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進撃の巨人 進撃のヒモ男考察その7 死に急ぎのエレンVS生き急ぎのハンジと時々リヴァイとエルヴィン編【最終回ネタバレ】

進撃の巨人アイキャッチ

進撃のヒモ男・エレン被害者の会第7回。今回は死に急ぎのエレンVS生き急ぎのハンジさんと時々リヴァイとエルヴィン編です。

個人的な感想を交えた考察です。過去考察で書いたことも混じってるよ!
エレン・イェーガーさんに対して個人的に思ったことを好き放題に書いているので、『エレンすてき☆ カッコイイ!』と思っていたい方速やかにお引き取りいただくことをオススメします。
139話最終回ネタバレ含みます。

『同じ』で『違う』ハンジとリヴァイ

『無欲』なリヴァイは『スケールの小さい人』だったので、『遠くのもの』より自分と直接関わりのある『身近なもの』を大事にしようとした。
『誰かのため』に心臓を捧げたハンジさんも『無欲』だった。けどこの人は、マサイ族もびっくりなくらい遠くのものがよく見えちゃうもんだから、逆に近くのものがよく見えなくて、人から理解されにくいとこがあった。
リヴァイにとっての『贅沢品』が『紅茶』であったように、ハンジさんにとっての『贅沢品』は『巨人』だったんやろな……そら凡人には理解難しいわ。

この2人は『広いものの見方』が苦手なリヴァイをハンジさんが、『近くのものがよく見えない』ハンジさんをリヴァイがうまいこと補い合ってたんですよね。
実際、リヴァイは近くにいた『エルヴィンの本性』に気づいたけど、ハンジさんはそうでもなかった。シャーディス教官のことも、本人の話を聞くまでは『あこがれの人』だったようだし。

進撃の巨人51話[ 諫山創 ]

進撃の巨人51話[ 諫山創 ]

ハンジさんが『仲間を犠牲にしたくないがためにこんなことを!』とエレンにまんまとだまされちゃったのは、『遠くにいる未知の敵』は徹底的に調べて対策を練るけど、『よく知ってる近くの仲間』を『敵』として疑うことが出来ない『純粋さ』があったのかもなぁ……それをフォロー出来るリヴァイが、髭のせいで出張中というのが痛かった。

進撃の巨人107話[ 諫山創 ]

進撃の巨人107話[ 諫山創 ]

エレンがヒストリアを『島の犠牲にすることはない』と確信は出来ても『エレンのための犠牲にはする』と誰が予想するよ!
だってエレン、あなた仲間達が外の世界とやってくための『最善』尽くしている中、フルパワー地鳴らしするための『最善』しか尽くしてませんでしたよね……? だまされませんよ……

ハンジ団長が島のわちゃわちゃに振り回されてたの、『始祖の巨人』という『とてつもなく大きな力』を、『島さえ救われりゃあそれでいいんだよ!』というあまりにセコケチな使い方をしようとするものの考え方に理解が追いつかなかったからなんじゃあ……(苦手分野)
『近い人』を疑うのが不得意なハンジさんにとって、同じ調査兵団の仲間ですら疑わなきゃいけない状況はしんどかったやろな……そら、ちょっとは逃げたくもなる。

126話

進撃の巨人126話[ 諫山創 ]

ありえないけど、もし本当にハンジさんが逃げる選択をしちゃったら、リヴァイもそれに付き合ってあげる選択をしたんだろうか? この人、ジークの願い(俺を●して地鳴らし止めろ)ですら叶えてあげちゃう人だもんな……最終回でも、死んだ仲間達が夢見ていた『壁の外の世界』にいたし。

他人の夢や願いを叶えるために人生捧げるとか、サンタさんかな。

『中間』のエルヴィン

遠距離担当のハンジさんと近距離担当のリヴァイ、この2人の中間だったのがエルヴィン。『ハンジさんほどじゃないけどリヴァイよりは遠く』が見え『リヴァイほどじゃないけどハンジさんよりは近く』が見えていた。

進撃の巨人悔いなき選択[ 諫山創 / 駿河ヒカル]

