アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 第一章『地鳴らし』感想と考察 不死鳥ハンジとリヴァイの呪い【ファイナルシーズン】
アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 第一章『地鳴らし』の感想と考察。
今回は第一章の後半のリヴァイとハンジさん。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 原作漫画の大きなネタバレは注意してますが、そうじゃないところでも察せられる程度にしれっと混じってるので、アニメ派の方はご理解の上でお願いします
- 過去の考察とかぶることもありますが、おさらい感覚でどうぞ
- なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんにとことん非情なので『エレン辛いよね。かわいそう……』と思っていたい方は、悪いこと言わんので即・引き返しましょう
激甘エレンと非情なハンジ
最終章第一章の後半は、あんま見たくない回でした……
なのに悲愴感がないの、ハンジさんがハンジさんすぎて視聴者の悲愴感吹っ飛ばしてくれるハンジさんのやさしさ。
作中ぶっちぎりで『己に非情』だったのはハンジさんだったと思う。
エルヴィンは自分にちょっとぬるかった。リヴァイに弱音を吐き、背中押してもらわなきゃ覚悟が決まらんかった。
ハンジさんも人間なので、弱音を吐くことはあった。
しかし『意図して人に聞かせる』ことはしなかった。誰に背中を押されずとも、勝手に立ち直り勝手に覚悟を決めた。
104期達は、港での戦闘をためらった。
もちろん同胞に対する『やさしさ』からではあったけど、同時にそれは『自分への甘さ』でもあった。『自分が悪者になる』なんて嫌だから。
一方『どんな手段を使ってもエレンを止める』と決断していたハンジさんは、最初から観客になるつもりはなかった。『己に非情な人』だったから。
だから安易に『戦う』なんてしないけど、逆に『戦う』と決めたからには、それをやり遂げるためとことん『非情』になり、なんとしてでも『勝利』をつかみに行った。
『己に非情』だったからこそ、より『困難な道』を選び、巨人の群れ相手に戦いに行った。自由の翼と罪を背負って。
このときの『目的』って『飛行艇が飛ぶまでの時間稼ぎ』だから、行くのは別にハンジさんじゃなくてもよかったはずなんですよね。
でもハンジさんは、他人に『お前の心臓を捧げろ』なんて言うくらいなら自分の心臓を捧げる己に厳しい人。そんな甘っちょろい人は、最初っから『地鳴らし止めに行く』なんて決断そもそもしない。
ハンジさんをそこまで『非情』にさせたのは、同じく『自分に厳しかった』仲間達。
その『厳しさ』を、『非情さ』を知ってるリヴァイは、止めようにも止めようがなかった。彼もまた『己に厳しい人』だったから。
エレンはぶっちぎりで他人に厳しく己に激甘だった。他人や仲間を悪者にし、罪とも向き合わず、己に都合のいいものだけを見て『幼稚な自分』に完全敗北した。
『自分に激甘』だったエレンを始めとする島民達、そして『世界』は、相手の理解を拒むことで、より『自分が楽ちんな道』を選んだ。
『理解する』ということは『罪』を受け入れるということだから。
誰だって自分は『いい人』でいたいし、感謝されてちやほやされたい。そのためには『やっつける相手』は『とことん悪者』であるほうが都合がいいし気持ちもいい。
彼らは『己に激甘』だからこそ、自分達が『いい人』であるために『理解』を拒否した。
自分のために使うか他人に浪費されてしまうか
ハンジさんとエレンはとにかく真逆。
エレンは『最高にクソ』なことやっときながら『超かわいそうなオレ』に酔っ払ってた。
ハンジさんは『最高にかわいそう』な目に遭っときながら、悲愴感吹き飛ばして逝ってしまった。
アニメになると、ホント、謎にテンション上がりすぎて『オラワクワクすっぞ!』ってのが声から伝わってくる……そりゃ『強がり』もあっただろうけど、あなた、これから死ぬんですけど……
あまりにいつも通りすぎて、104期達、脳みそ追いつかなくてポカーンとしちゃってる……これ、ホントならみんなで必死に止めたり『俺が行きます!』『いや俺が!』って悲愴感満載の号泣シーンになるところやで……
ハンジさんって『死の覚悟』はいつでも持ってただろうけど、最後の最後まで『死ぬつもり』で戦ってなかったよね?
