進撃の巨人最終話『あの丘の木に向かって』感想と考察 始祖ユミルとヒストリアの心の中【139話】
進撃の巨人最終話『あの丘の木に向かって』感想と考察。今回は最後まで何も語ることのなかった始祖ユミルちゃんやヒストリアの心の中についてです。
思ったことを好き勝手に書いてるので、そりゃねーわなのもあるでしょうが、あたたかく見守ってください。考えるだけなら自由だろ?
2021年4月の139話最終話の内容です。ネタバレ配慮してないんでご注意を。
最後まで語らなかった始祖ユミルちゃん
結局、ユミルちゃんは最後まで自分でなんか語ることはなかったなぁ。『読者に委ねます』ってことかな。(諫山先生は想像の余地を残してくれるタイプだよね)
最後までしゃべらなかったってことは、光るムカデくん寄生後も舌はない状態のままで、しゃべりたくてもしゃべれなかったってこと?
出来たばかりの傷は治っても、舌の傷はとっくにふさがってたせいで、光るムカデくんに『舌がない生き物』として認識されてたんだろうか。
さて、ユミルちゃんが語らない代わりに、エレンが答えてくれました。
Q:ユミルちゃんが巨人を作り続けた理由ってなに?
A:王様を愛していたからちゃう? しらんけど。
えぇ……趣味わるっ。(趣味の問題か?)
ぶっちゃけ、この王様自身は『そこまでの大物』とは思わんのよね……たしかに国を豊かにしたかもしれんけど、それってユミルちゃんの力頼みでしょ? だからユミルちゃんが死んだ時焦ったわけで。
一応、口では『よく働いた』と言ってはいるけど、その前に『我が奴隷』がつき、その褒美が『子種』だけって完全にモノ扱い……
織田信長は農民だろうと能力がある者にはきちんと身分を与えるという度量を見せたけど、この王様はユミルちゃんを奴隷のままずっと冷遇してたわけじゃん……『巨人の力が自分に向けられるのを恐れた』って言うんなら、それだとなおさら『いい思い』させなきゃあかんやろ。
たしかに強者(ユミルちゃん)を従えるのも実力のうちかもしれんけど、そこに『おまえのおかげだよ』という気持ちがないどころか『全部オレの力』と勘違いしてる時点で、たいした男じゃないと思う……むしろ、典型的な小者DV野郎だよ!
ユミルちゃんもユミルちゃんで『この人(国)は私(巨人)がいなきゃアカンなる』と求められることに喜びを感じていたとしたら、完全にDV脳……!
でも『王様を愛していたから』だとすると、そのまま死んだのはなんで? ってなるな。
普通に考えると、愛想が尽きたから死んだだと思うんだけど……
槍食らって倒れた時の『王様のお言葉』聞いてなお『無事で良かった』なんて思ってたとしたら悲しすぎるのですが……
それにしても、この頃の光るムカデくんには今ほどの再生能力はなかったの? エレンは首吹っ飛ばされてもムカデくんにジャコーン! されて復活しちゃったし。
現在、世間を騒がせてる某ウイルスみたいに、宿主変わっていくうちにパワーアップしてったんやろか?(『道』のユミルちゃんパワーもあるのかも)
始祖ユミルの心の中
個人的には、138話に考察した通り、巨人作りはおっさんよりも娘達のためだと思うんだけど、どうなんだろ。
だって『王様を愛してたからちゃうか』ゆーたのが、女心わからん選手権万年1位のエレン・イェーガーさんやからなぁ……
うーん『愛していた』は合っているかもしれんけど、どっちかというと『1人の女性として愛し愛されたい』という『執着』とか『未練』のように見えるけど。ぎょーさん女はべらせてんのを横目で見てたし。
122話と139話の光景から察するに、子供こそ作ったものの、ユミルちゃんは王様に触れるどころか世話をすることすら許されなかったみたいなんだよね……
王様は『子種をやる』と言っただけで『妻にしてやる』なんて言ってないし。すでに『奴隷』という『所有物』だったから、『妻』という身分は今さら必要なかったのかも。
敵国と戦い、国を発展させ、王の子を産み、誰よりも一番貢献しているはずなのに、自分はいつも王様から離れたとこにいて、触れることが出来るのは別の女。かわいがってもらえるのも別の女。『自分もその中に加えてもらって、嘘でもいいから愛の言葉をささやいてもらいたい』ってのがあったのかなぁ……
でも結局、身代わりに槍を食らっても優しい言葉ひとつ得られなくて、『あ、ここまでやっても愛は得られないんだ』と絶望した悪魔ユミルちゃんが『この力で世界をメチャクチャに踏みつぶしたったら自由になれるかなぁ!? キャハー☆』とでも思ったんだろうか? でも天使ユミルちゃんが『いやいや、そんなんやったらアカンて! 子供おるし!』と阻止するために自ら死んだの?