進撃の巨人悔いなき選択[ 諫山創 / 駿河ヒカル]

王制のクーデター時、『そこそこ遠く』と『そこそこ近く』を見ることが得意なエルヴィンが計画の立案およびピクシス指令に協力を求め、現場での『即決・即断』が得意なリヴァイが実行部隊になり、『もっと先』を読むのが得意なハンジさんが『後々必要となる一般市民の協力』を得た。
『どっちが優れてる』ではなく、自分の『得意』『不得意』がわかってるから、自分の『不得意』は『得意』な人に任せてたんでしょうねお互いに。

進撃の巨人20話[ 諫山創 ]

進撃の巨人20話[ 諫山創 ]

『スケールの大きさ』に関しても中間なんだよなぁ……一見スケールのデカいこと言ってみんなを引っ張ってたエルヴィンだけど、実際は『おとっつぁんの仮説の答え合わせがしたい』というスケールの小さい人だったし。

進撃の巨人 80話[ 諫山創 ]

進撃の巨人 80話[ 諫山創 ]

とはいえ、このメンツの中で一番『欲望』を持ってたのがエルヴィン。
そのおかげでここまでこれたわけだから、そういう意味じゃあ、みんなを引っ張る『団長』って、ある程度『欲望』を持ってなきゃいけないのかもしれない。(ハンジさんは『欲』がなさすぎた)
ただ、エルヴィンには『欲望』を超える『責任感』があったので、最後は『欲』を捨てることが出来た。

そして、大人になれず、何も捨てられなかった無責任ヒモ男がエレン……

進撃の巨人 最終話[ 諫山創 ]

進撃の巨人 最終話[ 諫山創 ]

いや、ある意味エレンも『捨てる』決断したんだろうけど、あなたにとって『捨てるべきもの』そっちなの!?(『自由』を捨てずに『母ちゃん』と『みんなと一緒にいたい』のほうを捨てた)

歴史の偉人に見る『生き急ぎ』のハンジ

進撃の考察始めた弊害? として、他のドラマやアニメ見ながら『あー、これ進撃にも当てはまるなー』という見方をしてしまう進撃脳にすっかりなってしまったわけですが。
最近では、大河ドラマ『青天を衝け』の渋沢栄一(次の一万円札の人)でしょうか。(ドラマのほうね。史実のえーいっちゃんまでは知らん)

ドラマの栄一と奥さんのお千代さんは『みんなが幸せなのが一番いい』という価値基準は一緒だったけど、お千代さんの思ってる『みんな』は『家族や周辺の人』だったのに対し、栄一の思う『みんな』は『世界中すべての人』だった。
それゆえに、栄一は『近くのもの』を放置気味にしちゃって、それをフォローしてたのが『近くのもの』がよく見えるお千代さん。
この『価値基準は同じだけど見てる範囲が違う』ってのはハンジさんとリヴァイみたい。

そして栄一は晩年になって『争いが起こるのは互いのことをよく知らないからだ』という一つの答えにたどり着くんだけど、それまんまハンジさん。

進撃の巨人132話[ 諫山創 ]

進撃の巨人132話[ 諫山創 ]

ただ、栄一は様々な失敗を経験し、おじいちゃんになってからその領域に達したのに対し、ハンジさんは登場時点ですでに達していたってのが、いかにこの人が『生き急ぎ』だったかがわかるな……そら別に生き急いでない若造のアルミン達に、ハンジさんの領域に到達するのは早すぎた。

進撃の巨人20話[ 諫山創 ]

進撃の巨人20話[ 諫山創 ]

互いを理解し、手を取り合える世界を目指して奮闘し、そしてそれらの努力と苦労が無理解な同胞におおむねぶっ壊されて空回りで終わるってのもそっくりなのよね……(真の敵は外側から来るのではなく内側から湧いてくる

これって『時代』が『栄一やハンジさんに追いついてなかった』ってことなんやろか。
序盤の栄一みたいに『時代』に寄り添いすぎたら翻弄されるし、ハンジさんみたいに進みすぎたら置いてけぼりにしちゃう。『時代を引っ張る者』は『ちょっと先を行く』くらいがちょうどいい。(だからアルミンに託したか?)

