アニメ進撃の巨人64話 宣戦布告 感想と考察【ファイナルシーズン】
アニメ進撃の巨人ファイナルシーズン64話(第5話)の感想と考察です。
エレンドッキリから始まりましたが、ライナーさんが気の毒なくらいビビッてますね……
間に挟まれたファルコの気まずさよ。
ファルコをここに置いとくのは、ライナーへの人質であると同時に、上に行っちゃったら逆に危険だから、むしろ一緒のほうがライナーが守ってくれるというある種の信頼ですかね……
それに『子供に何か伝えたい』というのもあったのかも。
よその考察とかぶったりとかそりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
原作漫画のこの先のネタバレが時々混じることがあるかもしれません。軽めになるよう注意はしていますが、ちょっとでもイヤだという人はご注意を!
ピークちゃんのモテ力
64話はついにイェレナ登場。イメージ通りな感じです。あご髭の似合わなさとか。
それにしてもその落とし穴、いつ、どうやって用意したんですかあなた。レベリオの住宅には元から落とし穴作っとく文化でもあるんですか。
それにしてもピークちゃん、モテるね。あの巨人の中の人がコレなんだから、ギャップ萌えでしょうか……
ちなみにパンツァー隊の皆さまはマーレ人。腕章してないし。
少なくともこのメンバーは、ピークちゃんがエルディア人だからといって差別や迫害する子達じゃない。つまり『いいヤツ』ら。
パンツァー隊の面々、出番少ないのに、右上のゲルガーさん似といい妙にキャラ立ってんな……
最初っから仲良しだったわけじゃないのかもしれないけど、やっぱ同じ釜のメシを食って、互いに命を賭けて支え合ってりゃあ、人種なんて些細なことになっていくんだろうなぁ……
しかしなぜだろう。ピークちゃん、ファンは大勢つくのに、肝心の恋人とかそういうのはなかなか出来なさそうな感じがするんだよな……ファンとして応援するぶんにはいいが、彼女としてはキレ者すぎるせいで全部見透かされそうで怖いというか。(ご本人は寿命のこともあって、そういうのに興味なさそうだけど)
そういやその点に関してはハンジさんと似てるかも。
モブリットさん然り、フレーゲルくん達、これから登場する義勇兵の皆さんと、謎の引きつけ力でモテとる……
結局ご先祖となんも変わらんヴィリー・タイバーさん
タイバーさんの演説では、まずマーレとエルディアの歴史を語っていますが、なんかここ、クルーガーさんの話を思い出した。
タイバーさんが言った通り、『3回滅ぶくらい人が死んでる』んなら、それこそマーレなんて『毛の1本も残ってない』はずでして。
誰かがそれを『真実』と言えば真実になっちゃう。それを今やってるのがタイバーさん。
フリッツ王のくだりは本当なのかもしれんけど、『悪魔の島云々』に関しては、世界の標的をマーレから島に移すためのスケープゴートでしかないんですよね……
さて、そんなあおり力高くて、感動の涙を誘ってる役者・タイバーさんですが。
ご先祖様のことを『卑しいコソ泥』と呼び、『ご先祖様、私は恥ずかしいです!』みたいなこと言ってますが、あなたやってること『卑しいコソ泥』のご先祖様とまったく同じですよ……
タイバーご先祖様→マーレにエルディアを売った→自分の一族は安泰
ヴィリー・タイバー→世界にパラディ島を売った→自分の一族は安泰
『パラディ島』の住民も、あなたと同じ『ユミルの民』であり、『生まれて来たからには死にたくない』と思ってるのですがそれは。
そして『マーレのために立ち上がった』風ですが、タイバー家が『マーレの行く末』を案じるのは当然っちゃあ当然。マーレという後ろ盾を失えば、自分の一族もピンチですから。
ちなみに63話でタイバー家の責任を認めつつも『そういう道を選んだのはマーレ』と言ってたりと、暗に『ワイだけが悪いんちゃうわ!』とも言ってるんですよねこの人。
実際、『マーレはエルディア帝国やっつけたぞー!』と言っておきながら、その後やったことは『エルディア帝国とまったく同じことだった』という……むしろエルディア帝国よりタチ悪い。
たしかにそういう道を選んだのはマーレかもしれんけど、それを見ながらタイバー家が『何もしなかった』のも事実。
何もしなかったタイバー家
この前の『動物農場』の考察で『何もしなかったロバのベンジャミン』のことを考察しましたが、『知っていながら何もしない』ってやっぱ罪だと思うの……(ベンジャミンは『何もしなかった』ことで、自分は長生き出来たけど仲良しのお馬さんがお肉にされてしまう悲惨な最期を迎えてしまった)
なんでタイバー家が『何もしなかった』かというと、ヒントはピークちゃんが言ってます。
『タイバー家は巨人の力を敵国に向けたことがない』『フリッツ王を退けた一族』だから、世界は『耳を傾けざるを得ない』と言っています。
つまり『何もしない』ことで、『外国の自分への好感度を下げないように努めた』と考えられます。
これ意地悪な言い方をすると、自分が『救世の一族』でいるために、マーレを守るために戦うことも、マーレの暴走を止めることも、巨人兵器にされる同胞の犠牲も、全部『見て見ぬ振り』をしてきましたってことになります。
要は外国への『マーレはキライになってもタイバーはキライにならないでください!』アピールってことでしょうね……ガリアードくんの『虫が良すぎ』という不満がごもっともすぎるよ!
