【進撃の巨人】たまには外伝漫画(Before the fall)の話でも
レンタルの会員期限が迫ってたんで、途中で止まってた外伝漫画の『Before the fall』の未読全巻レンタルしてようやく読破。普段、漫画レンタルとかまったくせんのよ……(ちなみにマガポケで1巻無料で読めます)
巨人の絵柄が本編とは違った不気味さですよね。本編が文字通り知能や悪意ゼロの『無垢』って感じに対し、『不気味な化け物感』が高め。
『再生能力のある巨人の顔になんで傷があんねん』なんてツッコミを入れるのは野暮ってもんでさぁ!(←入れてる)
- 吐かれた妊婦さんの死体から主人公誕生!
- 『巨人の子』として売り飛ばされて15年間いじめられるよ!
- 売られた先でヒロインと出会うよ!
- ヒロインと駆け落ちするよ!
- 立体起動装置の実験に協力するよ!
- 調査兵団が復活するよ!
以上、雑なあらすじ。(だいたい合ってる……ハズ)
本編には絶対出てこなさそうな巻き毛とか(牢屋にぶち込まれても巻き毛を維持する巻き毛の鏡・カルディナ)、ヒロインのうっとうしい前髪が気になって仕方ない。
あの前髪見てると顔がムズムズするんや……(顔面に当たる前髪→アトピーの天敵)
※こっから『Before the fall』のネタバレ注意
読み終えての感想
評価は微妙らしいですが、うーん、前半部の『敵役の魅力』かな……この漫画は、アンヘルさんが出てきてからが本番。(氷瀑石やら黒金竹やら調査兵団の目的やら、本編ではあんまり語られてないのがガンガン出てくるのがアンヘルさん出てくる辺りから)
序盤の『巨人崇拝者』なんて人の人生狂わせまくっといて、主人公らの知らんところでシャビィお兄ちゃんに成敗されてソッ……と消えてるし、反体制組織もリーダーが小物のしょーもないヤツだったし。(でも最後の最後まで小者だったからこそ輝いたんですがね)
敵役にも敵役なりの信念がありゃあもーちょい盛り上がったか? 本編でもニックとかサネスさんとかポジション的にはわき役だったけど、『信念』はあったから記憶に残ったわけだし。
あくまで『立体起動誕生』『人類は巨人に勝てるのか』が主軸のお話と考えると、その辺はサクッと終わらせたかったんでしょうかね? 知らんけど。
フックスさんとか、別にバックボーンもなんも語らんのに雰囲気だけでみょーに惹かれてしまうおっさんとかもいるんだから、なんとかならんかったんやろか。お前隠れアッカーマン? ってくらい無駄に強いのがまた……
立場上障害になっただけで、別に悪役ではなかったグロリアさんも個人的には好きでした。(立ち振る舞いは悪役っぽかったけど)
しかしそのグロリアさんが、『超小者』として処理したはずの反体制組織のヤツに最期刺されるという……お前……こんなとこで頭まで輝きやがって……!
グロリアさんの死は本編の王政編を彷彿とさせてくれましたよね。なんか不穏な空気漂い始めて、刺された時は『あー、やっぱそうなっちゃったかー……』と、かわいそうだったけど納得もしてしまったよ……そして刺したヤツが衝撃的。
でも『タダじゃ死なねーよ』ときっちり置き土産残して逝くのはさすがでした。(いい意味で『自分を殺したこと』を無意味なことにした)
最後、仇の巨人をキュクロじゃなくてシャビィがトドメ刺したのは熱かった。
シャビィお兄ちゃんは『弱いヤツにしか勝ってない』のがコンプレックスになって(フックスおらんかったらマテウス戦ヤバかったし)、最後に『ほんまもんの強い存在』を倒したことで憑きものが取れて『きれいなシャビィ』になれたんやろね……
しかし『シャルルを頼む』と言ったその3ヶ月後に結婚はさすがのお兄ちゃんも目ん玉飛び出るやろ……読者も飛び出たよ。(そこはせめて数年経過してからやろ!)