それにしても、本来『無理解な同胞に理解を求める担当』が女王様であるヒストリアなのに、あんたって子も……! 3年後じゃなくて妊娠前に本気出して欲しかったよ……!(『近くのもの担当』のお千代さんが早くに亡くなったことで栄一が長男をグレさせてしまったように、『近くのもの担当』の女王様が職務放棄したせいで島民がグレた)
後の歴史研究家に『地鳴らしの黒幕はヒストリア女王説』の本出版されても文句言えねぇくらい黒幕ポジションになってますよあなた……

いや、むしろあなた女王様なんだから『子供作るのはどう?』なんてお伺い立てるんじゃなくて『私がジーク食ったるからそれで一緒に地鳴らししようぜ!』くらいぶっ飛びクイーンになったほうが、エレンもびびって思いとどまったんじゃあ……?

教訓:選択をヒモ男に委ねるなかれ

死に急ぎのエレンVS生き急ぎのハンジ

『死に急ぎ野郎』はエレンだったけど『生き急ぎ野郎』はハンジさんだった。本当に『エレンと対極の存在』ってハンジさんだったんじゃあ……

進撃の巨人26話[ 諫山創 ]

進撃の巨人26話[ 諫山創 ]

エルヴィンは『壁の外』を見据えていたから、自分以上に視野の広いものの見方が出来るハンジさんに調査兵団を託したんだろうけど、誤算だったのは『壁の中』が江戸時代なら『外の世界』は明治・大正、『ハンジさん』は令和のさらに百年先くらいに進撃しすぎていたってことかな。もう火星にくらい行ってそう。

なお、本人の意図はどうだったか知らんけど、結果として戦国乱世に逆進撃してたのがエレンさんだった模様。あなた『敵滅ぼして解決!』は古代からある古い価値観じゃない。

進撃の巨人20話[ 諫山創 ]

進撃の巨人20話[ 諫山創 ]

『変革』を求める調査兵団に感銘受けてたお前どこ行ったん?(※『感銘』は受けても『オレもそうなりたい』とは言ってない)

エレンって、『巨人』を倒すために『巨人パワー』を使ったんだけど、その力は『人からもらったもの』であり、しかも『力の使い方』を考えたのはアルミンやハンジさんだよね……? 岩で穴をふさぐとか、硬質化パンチやら地獄の処刑人やら。

進撃の巨人25話[ 諫山創 ]

進撃の巨人25話[ 諫山創 ]

それを『自分の力』と勘違いしたかどうかは知らんけど、『いただきものの力』を『オレの自由のため』というセコケチな目的のためにただの暴力として使っただけじゃないあなた。作戦もなく敵陣に突っ込むだけの人と何が違うの?(そんなんだから『死に急ぎ』と言われ、初陣でアルミン以外の班員全滅した)

しかも戦ったのはユミルちゃんだし巨人化能力を消したのもミカサちゃんでしたよね……?
これじゃあ『ごちそうは誰かに用意してもらって自分は恩恵だけいただく』ヒモヒモしいセコケチ野郎じゃねーかあんたって子は……!
『芸術』で戦ったザックレー総統のほうがよっぽど先進的でしたよ!

ザックレー「人類に私の芸術は早すぎたか……」
ピクシス「令和の百年後でも難しいと思うぞ」

とはいえ、ある意味エレンのおかげ? で『外の世界』は昭和を飛び越え平成くらいにまで一気に時代が進み(島は明治頃かな)、令和時代のアルミンが団長になってようやく世界とお近づきになれたけど、それでも人類は生き急ぎのハンジ・ゾエに追いつけない。

対となる大人トリオと子供トリオ

なんかアルミンが目立って、そっちが『エレンと対極の存在』みたいに見られてるけど、やっぱ一番エレンと対極の存在ってハンジさんじゃん。

エレンとハンジさんの対極表

↑エレンとハンジさんの対極表

自分の行動で『我が言葉に嘘偽りなし』と証明したのがハンジさんだったけど、自分の行動で『オレの発言全部建前でしたー』証明したのがエレンとついでにヒストリアだったよ……
いや、当時は全部本気で言ってるつもりだったんだろうけどさぁ。行動に反映されなきゃないのと同じですからね……? だまされませんよ……(ヒストリアは名誉挽回のチャンス来たけどそれでもやっぱ『当時』何とかしてほしかったわ……)