だとすると、エレンの『なんでかわからんけどやりたかった』って『二千年間くすぶってたユミルちゃんの怒りの代行』ってこと?
『姿もやってることも完全に化け物』に成り果てたにも関わらず、変わらぬ愛でエレンを救いにやって来たミカサは『ユミルちゃんがずっと求めていたもの(愛)を与えてくれた救世主』ってことかな……ユミルちゃんを不自由にしたものは『愛』だったけど、不自由から解放したのも『愛』。
あれ? そう考えるとエレンってユミルちゃんの生まれ変わりみたいだな。(『お前は自由だ』ってそういう……?)
光るムカデくん消滅で巨人も消滅
宿主であるエレンが死んだことで、シャイニングムカデくん消滅したようで。
『宿主がいなきゃ死んじゃう』って、ウイルスみたいだな。そういう意味ではか弱い存在というか。
ジャン達、人に戻るんやろなと思ってはいたけど、ホントに戻ってよかったよ……だってこの漫画『進撃の巨人』だもんな……(謎の信頼)
ファルコもホントがんばったよ。ガビに投げ技かけてもらえるご褒美だ!
しかし、ジャン達が戻れたのは良かったけど、壁巨人くん達は?
壁巨人くんは傀儡の巨人ってことで、中に人はいなかったってことなんだろうか。それはそれで良かったけど。
これ、人が入ってたら、今頃幾万人の元・壁巨人くんが文字通りの全裸待機ということになってたもんな……(104期ユミルがそうだったけど、長いこと巨人になってた人は服が分解しちゃうようで)
ミュラー長官達、いきなり一斉に巨人になったと思ったら、今度は一斉に人間に戻ったり、すげぇもん見ちゃったよね。
少なくとも、継承以外で無垢の巨人が人に戻ったってのはこれまでなかったはず。(エレンの様子からして、始祖パワーを持ってしても人に戻すことは無理っぽい)
それが突然、人に戻ったわけだから、巨人化能力が消えた? と思ったとしても、やっぱ怖いよね……
かっこいいアルミンに、アニちゃんが完全に惚れ直してる。これは恋する乙女。(アニとミカサ、男を見る目に関してはアニに軍配上がるな……)
立体機動を捨てるのは3巻のオマージュだけど、宣言してるところはヒストリアにも似てるかな。
立体機動をはずすの、『抵抗の意思がない』ってことでもあるんだけど、同時に『巨人がいなくなった今、もう必要はない』って風にも見える。
そしてミカサがエレンの生首(死体)抱えてるのに対し、次のコマでヒストリアは自分のお子さん抱えてるという残酷な対比……
支持率低下のヒストリア女王様
ヒストリアとお子さん、無事だった。3歳のお誕生日おめでとう。(『お産は数か月後』とは一体……)
クセっ毛はパパ譲りでしょうか?
石井くん(仮名)、まさか最後まで名前不明のまま終わるとはな……ヒストリア、石井くんと娘さんには『計画のためにあなたに接近し子供をこさえました』ってことは墓場まで持って行って……!
でも、余計なこと言うヤツが必ずどっかにいるんだろーなぁ……
それにしても、その後も女王様続けられたんか。ヒストリア的には兵団がイェーガー派に代わっただけって感じ?
