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アニメ進撃の巨人 The Final Season 81話『氷解』感想と考察 あきらめないガビ『私の悪魔』と真の贖罪【ファイナルシーズン】

進撃の巨人アイキャッチ

アニメ進撃の巨人The Final Season81話『氷解』の感想と考察。
今回は急に自分勝手になっちゃったジャンやコニー、ガビが語った『私の悪魔』の意味、同じ『助けてもらった子』でありながらまったく異なる道を進んだカヤとルイーゼの違いや、訓練兵達がイェーガー派を支持したことの意味などを考察しとります。

個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
原作漫画の大きなネタバレは注意書きしてますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします。
なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。

くじけるライナー、あきらめないガビ

とうとう壁が消えました。
めっちゃど派手に壁が崩れ、家も踏まれ壊れてえらいことになってるけど……エレン、お前『島を守る』ゆーといて嘘つけ肝心の人命守る気ないだろコレ。無垢巨人達も放置プレイだし……

進撃の巨人The Final Season 80話 二千年前の君から

進撃の巨人The Final Season 80話 二千年前の君から

お前、ホント口ばっかだな……!

さて、ライナーが心身共にすっかり弱気に。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

そりゃあライナーにしてみれば、島への攻撃を急かしたのは自分。そのせいで、本来なら『まだ先』と思ってたフルパワー地鳴らしを発動させちゃったようなもんなんだから、立つ瀬がないよなぁ。

ライナーが『もう無理ぽ』と言ったそばから『あきらめるもんか』と立ち上がるガビちゃん。ヒーローが弱ってる時にこそ希望を捨てないあんた、ヒーローのヒーローだよ……!

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

ファルコを取り戻す前に、ライナーにおふとんかぶせ、ちゃんとお供えもしてから家を出てくガビのやさしさ。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

ところでこのパン、カビ生えてませんか……?
次のコラボカフェメニューはガビのカビパンか……

ライナー「ガビ、食品衛生法的にそれはアウトだ……」

ライバルは、なってはいけない自分

フルパワー地鳴らし発動で、エレンより今のガビのほうがよっぽど主人公やってますよね……
諫山先生はインタビューで『主人公のライバルはなってはいけない自分の姿』と語ってたけど、ガビやライナー的に、まさに今のエレンは『なってはいけない自分の姿』。そして世界にとっても、エレンって『なってはいけない世界の姿』だった。

今のエレンがやってることって、ちょっと前までのガビや世界がやろうとしてたことだもんなぁ……

進撃の巨人91話[ 諫山創 ]

進撃の巨人91話[ 諫山創 ]

逆を言えば、エレン的には今のライナーやガビこそが『なってはいけない自分の姿』だったのか……

これ、少年漫画的にふつーは逆だよね。『逆』だったからこそ、読者にここまで強烈なインパクトを与え、考えさせることに成功したというか。
しかも無理にそうしたのではなく『エレンは最初からこーいうヤツです』という伏線を最初からきっちり張ってたのがすごいよな……

進撃の巨人121話[ 諫山創 ]

進撃の巨人121話[ 諫山創 ]

ホント、諌山先生はエレン達と共に『少年漫画』という強大なコンテンツに挑んだ勇敢な漫画家だと思う。

困惑のジャン達、『トモダチ教』の行き着く先

ガビが立ち上がったその頃、ファルコを拉致ったジャン、必死に自分達を正当化しようと無理してるね……

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

『エレンは俺達のためにこんなことを!』と、まるでエレンをかばうようなこと言ってるけど、でもそれでかばってるのってホントに『エレン』か?
自分の『非情』を『肯定化』するためにエレンを使ってないか?
それで守っているのはホントに『エレン』か? 『島』か? 『自分の心』か?

ジャン達は、もっと『エレンに怒っていい』と思うんだよね……レベリオ襲撃の時は怒ってたはずなのに、今回はあまりに『強大な力』を目の当たりにして、思考停止してない? 一見、色々考えてるように見えるけど、本当に考えるべきことから全力で目をそらして『自分は悪くありません』という『言い訳』に知能を全振りしてるように見える。

だってエレンが今やってることって、かつてクリスタが『自殺の口実に仲間を使った』時と同じ。違うのはスケールと自殺か他殺かってだけで。それを見抜いて咎めたのが104期ユミル。

進撃の巨人40話[ 諫山創 ]

進撃の巨人40話[ 諫山創 ]

エレン、口では『島を守るため』なんて言ってるけど、それってつまり『自分の独善(大量虐殺)の口実に島を使ってるだけ』ですよね……?