でもエレンは『どうせオレ死ぬし』と思ってやってない? 寿命わかってるし。
例えるなら余命宣告されて『死ぬまでにまだ出来てないこと全部やろう!』って最後の1秒まで自分のために大事に楽しむのがハンジさんなら、『どうせ死ぬならそれまでに憎いあいつに復讐したる!』って根暗なヤツがエレン、みたいな。それ『憎いあんちくしょう』に自分の時間奪われてますよ……
ハンジさんはずっと『未来』を見ていた。
つれないピークちゃんとも『これから仲良くなればいい』と思ってた。
ピークちゃん、その人『急に変わった』んじゃなくて『元に戻った』のよ……
去りゆくアニにも『またねー』なんて手を振った。
死んだ後ですら、飛行艇が飛んだことを真っ先に心配して『過去』なんか振り返らずに『未来』を見ていた。
エレンは『過去』ばかり見ていた。
『駆逐してやる!』と『過去』の怒りや憎しみを晴らすことばかり考え、『今日がダメなら明日もダメ』とあきらめ、地鳴らし起こして全部ぶっ壊すことにした。
ハンジさんは『今日はダメでもいつの日か』と、希望はアルミン達に託して自分から死にに行った。最後の瞬間まで『巨人のすばらしさ』と『託した未来』に目を輝かせながら。
原作読み終わった直後は、エルヴィンの笑顔や、ご本人にあまりに悲愴感なさすぎて思わず笑っちゃったの覚えてるわ……そのまま一睡も出来ず、後からズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンと来たんだけどね……ハンジさん、あんたって人は……(;ω;)
ハンジ最後のワガママ
ハンジさんにとってリヴァイって、本当の意味での『いい男』だったと思う。
本物の『ダメ男』は、女にワガママ言わせてくれない。
それどころか『オレのワガママ』通すために『相手のワガママ』を封じてくる。(封じられたのがヒストリア)
本物の『いい男』は、『普段からワガママ放題の女』を『この人を困らせちゃいけない!』と『良い子』にしてしまい、『普段ワガママを言わない・言えない女』にはワガママを言わせてくれるんやで……!
ハンジさんって団長になってしまったことで、一切のワガママが言えない・許されない立場になっちゃったよね……それ以前はリヴァイやモブさん振り回してたくらいなのに。
だけど一緒にいた相手がリヴァイだから『いっそここで暮らそうか』なんて弱音吐けたし、『行かせてくれ』なんて言えた。
だけどさぁ……『最後のワガママ』が『コレ』ってあんまりじゃね……? でもハンジさんにとっては、これこそが『死んでいった仲間達に誇れる悔いなき選択』であって……
これを引き留めるって『ハンジさんのため』でもなんでもなく、『自分のワガママのためにハンジのワガママを封じる』ってことなんだよね……まさにエレン・ヒモーガーと同類。
かと言って『自分がハンジの代わりに残る』ったって、仮に体調が万全だったとしても、自分は始祖キラーのアッカーマンだし、『エルヴィンとの約束(ヒゲを討つ)』の放棄になっちゃうし、さらには一番最初の『なんかあった時はコイツは俺が●す』という『エレンを調査兵団に入れてしまった責任』の放棄にもなるわけで……
それらを放棄するって『自分への甘さ』であり『無責任』。リヴァイはそれを自覚していたし、ハンジさんがそれを許してくれるわけもなく。
しかも散々世話してきたリヴァイに『ありがとう』も言わず笑って去ってくハンジさんのやさしさと厳しさ。
呪いをかけたリヴァイと呪いをお断りしたハンジ
ハンジさんとエルヴィンが違うのは、背中なんて押されなくてもハンジさんは自分で勝手に覚悟を決めたこと。
エルヴィンはリヴァイに背中押されてようやく覚悟が出来たけど、ハンジさんはリヴァイに『ありがとう』なんて言わなかった。
ホントはこれまでの感謝とか伝えたいこともあっただろうけど、それをしたところで気分が良くなるのって自分だけであって、『リヴァイのため』でもなんでもない。それどころか、リヴァイにとっちゃあ『2回も親友の背中押した』という嫌なことにしかならない。
しかも『心臓を捧げよ』なんて言わせちゃった後でしょ?