大人トリオと子供トリオの『生い立ち』に関しても、なんか対になってますよね。
中央憲兵に父ちゃん殺されたのがエルヴィンだったけど、アニメ版の設定ではアルミンの両親も気球で壁超えようとして中央憲兵に殺されてるんですよね。
リヴァイとミカサは迫害を受けて、かたや地下街、かたや人里離れた山奥に追いやられてる。
ハンジさんは生い立ちは語られなかったけど、やっぱエレンと同じく『安全で快適な場所』で『いい大人』や『いい友達』に囲まれて育った人だったんじゃないかなぁ……

でもエレンと違ってなにかを否定することはなかったから、欲望を抱くことも誰かに敵意を抱くこともなく、安心して遠くを見ることが出来たんだろうか?
『遠くのものが見えすぎた』結果、人類は壁の外に出るべきと気づいて調査兵団行っちゃったんかなぁ……

しかしハンジさんと対になるエレンは、歴史に学ぶこともなければ体験にも学ばず、あれこれ『否定』しまくり、欲望を抱き敵意を抱き他者を思いやらず、遠くを見てるフリして自分の頭ん中の願望しか見てなかったというね……
調査兵団に行く理由、同期には『ご立派な志のため』のように語っといて、本音は『とにかく巨人をぶっ●したい』という欲望のためだったもんな……フルパワー地鳴らしの目的といい、昔っからエレンは本音と建前の使い分けが神がかり的無自覚嘘つきマンだった。(『建前のエレン』を信じたのが同期やイェーガー派)

エレンがハンジさんと勝負しようにも、物理的な強さはともかく人間性はもはや竹槍VSガ●ダムくらい差がありすぎるから、アルミンでちょうどよかったのかも。

アルミン「僕はエレンへのハンデだったと!?」

『衝突』を恐れなかった勇者達

エレンは『曲げられぬ信念があるかぎりオレ達は衝突する』なんて言ってたけど、ある意味これは間違ってはいない。争いのきっかけは『異なる何か』だったりするから。

進撃の巨人133話[ 諫山創 ]

進撃の巨人133話[ 諫山創 ]

けど、『衝突』ってしちゃいけないものなの?

たしかに大人は、子供達に『ケンカせずに仲良くね』と言うけど『ケンカ』って絶対するでしょ。むしろ『ケンカしないからウチは仲良し!』って、それ『どっちかが我慢してるだけ』『腹ん中ではどす黒い不満が爆発寸前』ってことはないですかね……?

『衝突』を恐れた『壁の王』が作った『楽園』は、まさに『民に我慢してもらうことで成立する楽園』だった。
そして王様は、自分の楽園のために我慢してくれる『都合の良い子』だけをかわいがった。いじめられてる子を排除して『ウチのクラスにいじめなんてありません!』と言ってる先生みたい。
そりゃあ楽ですよね。『都合の悪い子』には消えてもらったほうが。

進撃の巨人125話[ 諫山創 ]

進撃の巨人125話[ 諫山創 ]

『オレ達の勝利だ!』と喜んでた島民だけど、それも犠牲者側を我慢させた上での喜びであり、それが最終回まで続いてる。

もちろん『衝突』した結果、悪化することもあるだろうけど、それを恐れて何もしなきゃ、『いつまでも一方が我慢し続けなきゃいけないヒモ男とヒモ女な関係』は変わらないわけでして。
『ヒモ女はイヤでござる!』と、勇気を出して『巨人』や『王政』に『衝突』したのが調査兵団。

進撃の巨人55話[ 諫山創 ]

進撃の巨人55話[ 諫山創 ]