ジャン達も同じ。
ジャンは『エレンは俺達のためにこんなことを!』と、まるでエレンをかばっているようでいて、『我が身の保身』の口実に世界とエレンを使ってる。
コニーは、まるで『母ちゃんを救うため』のようでいて、ホントに救いたいのは『これ以上家族を失いたくない』という自分。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

なんで急にそうなっちゃったかというと、ついさっきまで『エレンの手助け』しちゃってたからじゃないの?

『逃避』を選んだ弱虫ジャン

『エレンの目的』知らんかったとはいえ、結果的に『世界を滅ぼす片棒を担いじゃった』以上、自分達も共犯者。つまりこの事態を招いたのは自分達。そして『恩恵』を受けるのも自分達。

進撃の巨人The Final Season 78話 兄と弟

進撃の巨人The Final Season 78話 兄と弟

そしてそれを『否定』すると、さっきまで『俺達を苦しめる敵』として戦ってたライナー達のほうが正しかったと『肯定』することになる。

なもんだから、エレンのことを怒ろうにも怒りにくい。かといって、全面的にエレンを肯定出来てしまうほど、彼らは『無知』でもなければ『非情』でもない。
その『重すぎる罪』に恐怖して、『これはエレンの思いやりなんだ!』と言い訳して逃げてるのがジャンじゃない?

アルミンが開祖となった『トモダチ教』は『自分の考える都合のいいトモダチ(エレン)を信じましょう(要約)』だったけど、ジャンによって『自分の正当化にトモダチ(エレン)を使いましょう』という別の流派が出てきた感じ?(『自分の正当化にトモダチ使う』って意味じゃあ、ある意味エレンも『トモダチ教』)

『我慢』出来なかった身勝手コニー

でもって『エレンの身勝手』につられて、自分まで『身勝手』を始めてしまったのがコニーかな。例えるなら『先生が戻ってくるまで静かにしててね』と言われてるのに、我慢出来なかったエレンが騒ぎ始めて『じゃあ俺も』と一緒に騒ぎ出すみたいな。
しかも今『秩序を守る大人達』は、エレンによってみんな排除されてしまった。

かろうじて学級委員のアルミンが何とかクラスの秩序を守ろうとしてるけど、そんなのただの『係』。コニー的には『偉くないのに偉そうにしてるヤツ』でしかなかった……!

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

ある意味『子供が悪さするチャンス』だよね今って。

『アルミンはベルトルトを食ったから蘇った』と言ったり、母ちゃんを『生き返らせる』と言ってるあたり、コニー的に『巨人になる』って『人として1回死んだ』ってことなんだなぁ……
そして『人として1回死んだ者』を『生き返らせる』には、現状『巨人を食わせる』しか方法がない。(生き返っても『巨人』なんだけどね……)
今、このチャンスを逃したら、『次はない』と思っちゃうよね……だって兵団だろうがイェーガー派だろうが、ふつーの主婦に『九つの巨人』与えるなんてするわけないもんな……

しかしコニーよ。母ちゃんがどんな人か知らんけど、少なくとも3人の子を生み育てた『母ちゃん』が、『子供食って助かる』って、全然嬉しくないと思うよ……!(食うのが大人でも嫌だけど)
しかもみんなが巨人と戦ってるのに、むしろその状況を利用して子供連れ去るって、母ちゃん泣いちゃうよ!