個人的にはもーちょい幼少時代の兄妹仲とか描いて欲しかったかな。シャビィお兄ちゃんのシャルルへの愛情がイマイチわかりにくかったし。
嫁ぎ先にカルディナを選んだパパはまだ人を見る目があったけど、シャビィお兄ちゃんの人を見る目(表面しか見てない)は微妙だったからな……(両方破談になったけど)
あと、意外だったのがクルツとフェリクス。
まさかお前エルヴィンの先祖……? と彷彿させるお顔のクルツくん。
髪型だけならマルロなフェリクスもさ。ローザにアタックして『フラグが! フラグが立ったーーーーーー!』と思って見てたらやっぱり足食われてこれは死んだなお前あんなこと言うから! と思ってたら生きてて、次、テントが潰されて『助かった! と喜ばせてからの死亡かそうか!』と思ってたらまたしても生き残った……福耳は伊達じゃねぇな!
九班の班長も絶対死ぬヤツと思っとったわ……
本編で諫山神に調教され済みの人は、その辺に拍子抜けして微妙に感じるんでしょうかね?
【調教未】
みんな生きてた! これから人類は巨人への反旗を翻すんだね!
【本編による調教済み】
え? 死なないの? え? 生きてるの? え? 結婚すんの?(困惑)
【もうあの頃に戻れない】
「『ローザを守れて良かった!』と喜んだ次の遠征でローザが死亡。さらにその後の遠征で一人、また一人と同期が死んで行き、「おじいちゃんだいしゅき!」という無邪気な孫の笑顔に幸せと後ろめたい胸の痛みを噛みしめるフェリクスじいさん(65)」、「待望の子供が出来た矢先に未亡人となってしまい、女手ひとつで我が子を育てる決意を固めるシャルルと『シャルルを頼むと言っただろ!』と泣きながら墓石を蹴り飛ばすシャビィお兄ちゃん」を余裕で脳内再生出来る
……『あの頃』って『どの頃』かな……(※念のため言っときますがキャラの不幸はこれっぽちも望んでいません。嘘じゃないよホントだよ)
まあ、少なくともカルロ団長が今後戦死するのはわかってるから……(『生きたまま交代したのは自分が初めて』by12代団長)
ホルヘさんは、一度調査兵団解散させちゃった人だから、カウントに入ってないってことですかね? つまりカルロが初代団長ってこと?(ホルヘさん→旧調査兵団隊長 カルロさん→新生調査兵団団長)
次の団長もそのまた次の団長も戦死するっつーことは、団長になれそうなポテンシャルを持ってるカルディナ君とかローザ達精鋭部隊の誰かが将来的にヤバいな。キュクロは団長というより団長の隣にいる強キャラポジやし……
いやー、ローザとフェリクスには幸せになって欲しかったなぁ……(死別を前提に語るな)
外伝から読み解く本編との繋がりを考察
さて、せっかくなので、本編と繋がりがある部分について考察を。
この外伝漫画、『本編の70年前』だそうで。
104期ユミルが『島に放り出されてざっと60年』つってたから、104期ユミルがマーレで『ユミル様』始めた頃かその前か?
話の序盤に巨人崇拝者が出てきたけど、もしかするとエルディア帝国全盛期はメジャーな宗教だったのかも。(104期ユミルがやってたあれがそうか?)
ただ、本来崇拝する対象は『巨人』は『巨人』でも始祖ユミルとか、九つの巨人とかだったのかな? それぞれの信者に『推し』の巨人がいて継承者はキャーキャー言われてたのかもしれん。『神セブン』ならぬ『巨人ナイン』。
始祖はセンター、車力は信者少なそう。鎧はマニアックな狂信者がついてたなきっと。(アイドルかよ)
なんか本編のほうも、現状のまま島民ほっといたらホントにエレンを神格化してあがめそうな勢いだし、2000年の歴史考えると、巨人崇拝は元々あったとしても不思議じゃないんだよなぁ……(王政時代のレイス家もそうだったな……)
そしてこの巨人崇拝者のせいで、『15年前(本編の85年前?)にシガンシナに巨人が1体入り込んで住民食われまくる』わけですね。(その原因であり被害者の一人が主人公のかーちゃん)
本編でも大概呪われてんのに外伝でも呪われてんなシガンシナ。
【本編のシガンシナ区のこれまで】
- 壁ぶち破られて人死にまくり&放棄されたよ!
- 奪還戦で超大型にドッカンされてハンジ班壊滅したよ!
- マーレに襲撃されて銃撃爆撃敵味方死にまくったよ!
- お髭ワインで兵団上層部一斉巨人化&討伐したよ!