その結果、『巨人の正体』や壁が出来た理由、王がしてきたことの意味を『理解』することにつながった。

『衝突』にびびった臆病エレン

でもさー。世界に対してエレンがやってたのは、一見『衝突』は『衝突』なんだけど、

「曲げられぬ信念があるかぎりオレ達は衝突する!」

「なので今後衝突をなくすため、相手さんには消えてもらいます!」

という『衝突の否定』だったよね……
一周回って、エレンもある意味虐殺否定してるんじゃあ……?(『虐殺否定するため虐殺する』という意味不明な事態になってたけど)

そもそも『衝突はいけないことなので相手に消えてもらいます!』って言うんなら『結婚』なんて誰も出来ねぇだろ何言ってんだコイツ?(あなた夫婦ゲンカの兆候が出たら家に帰ってこなくなるタイプですね……?)
良い夫婦は『衝突』してもそこから『気づき』を得て、さらに強固な関係へと進化してくんやで……!

進撃の巨人127話[ 諫山創 ]

進撃の巨人127話[ 諫山創 ]

そう、ジャンとライナーのように!(夫婦……?)

ジャンやライナー達は、『衝突』の末に理解し合い、その関係がより強固なものになったんですよ……あなただって、ジャンと『衝突』を繰り返して理解を深めていったじゃない……(むしろ自分から衝突しにいっとる)
なのに、衝突を恐れるあまり、相手を行き過ぎた火力で滅ぼしにかかるって、それ『理解すること』の放棄であり、巨人におびえた世界がエルディア人にやろうとしてたこととまったく同じじゃないですかね……?(弱いヤツほど行き過ぎた暴力に走る)

幼き頃のあなたが『調査兵団バカにすんなー!』って怒ったのは『理解して欲しいから』じゃなかったの? でもそのためにあなたがとった手段は『背後からぶん殴る』でしたよね……?

進撃の巨人1話[ 諫山創 ]

進撃の巨人1話[ 諫山創 ]

これって要は『オレの信念のためにお前が曲がれ』と、『暴力』で相手をねじ曲げようとしただけですよね?(理解の放棄)
スケールが変わっただけで、『10歳当時のあなたがやったこと』と『大人になったあなたがやったこと』と、なにか違いますか……? 自分のことは『理解しろ』と要求するのに、相手のことは理解する気ゼロですか?(『調査兵団行きを反対してた母ちゃんを巨人に食わす』ですらこれと同じだったんじゃあ……)

ハンジさんのお話に朝まで付き合ったのは『理解したい』と思ったからじゃなかったの? そん時のあなたどこ行ったの……?

進撃の巨人107話[ 諫山創 ]

進撃の巨人107話[ 諫山創 ]

少なくともハンジさんは、あなたのことを『理解する努力の出来る子』と信じてたと思うよ……!

『理解すること』も『理解してもらうこと』もあきらめなかったハンジさん

『理解』を放棄して自分からガンガン衝突しにいったのがエレンだったけど、『理解』することもしてもらうこともあきらめなかったのがハンジさん。
それがわかりやすかったのが、アニメ版の『イルゼの手帳』。

進撃の巨人 OAD イルゼの手帳

進撃の巨人 OAD イルゼの手帳

原作は手帳見つけて終わったけど、アニメ版は結構ストーリー追加されてましたね。

『巨人なんてぶっ●すだけでいい(巨人を否定)』と考えていたリヴァイやオルオは、我が身や仲間を危険にさらしてまで巨人捕獲に挑んだハンジさんが理解出来ずに一度はぶつかるんだけど、しかし偶然だったとはいえ、イルゼという『1人の仲間の戦果』を無駄にせず済んだ。

進撃の巨人 OAD イルゼの手帳

進撃の巨人 OAD イルゼの手帳

最後、リヴァイやオルオ達がハンジさんと和解したのは、『目の前の仲間』という『狭い範囲』だけ見ていた自分達に対し、ハンジさんは『巨人と向き合うことで死んだ仲間と向き合っていた』と『理解』したから。(イルゼの家族に遺品を届けたのもハンジさん)
リヴァイは『仲間』を大事にはしていたけど、『死んだ仲間との向き合い方』はハンジさんから教わったんやろな……