でも、みんなわかってるはずなんだけどね。『これが正しいわけない』って。
ジャンは、あまりに強大すぎる力に立ち向かう『勇気』がない。
コニーは、ずっと我慢して耐えてきた自分を、これ以上抑え込む『強さ』がない。
だから誰かを悪者にして自分を正当化したり、これまでの我慢を爆発させたりと、『逃げる』ことで楽になろうとしてるんかね……しかしそれって『解決』にならないから、結局『苦しみ』がいつまでも続いてちっとも『楽』にならず、結果、『自分への嘘』を積み重ねていくことになるという……

トモダチ教信者達が最終的に行き着くのは『(自分への)嘘つきになる』ことかな。

なんにもしなかったエレン

巨人にされた皆さま、パラディ兵を襲い始めた。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

先にマーレ兵を襲ってたのは、巨人にされたのが『直前までマーレと戦っていた人達』だったからなんだろうか。それとも、ジークが指示を出していて、そのジークがいなくなったことで『命令が解除→見境なく襲うようになっちゃった』ってことなんだろうか。
でもそれならそれで、今度はエレンが巨人におとなしくするよう指示出せばいい話ジャン……始祖パワーで巨人は操れると言われてる割に、エレンが巨人を操ってくれないのは、まだ力を使いこなせてないのか、ジークの脊髄液で巨人化した人達だからなのか……はてさて。

ダイナ巨人がそうだったように、ファルコ巨人の件も、もはや未来エレンの仕業にしか思えないよなぁ……でもダイナやファルコは操ったのに、司令達は放置ってどういうことだってばよエレーーーーン!
ジークの脊髄液で巨人化したファルコを、もしホントにエレンが操ってたとしたら、司令達だって操れたはずですがそれは。
数が多いから? でもお前今、幾万の壁巨人くん操っとるやんけ……しかも時間軸も関係ないはずですが。

世界中の人々を踏みつぶせるようなヤツだから、島民の何割かがその数字に追加されたって誤差にもならないってこと?
『自分の自由を奪われるくらいならそいつから自由を奪う』と言った通り、『こちら』にかまったり『気を遣う』ことで『自分の自由』がちょっとでも奪われるくらいなら『シカトする』ってことですか?
100パーセント『自分のため』にしか力使いたくないってことですか?

『兵士ごっこやってた頃のあなた』と比較すると、今のあなたは全然筋通ってないくせに、『オレの自由のためなら他人の自由を奪える子供時代のあなた』と比較すると、一周回ってむしろ筋通ってる……!

エレン、口では色々言ってるけど、やっぱお前、当の人命に興味ねぇだろ。

進撃の巨人110話[ 諫山創 ]

進撃の巨人110話[ 諫山創 ]

まー、ジークお兄ちゃんそっくり。(嫌味)

イェーガー派の『責任者』

いや、そもそも、お髭ワインばらまき黙認してた時点でこいつもうダメだろ。
ワインばらまきをやったのはイェレナやフロック達で、巨人に変えたのはジークかもしれんけど、エレンだよ。『どこまで知ってたか』なんて関係ない。

エレンからすれば、周囲が『勝手に』イェーガー派なんて名乗り、『勝手に』兵団を支配し、『勝手に』てっぺんに祭り上げられただけかもしれんけど。でもそれを別に拒んでないよね?
ザックレー総統へのテロに関しても、関与はしてなくても『何も言ってない』よね? 褒めてたりお礼言ったりはしてないだろうけど、咎めてもいない。
なによりエレン自身も彼らを『利用』した以上、その集団の責任者はエレンだよね?

会社の不祥事で、社長が『社員が勝手にやったんです! 私は何も知りませんでした!』なんて記者会見で言った日にゃあ、たとえそれが事実だったとしても大炎上不可避でしょうが……ハンジさんならそんなみっともない『言い訳』絶対しない。

進撃の巨人109話[ 諫山創 ]

進撃の巨人109話[ 諫山創 ]

お髭ワインばらまきをやったのはエレン。
ザックレー総統へのテロを行ったのはエレン。
兵長とこの部下30人やピクシス指令達を巨人に変えたのはエレン。
巨人にされた彼らに『人を食わせる』なんてことをさせ、さらにそんな彼らを仲間達に●させたのもエレン。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

ジャンは『エレンは俺達のためにこんなことを!』とずいぶんエレンを美化してるようだけど、ぶっちゃけ、こんなクソ野郎が『いいヤツ』なわけないだろ。私、だまされないから……!

