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アニメ進撃の巨人 The Final Season 84話『終末の夜』感想と考察 損得で動かないジャンと正義の味方のマガトさん【ファイナルシーズン】

進撃の巨人アイキャッチ

アニメ進撃の巨人The Final Season84話『終末の夜』の感想と考察。
今回は『交渉』のリヴァイと『説得』のハンジ、マガトとジャンの正義はどっちだ、『依存』のミカサと『何も求めない』アニ、世界を救いたかったイェレナなどを考察しとります。

個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
原作漫画の大きなネタバレは注意書きしてますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします。
なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。

ジャンのドリームワールド

なんともわかりやすいジャンのドリームワールドから始まった84話。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

原作では赤ちゃんの性別まではよくわからんかったけど、娘っぽいねこれは。そして嫁さんはどっかで見た頬に傷のある黒髪ロング……
そうか。嫁さんに似たかわいい娘に『将来はパパのお嫁さんになる☆』とか言われるのが夢か……

ジャン「誰にも文句は言わせねぇ」

ええんやで。考えるだけなら自由やから。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

※なおリアルでは、朝から酒かっくらって何もせんような旦那は、嫁からも娘からも蔑まれ、『金さえあればコイツいらなくね?』と気づかれた瞬間、緑の紙様が現れます。

それにしても、ジャン的には『孫の代まで』安泰ならOKなの? それ以降は? 自分の孫が安泰ならよそのお孫さんは?
『ひ孫の代』には自分いないだろうから、それってつまり『自分が生きてるうちだけ』安泰ならそれで良しってこと?

耳をふさぎ、ドリームワールドへ逃げ込んでるところに現実に連れ戻す悪魔(ジャン視点)登場。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

でも行っちゃうのがジャン。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

『行かない』という選択肢を選ばなかったのは、ジャン本人も『こんなの正しいわけがない』とわかってるからなんやろーなぁ……
本当のところ、誰かが来てくれるのを願ってもいたんじゃないの?

『交渉』のリヴァイ、『説得』のハンジ

前回はリヴァイとマガトさんの『交渉』だったけど、今回はハンジさんの『説得』でしたね。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

『説得』って、『嘘』ついちゃダメだと思うんですよね……『交渉』は『互いの損得』のために『協力しようね☆』という方向に話を持って行くことが目的。だから多少話を盛ったりあえて言わないようにしたりと、『化かし合い』が発生する。

でも『説得』は、互いの損得関係なし『相手の心』を動かすことで『同じ目標』に向かうことが目的。

かつて、リーブスのおっちゃんを『交渉』で動かしたのがリヴァイ。(アニメでカットされたのが残念)

進撃の巨人54話[ 諫山創 ]

進撃の巨人54話[ 諫山創 ]

一般市民を『説得』で動かしたのがハンジさん。

進撃の巨人60話[ 諫山創 ]

進撃の巨人60話[ 諫山創 ]

ぶっちゃけ『説得』のほうが難しいと思う……だって『交渉』は『信頼』も必要だけど、同時に『お互いの損得』を提示し、相手に『協力したほうが得』と思わせることが出来ればいいから。

でも『説得』って『自分が損をするかもしれない』『自分が危険な目に遭うかもしれない』とわかっていても『協力する』って気にさせなきゃいけない。
つまり、どんなに自分の想いが強くたって、最終決断は相手の『勇気』にゆだねられる。

『損得』で動くフロック、『損得』では動かないジャン

この理屈で考えると、団員勧誘の時、エルヴィンは『説得』をしたんだと思う。『嘘』を言わなかったから。

進撃の巨人 21話[ 諫山創 ]

進撃の巨人 21話[ 諫山創 ]

でもフロックの時、勧誘した人がどんな話をしたのか知らんけど、うっかり『交渉』をしちゃったんじゃないかな……それにフロックは乗ってしまった。

進撃の巨人70話[ 諫山創 ]

進撃の巨人70話[ 諫山創 ]

つまりフロックは『得がある』と思ったから調査兵団に入ったってことだよね?
ところが、そんなことはなかった。だから後で『嘘つくな』と言った。(勧誘した人はそんなつもりはなかったんだろうけど……)
逆を言えば、『得がない』と思えば、フロックは調査兵団に入ったりしなかったってことジャン。

そう考えると、『『損得』でしか動かない人を『説得』で動かすことは不可能』ってことだよね?