ということは、その後も、ヒストリアは『傀儡の女王様』やってたってこと? それだとイェーガー派的には無害だし、なんかに利用出来るかもしれんから、わざわざ追い出す必要もないか……
うーん、みんなが大変な時に蚊帳の外に行き、その後、ちゃっかり元のポジションに戻るって、この超悪い子、一部の層から恨まれてない? 大丈夫?(妊娠自体は悪いことじゃないけど、やっぱタイミングが……)
個人的には、もし自分がアンカさんやヒッチの立場だったら、ちょっとこの女王様は支持出来ない。
そりゃあ身の上は同情するし、妊娠中だったししゃーないとはわかっちゃいるけど『民がめっちゃ大変な時に何もしなかった(出来なかった)女王様』ってことに変わりはないもん……妊娠も『継承嫌で狙ってやったんじゃあ?』って疑いは消えないし、おかげでピクシス司令達が……だし。(しかも本当に狙って妊娠したという……)
ヒストリアのダメ女王様ポイント
『妊娠しちゃう』以外に、継承回避する方法はなかったんかなぁ……やっぱ最初に『継承します』なんてその場でかっこよく受け入れちゃったのがマズかったんじゃあ。
だってヒストリア本人は『継承回避のための行動』してなかったよね?
一見、けなげなこと言ってんだけど、それを阻止する方法はあくまで『調査兵団まかせ』で、ヒストリア本人は『他に方法はなかった』って最初から継承を受け入れるつもりでいたんだよなぁ。(そういう意味では最初の宣言通りで正しいんだけど)
ヒィズルの『巨人継承してくれ』って条件にその場でOKしちゃったのは、良くも悪くも『流されやすい性格』が出ちゃったのかな……
それが突然、『継承出来ない状況』にしちゃうって、理由はどうあれ『だまし討ち』みたいで卑怯だと思うの……ローグさんの怒りはごもっともすぎる。(ナイルさんがヒストリアをかばうのは優しさもあるけど『若い娘さんに犠牲になってくれ』っていう後ろめたさもあるんだろうなぁ)
だったら最初から『継承ヤダ!』って言ってくれたほうがよっぽど良かっただろうね。
そのせいで、兵団もヒィズルも最初から『ヒストリアに継承してもらう(一番お手軽)』前提で動くようになった節があるから、かっこ悪くても『巨人になるなんてヤダヤダヤダ!』ってもっと駄々こねるとか『継承してほしいヤツは私の靴をお舐め!』って別の女王様に覚醒するとかワガママ放題して、兵団全体を『継承阻止』の方角に傾くよう仕向ければ、お家の起死回生を狙うキヨミんも、もっと本気でがんばってくれたかも。
ヒストリアだって、巨人継承なんてホントはしたくなかったでしょーに。
104期ユミルがいたら『人に丸投げしてないでお前もちゃんと抵抗しろよ!』ってヒストリアを叱り飛ばして、本人の口から『継承嫌でござる!』宣言させてくれたかなぁ……(何故侍になる)
なんなら、ヒストリア拉致って逃げ出すとかしそう。『島のために生け贄になってもらう』『継承回避に望まぬ妊娠してもらう』くらいなら、力ずくででも連れ去るほう選びそうだよねこの子……
まあ、巨人化能力が消えて親子で食い合う状況を回避出来たのは『結果オーライ』かもしれんけど、やっぱ『それはそれ』『これはこれ』で考えると、『計画に子供を利用した』ってことそのものに関しては、女王さまとしてもお母さんとしても褒められたもんじゃないと思う……
現時点ではこの女王様は支持出来ないけど、かと言って、ヒストリア自身が現在の軍を支持してるようにも見えないんですよね。
なにしろアルミン達の船待ってるメンバーの中に、『武器持った兵士』がいないんですよ。
これってヒストリア単独で動いてるの? 後ろにキヨミんがいるってことは、ここにいる皆さん、一足先に島に来た諸外国の外交官的な人達だよね?(島のえらい人なら軍服着てるはずだし)
それに当時、妊娠・出産で身動き取れなかったはずのヒストリアが、コニーやジャンの家族を真っ先に保護出来たのも『イェーガー派を支持していない』『ヒストリアの指示で動いてくれた人達がいる』ってことなわけだし。