なにかをせずにはいられなかったガビ

こっちはこっちで、見覚えのある巨人相手にカヤがピンチに。
もしこの巨人に出会ったのがファルコだったら、ショック受けてただろうなぁ……

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

サシャパパ、これニコロくんがおらんかったら、自分が身代わりに食われてでもカヤを助けようとしただろうな……ガチもんの聖人だよあんた……

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

そして子供のピンチにどこからともなく駆けつける。それがヒーロー……!

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

ライナーさんが心折れてる中でも立ち上がり、死にものぐるいで巨人に立ち向かった今回のガビ、本当にかっこよかったよ……!

ナイルさん、悲惨すぎる最期だったけど、『子供を食う』なんてことが回避出来たのはせめてもの救い。仮に人間に戻れたとしても、『子供食った後』だったりしたら、ナイルさん立ち直れないんじゃないかと思うわ……

進撃の巨人The Final Season 77話 騙し討ち

進撃の巨人The Final Season 77話 騙し討ち

『無償の愛』で子供(ファルコ)を助けたナイルさんが、『化け物になる』覚悟は出来ても『子供を食う』覚悟なんて出来ないよね……

ガビの中の悪魔

さて、ガビに助けてもらったカヤとカヤを助けたガビ。
ガビ目線だろうとカヤ目線だろうと『助ける理由なんてない』どころか『敵国の人間』であり『ガビを殺そうとしたヤツ』だったというのに、ガビはそれらすべてを度外視して、超すごい鉄パイプ1本で巨人に戦いを挑みましたね。

対巨人砲「鉄パイプゆーな」

ガビの姿がサシャに見えたのは、カヤの中にはサシャがずっと生きていたってことなんだろうなぁ……

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

ところでガビって『レベリオのみんなを救うんだ!』と言って戦ってたはずなんですよね。そして周囲はそんなガビをほめたたえた。

進撃の巨人93話[ 諫山創 ]

進撃の巨人93話[ 諫山創 ]

ところが今回のガビは、戦ってきた理由を『褒めてもらうため(自分の欲望のため)』と言った。
つまりこっち↓のため。

進撃の巨人93話[ 諫山創 ]

進撃の巨人93話[ 諫山創 ]

ガビはカヤに助けてもらってからここに至るまでの出来事によって『自分の行為を正当化するためにレベリオのみんなや『悪魔の島』を利用してただけ』と『自覚』し、そんな自分でも好きだと言ってくれたファルコに『勇気』をもらったことで、『自分の悪魔』を受け入れることが出来たんだろうなぁ。
なぜかというと、カヤを助けたのは『褒めてもらうため』じゃなかったから。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

かつてのガビは命知らずなことをやってたけど、その目的は『点数稼ぎ』だったり『褒めてもらう』ことによって自分が『いい気分になるため』であって、そのためには『相手の事情』なんてどうでもよかったんですよ。
だから知ろうとしなかったし、その必要もなかった。知れば、褒めてもらってもいい気分にはなれなくなるから。

世界も同じ。口では『強大な敵と戦おう!』なんてご立派なこと言ってるけど、目的は『自分らの利益のため』であって、そのためには『相手の事情』なんて知ったこっちゃない。むしろ『危険な敵』でいてくれたほうが都合がよかったくらい。

進撃の巨人108話[ 諫山創 ]

進撃の巨人108話[ 諫山創 ]

ガビの言う『それが私の悪魔』っていうのは、要約すると『私は『レベリオのみんなを救う』を口実に人を●してきましたが、それはすべて私がいい気分になるためであって他の誰かのためではありません』ってことですね。
『こーいう人』のことを『悪魔』と呼ぶんなら、逆を言うと『オレは『島を救う』を口実に人を●すことにしましたが、それはすべてオレがいい気分になるためであって他の誰かのためではありません』をやるためにエレンは『悪魔』になったってことですかね……ねぇ、エレン?