そして死に急ぐ発言をしたオルオにマジギレしたりと、別に『目的のためなら命を粗末にしていい』とも思ってないんですよね。(なおエレンは、自由のためなら自分の命も他人の命も惜しくなかった模様)

進撃の巨人 OAD イルゼの手帳

進撃の巨人 OAD イルゼの手帳

『巨人捕獲』にNoだったエルヴィンにも、それを説得するための『材料』と『根拠』をちゃんと提示し、『理解』してもらう努力を怠らなかった。

進撃の巨人 OAD イルゼの手帳

進撃の巨人 OAD イルゼの手帳

それにしても、かつて『1体捕獲するだけで20人死んだ(エルヴィン談)』という巨人捕獲を、創意工夫で1人も死なせることなく3体も捕獲成功させたの、やっぱすげぇよあんたって人は……画像だと4体いる気するけど。

* * *

それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
次回は手段のためなら目的は選ばず。エレン信者のフロックくん。

↓次の考察はコチラ

進撃の巨人 進撃のヒモ男考察その8 手段のためなら目的は選ばず エレン教信者のフロック編【最終回ネタバレ】

↓前回の考察はコチラ

進撃の巨人 進撃のヒモ男考察その6 欲張りエレンと無欲のリヴァイ編【最終回ネタバレ】

進撃の巨人考察一覧はコチラ

  • 通りすがりの自由の翼 より:

    はじめまして、大変興味深く拝読いたしました。私も、エレンと対比して描かれていたのがハンジだと思います。ともに自由を求めていたけれども、一人の大人として責任を引き受けて人として努力することを諦めなかったハンジと、子どものまま「老害○ネ」といわんばかりに人のせいにして棚ぼたの力で気に入らない全てをならしてしまおうとしたエレン。二人のアッカーマンは、それぞれ、命がけで自由を求める大切な人を死なせることでその望みを叶えたのだろうと思います。私はハンジというキャラが好きで、死なせてほしくなかったのですが、エレンとの対比として表現された人物だったからこそ、ああいう最後になったのではないかとも思います。生身の人間として、うなじを狙うという兵士としてのスキルと、雷槍といった人類の英知のみを武器にして、巨人の大群にたちむかっていった姿は、哀しくもひたすら美しい。、、、、、、長々語ってすみません。

    • とわこ より:

      はじめまして! コメントありがとうございます!
      私もハンジさんが一番好きです!
      初見は『変な人』だったけど、一貫して『人類の未来』のために戦う姿はかっこよかった……それだけに……ウッ(;ω;)

      ハンジさんは『責任』を果たさない限り『自分の幸せ』は後回し……というより、『責任を果たした上でこそ自分が幸せになれる』タイプなんでしょうね。リヴァイもそれを理解していたから引き止めることが出来なかった。
      だからなおさら、無事最後まで生き残ることが出来ていたら、これまで背負ってた『責任』という名の重荷をおろして、リヴァイ共々少しは自分のために生きることが出来たんじゃないかと想像すると、今でもエレンが憎い……!

      エレンがあまりにも幼稚で無責任すぎたからこそ、ハンジさんやリヴァイの『責任ある大人力』が対比となってより一層輝いたと思うと、なんか複雑な気分ですが……
      なのにハンジさん自身は『こうなったのは自分のせい』と一切エレンを責めないのがまた立派すぎて……逆に言うと、それだけエレンが幼稚すぎて『大人と対等には扱えない』ってことだったのかもしれません。
      エレンよ。『大人』と対等に扱って欲しければまず『責任』を背負え。話はそれからだ。

      • 通りすがりの自由の翼 より:

