アニメ進撃の巨人74話『唯一の救い』感想と考察 ジークと愉快なダメ大人達【ファイナルシーズン】
アニメ進撃の巨人ファイナルシーズン74話(15話)『唯一の救い』の感想と考察。今回は幼少ジークとグリシャ達ダメ大人達やクサヴァーさんの無責任さについて。
こんないたいけな子があんなクソ髭野郎さんになったのはやっぱ大人のせいだと思うの……おかげで気の毒な目に遭う兵長。
アニメだとより一層、グリシャ達の毒親っぷりが強調されてるね……
原作漫画の大きなネタバレは枠で囲っていますが、そうじゃないところでもしれっと混じってることがあるので、アニメ派の方はその辺承知の上でお願いします。
グリシャとジークのすれ違い
グリシャパパ、息子に『出たい』って、言わせてる感がすごい。当のジークは、世界だのなんだの言われても、あんまりピンと来てなさそうなんだよね。
この頃から『自分が思ったこと』ではなく『親が望んでる回答』を答えるようになってるって、そらグライスくんでなくとも『どんな教育したんだ!』言われるわな……
一番心に引っかかるのが、見ず知らずの人が吐き捨てた暴言ってのがリアルだよなぁ……(言ったヤツは忘れても、言われたヤツはずっと覚えてる典型)
グリシャやダイナは、息子に『世界のおかしさ』や『自分達が置かれた状況』『自分達の正しさ』を教えるために収容区の外に行ったのかもしれんけど、幼いジークからすれば、自分を守るべき親に『わざわざ怖いところに連れて行かれた』ってだけだもんなぁ……
これ、もうちょっと大きくなってからでもよかったじゃん。大人だって怖いだろうに……
この親子、この時点からもう噛み合ってなかったのかも。
マガトさんとシャーディス教官比較
若いマガトさん。顔つきがシャーディス教官と同タイプ。
シャーディス教官は心が折れて、色々思い知ってから教官になったわけだけど、マガトさんはその逆で、教官をやってから隊長になったん?
なんかこの頃のマガトさんは、まだマーレや自分に対する『誇り』とか『忠誠心』的なのがある感じがする。だからそれが感じられないジークにキレてるわけで。
そんなマガトさんも色んな戦場を経て、現在はマーレに失望し『英雄像の中は空洞』とタイバーさんに嫌味を言うまでになった。
シャーディス教官も似たようなもんで、若い頃は『自分が変えてやる!』という気概があったけど、気概だけじゃどうにもならない現実、本物の『特別な人(エルヴィン)』登場で自分自身に失望し、団長を辞任して引っ込んじゃった。
マガトさんとシャーディス教官、教官職と現場職に関しては『先』か『後』かの違いはあるけど、やっぱどこか同タイプな2人。
もしマガトさんがシャーディス教官と同じ経験を経てから教官になってたら、エレンの時みたいに、ジークをあらゆる手段で辞めさせてくれたのだろうか。
だってこの子、どう見ても『戦士になりたい』なんて思ってないでしょ。『戦士になりたい?』と聞かれてめっちゃ目ぇそらしてんだもんな……
嘘がヘタだね……!
強引にでも辞めさせてあげてたら、場合によっちゃあグリシャ達もあんな結末にならなかったんじゃあ……まあ、家庭内でのジークの立場がもっと微妙になったかもしれんけど。
追い詰められるジーク、毒オヤーズの圧
他の復権派のメンバーに子持ちはおらんかったんだろうか。他のメンバーにジークくらいの年頃の子がいれば、その子もジークと一緒に戦士隊に送り込むとかしてもよさそうなもんなんだけど。
そうすりゃ『始祖を真の王家にお納めする』は先送りになったとしても、他の巨人をマーレから奪うチャンス増えただろうし、ジークの負担もちょっとは減ったと思うんだけど。
もし『リーダーの子だし』『王家の血筋の子だし』って理由で、自分の子は差し出さず、ジーク1人に全部押しつけてたって言うんなら、他のメンバーもイェーガー夫妻と同罪でしょ……グリシャと一緒にジークに圧力かけたグライスくん、グリシャの教育責める資格ないと思うよ。(でもこの人が天使ファルコのご親戚という事実)
ジーク、なんだかんだで両親と一緒に歩いてる時や、パパに褒められた時とか、めっちゃ嬉しそうなんだよね……
グリシャはグリシャで『わかってきたな!』って喜んでるけど、これ、『こう言えば褒めてもらえる』ことが『わかった』という親子がすれ違ってるシーンなのよね……
そしてそのパパが、一番自分を追い詰めてくるという……
この場に大人3人もいるのに、誰一人、ジークをかばったりグリシャをいさめないってどうなん……?
