのです。
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それでは、3回に分けてお送りしたエレン考察はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
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