一方で『損得では動かない』という人を『交渉』だけで動かすことも出来ない。

進撃の巨人The Final Season 83話 矜持

進撃の巨人The Final Season 83話 矜持

だから『脅し』や『暴力』で表面上は従わせることが出来ても、本当の意味では服従してくれない。

リヴァイは『交渉』でマガトさんを動かした。マガトさん的には『得』しかなかったから。

進撃の巨人The Final Season 83話 矜持

進撃の巨人The Final Season 83話 矜持

フロックはジャンに『得』を提示して味方につけようとした。フロックはジャンを、自分と同じ『損得』でしか動かない『いいかげんでムカつく生意気なヤロー』と思っていたから。

進撃の巨人The Final Season 82話 夕焼け

進撃の巨人The Final Season 82話 夕焼け

でもハンジさんは、ジャンのことを『損得だけでは動かない人』だと思ってた。だから『交渉』ではなく『説得』のために現れた。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

ジャン、お前、めっちゃ『信頼』されてるぞ……!

そらパーティー離脱の可能性よりもシチューのおかわりのほうを心配するよ! 口ではなんだかんだ言ったって、ジャンは泣いてる少女を見捨てないってハンジさんは知ってるもん!

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

だってジャンは、これまで『自分の損得』や『誰かの説得』で生き方を決めたわけじゃない。

進撃の巨人 21話[ 諫山創 ]

進撃の巨人 21話[ 諫山創 ]

ハンジさんの『説得』は『とっかかり』に過ぎず、最後は『自分で決めた』のがジャン。『自分で決めたこと』だから『人のせい』になんかしない。

そもそも『損得でしか動かない人』は調査兵団ちゃう……! 前回、処刑シーンとかに自由の翼つけてるヤツがけっこーいて、自由の翼が泣いとったわ……!

進撃の巨人The Final Season 83話 矜持

進撃の巨人The Final Season 83話 矜持

これから『他人の自由を奪おう』というところに『自由の翼』つけてくるんじゃありません!

悲しいことに『損得だけでは動かない』調査兵団ガチ勢は、4年前にみんなお亡くなりになっちゃったんだよなぁ……しかも●したのがマーレ。
マガトさん的には、自分達の過去の行いのせいで今、助けてくれる人が激減したという皮肉。

しかし、それにも関わらず『助けよう』と圧をかけてくる仏様達。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

ハンネスさんとマルロもいる。

ところでアンカさんがふつーにいらっしゃるんですが……ビリッとしなかったんじゃなかったの……? それとも別の死因……?
アンカさんがいるんなら、ピクシス司令とかザックレー総統とかもいてほしかったな……例のイスと共に……!

ザックレー「持ってきちゃった☆」
ピクシス「元の場所に置いてきなさい」

『ずっと耳をふさいでいたかった』ジャンだけど、でもこの『信頼』に応えなければ、『人として大事なもの』を失うよね。
その『信頼』を裏切れば、『家畜の安寧』は得られても、ふとした瞬間、背後から誰かが見てるオプション付きの人生が待っている。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

ジャン、『俺はまだ調査兵団』ってことは、他の人達のことはもう『調査兵団じゃない』と思ってるんだろうね。

調査兵団+マーレ連合軍冬の陣

イモは皮むかずにそのまま入れてたような気がするけど、煮込まれると皮が消えてるミラクル。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

なんだか今回は、口元だけだったり、表情ではなく風景描写が多かったですね。単純に作画の手間とか大人の事情かもしれんけど。
葉っぱの落ちた木があるということは冬の時期ですかね。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