まともな大人がいねぇ……!
でも、どんなに使命だなんだ背負わされても、ダメなもんはダメで。
グリシャの荒れっぷりが原作よりひどい……
せめてもの救いは『あの子はがんばってるじゃない!』に関しては否定してないのと、暴力振るったりジーク本人に『お前はダメなヤツだ!』とか暴言吐いたりはしていない点。
それでも表情で語ってたり、やっぱ虐待だよねぇ……
しかも愚痴ったり悩みを打ち明けられる友達もいない。
他の候補生が、みんなライナーみたいに『家族のためにがんばるんだ!』って子達ばかりだとすると、ジークはその逆。
モチベーションも全然違うし、親子の仲良し話とかされると辛すぎて、そりゃ輪の中に入れないよね……
両親がいて祖父母もいて、しかも医者のおうちと、傍目にはめっちゃ恵まれた環境だってのに、超・孤独。
親はいない、地下街という修羅の国出身だというのに仲間には恵まれていた兵長とはつくづく逆……やっぱどんな環境であろうと、『子供が助けを求められる大人がいない状況』ってのは辛い……
ジークの救いの神・クサヴァーさん
クソな大人に囲まれてる中でクサヴァーさん登場。
まあ、こんな環境じゃあ『救いの神』に見えるよなぁ。自分の中のモヤモヤを言語化してくれたわけだし。
クサヴァーさん的には、所詮ジークとは『赤の他人』という無責任ポジションだったから、この時は事情を知らんまま好き勝手に思ったこと言っただけなんだろうけど、この時のジークが求めていたものに見事合致してしまったというか。
おかげでジークはちょっと元気になって『これでいいんだ』と『未来に希望』を抱けたわけだけど、その反面『両親の期待に応えられない自分』にも絶望しちゃうという……ほんまこの時のジーク、一体どうすりゃよかったんや……
ジーク、すげぇ勇気を出して『もうやめて』って言ったのに、どうしてそんなことを言い出したのかは考えず、自分達の思想を語るご夫婦。
グリシャとダイナ、なにかに操られているかのようで怖いよ……
本物の悪魔は善良な羊の皮をかぶってやってくる
イェーガー夫妻は、まあ、必死なのはわかるけど、それを子供に押しつけるのは違うと思うし、売られてもしゃーないとは思う。
でもクサヴァーさん。これまでは無責任ポジションだったから思ったことそのまま言えたけど、さすがに『告発しろ』は、人の命が掛かってるぶん『無責任』ってわけには行かないと思うよ……!
そしてそれを『ジークにさせる』ってのはどうなん……
なんかクサヴァーさん、これちょっと無責任な感じがする。
『キミは悪くない』『愛さなかった両親が悪い』って言ってるけど、『悪いのはこの子の両親であって『告発しろ』と言った自分は悪くない』とも言ってるみたい……
ジーク、クサヴァーさんに言われなけりゃあ、両親と一緒に逝くつもりだったもんなぁ……たしかにこれはけなげだし、『救いたい』って思うのはわかる。
でも、どんな親でもジークにとっては『親』なわけで。これによりジークは『自分は親を売った子』という『罪の意識』を一生背負うことになってしまった。
『これしかない!』って言ってたけど、クサヴァーさんがグリシャ達を告発するって方法もあったじゃん……
一応巨人継承者だし『自分がこれまで以上にマーレに尽くす。だから情報提供者のこの子はどうか見逃して!』ってジークを守れたんじゃあ……もしくは『ジークのじいちゃんばあちゃんから告発してもらう』とか。
仮にそれでダメだったんなら、それこそ『赤の他人』がそこまで責任持つ必要はないわけで。
もしそれでうまくジークを守れた場合、まあ、クサヴァーさんは『僕から親を奪った人』としてジークに恨まれ、もうキャッチボールなんて出来なくなるかもしれないけど、ジークを『親を売った子』にせずに済んだかもしれない。
しかも、その後もジークは戦士候補生として過ごしてるし……これ、親を売ったことで『マーレへの忠誠心』が認められたからでしょ?