進撃の巨人15話[ 諫山創 ]

進撃の巨人15話[ 諫山創 ]

これってかつてのクリスタと同類だよなぁ……104期ユミル姐さんの言葉が染みる。

ブラウス一家からしてみれば、たしかにガビは『無理解』ゆえにサシャという家族を奪った子ではあった。
しかし、サシャパパ達の『無償の愛』で、自分がしてきたことを『理解』した今のガビは、『無償の愛』でカヤという家族を救った。

本物の『贖罪』ってこういうことなのかもな……だって『相手がいなくなればもうごめんなさいする必要ないよね☆』ってことをやった&今やってるのが壁の王やエレンだから。

『壁の王理論』と『本物の贖罪』

壁の王、『悪いことしたほうが滅びることが贖罪!』って本気で思ってたんなら、『だったら今すぐ滅びろよ』って話なんですよ。自分は『楽園』享受して『贖罪』は子孫にやってもらおうとか、絶対『贖罪』する気なかっただろ。

『壁の王理論』で行くと、島に『悪いことした』世界も『滅びることが贖罪』ってことになってまうやん。(それをやってんのがエレン)
さらにいうなら世界に『悪いことした』島も、将来的に『贖罪のために滅びる』ことになって、今がその瀬戸際感がする……!(順番の呪い)

もしブラウス一家が『壁の王理論』を肯定するような人達だったら、今頃ガビは『ブラウス一家への贖罪』のためにカヤやサシャパパに●されていて、そしてガビを●したカヤ達には救世主が現れずに『ガビやその家族への贖罪』のために巨人に食われてたかもしれないってことだよね?
そういう意味じゃあ、カヤのお母さんも『誰かへの贖罪』のために亡くなったってことになるから、カヤは『エルディア帝国の罪』を熱弁していたガビを肯定し『お母さんには何の罪もありません』と言ったファルコを否定することになる。

進撃の巨人The Final Season 70話 偽り者

進撃の巨人The Final Season 70話 偽り者

ガビ的にも、カヤがいなくなれば『サシャのことで自分を責める人』がいなくなるんですよね……つまりもう『ごめんなさい』する必要がなくなる。でもそれって『許された』とは言わないよね?
たとえ相手がいなくなったって『罪』は残るんですよ……そしてそれを『許してくれる人』はもういないってことになる。それを良しとしたのが壁の王。(やっぱ解決する気ないジャン!)

でも今回のガビって、仮にピンチだったのがカヤじゃなくても命がけで助けたと思う。そんなガビの『無償の愛』にブラウス一家が応えた。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

ニコロも一度は悪魔になろうとしたのに、完全に浄化されてる……愛だね、サシャの無償の愛。これもうニコロにとっちゃリアル女神でしょ。(数年後には思い出の中で超絶美化されてそうだな……)

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

サシャの命を奪ったはずの子がサシャの家族を助け、サシャに救われた人達がその子を助けたっての、これもう全員サシャが助けたんじゃん。サシャ、あんたって子は……(;ω;)
『憎しみ』って、生きる目標や行動を起こす『動機』にはなっても、誰も彼も、そして自分自身も救うことが出来ないんだなぁ……

カヤとルイーゼ、2人の分かれ道

『巨人から救われた子』というと、もう1人、ルイーゼがいますね。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

ミカサの『圧倒的強さ』に惚れたのがルイーゼ。

一方、サシャがカヤを助けた時、サシャは当時兵服を着ておらず、立体起動すらない。
カヤからすれば、この時のサシャは兵士どころか『どっかの知らないお姉ちゃん』でしかない。しかも恐怖でめっちゃテンパってるわ、馬にまで逃げられちゃうわと、ふつーにかっこ悪い。

進撃の巨人36話[ 諫山創 ]

進撃の巨人36話[ 諫山創 ]

この時、サシャが戦ってたのって『巨人』じゃないんですよ……『恐怖で逃げ出したい自分の弱さ』と戦ってた。これはまさにシャーディス教官の教え子……!

シャーディス「巨人と対峙した際はただ腰を抜かしていろと教えた覚えはないぞ!」

たとえこれで巨人にやられたとしても、人としては間違いなく勝ってる。そんなサシャの『ありのままの人間くさい姿』に勇気づけられたのがカヤ。
だからカヤは『遠くのあこがれ』ではなく実の姉のように『お姉ちゃん』と慕ったんだろうなぁ。

ミカサに興味がなかったルイーゼ

ミカサに助けられたルイーゼも、ミカサを慕ってるっちゃあ慕ってる。
でもこの子『ミカサの人間的な魅力(内面)』ではなく『人間離れした強さ(物理)』に魅せられただけで、ミカサ自身に興味なさそうなんですよね……