ここまで来るとむしろ厚遇。しかし住みたくはない。
北側の都市なんて名前すら覚えられてないだろ……(北側といえば、壁外の北側の『ナラカ』というところに人が住んでるという噂話は結局噂のまま終わったな。今から本編に逆輸入はさすがにないか……)
それにしても『なんで1体しか入らんかったんや?』と思ったけど、考えてみりゃ104期ユミルもまだ島に放り出されてない頃だし、当時の島にはそんなに巨人がいなかったのか。(当初数百体? 程度だったのがマーレが調子乗って送り込みまくった結果本編の頃にはウン千体に)
つうことは、昔の調査兵は、まだ巨人との遭遇率は低くて、
- 経験を積むことでノウハウが蓄積され調査兵の質が上昇
- 経験を積んでる間に(むしろそれより早いペースで)巨人の数も増加
- 調査兵団の質そのものは上昇してるにもかかわらず、(巨人側の)数の暴力で死亡率上昇
どんなに巨人殺しの熟練度が上がっても、供給元のマーレを叩かない限り無限地獄やった……(もしやマーレが巨人送り込まなかったら、マジで島から巨人駆逐出来てた未来もあった……?)
もしかするとエルヴィン登場までの『巨人発見→討つぞ!』な方針は、この外伝の『調査兵団復活と立体起動装置の有用性が掛かった遠征のなごり』だったのかも。
そもそも『人類が巨人を倒すこと自体不可能』と言われてた時代だったから『人類は巨人を倒せる』証明のためにも、討伐数は現在よりも重要だったんでは?
でも知らん間に巨人がどんどん増えてって(でもやり方は前の団長から引き継いだまま)、エルヴィン登場でようやく『いや、これやり方変えたほうがええって』になったってことか。
そう考えると、シャーディス団長責められんよなぁ……(団員の性能自体は間違いなく黄金期を築き上げたスゲー人なのに本人も周囲も気づけないクソな環境……)
結論:マーレがクソ。
クレイジー主人公とクレイジーヒロインの子孫予想
それにしても、シャルルのおかげで食生活は改善されたとはいえ、15年間鎖に繋がれてたキュクロが、鎖取れてすぐあんだけの身体能力発揮するってなんなん……なんだかんだでシャビィお兄ちゃんとのじゃれ合い? で鍛えられてたんか……?
食べ方とかしゃべり方のせいでおバカキャラっぽく見えるけど、牢屋暮らしで13歳までロクにしゃべれなかったにもかかわらず(兵長よりひでぇ幼少期)、2年で言語と読み書き覚え、自分で最善策を考えたり機転が効いたり、しょっぱなから頭めちゃくちゃいいよねこの子。(幼少期考えると、脳に異常が発生しても良さそうな……まあ、漫画だしと言ったらそれまでだけど)
後半では立体起動使いこなすわ探偵までしちゃってるし……ローザ達が登場した辺りじゃあ、15歳のはずなのに18くらいの顔になってるしさ……最後だけ先にちょっと目を通した時、てっきり作中で数年経過するんだなと。(※なお、シャルルんちから脱走して1年間の出来事の模様)
そしてその父ちゃんも、50メートルの高さから落ちても潰れず顔が認識出来る頑丈な頭部をお持ちで。(なんで旦那の頭とわかったんだよあの嫁さんは!)
シャルルちゃんもシャルルちゃんで、
「巨人コワイ……(´・ω・)」
「殺したろ!( ・`д・´)シャキーン!」
「人やったわ……(´・ω・)ショボーン」
「助けたらぁ!( ・`д・´)シャキーン!」
「キュクロ死んだん……?(´・ω・)ショボーン」
「生きとる! せやアンヘルさんさがしたろ!( ・`д・´)シャキーン!」
なんなんこの使命感……なんなん……
しかしまあ、この子らラストで結婚出来てよかったですよね。本編だったら死んでいた。
本編だったら死んでいた。(大事なことなので2度言いました)
せっかく生き延びたんなら、本編にこの子らの子孫(いるなら孫かひ孫の代)が実は登場してましたとか、そういうのあってもよさそうなもんですが。エルヴィンのそっくりさんはいたけど。(クルツくんからかわいげと愛想とドジっ子を100マイナスすればエルヴィンなんじゃあってくらいには似てると思う……)
あくまで外伝は外伝、本編は本編でかすらないようにしてんでしょうか。他の漫画だとありそうなもんですが、下手すると整合性取れなくなるから避けたのか? まあ、外伝のほうが本編と整合性取れてない気もするけど……
仮にいたとして。このクレイジーな主人公とヒロインの特徴をまとめると、
- 最初に覚えた言葉が『抵抗』
- 謎の使命感
- 超人
- 自分の目で確認するまで納得しない
- 頭がキレる・機転が効く
- 技師
- 巨人と戦う覚悟
- 頭調査兵団
- タフ
- 高い顔面偏差値
んー、この辺の特徴と通じる人か……
先祖が何者かわかってるリヴァイミカサにヒストリアは除外。コニーとサシャは昔からその土地に住んでる村人だし、ジャンは目つき悪すぎるし(ひでぇ)、怪しいのがアルミン?