で、『何もしないをやめよう!』とようやくヴィリーさんの代で立ち上がったわけなんだけど、立ち上がった結果が豚のナポレオン兼スクィーラーという……
※なんのこっちゃという方は『動物農場』で検索か、コチラの考察をどうぞ。(原作ネタバレ注意)
ヴィリーさん、一見『いい人』に見えるんだけど、いざとなると『都合のいい子』に全責任を押し付ける『卑怯者』なんだよなぁ……だからキヨミ様も信用はしてなかったんでしょうね。(まあ、キヨミ様も『自分の家を守るため』に色々やって来た人だから、『同類の勘』もあったのかも)
『あなた方は勇敢です』『我々の一族はよく知っています』のキヨミ様の皮肉が効いてます。
要約すると『あなたの一族はあなたも含め勇気を出して同胞を売って名誉を得たい卑しいコソ泥』と言ってます。(ってことは、アズマビト家はタイバー家の真実を知ってる数少ない一族ってことなんでしょうね……)
うーん、『島は平和を求めている』ことをキヨミ様を介してタイバー家に伝えて協力してもらうようなルートはなかったかなぁとも思ったけど、こんな役者一族、信用出来るわけがねぇ……!
タイバーさんとエレンの共通点
タイバーさんの『生まれてきてしまったからです』にエレンが反応してますね。
この『自分という存在を肯定したいんだ!』の部分に関しては、エレンとタイバーさんは同じ。
共通点があるもんだから、『もしかするとわかり合えるんじゃあ?』って思いたくなるけど、しかしタイバーさんのタチの悪さは『生まれて来たから死にたくない!(存在の肯定)』と言ったその口で『だからあっちの島の人を皆殺しにしましょう!(存在の否定)』と煽っとる点でしょうかね……
あんた、タイバー家の歴史をちゃんと受け継いだんなら『悪魔の島』の住民は『元々同じ国に暮らしてた同胞が単に移動しただけ』って知ってんでしょーが。
つか、ついさっきそう説明してたというのに、皆さま、場の空気というか演出力に呑まれちゃってるよ……
いかに『悪魔の島』の住人を『自分らとは完全に別の生き物』として扱っているかがわかるというか。
これだとむしろ『死にたくないから(存在の肯定)殺しに来る敵を先に駆逐するね(存在の否定)』と言ってるエレンのほうがまだマトモに見えちゃうよ……ちゃんと宣戦布告してから開戦したし。
ヴィリーさんとエレン、どっちも言ってることは『存在の肯定』と『存在の否定』と同じなのにね。
エレンの悲しそうというか、何かを諦めたような顔がなんとも言えん……
結局、世界規模だろうと個人単位だろうと、『存在の否定』がある限り、滅ぼし合うしかないんだろうなぁ……
パーフェクト回答のライナーさん
さて、今回のハイライトであるエレンさんのライナーへの圧迫面接。
そういや右手で左の耳かいてるけど、これってジークのクセと同じ? あー、でも手の向き違うか。(ジークは手の向きが逆)
『仕方なかったんだろ』『お前、苦しかっただろ』とやさしい言葉で誘導して『せや! 俺だけが悪いんちゃうねん!』を引きだそうとしてる感がすごいよエレン……ベルトルトならそう言っちゃいそうだよ……
しかし、さすがはライナーさんや。それらの誘導全部はねのけて『全部俺が悪いんだよ!』だもんな……
エレン、びっくりした顔してるんで、エレン的には『仕方なかった』と言って欲しかったのかな。そうすりゃ自分も『仕方なかった』と『誰かのせい』に出来たし。
子供の前で『土下座』という最高にかっこ悪い姿をさらしているはずなのに、自分の嘘偽りのない本心をさらけ出し、自分がしたことを誰のせいにもせず己の罪として告白してるライナー本当にかっこいいよ……これは男が惚れる男……!