せっかくミカサが目の前にいるんだから色々聞けばいいのに、その『解答』を自分ですでに用意してるんですよ……

進撃の巨人109話[ 諫山創 ]

進撃の巨人109話[ 諫山創 ]

それって『質問』じゃない。質問にかこつけて、『あなたってこういう人ですよね?』という『自分の解答』をしゃべりたいだけ。
自分の中でもう『答え』があるんだもん。『ミカサの解答』なんて聞く必要がない。なぜならこの子が見ていたいのは『自分の理想の中のミカサ』であって『等身大のミカサ』じゃないから。

ミカサからすれば、『本物の自分』が目の前にいるのに、その横に置かれた『自分そっくりの石像』に一生懸命語り掛ける信者。そらミカサもうんざりするかもな……

サシャの『弱くても強大な敵に立ち向かう強さ』に勇気をもらったカヤは、『弱い人を助けられる人になろう(弱くたっていいんだ!)』という道に進んだけど、ミカサの『圧倒的強さ』にあこがれたルイーゼは『強大な敵と戦える人になろう(この世は弱肉強食!)』という道に進んだ。

進撃の巨人109話[ 諫山創 ]

進撃の巨人109話[ 諫山創 ]

どっちが正しいとか間違ってるってわけじゃないけど、なんかルイーゼって『弱さ』を否定してない?
この子、喜怒哀楽が乏しい気がするけど、『強さ』にあこがれるあまり『自分の人間的な弱さ』を否定すべく感情を抑えてるんでは……と思うと、ちょっとそれは父ちゃん母ちゃん悲しむぞ!

そして『遠くの神様』に見とれるあまり、一番見なきゃいけない『近く』がおろそかになるという皮肉。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

『自分の中』にサシャという神様を見出したのがカヤ。
『遠いとこ』にミカサという神様がいると思ってたのがルイーゼ。

神様って、『どっかにいる』んじゃなくて『自分の中』に見出すものなんだなぁと、つくづく思う……

ピンチの訓練兵達、若さゆえの過ち

さて偉くないのに偉そうに『兵団の大人達』を『古い』と排除して、『これからは俺達の時代だ!』とイキった集団に味方した結果、巨人に食われそうになってる訓練兵達。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

やめたげてローグさん!

しかしその『巨人』を作った原因は、自分達が支持したイェーガー派でありエレン。
そして当のエレンは、味方した自分達を助けることなく、とっとこどっか行っちゃった。
スルマ君達からすりゃあ、エレンに裏切られたようなもんだよね……

なのに、これで巨人に食われたとしても『自業自得』にしかならないんですよ。だって『お前らが支持したのはこの巨人を作った派閥だよね?』『こういうのも織り込み済みで支持したんだよね?』って話だから。

『仲間になりたきゃ教官ボコれ(これまで師事してきた人を否定しろ)』と要求してくるとか、マフィアとか悪の組織の手口でしょーが。

進撃の巨人The Final Season 73話 暴悪

進撃の巨人The Final Season 73話 暴悪

それ『仲間』じゃなくて『共犯者』。『相手の要求を呑んだ』ってことは『相手の支配下に入る』ということであって『助け合う仲間になる』ってわけじゃないよね?
そもそも『自分らの要求通すためなら爆破テロしてOK!』という時点でヤバい集団だと思うのですが。
だって『暴力』で解決する人達は内部でもめ事が起こった時も当然『暴力』で解決するでしょ。そしてそれを『肯定』したの自分達ですよ……

へーロス像と同じだったイェーガー派

というか、イェーガー派の連中、ホントイキってただけでなんの役にも立っとらん……!
いやだって、巨人を倒すために指揮を執ったのはイェーガー派じゃなくて、ついさっきまでイェーガー派によって牢屋に閉じ込められてたジャンじゃん!
マーレ襲撃の時だって、結局、ピクシス司令が指揮を執ってようやくまともに応戦出来るようになってたよね……?