『心臓を捧げよ』なんて、この2人にとっては仲間達の命を奪い続けた『呪いの言葉』でしかないんよ……
なのにその『呪いの言葉』を、リヴァイはハンジさん相手に唱えた。
この『呪い』って『人を呪わば穴二つ』で、リヴァイにもかかってるよね……?
ハンジさんは、リヴァイにその『呪いの言葉』を唱えさせてしまったわけでして……
その直後に『感謝の言葉』なんて伝えようもんなら、リヴァイ的には、後はもうこの世になんの未練もなく『自分がかけた呪いを成就させる(ヒゲ仕留める&エレン●す&心臓を捧げる)ために戦う』ことになるわけじゃん……
リヴァイがかけた三つの呪い
リヴァイは『三つの呪い』をかけた。
最初の『呪い』はエレンにかけた『なんかあった時はコイツは俺が●す』という呪い。
リヴァイはエレンへの『脅し』のつもりだったんだろうけど『そうか! オレがなんかやらかしても●してくれる人がいるんだ!』と、逆に安心して進撃しちゃうアホの子だったなんて、誰も予想しとらんかったわな……(遠い目)
二つ目の『呪い』は、エルヴィンにかけた『獣の巨人は俺が仕留める』という呪い。
『誓い』だの『約束』だのと言えば聞こえはいいけど、結局これって『呪い』だよね?
現にリヴァイはあれ以来、ずっとその『呪い』に縛られてる。だってエルヴィンは、リヴァイがかけた呪いの通り、夢を捨て、新兵達を地獄に導いて死んじゃったんだから。
皮肉なのが『新兵達を地獄に導け』からフロックが漏れてしまったことかな……
『呪い』を無効化するチャンスはあった。エルヴィンに注射を使えばよかった。
しかしリヴァイには『自分がかけた呪いの解除』という『身勝手』のために、やっと解放されたエルヴィンを地獄に呼び戻すなんて『無責任』なことは出来なかった。
そうなるとリヴァイ的には、もはや『呪いをかけた責任』背負って『約束』を果たすしかない。
だけどその一方で、フロックは『導いてくれる悪魔』を見失って迷子になってしまった。
エレンという『新しい悪魔』を見つけてしまったことでハンジさんが……と思うと『呪い』の代償だったのかな……
そして三つ目の『呪い』が、今回ハンジさんにかけた『心臓を捧げよ』。
ただ、この『呪い』だけはキャンセルされてしまった。
エルヴィンはリヴァイに『ありがとう』なんて言って『契約成立』させたけど、ハンジさんは『ありがとう』と言ってくれなかったから。
リヴァイはハンジさんのぶんと自分が入るぶんの墓穴をほりほりしてくれたけど、ハンジさんは『穴はひとつでええんやで』と、リヴァイのぶんの穴をうめうめして、『呪い』の発動を阻止してくれた。
ハンジさんは『仲間を生かすため』に戦いに行くのに、肝心のリヴァイを『死ぬため』に戦わせるわけにはいかないもんなぁ……なによりハンジさんは、リヴァイが心臓捧げてくれなくたって、自分は仲間のために心臓を捧げると決めていた。
そもそもリヴァイの『呪い』って『本人がかけたくてかけてる』んじゃなく、周囲の『甘えんぼさん』が『言わせちゃってる』んだよね。
エレンは信用がなかった。エルヴィンは根性がなかった。
ただ、ハンジさんだけは違った。『自分もすぐそっちに逝く』つもりで言ってない?