それだけに、『島に丸投げ』しているヴィリー・タイバーの残念感が引き立つというか。(タイバーさんは『悪い人』じゃないんだろうけど『弱い人』なんだろうなぁ……)
次回の65話はパラディ島の面々がついに出てくる盛り上がり回ですね。待ってたよ兵長!
エレンの変化考察(※原作ネタバレ注意)
ガラリと気分を変えまして。
考察のご質問が来ましたので、ちょっとここからはその回答となります。
YOUさん、コメントありがとうございます! 個人的な意見ですが、お答えします。
(※単行本33巻あたりまでのネタバレあり)
- エレンはどうして変わってしまったの?
- 逆に考えるんだ。『変わった』んではなく『戻った』んだと
エレンの変化について、『ミカサ目線』で考察していきます。
恐らくミカサは『自分にとって都合のいいように』エレンを見ていたのではないでしょうか。
つまり『エレンが変わった』のではなく、『エレンを見るミカサの目』がそもそも間違っていた。
それに気づいたのが123話。
ミカサは『人さらいにさらわれた見ず知らずの自分を助けてくれた』『震える自分にマフラーを巻いてくれた』と、エレンの行動を『やさしさからの行動だ』と『自分にとって都合のいい』ように解釈したけど、相手が人さらいであろうとなかろうと『9歳で人めった刺しに出来るヤベーヤツ』であることに変わりはないんですよね……
最初っから●す気満々で挑んでるし、突入後も、ミカサには見向きもせずひたすら人さらいをめった刺しにしています。なんかこれ、私には『女の子救助』よりも『自由を奪うヤツは●してやる!』という衝動に駆られての行動に見えるんですよ……(なお、ミカサが『始めて見たエレン』がコレです)
『助けたかった』も本心だとは思いますが、仮にもしミカサがすでに殺されていても、突入して同じようにめった刺しにしてたんじゃないかと思う……
これを『A面』と『B面』で分けて考えると、
優しいA面:震える女の子にマフラーを巻いてあげられる
暴力的なB面:人さらいをめった刺しに出来る
B面は『たまたま』表に出る機会がなかっただけで、元々持っていた。それが始めて表に出たのが『ミカサ誘拐』です。
その後も『駆逐してやる!』『とにかく巨人をぶっ●したいです』とちょいちょい出ていたのですが、成長と共に『優しいA面』が強くなっていき、『暴力的なB面』を『コントロール出来る』ようになりました。
そして『優しいA面』を強くしてくれたのは『仲間達』の存在と『未来への希望』。
が、『未来の記憶』が送られてきたことにより、『自分の未来を知ってしまった→未来はもう決まっている→自由意思ではなく決まった行動をしているだけ→不自由』というやり場のない『怒り』が強く出てきた。
そして『未来の記憶』に『逆らえない』と理解するにつれ『希望』は失われて行き、『未来を知っている自分(不自由)』と『未来を知らない仲間達(自由)』という『温度差』から溝がどんどん深まった。(もしかして『未来の記憶』を黙っていたのは『仲間の自由を守るため』だった?)
『希望』を失ったことで『仲間と共に成長した優しいA面』の力はどんどん弱まっていき、元々持っていた『暴力的なB面』が勢力を拡大。やり場のない怒りが抑えきれず、反抗期の子供が親に当たり散らすような態度を取るようになってしまった。
その果てに『怒りに任せて人さらいをめった刺し』に出来た頃の『子供』に戻っちゃった。(つまり『退化』)
しかし、エレンと共に成長してきたアルミンや104期の仲間達は『A面のエレン』しか見たことがないから『変わってしまった』ように見えた。
『B面のエレン』を見たことがあるのはミカサだけです。しかし『A面のエレンだけ』が『本当のエレン』だと信じ込みたいミカサは『ジークに操られているんだ』と『人のせい』にして『B面のエレン』から目をそらし続けました。しかし実際は『A面B面両方そろってエレン』です。
ミカサとアルミンは『エレンに近すぎた』のと『普通の世界』で生きて来たから、気づきようがなかったんでしょうね……
ミカサが頭痛と共に、人さらいをめった刺しにするエレンのことを時々思い出していたのは、これまで目をそらし続けていた『暴力的なB面もまたエレンなのだという現実』を直視しなきゃいけないと、意識し始めたからなのかもしれません。
それが123話の『エレンは変わっていないのかもしれない(B面のエレンを受け入れた)』に繋がったのではないでしょうか。
* * *
それでは今回はこの辺で。
最近、ブログにもYouTubeにもコメントが来るようになってありがたい限り……! 続けてみるもんだ。(*´∀`*)ノワーイ
原作の最終回の後、このブログをどうするかは現段階ではなんとも言えませんが、少なくとも最終回まではガッツリ考察していこうと思います。
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