集まった皆さまの関係も冬のように冷え込んで……

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

ハンジさん、理系の知識を生かしてとんでも料理するタイプの人かと思いきや、ふつーに料理してるんだよね……一番異常な人のフリした常識人……

さて、やはり昨日まで敵として戦ってた相手といきなり仲良くなんて無理な話で、さっそく口論勃発。

ジャン、『そもそも母ちゃんが巨人に食われるなんてことがなければエレンはこんなことには!』なんて言ってるけど。
……うん。ホント、ジャンっていいヤツだよ……エレンのこと思いやっててさ……こんなことしたバカでもかばってあげてさ……

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

しかしまあ、最終回まで完走してから見ると、もう……もう、エレンがあまりにう●こ野郎すぎて、ジャンもライナーもひたすらおかわいそうなシーンにしか見えない……!

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

だってエレンが『あんなこと』しなきゃ、ジャンやライナー達も『こんなこと』にならなかったわけで。
ジャンが本当に殴るべきはライナーじゃなくてエレン。

『正義の味方』のマガトさん

マガトさんって、自分が『正義の味方側』と思ってるんだろうなぁ。
『正義の味方』って『正義だけの味方』、つまり『悪は助けない』んですよ。
つまり『助けて欲しけりゃ『正義の味方』になれ』ってこと。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

しかし残念なことに、今、『助けてください!』と訴えねばならんのはマガトさん側でっせ……!
なのにこの人、この期に及んで『自分が正義の味方側で相手は悪側』だと思ってる。だから向こうが『正義に目覚めた』ことにした。

けど……ちゃうねん……

『勇者』は『正義の味方』ちゃうねん……!

『敵味方関係なし』に助けられるから『勇者』やねん……!

本物の『勇者』は、『俺を助けたこと、後悔することになるぞ!?』と言う敵に『何度でも来い! いくらでもぶちのめしてやっからな!』とか言っちゃうおバカガチ勢だから……!(どっかの戦闘民族かな?)

ちなみに。
『どうせバカしかいないなら、一周回って『自覚あるおバカ』のほうがマシ』。そう思って調査兵団に味方したのが生粋のバカオタのリヴァイ。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

リヴァイ「新種のオタクみたいに言うんじゃねぇ」

そして『勇者』にツッコミを入れるのが『賢者』。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

しかし、『勇者』の『一番の理解者』となるのもまた『賢者』なり。

『立場』を守って『土台』を崩す。マガトさんが守ろうとしたもの

マガトさん視点では、ここで自分が『助けてください!』と頼んだら、『悪に屈した』or『向こうが正義で自分が悪』ということになるとでも思ったんかね?

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

まあ、マーレの元帥だし、『立場を重んじる』のはわかる。でも外交の場ならいざ知らず、今のこの状況下でその『立場』を守る意味って『自分のため』でしかないよね?
マーレを守るために『元帥』になったはずなのに、その『立場』を守った結果、マーレという『土台』を助けるための『味方』が減ったんじゃあ、本末転倒もいいところ。

ハンジさんはふつーに仲裁に入ったんだろうけど、マガトさん的にはその『元帥殿』呼びがむしろ嫌味に聞こえたかもなぁ……

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

さて、どっちが『悪』でどっちが『正義』か問題。結論から言わせてもらうとこの場合は『どっちも悪だしどっちも正義』、もしくは『ない』っていうのが正しい。

なぜならエレンがやってることも世界がやろうとしたことも、『やる人』が違うだけで『やる内容』はまったく同じだから。

『同じ』であるなら、エレンが『やってること』を『悪』だと言うなら、世界が『やろうとしたこと』も『悪』だよね?