なんにせよ、ピクシス司令達やエレン、旦那さんと生まれてきたお子さんのためにも、これから『本物の女王様』になれるよう、がんばってヒストリア女王。
ヒストリアがエレンを止めなかったワケ
結局、ヒストリアがエレンに協力した理由は明言されませんでしたね。130話見る限りじゃ、ヒストリアに未来の記憶のこととか巨人化能力が消えるとか、余計なことはしゃべってなさそうなんだけど。
じゃあやっぱ、過去に考察した通り、
ヒストリア「子供作るのはどう?」
エレン「それ採用! がんばって作っといてや!」
で、絶望しちゃったんだろうか……(止めろよ)
いやまあ、さすがにそういう言い方じゃなかったとしても、たとえば『方法はお前に任せる。とにかく継承は絶対阻止してくれ』とか素の顔で言われちゃったら、ヒストリアとしては最悪のフラれ方でしょ……
だってヒストリア、エレンに気があるように見えるし。『子供作るのはどう?』も、なんか期待してるようにしか見えないんだよなぁ……
エレンがヒストリアのこと好きなら『そんなのアカン!』って慌てて止めたはずでしょ?
エレンも『憲兵と争うか逃げるしかない』なんて言ってたし、もしかするとヒストリア『オレと一緒に逃げよう!』を期待してたんじゃあ……(男の口から言ってほしい乙女心)
もしエレンがそう言ってくれたら、ホントに駆け落ちする気でいたのかも?
島を見捨てることになっても、ヒストリアは元々『悪い子』だし、エレンの計画も阻止出来る。
駆け落ちが失敗したらエレンもあきらめがつくだろうから、そうなったら当初の予定通り巨人継承をすりゃいいし。
もしくは、エレンがふみふみ計画のためにヒストリアと子作りしようとしてきたら『よそ様の子踏みつぶそう考えとるクソ野郎が父親になろうとかナメとんのか!』で、幻滅ついでに昇龍拳でも食らわせてやりゃあいいわけで。(女王様がストリートファイターに)
ところがヒストリアの期待に反して、エレンは『自分と一緒に逃げる』よりも『世界を踏みつぶす』を選んだ。
『フラれたショック+自分の好意に気づかない+子供を計画に利用してもOKなクソ野郎だった』の三重苦でヤケクソになったんやろか……女心のわからない男エレン・イェーガーさん……(エレンからすりゃあヒストリアが勝手に勘違いしただけなのかもしれんけど、でもあんだけ好感度上げといてお前……)
現に、139話で『ミカサに他の男出来るのヤダヤダヤダ!』ってごねてたから、エレン的にヒストリアは『大切な仲間』ではあったけど『特別な異性ではなかった』と確定しちゃったんだよね……
だってミカサが『子供作るのはどう?』言ったら『オレ以外の男となんてヤダヤダヤダ!』言ってたってことでしょこの子……そしてミカサとなら駆け落ちしたいと思ってたようだし。
ヒストリアを傷つけ、ミカサを傷つけ、ほんま女泣かせのクソ野郎やであんたって子は……アルミンはあと5、6発殴っといていいと思う。
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NNさん
お久しぶりです! コメントありがとうございます!
私は『虐殺を肯定した世界』とはまったく思わなかったのですが……むしろ『これからそれをひっくり返しにいく未来』を感じさせるエンドだなと。
なにしろ『ユミル(巨人)の呪い』から解放され、これから長生きするアルミン達にとって『人生の第1章が終わった』に過ぎないですし。オレ達の戦いはこれからだ!
エレンと別れ際のアルミンの言葉は、『貝を渡した』ことがポイントだと思います。
その辺りの考察は現在準備中なので、しばしお待ちを!(*´ω`*)ノ
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*・∀・*)
次回はカゴの中で威嚇するハムスターみたいになってる島民とかの予定です。
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