進撃の巨人The Final Season 77話 騙し討ち

進撃の巨人The Final Season 77話 騙し討ち

以前マガトさんは、タイバーさんが『マーレそのもの』と言ったへーロス像を『中は空洞』と皮肉ったけど、イェーガー派も似たようなもんだよ……

進撃の巨人97話[ 諫山創 ]

進撃の巨人97話[ 諫山創 ]

まあ、一応フロックが指揮を執るようなことしてたけど、指揮執れるのが1人じゃあなぁ……代わりに指揮執れる人いないのに留守しちゃった結果、その間にマーレに襲撃されて一方的にやられてましたよね……?
慌てて帰ってきても『遅れて来たヒーロー』になるどころかピークちゃんに返り討ちにされ、後は壁崩壊で死にかけてただけだし……
もしかすると『自分が不在でもエレンが指揮執ってくれる』と思ってたのかもしれんけど、そのエレンは最初から最後まで『指揮を執る』なんて一切せず(そもそも巨人化したらしゃべれん)、1人でずーっととっとこヒモ太郎やってただけだし……

とっとこヒモ太郎「ハ●太郎みたいな名前つけないで欲しいのだ」

スルマくん達が支持しちゃったのは、結局口ばっかで中身が伴わない『そんな連中』だった。結果、巨人に食われそうになるという……まあ、あの状況で逆らってたら、見せしめにパーン! されてたの自分らだからなぁ……そこはちょっとかわいそうではあるけど。
これは実に若さゆえの過ち。しかもその『1回の過ち』で人生終了する進撃ワールドの厳しさよ……

でもそんなイキった若造だろうと、ピンチの時にちゃんと駆けつけたシャーディス教官、教育者の鑑だよあんた……!

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

『お前達は戦わなくていい』ってのは、単純にまだ戦力にならないって意味なのか、それとも『お前達が戦うべきものはもっと先にいる』ということなのか……
シャーディス教官は、部下はもちろん、教え子も大勢見送ってきた人だからなぁ……兵士である以上、死と隣り合わせなのは重々承知とはいえ、せめて今教えてる子達は、1人も死なせたくなかっただろうね。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

やはり導く大人って大事。
ついて行くなら『偉くないのに偉そうにしてるヤツ』ではなく『正しい手順を踏んでホントに偉くなった人(orなろうとしてる人)』について行くべきなんじゃないかと思う。

ザックレー「そして芸術が理解出来ればなお良し」

ガビとアルミン、復活のアニ

戦闘が一段落して、フロック生還してるのと別のとこでは、ガビとアルミンが再会。
ガビのほうがよっぽどエレンよりまともに物考えてるわ……『島を守る』が目的なら、ガビの言うとおり軍事施設だけ壊すとか、そんなんでもいいはずなのに。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

やっぱエレン、『島を守る(目的)』が目的じゃなくて『世界を滅ぼす(手段)』が目的になってるでしょ。そうじゃなきゃ、なんで仲間達に『未来の記憶』のこと言わなかったのさ。

そして『4年前』ですべて察してしまうの、当事者だよなぁ……
ガビが謝るのが、以前のファルコみたいでなんとも言えない気分になる。少し前までは『過去の罪』を引き合いに出して『そういうことされて当然』みたいなこと言ったりしてたのに、成長したね。
一方で、ガビの悲痛な声に、ブラウス一家がものすごく申し訳なさそうというかいたたまれなさそうというか……こちらも、なんも悪いことしてないのに。
『外の世界』にピンと来てなかったカヤ達にとって、ガビって『外の世界にいるのは、ただそこに生まれて暮らしているだけの、自分達と同じような人達なんだ』っていうのを教えてくれた子だよね。

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

そしてついにアニ復活。
それにしてもこの液体、なんの液体なん……? 硬質化直前、泣いてたから涙なの?(量多すぎ)

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

進撃の巨人The Final Season 81話 氷解

エレンのおかげで硬質化が解けたってことは、自分で解けなかったってことなんかねやっぱ。エレンは硬質化した巨人体からパリーン! って出てたのに。(ある程度コントロール出来んのか?)

アニ的には、ある意味エレンのおかげで出ることが出来たけど、同時にエレンのせいで父ちゃんピンチという皮肉。
父ちゃんとの再会を果たすため水晶に閉じこもり、そして水晶から出たのも父ちゃんとの再会を果たすためみたいなもんだよなぁ……

* * *

それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ

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