元々『やる気ないならもう来んな!』って言われてたし、じいちゃんばあちゃんの元で『普通の子』として暮らせんかったんかいな……『マーレへの忠誠心』を見せたことで、逆に戦士を辞められなくなったんじゃあ……それ、ホントにジークにとって良かったの?
たとえもう会えなくなったとしても、どこかで元気に暮らしているなら、それで良くない?
そうすれば、『生まれてこなきゃよかった』なんて言い出すことなく、人並みの幸せな暮らしが出来たかもしれない。
そうじゃなかったとしても、こんなクソな拷問するようなヤツにはならんかったはずなんですよ……
ジーク「なんてひどいことを……」
リヴァイ「まったくだな」
うーん、ジークの回りの大人が毒すぎるせいで、クサヴァーさんが『まともで善良な大人』に見えちゃうけど、やっぱこの人も所詮は『無責任な赤の他人』だと思う。
たとえばケニーは、傍目には『無責任な人』に見えるけど、拾ったからには『責任』を持って、リヴァイに『自分で生きる力』を教え、『もう1人でやっていける』と判断してから去ったんですよね……
たとえ最低限でも『義務』は果たしたと言える。
一方でクサヴァーさん。
ちょっと厳しい見方をすると、自分が悪者にならないためにジーク本人に『親を売る』なんて幼心に傷を負うことをさせ、その後『ジークのお父さん』というおいしいポジションだけをちゃっかりいただいた感じがする。『育ててもいないのに親父面だけはしたい』みたいな。
もちろん『赤の他人』であるクサヴァーさんがジークのためにそこまでやる必要はないし、かといって、この子を見捨てるのも忍びないってのもわかるけど。(だからこそ『赤の他人』)
クサヴァーさんは基本的には『善良な人』だと思うし、ジークの『救いの神』であったのも間違いないと思う。
でも同時に、羊の皮かぶった悪魔でもあったという……
世の中はこういう人のほうが圧倒的多数なんだろうなぁ。最初の水ぶっかけた掃除のおっさんも、『相手がエルディア人以外』だったら基本的には『羊のように善良な人』のはずなんだよね……
そしてしれっと存在する羊。
_人人人人人人_
> かわいい! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
ジーク、ヒーローへの決意表明
人類の半数が死ぬって、巨人もヤバいけど疫病だって十分ヤバいよね……いや、食い殺されるようは病死のほうがまだいい気もするけど。(巨人に食い殺された数と疫病で死んだ数ってどっちが多いんやろな……)
この格好、モロに中世のペスト医師。
ユミルの民からいきなり感染者がいなくなるって、たしかにそれ以外の人種からすれば恐ろしくもあり、うらやましいと思っちゃうかも……
そしてそこからユミルの民去勢計画へ。
ジークには、自分が子供作らず、のらくら生きる生き方もあったんですよ……
なのにこの使命感。これはまさに、グリシャの教育のたまもの……!
ただ、方向性が真逆なだけで!
使命に目覚め『人類を救ってみせる!』と、1人の若者がヒーローになることを決意した感動のシーン!