だけどハンジさんは『甘え』を振り切って、呪いをキャンセルした。
リヴァイに甘えるってことは、彼を自分と心中させる(心臓を捧げる)ことになる。リヴァイもリヴァイで『自分もすぐに逝く』つもりで呪いかけてくるだなんて、それはハンジさんに対する『甘え』。
『人類最強』はリヴァイではなくハンジさん。
『順番の呪い』といい、ハンジさんは最後まで、あらゆる『呪い』を断ち切るために生きた人だった。
でもホントはそれ『主人公がやらなきゃいけないこと』だと思うんだけどね……
そもそも『道を誤った仲間を止めに行く』って展開、大抵は主人公が『止める側』でしょ! 『団長』になるのも主人公! でも全部アルミンが肩代わりしちゃってるジャン!(少年漫画のアンチテーゼ……)
人間以下だったエレン、人間離れしたハンジさん
思うに、ハンジさんは『人』じゃなかったと思う。
たとえるなら『人』の姿をした『天女』みたいな人だった。
モブリット「巨人拷問したり爪きれいに剥ごうとがんばる天女いますかね?」
ハンジ「ほっとけ」
ハンジさんは『公人』として自分のすべてを捧げることが出来る人だった。
だからハンジさんのことを『特別な異性』として愛してくれる男が大勢いたとしても、『下界の男が天界に昇るのは不可能』な以上、結ばれるには、天女に降りてきてもらうしかない。
しかし誇り高い天女が『自分の欲望』のために責任を放棄して下界へ降りるなんてことしない。
もしそれをする時が来るとすれば、それは『自分の使命』を果たした時であり、逆を言えば『使命』を果たさない限り絶対降りてくることはない。
それを理解し、自分の気持ちを押し殺してでも身を退き、『使命』を貫かせてあげるのも愛。
たとえ『使命を果たすこと』が『死』と直結していようとも。
そしてエレンも『人』じゃなかった。
『人』の姿をした『クマちゃん』みたいなものだった。
エレンは『私人』として自分のすべてを捧げることの出来る人だった。
だからエレンのことを特別な異性として愛してくれるもの好きがいたとしても、それって『できる女がなんにも出来ないヒモ男に恋したようなもん』で、『できる女』がヒモ男と同じステージに落ちたら共倒れになる以上、結ばれるにはヒモ男が就職するか主夫になるしかない。
しかし怠惰なヒモ男はできる女(の、稼ぎ)に『自分1人だけのもの』になって欲しいし『誰かのため』に家事も就職もしなけりゃ結婚や子供なんて責任が発生するようなことからも全力で逃げる。
それを理解し、自分が家事も仕事もバリバリこなし、飼育してあげるのも愛。
飼った以上は最期まで。それが飼い主としての責任。
アニ「つまり人間扱いやめるってこと?」
アルミン「家畜は嫌いなのにペットは大好きなんだね……」
自由の翼はなんの翼?
進撃ワールドにおいて一番ミステリアスなのって、エレンでもなければユミルちゃんでもなく、ハンジさんだったよね……エルヴィンですら調査兵団に入ったきっかけや幼少期の話はあったのに、ハンジさんは謎のままだったもんな……
『エレンの対の存在はハンジさん』と過去に原作考察の時にしたし今もそう思ってるけど、エレンは口では人類がどうの島を救うためだのきれい事言っといて、本音は『とにかく巨人をぶっ●したい』だの『壁の外に出たい』だけの『ザ・人間』だった。
そのためには、『大事な動機』である『怒り』や『憎しみ』を捨ててはいけなかった。
かつてフロックが指摘した通り、エレンって『大事なものを捨てられなかった』だけの欲深い人間。
むしろハンジさんこそが、裏表なしにわりとガチで『人類を救うため』だったんじゃないの? エキセントリック天女すぎて、語るに語れなかった……?
もちろんハンジさんだって『怒り』や『憎しみ』は持っていたと思う。
でも捨てちゃえる人だった。だってそれ、ハンジさんにとっては『人類を救うため』の『動機』にならないものだから。
ちなみにそれを教えてくれたのが『憎い敵』だったはずの巨人やサネスさんだった。
何からも学ばないエレンは、『怒り』や『憎しみ』を捨てられなかった結果、世界中敵だらけになった。
『怒り』や『憎しみ』を捨てられるハンジさんには敵なんていなかった。
やっぱ本物の『特別な人』ってハンジさんだよ。エレンは俗物。
神様みたいな強大な力を手に入れ、一番人からかけ離れた姿になったくせに、エレンが一番『人間の悪いところギュギュッと濃縮』した『凡人』だった。エレン、私の記憶が確かなら、あなたが生身で巨人討伐成功したのって2回だけじゃなかったっけ……?