カルラ→エレンだと実に主人公だけどベタすぎるんで却下ですな。頭はヤベーけど。(『頭ヤベー』の方向性違いすぎる……)
正体がはっきりしてなくて使命感があって頭がキレて技師でルックスが期待できてタフで頭調査兵のヤベー誰か。
これらがすべて当てはまりそうな人。せっかくなんで漫画で描いてみた。(なお、上手に描こうという心意気は毛頭無い)
ご本人も主人公みたいに片方失明、相方も顔にちょうどええ傷がつきましたしね……
根拠のない想像で遊ぶのもまた漫画の楽しみ方なり。(考えるだけなら! 自由だ!)
原作の今の状況みたら外伝メンバーはどう行動する?
それにしても『巨人の子』として見世物にされ迫害された主人公が、本物の巨人を見て『オレは巨人じゃない!』と確信。
立体起動装置完成で『人類は巨人に勝てる!』と明るい未来への希望に喜んだ十数年後、『自分らみんなが巨人やったわ……』と発覚する残酷な世界……
つーことは、貴族出身のシャルルとカルディナは純血エルディア人(非ユミルの民)だったってことか。そら、縁談は貴族同士になるわな。
帝国全盛期は『ユミルの民の血を取り入れることが高貴』って言われてたはずだけど、それはエルディア帝国以外の国の話でしかなく、エルディア貴族的にはユミルの血が入ればそれは奴隷。『高貴』とだましてバンバン奴隷増やして優越感に浸ってたってところなんやろか?
登場する貴族の8割がどクズのバーゲンセールでしたし……
まあ、グロリアさんとシャビィお兄ちゃんはクズいことはやってたけど根は善良なほうでしたが。
シャルルもカルディナもあのまま貴族やってたら、子孫が芸術にされていた未来があったかもしれない。(アカン)
ある意味、一番幸せな世代だったんやな……
そんな一番幸せな世代なわけですが。
キュクロを始め、カルロ団長やカルディナ達が、今の原作の状況に陥った時どうするだろうって考えると、やっぱエレンを止めそうなんですよね。
本編のほうではエレン(巨人)を『人類の希望』みたいに扱ってたけど、こちらの外伝の人達にとっての『人類の希望』はやっぱ『立体起動装置』。『巨人という強大な力に屈しない人間の底意地』っつーか、ローザの『私を私のまま強くしてくれる』って言葉がすべてですよね。
本編ではもう存在が当たり前になってるせいで、そのことが忘れられてる雰囲気なのがまたリアル。
ハンジさん動画でも触れましたが、調査兵団団長であるハンジさんが、ここでエレン止めに行かなきゃカルロさん達なんのために戦ってきたん? ってなるんだよなぁ……(『ここで誰も続く人がいなかったら、今まで死んだ人の命が無駄になる』って当のエレンが言ってるってのがまた……)
フロックくん本人も言ってたけど、つくづく間違って入っちゃったよね……駐屯兵に戻ろうにもエルヴィンの演説とマルロ達の死が呪いになって戻るに戻れないという……
でもって、キュクロ達にとって『人類の希望』である立体機動を体の一部みたいに一番うまく使いこなしてるのがリヴァイなわけですが、そのリヴァイだって『ユミルの民でありながら巨人化しない』ってことは、『巨人に屈しない一族=人類の希望』とも取れるし……(まあ、骨密度増強とかは巨人パワーっぽいけど)
ハンジさんが調査兵団の志を継承した人なら、一族の戦闘能力を継承したのがリヴァイってところかな。リヴァイの立体機動戦、今後出てくるんですかね?
なんか調査兵団の意味とか立体機動装置とか人としての尊厳とかが混迷してる今の本編のタイミングで読んだせいか、後半辺りは熱く楽しめました。
まだ読んでいない人はオススメ。
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