進撃の巨人The Final Season 64話 宣戦布告

進撃の巨人The Final Season 64話 宣戦布告

世界が『やろうとしたこと』を『正義』と言うなら、エレンが『やってること』も『正義』と認めなきゃおかしい。

進撃の巨人The Final Season 80話 二千年前の君から

進撃の巨人The Final Season 80話 二千年前の君から

かつてのライナーやガビもそうだったんですよ。自分が『正義の味方』と思ってた。だから『悪の存在』を『否定』した。
でも今のライナーやガビは違う。なぜなら『悪魔なんていなかった』から。

進撃の巨人The Final Season 77話 騙し討ち

進撃の巨人The Final Season 77話 騙し討ち

『悪』がいないってことは、『正義』も存在しないってことだよね?

そういう意味じゃあ、世界もエレンも『悪』じゃない。クソなだけ。
マガトさんとジャンも『正義』じゃない。おバカなだけ。

だからライナーとガビは、マガトさんとジャンの言い争いにかつての自分を見て、居心地悪そうな顔で黙ってる。『自分が一番正しいと勘違いしてたおバカ』だと『自覚』してるから。
だからガビは頭を下げた。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

一番『自分の立場』を理解してるのってガビだよね……だってこれ、本来はマガトさんがしなきゃいけないことだよ。
ライナーは『自分の罪』から逃げなかった。だから『俺がアニに命じたんだ』とアニをかばったのに。
まあ、ハンジさんがせっかくきれいにまとめてくれたというのに、その後も余計なことしゃべり続けたのは『裁かれたかったんじゃないか(自分のため)』って気がするけど。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

でもライナーの『罪』って、元をたどれば『それを命じた大人』であるマガトさんの『罪』でもあるはず。自分は作戦に反対した? でもそんなの、当時子供だったライナーには関係ないよね?

ライナーをかばえるのってマガトさんだけだったんですよ。殴られるのも蹴られるのも、本来はマガトさんが引き受けるべきだった。

なのにマガトさんは、ライナーのために何もしなかった。なぜなら自分はマーレで『一番偉い立場の人』であり、ライナーは下っ端で差別階級のエルディア人。まあ、ケガしても治るし。

結局、ジャンを止めたのは『ジャンの仲間』のアルミン達で、ライナーを守ったのはその事件とは無関係のガビ。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

ガビがジャンを止める側にならなかったのは、『その資格がない』とわかっていたから。せめて自分に出来るのは、身代わりに蹴られるだけ。
なぜならガビは『立場』なんか関係なしに、ライナーという『一人の人間』が大好きだから。
たとえ本人が悪いとわかっていても、大好きな人が血まみれになるのが耐えられなかっただけ。まるで子を守ろうとする親みたい。

マガトさん、『正義は我にあり!』と主張し、『下っ端』であるライナーを守らないことで『元帥としての立場』は守れても、人としてもっと大事な『大人としての立場』を失ったんじゃあ、こんなに恥ずかしいことはないよね……まさに『自分が一番正しい(賢い)と勘違いしてる自覚なきおバカ』。
ガビを慰める資格ないよそりゃあ……

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

マガトさん。『世界の歴史』を振り返る前に、『ご自分の歴史』を振り返られてはいかがでしょうか。

残念な三英雄たち

マガトさんはタイバーさん共々『英雄へーロス』を求めていたわけだけど。2人とも、へーロスさん求めた時点で『世界を救う気』なんてなかったんだと思うわ。

進撃の巨人The Final Season 63話 手から手へ

進撃の巨人The Final Season 63話 手から手へ

だって『へーロス』って『マーレの英雄でしかなかった』から。

壁の王が島に引っ込んだ後、マーレは憎んでたはずの巨人パワーを今度は自分達が使って侵略行為を行ったわけでして。
でもって、エルディア人は差別階級にされ、収容区に放り込まれている。

へーロスさんがいくつで英雄になり、いくつで亡くなったのかは知らんけど、少なくともそれを阻止しなかった・出来なかったと思ってよさそうなんですよね。
それってもう『ヒーロー』じゃない。

ヒーローはなぁ……敵味方関係なしに助けるから『ヒーロー』なんやで……!(ヒーローに必要なのは『正義』ではなく『熱血』

むしろ、率先して巨人パワーを自分らのために使い始めたのがこの人じゃないだろな……いや、そこまでは知らんけど。

進撃の巨人The Final Season 63話 手から手へ

進撃の巨人The Final Season 63話 手から手へ

どういう事情があったにせよ、へーロスさんが救ったのは結局『マーレだけ』だった。
世界からすれば、自分達を苦しめる『巨人』を送り込んでくるのが『エルディア帝国』から『マーレ』に変わっただけ。

壁の王は『巨人パワーを守るため』ゆーて壁の中に引きこもったはずなのに、やっぱこの王様、巨人パワー守る気あらへん……!