エレンに対し、巨人やアッカーマンみたいな『特別な力』を持たぬ身でありながら、バッタバッタ超大型巨人を屠り、しかも『主人公達から一歩離れたポジション』であるはずのハンジさんのほうがよっぽど『人間離れした特別な存在』って、つくづく少年漫画のアンチテーゼ……
炎に包まれてもなお飛び回って戦うあなたは、一度死んでも蘇る不死鳥のようでした。
『自由の翼』って不死鳥の翼だったんだなぁ……
* * *
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
次回は第二章です。
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アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 第二章『罪人たち』感想と考察 罪を背負ったアルミン達と責任逃れのエレン【ファイナルシーズン】
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アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 第一章『地鳴らし』感想と考察 隣人を愛したハンジと悪魔の子のフロック【ファイナルシーズン】
こんにちは。
とわこさんの考察、楽しみにしています(^ ^)
ショートなコメントになりますが、完結編第一章のタイトル、とわこさんも指摘されていたかに記憶しますが、「地鳴らし」でなく「自由の翼」になっていたら、自由を巡ってのエレンとハンジさんの考え方・行動の対比が際立って、たかだかタイトルであっても味わいがかなり違ってくるように思えました。
とわこさん、ハンジ さん愛があふれる記事をありがとうございます。
こうあんさんのコメントと合わせて見返すと、エレンを止めるために森から出たハンジ さんは、王政編のレイス領での戦闘と同様に、目的(エレンを止める)達成の為には人の命を奪う事も織り込み済みの指揮官であり兵士でしたね。第一章のタイトルが「自由の翼」であったら、ハンジ さんが主役になりエレンが脇役となるので使えなかったのでは無いかと感じます。
自由の翼は、毎日を怯えて暮らす事がない、恐怖に竦むことのない世界を作るという調査兵団が人類と交わした約束だったのではと考えが纏まりました。
リヴァイの呪いの視点が面白かった。エルヴィンと交わした「獣の巨人討伐」は絶対の行動指針とは思っていましたが、エレン招聘の際の「面倒見ます宣言」も呪いとは見ていませんでした。アッカーマンズはイェーガー兄弟の尻拭い部隊と想定していて、ジークvsリヴァイ、エレンvsミカサが対峙/退治する書き割りと思っていました。
ハンジ さんへの「心臓を捧げよ」は、同志少女のイリーナさんがセラフィマに自分を殺すように迫ったことに重なり、リヴァイがハンジ さんを背負って使命を果たした後に亡くならないように、さらっと躱して命を燃やしに行った。だから戦後のリヴァイさんは、ハンジさんが残した世界で、明日を信じて生きる子供達と出身の異なる国の人(オニャンコポン)と島の外で暮らしているのかもしれませんね。
「相手のことが分からない」は、相手が何をするか分からず恐怖を感じることに繋がります。わかり合おうとして対話しても、相手が受け取れないと対話になりません。相手を知りたい、自分のことを知って貰いたいは、対話者が面倒に感じて心を閉すと何も進まず、側から見ると何を面倒な事をしていると周囲からの理解が得られない。これが進撃世界の調査兵団の立ち位置ですが、それでも諦めずに手を尽くしたのがハンジ さんであったと思います。
コメントありがとうございます!
『調査兵団が人類と交わした約束』……なんというかっこいい言葉。
『理解すること』は人類が『恐怖という不自由』から解放される道だと考えると、まさに調査兵団団長に一番必要な資質ですね。
だけど幼少エレンは調査兵団を『自由を奪う巨人(敵)を「やっつける」集団』と思ってたんでしょうか……『やっつける』が目的だったら『調査』兵団って名前にはならないのに。
エレンって、調査兵団を『理解』してしまった結果、調査兵団にいられなくなった。『外の世界』のことを知った時も『ガッカリ』した。
となると、エレン的には『理解すること』は『怖いこと』だった。『知らない』ほうが『幸せ』だった。
だから『理解すること』を重視する調査兵団と対立する形になってしまったのかもしれませんね……