        お返事、ありがとうございます。
        ハンジに対して、「代案も出せない、無能」なんていう人もいますが、現実の複雑な問題を一刀両断できる解決策などないことは、残酷なあの世界でなくても、こちらの世界でも同様ではないでしょうか。簡単には解決できないから、最悪の選択をせず、解決のための時間を稼ぎ続ける、時間をかけて解決の道を探るという彼女の道筋は、常識的で正攻法だと思います。
        ハンジは、後進国の出身にもかかわらず現代的な倫理観を持ち、安易な最悪の選択(全世界大虐殺)をせずに、エルディアの生き残りの道を模索しつづけた人でした。その努力の芽を潰していたのが、地道な努力が嫌い(みんな踏み潰してしまえ)なエレンだったというのが、何とももう……。
        ハンジは、それこそ訓練兵を終えたミドルティーンから人類の未来のためにずっと命がけで努力し続けて、壁の外にたどり着いた、いわば革新の旗手です。そんなハンジに「大人が、おまえらが解決しないのが悪いんだ」「おまえらのせいで俺がこうせざるをえなかった」と逆切れするク○ガキなエレン。そのエレンを見捨てられず、「自分が無力であるばかりに希望を見せてあげられなかった」と全て引き受けてしまうハンジ。ハンジはエレンのママじゃないのに……

        また、「リヴァイは、おびえるハンジの背中を押してやったんだ」という人もいますが、ハンジはリヴァイと別れの挨拶をせずに行くつもりだったので、それはちょっと違うと思っています。彼女はおびえていても、もう覚悟は決めていました。おっしゃるように、リヴァイはハンジを「引き止めることが出来なかった」のだと思います。彼はそういう生き方をしてきたハンジを理解し、愛していた(恋愛かどうかはともかくとして)から、送り出すしかなかった。一緒に森で暮らせないハンジを、おとなしく自分の腕の中におさまる女じゃない「ハンジ」という存在を、彼は愛していたんじゃないかと。
        ハンジは報われてほしかったですね。彼女は潔いから、自分の人生に納得して死んでいったのだろうけど。「エレン、ありがとう」のラストをみて、104期が中心の物語だということを差し引いても、正直、寒々しい気持ちになりました。また長々とすみません。

        • とわこ より:

          なにしろハンジさんは、弱音吐いた次のコマでは、勝手に立ち直って荷車修理してた人ですからね……背中押されようと押されまいと、行ってましたよね(;ω;)
          だからこそ、その命が重い。
          だけど『仲間の命』はもっと重いから、怖くても迷いはなかった。
          自分の命も他人の命も軽々しく扱ったエレンと真逆。

          ラストの104期のエレンへの甘さや、よくわかってない島民はまあ仕方ないにしても、ネット上とか、私もあんなことしたエレンを好意的に持ち上げる意見を見るとモヤっとするので、ここだけの話そういうところには一切近寄らなくなりました……(オンライン巨人展の時とか……)
          もちろんどう解釈するかは人の自由なので否定する気はないですが。

          引きこもってるとたまに自分の感覚がおかしいのかと不安になる時もありますが、そう言っていただけると心強いです。ありがとうございます!

  • 通りすがりに失礼します より:

    はじめまして。どの記事も興味深く読ませていただいてます。記事のおかげで、アニメを見て感じるモヤモヤや違和感について考えることができました。
    私は大人組のバランスが心地よく、対照的に104期組がちょっとキツイなーと感じてました。ただ単に自分が歳とったからかなあと思っていたのですが、とわこさんの記事を読んで組織としてどうかなという目線で自分が読んでいたことに気づきました。大人組はハンジさんという長期的・広義的に物事を見れる人、リヴァイという現場にに聡い人、両方に目を配り状況判断できるエルヴィンというバランスのよい組織に感じます。働きやすそうです。一方104期は、「どうせ言ってもお前たちにはわからないだろうから」というエレンの一人進撃に、周りが振り回されてきつそうです。スタートアップ企業の社長にいそうですが、うっかり新卒で入ったら地獄みそうです。部活の仲間ノリの雰囲気も、自分にはキツイかな…。多くの人には、104期のわかりやすい熱さとか仲間感が響くんでしょうけど…。

    • とわこ より:

      コメントありがとうございます! モヤモヤ解消の一助になれたようでうれしいです!
      進撃の巨人って、まだ『責任』というものがよくわかってない時期の子供が読んだ場合と、それなりに『責任』を持っている大人が読んだ場合で、まったく異なる感想を抱きそうですよね……たぶん私も、自分がまだ子供だったらまんまとエレンにだまされていたかも?
      今、『エレンかっこいい!』と思ってる若い子が、10年後どんな感想を抱くのか、ちょっと気になるところです。