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

進撃の巨人The Final Season 79話 未来の記憶

タイバー家もタイバー家で、なんもせんかった。いやマジであんたなんのために大陸に残ったん……? 前考察したけど、元々マーレの偉い人だったとしたら、なおさら『なんもしない』はダメでしょ……
かと言って、一度エルディアに魂売ったヤツを今さら政治に関わらせるわけにもいかず、マーレも扱いに困ってたのか……?

なんというか、『自分勝手な壁の王』がエレンなら、『何もしなかったタイバー家』はヒストリア、そして『マーレだけの英雄へーロス』はフロックなんじゃないかと思うわ。
そもそもフロックって、『ヒーロー』になれるんじゃないかと思って調査兵団に入った感じなんですよね……そして今では、イェーガー派の中心人物として、まるで『島を救ったヒーロー』みたいにふるまってる。

進撃の巨人The Final Season 83話 矜持

進撃の巨人The Final Season 83話 矜持

それって『マーレだけ』救って『英雄』になったへーロスさんと同じじゃね?

マガトさんが本当に求めるべきだったのは、『世界を救う英雄』じゃないの?
マーレしか救えなかった・救う気がなかった『ケチくさい英雄』はお呼びじゃないでしょ。むしろマガトさんが『マーレの英雄へーロス』になっちゃってる。
だってマガトさんが救いたかったのはマーレだけで、『世界を救う気』まではなかったから。
『英雄へーロス像』を『中は空洞』と言ってたマガトさん自身が、中身すっからかんのへーロスになっちゃってたのはなんとも皮肉……

ミカサとアニの大事なもの

ジャンとマガトさんの第一ラウンドの次は、ミカサとアニの第二ラウンド勃発。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

『エレンより大事なものがない』って、ミカサのコンプレックスなのかね?
でもそれってアニもそうなんだよね……『パパ以外、大事なものがない』のがアニ。だから『ミカサの気持ち』がわかる。

言い換えると『自分が大事じゃない』とも言える。

ミカサは自分を大事にしてくれた両親を失い、新たな両親もわずか1年で失うし。
『自分を大事にしてくれる人』を立て続けに失ったもんだから、エレンを大事にすることで『自分を大事にしてる』つもりだったのかなぁ……

やっぱりミカサってユミルちゃんと同類なんだろうなと思う……2人ともある日突然、理不尽な暴力で自分の家族を失って。かと言って、誰かを憎んだりするわけでもなく。
そして常人にはない『強大な力』を持っているのに、野心を抱かず、その願いは非常に『ささやかなもの』だった。

進撃の巨人The Final Season 80話 二千年前の君から

進撃の巨人The Final Season 80話 二千年前の君から

ユミルちゃんは自分が役に立つことで必要とされる子(愛される子)になろうとしたんだろうけど、結局『自分を粗末にしてた』だけだった。

進撃の巨人The Final Season 80話 二千年前の君から

進撃の巨人The Final Season 80話 二千年前の君から

ミカサもエレンを守り、役に立つことで、『エレンに必要とされる子』になりたかったんだろうか?
ところが『お前いらねぇ』みたいに突き放されて、路頭に迷っちゃったのが今のミカサかな。

進撃の巨人 8話[ 諫山創 ]

進撃の巨人 8話[ 諫山創 ]

でもトロスト区襲撃の時は、『エレンを失った(と思った)』ことで、逆に『自分の命』を大事にすることが出来たという皮肉。

『他人』に何も求めなかったアニ

前回『解放者を他人に求めた時点でそれは依存』と書いたけど、それと同じで『自分の軸』を『他人』に求めるのもまた『依存』だよね……失った瞬間、コテンと転んじゃう。
本来は親と過ごし、大人に成長する過程で『自分の軸』を作っていくんだろうけど、ミカサは『自分の軸』が出来上がる前に親を失い、『自分の軸』をよりにもよってエレンに求めちゃったんじゃないの?