まあ、傍目には勝手に期待して勝手に『思ってたんと違う』となり、勝手に去ったという『身勝手』でしかないんですが。
エレンや島民だって、最初は得体のしれない『巨人』におびえていたのに、『正体』がわかってくるにつれて恐怖を忘れ、それどころか『巨人』を利用するまでになっていたのに、その『自覚』はなかったのが残念です。
『自由の翼』というタイトル、『もうエレン脇役でいーよー』と思いつつも、個人的には『悔いなき選択』みたいに外伝とかで使う予定があるとかだったらうれしいんですが。先生にその気がなきゃ無理かなぁ……(最初の頃は外伝とか出てたのにもうないのかなぁ……)
めっちゃハンジの生きざまや思想が好きなので、ここで記事がたくさん読めるのをうれしく思います。
素敵なブログをありがとうございます。
島にすむ自分たちだけでなく、人類の幸せを考えることができた人がハンジさんって印象です。
まぁでも時代を先行きすぎていて、エレンと対話するには距離が遠すぎたかもしれません。
(ハンジさんが「虐殺絶対ダメ」派でなく、「虐殺したくなる気持ちもわかる」と言ってたら話違ったのかも)
進撃で主人公三人組と、幹部三人組が対極の存在として描かれていることについて、
なんとなく、(性別的に)リヴァイとエレンが対と思っていましたが
こちらのサイトを読んでいて、エレンとハンジが対という考えも面白いし納得できます。
他記事でエレンとハンジの対比をみてて、たしかにたしかにとなり、
よくよく考えたらミカサとリヴァイはアッカーマン家だし…。
ミカサを困らせて尻ぬぐいさせるエレンと、リヴァイの呪いを無効化するハンジ。
でも、ミカサは最後泣いておらず、リヴァイは最後泣いていたところをみると
エレンはミカサだけが泣かない結末を選んだのかもと思ったりしました。
あと、エレンにとってはリヴァイがパパ役で、ハンジがママ役みたいな感じだとも考えました。
・リヴァイ → 教育より暴力、エレンが間違えたら力づくでとめる
・ハンジ → 対話による相互理解、それを謳うが虐殺は絶対ダメ(虐殺擁護派を許可することはない)
エレンの結果は、リヴァイとハンジの子育ての失敗みたいな。
リヴァイはアッカーマンの血というチートがあって人類最強(肉体的に最強に強い)、ハンジはスーパーポジティブ(メンタルが最強に強い)ので、どっちも最弱なエレンは共感してもらえず道を踏み誤った…。
地獄ってワードも強烈で、リヴァイがエルヴィンに「新兵を地獄へ導け」といったのと
「一緒に地獄へ」とエレンに言ってくれるアルミンって真逆だと思うんですよね。
楽しい記事を読ませてもらえて、面白かったです。ありがとうございました!
コメントありがとうございます~! 楽しんでいただけたようでうれしいです!
よくよく考えてみると、エレンとハンジさんって似てると思うんですよね。たとえば『我が強い』ところとか。
ハンジさんは『我は強い』けどそれを主張することで発生する出来事に対する『責任感』があったから、自ら手を汚すことも心臓を捧げることも出来た。
エレンも『我は強い』けどそれを主張することで発生する出来事に対して『無責任』だったから、なんにもしなかった。
『バカと天才は紙一重』とは言いますが、行動に対する責任が『ある』か『ない』かの違いがあるだけで、こうも違ってくるとは……
『巨人パワーのせい』と思うと多少は同情出来るけど、でもその力を継承するようグリシャに迫ったのはエレンだし……(あれ? 結局同情出来ない?)
なんかエレンは、誰が育てても失敗したのでは? という気もします。他の104期達は立派に育ったし。(9割成功は十分すごい)
ビシバシ鞭振るってしつけてくれるのがハンジさん、飴と鞭を使いこなすのがリヴァイ、飴ばっか与えるのがミカサなもんだから、自分にとことん甘いエレンはハンジさんとリヴァイから逃げ、『ミカサのペット』に成り下がってしまったのか……
ハンジさんとリヴァイはエレンに対して『親としての責任』があったからこそ、『地獄へ行かせまい』と己と104期達に鞭を振るって地鳴らし阻止に向かったのだと思うと、エレンも、エレンと一緒に『地獄に行く』と決めたアルミンも、親の心子知らず。
『自分がしでかしたことに対する責任は自分で取れ』と厳しく突き放すのも親心なのに、アルミンは突き放すことなく『一緒に地獄へ』でしたもんね。
完全に大人だったハンジさんとリヴァイはエレン(子供)と同じ土俵に降りるわけにはいかなかったけど(収拾つかなくなる)、ギリギリ『大人と子供の中間』だったアルミンはエレンと同じ土俵に降りることが出来たってことなんでしょうかね……