      たしかにエレンって、典型的なワンマン経営者のイメージですよね。だけど見方によっては『みんなを引っ張ってくれる力強いリーダー』には見えるから錯覚しちゃう。
      エルヴィンは一見『ワンマン』に見えるけど、任せるところは部下に任せ、『責任』は自分が背負うことで『社長のキツいオーダー』にも応えてくれる優秀な部下がそろい、ハンジさんも傍目に『甘い』ように見えて働きやすさから優秀な人がどんどん集まって大企業に成長。
      一方、エレンの会社は『あ、コイツただの自己中や』と気づいた頃には、上層部は社長をヨイショする人らばかり、『優秀な人』はとっくに逃げた後で経営は取り返しのつかないとこまで来ていた。
      ホント、パラディ島は惜しい人を失った……(;ω;)

      • 通りすがりに失礼します より:

        返信ありがとうございます。たしかにエレン、一見『みんなを引っ張ってくれる力強いリーダー』ですね!ファイナルシーズンのエレンの外見や言動、カリスマ経営者意識してそーだし。ほかの人にはない能力ももっちゃってますしね。進撃みてると現実世界も極端な解決策で民衆をあおるリーダーって、支持されがちだなーと思ったりします。そういう人に熱狂するとアドレナリンでて、熱狂依存状態になるんですかね…。視野狭窄に陥ると、ハンジさんのように複雑な状況に耐えながら試行錯誤してよりよい答えを探しにいくリーダーは、『決断力がないリーダー』と決めつけられちゃいそうですね。民衆の熱狂も戦争の必要条件のひとつなんでしょうが。自分を正義にしてくれる強い言葉に依存しない、ちゃんと咀嚼できる人間になりたいです。そのために心の中にハンジさんにいてもらおうと思います!可能なら大人組の会社で働きたい(妄想強めです)!
        長々とすみません…(個人的には大人組がパラディ島をひっぱってく話、みたかったです)。

        • とわこ より:

          一昔前の政治家でもありましたね。めっちゃ支持されてたのに、過ぎて見れば『あれ? むしろ悪くなってね?』ってことが……(遠い目)
          難しいかもしれないけど、自分がイェーガー派になることも、うっかりエレンになることもないよう、心の中にハンジさん、重要!(私も大人組がパラディ島ひっぱってくれる話見たかった……)

          大人組が会社作るとこんな感じでしょうか。

          【スミス株式会社】
          経営方針は社長が決め、無茶ぶりも要求されたり多少ブラック臭は漂うものの、それ以外のことはおおむね社員に任せてくれるので、チャレンジ精神あふれる人材が集まり業績は右肩上がり。ただしエルヴィン社長が有能すぎて、二代目のプレッシャーと苦労が目に見えて明らか。

          【株式会社ゾエ】
          スタートアップは胡散臭さから人が集まらず苦労するが、社長の人柄と働きやすさから優秀な人材が次々入社。気がつけば国内トップクラスの大企業に成長。二代目もガッツリ育成済みで盤石な基板を築く。ただしハンジ社長がエキセントリックすぎて部下の理解がたまに追いつかなくなる。

          【AKMスペシャルクリーン株式会社】
          規模は小さいが、スタッフ一人一人の高い清掃技術で信頼と実績を積み重ねた、その筋では知らぬ者はいない企業。昼はオフィスから個人宅までピカピカにし、夜は社会の汚れをピカピカにする必殺仕事人集団。ただしナメた掃除をするとリヴァイ社長にケツキックされる。

          【イェーガー株式会社】
          社長のカリスマ性に惹かれ入社する者は多いが、入ってみると優遇されるのは縁故入社の幹部だけ、それ以外は酷使されて安月給。ある日突然『オレは自由だ』と言って社長が失踪。幹部達は責任の押し付け合いの末に『倒産しました』の張り紙を残して失踪。残された社員は残務処理で地獄を見る。

          うーん、入社するならこれは絶対(株)ゾエ……(次点はAKM(株))

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