でもエレンは、『親』とちがって『無償の愛』なんて返してくれない。『愛されている』という『確証』が得られないから不安になり、安心したくて、相手の都合のいいように尽くしまくる。
まさにヒモ男に依存するヒモ女。略してヒモンナ。

ミカサ「マドンナみたいにゆーな」

アニも、『自分の軸』なんてなかった。しかしミカサと違うのは『自分の軸』を『他人』に求めなかったこと。
だから他人の命も自分の命もどうでもいいと思ってた。

進撃の巨人The Final Season 82話 夕焼け

進撃の巨人The Final Season 82話 夕焼け

しかしパパの『無償の愛』に気づくことが出来た瞬間、『自分の軸』が出来た。
パパにとって自分は『どうでもいい命』なんかじゃなかった。だから大事にしなきゃいけないので、4年間、石の中で耐えることが出来た。
一方でアニパパも、アニが『帰ってくる』と約束してくれたから、自分の存在を肯定することが出来た。だからアニのためにもなにがなんでも生きなければと必死になれたわけで。

進撃の巨人The Final Season 82話 夕焼け

進撃の巨人The Final Season 82話 夕焼け

この親子は『何かが欲しい』からがんばってるというより、大事な人に『何かを与えるため』にがんばってんだよね……

ミカサは薄々、『エレンに依存してる』と気づいてたんだろうけど、それをアニにグサリとやられて、ムキになった感じかなぁ……なんかそれって『子供』っぽい。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

ミカサって昔から『大人』の雰囲気出してたけど、両親を早くに失ったことで『急いで大人にならざるを得なかった子供』なんだろうなと思う……

でもそれはエレンも同じだったはずなのに、こちらはいつまで経ってもクソガキ様のままって、ある意味ミカサがそうさせてたんじゃないの?
エレンもエレンで、反発しつつも結局ミカサに甘えてるし……反抗期のお子様か。

進撃の巨人The Final Season 65話 戦鎚の巨人

進撃の巨人The Final Season 65話 戦鎚の巨人

エレン、あなた『ミカサ達が来てくれる前提』で計画立てたよね……?
ミカサはあんたの母ちゃんやあらへんで……!

世界を救いたかったイェレナ

さて、イェレナちゃんがマーレ人と発覚しました。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

オニャンコポンが一番驚いてんだよね。やはり『故郷のため』に戦ってきた身としては、『故郷(マーレ)をやっつけるために戦ってた』なんて理解しがたい事実だったんだろーなぁ……

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

そんなイェレナにとって『世界を救うため』に集まった一団は『故郷をやっつけようとしてた自分と同じ』に見えたんだろうか。だって『地鳴らしを止める』って、まさにジャンが言ってたように『島が危険になる行為(故郷をやっつける行為)』だから。
今の『俺達さえよけりゃあそれでいいんだよ!』っていう島の状況って、イェレナが嫌いだったマーレと同じじゃないの?