なお手口。(2回目)
ジーク「人類を救ってみせる!」
リヴァイ「ふざけんなクソが」
しかし『モチベーション』って大事なんだなぁ。
グリシャの時は落ちこぼれで『もう来んな!』言われてたのに、ちゃんと巨人の継承権ゲットしとるんやで……そら、クサヴァーさんの推薦と、元々あんまり役に立たない巨人だからまあええかってのもあったのかもしれんけど。
それにしてもクサヴァーさん、ジークの寿命13年になるってのに、ホントに継承させていいんかいな。
グリシャは寿命縮むの知らんかったから継承権を狙ってたわけで、もし知ってたら、ふつーにためらったと思うよ……
奥さん子供の件といい、『いいとこだけいただいて自分は去る』って感じがして、やっぱ無責任な赤の他人だと思うこのおっちゃん……
自分がついた嘘を棚上げして、全部血のせいにすんのは卑怯だと思うの……
『都合のいい子』にされるエレン
ジークからすると、エレンってまるで自分の願いを叶えるための運命の存在みたいで、非常に『都合のいい子』だったと思う。
まだ会ってもいないエレンを『洗脳されている』と直感出来るんだもんな。洗脳されてるとわかるなんてすごいなエスパーかな?
フロック達イェーガー派もそうだけど、みんながみんな、エレンを『自分の都合のいい子』として見てるよなぁ……
そしてそれを訂正しないエレンもエレンだよ!
ほぼ初対面(一応2回目)の弟の言葉に涙するジークお兄ちゃん、ちょろい……!
この時のエレン、幼い頃のジークそっくり。『自分が思ってること』ではなく『相手が望んでる回答』をするところが。
そしてジークは『わかってきたな!』と喜んでたグリシャと同じになってる……
エレンは、グリシャの手記でグリシャがジークにどんな子育てしたのか知ってたからなぁ。一方で、ジークはエレンがどんな風に育てられたかまったく知らないわけで。
『自分と同じように育てられたに違いない!(自分と同じ想いを持っていて欲しい)』って思い込みたかったのかも。でもそれって『いつかきっとわかってくれる』と勝手に期待をしていたグリシャとダイナと同じことを弟にしてるわけで。
両親と噛み合わず、弟とも噛み合わず、トモダチはいないし大人はマトモなのいないという、つくづく孤独なお兄ちゃん……
それはそれとして雷槍はぶっさされていいと思うけど。
ホンマ、ジークが出会ったのがクサヴァーさんじゃなく、104期ユミルみたいな人だったらなぁ。
去勢計画が成功して一番喜ぶのって、自分らを迫害し、グリシャやダイナをあんな風にさせたヤツらなんやで……
生きるか死ぬか ジーク決死のドッカン☆チャレンジ!
前回が夕方だったので、どっかで一夜明かした翌日の模様。
朝から土砂降りとか、兵長的には踏んだり蹴ったりなんだけど、でもこの雨がなけりゃあ、この後のダメージもっとデカかったと思うとラッキーだった……のか……?(『ラッキー』とは)
【前日からの兵長のスケジュール】
- ザックレー総統ドッカン事件の報告が来る
- 部下全員巨人化
- 巨人無双
- お髭無双
- お髭拘束
- 一人でキャンプ片付け・馬車準備
- 馬車移動(見張り:自分、御者:自分、馬の世話:自分、時々輪切り:自分)
- 夜:一夜明かす(見張り:自分、馬の世話:自分、お茶くみ:自分、時々輪切り:自分)
- 朝:馬車移動(見張り:自分、御者:自分、馬の世話:自分、時々輪切り:自分)
絶対寝てないでしょこれ……
兵長、お疲れ様……
それにしても、まるでチ●ビタドリンクのような兵長の愛情1本(※雷槍)がこんなことに……!
兵長とお馬さん、かわいそう……!
ジーク「俺も結構かわいそうじゃありませんでしたか……?」
愛情は1本ではなくダースで刺しておけってことですかね。
そうすりゃさすがのジークも『生きるか死ぬか! ドキドキ☆雷槍ドッカンチャレンジ!』なんかせぇへんかったかもしれんのに、兵長ったら優しい……!
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