でもイェレナと違うのは、ハンジさんやジャン達は、別に『故郷を滅ぼしたいわけじゃない』ってこと。
イェレナは『マーレが嫌い』という『自分の個人的な欲望』のために動いていたけど、ハンジさんを始めとする調査兵団ガチ勢は『人としての矜持のため』に立ち上がった。だからオニャンコポンは涙を流したわけで。

とはいえ、やはり人間。
イェレナの言う通り、『過去の出来事』を無理して抑え込もうとしてたのも事実。だって『大人』だし、自分も人のこと言えないから。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

大人ぶって流そうとしてるのが逆に子供っぽい……

それにしてもマルコのとといい、ちょっとした会話の内容いちいち覚えてるって、すげーリサーチ力と記憶力だよね。

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

和を乱そうとして逆にわだかまりを解消しちゃうの、イェレナ、あなた絶対島の悪魔大好きでしょ……

『否定』するため『肯定』したイェレナ

イェレナの目的がピークちゃんによって暴露されたけど、ジークやイェレナ的には、つくづくイェレナがエルディア人でなかったことが悔やまれるだろうね……
だってイェレナがエルディア人なら、こんな面倒な計画立てんでも、イェレナがエレンを食ってジークの元にトンズラこきゃあ目的達成出来たもんな……
というか、ジークも同じエルディア人で協力者探しゃよかったのに。『始祖継承者が腹違いの弟』という出来すぎた物語に運命感じちゃったんか?

イェレナってさ。目的がなんであれ『エルディア人や巨人が憎い』とか、そういう理由でジークに協力してたわけじゃなかったと思うのよね。それどころか巨人を見て『神様!』と思っちゃったのがマーレ人のイェレナ。

進撃の巨人The Final Season 68話 義勇兵

進撃の巨人The Final Season 68話 義勇兵

いるよ。エルディア人の存在肯定してる人。ここにいるよ!

ジーク、『生まれてきたのは間違い』なんて言ってるけど。むしろジークの存在肯定してくれたのがイェレナでしょ。
だってイェレナって、ジークを否定してないんですよ。むしろ全部肯定してる。

『肯定』した結果、『生まれてくることを否定する計画』に協力するとはこれいかにって気もするけど……

ジークもイェレナも、そのおかしさに気づかないのは、イェレナ自身も自分に流れるマーレ人の血を嫌っているからなんだろうなぁ。

ジークはエルディア人としての自分を否定している。
イェレナはマーレ人としての自分を否定している。

否定と否定がくっついて、むしろお互いの存在肯定し合っとりませんか……?

互いの『存在を否定する思想』を肯定し合った結果、立派なヒモ男とヒモ女の関係に……!(イェーガー兄弟って……)

ジークはヒーローになるつもりがヒーモーに。
ヒーモーに尽くすイェレナちゃん、まさにジークサイドのヒモイン。

イェレナ「ヒモヒモゆーな」

まあ、方向性は激しく間違っていたけど『世界を救ってあげよう!』というジークの目的に我が身を削って協力してたことは事実だったわけで。
『世界を救う』ために集まったメンバーに嫌味を言ってるようで、自分自身への皮肉だよねこれ……

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

進撃の巨人The Final Season 84話 終末の夜

だってイェレナもまた、ジークの『世界を救う』という『甘美な言葉』に惹きつけられて、その目的のために逆らった義勇兵●したり兵団にお髭ワインばらまいたりしてたから。

それにしても、イェレナが『神様!』しちゃったのがライナーだったらどうなったんだろうね。
少なくともライナーは、自分がしたことを人のせいにしたりしないし、『未来の子供達』のために戦える人なんだよね。ただちょっとメンヘラなだけ。

ライナー「何故余計な一言をつける……」

ライナーさんは、母ちゃんや子供達、仲間の笑顔のためなら我が身を削れる人なんやで……!

進撃の巨人The Final Season 63話 手から手へ

進撃の巨人The Final Season 63話 手から手へ

↑我が身を削るライナーさん

イェレナや、それにオニャンコポンの存在って、エルディア人にとって『すべての人が敵じゃない』ことの証明だと思うんだけどなぁ……『世界中』が味方じゃなきゃダメなの? だから『味方だらけ』にするために『世界』をコンパクトにすることにしたの?
それとも『あなたにとって都合のいい子』じゃなければ『味方』とは言わないの? ねぇ、エレン……

イェレナは『こいつらも私も同じじゃねーか』で思考停止しないで、『何が違うのか』を考え続けて欲しいところ。

* * *

それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ

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