アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 第三章『天と地の戦い』感想と考察 ラスボス始祖ユミルとかわいそうな子にされたアルミンとリヴァイ【ファイナルシーズン】
進撃の巨人も、原作が終わり、とうとうアニメまで終わってしまった……
正直、最終回までは楽しみというより憂鬱でしたな……終わっちゃった……
……え? 来年の5月に35巻出るの?
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!\(* °Д°*)/
22,000円也。
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……\( ›´Д`‹)/
35巻ゆーても、あくまで『画集の付録』で、18ページだけですか……単行本についてたおまけ本みたいな感じ? 完全予約制で、注文受付は11月30日まで。
これは……覚悟を試されているのかな……(白目)
そんなわけでアニメ進撃の巨人The Final Season完結編第三章『天と地の戦い』感想と考察。
今回は、エレンのせいですっかりラスボスにされてしまった始祖ユミルちゃんと、エレンのせいでかわいそうな子にされてしまったリヴァイとアルミンなどをメインに好き放題に考察しとります。
- 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
- 最終回なのでネタバレ全開です
- なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいです。当然最終回も容赦なくキレ散らかしているので『エレンすてき☆ カッコいい!』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。
かわいそうな子はいなかった
てっきり『仲間に売られたかわいそうな子』と思われてた始祖ユミルちゃんですが。
『かわいそうな子』はいなかったことが判明しました。
この辺のことは、すでに過去考察でも書きましたが……自業自得やん。
アニメ進撃の巨人 The Final Season 80話『二千年前の君から』感想と考察 始祖ユミルと初代エルディア王 豚を逃がした罪と罰【ファイナルシーズン】
ユミルちゃんの口元が笑ってるし、『うっかり』じゃなくて『わざと開けっぱ』にして逃がしたよねこれ。(原作では『逃がした犯人』と察せられるように描かれていただけで『どう逃がしたか』までは描かれてなかった)
現場を見てた人がいるなら、柵を閉めてくれても良さそうだけど、そうじゃないってことは、犯人知ってて指さしたというより『怪しそうなヤツ』『いらない子』を指さしたんだろーか? まあ、そういう意味では『かわいそうな子』ではあったんだけど……
でもやっぱ、自分以外の人が『犯人コイツ』って指さされてたらどーするつもりだったん? って思っちゃうんだよね……
豚さんを自由にしたかったユミルちゃん
当の本人は食べられる運命の豚さんを『かわいそう』と思って『お前は自由だ☆』と『いいこと』のつもりでやったんだろうけど、所詮は子供。その結果が散々だったわけでして。
そしてエレンが今やってることも、豚さん救いたかったユミルちゃんと同じことやってる。『やり方』が違っただけで。
【ユミルちゃんの場合】
「豚さん食べられちゃうなんてかわいそう! 助けなきゃ!」
↓
「せや! 柵開けて豚さん逃がしたろ! お前は自由(放任)だ☆」
【エレンぼうやの場合】
「豚さん食べられちゃうなんてかわいそう! 助けなきゃ!」
↓
「せや! 豚さん食べるヤツがおらんなったらええねん! お前は(オレの)自由だ☆」
ああ、『過去の失敗』を反省して、今回は『エレンのやり方』のほうで行ってみよーということかぁ! ってオイ!
完 全 に 王 様 ですよそれ?
そうか、ユミルちゃんは『王様を愛してた』もんだから、『王様と同類』のエレンに協力した、と……イヤイヤイヤイヤ……
ユミルちゃんが王様のいいなりだったのって、過去の失敗から『自分はバカだ』という自覚があったから『王様に決めてもらうことにした』ってことじゃあ……?
そしてエレンに『お前が決めろ!』と言われた結果、『自分はバカだ』と自覚のあったユミルちゃんはまたしても『王様(エレン)の選択に従った』てことですか……???
豚さんを『自由に』したエレン
エレン、口先では『島を守る!』とかご立派なこと言ってるけど、島民や仲間達を完全に『家畜の豚さん扱い』してんのよね……
自分の家畜が外敵に食われるのは許せないけど、自分が食べるのはOK。そういうことでしょ?
だから『外敵が』壁壊して家畜に危害を加えたことに怒り狂うことはしても、『自分が』壁壊したことで大量の『家畜』が死んでもお構いなし。仲間が死んでもお構いなし。家畜とは『御主人様』である『オレの自由』にしていい存在だから。
まあ、エレン本人は『心が痛む・痛まない』以前に、単純に『なんも考えてない』お子ちゃまなだけなんだろーけど……
結局エレンの言う『お前は自由だ』って、グロス曹長や初代王と同じで『お前は(オレの)自由だ』だよね。そらユミルちゃんがエレンの元で解放されるわけねーわ……
グロス「心は痛まなかったのか?」
ラスボス・始祖ユミル
ついにエレンの元に到着したものの、初っぱなで最終兵器アルミンが拉致られ、序盤のボスがラスダンのザコとして登場するアレ的な展開になりました。
雷槍があって、アッカーマン×2でライナー達もいるとはいえ、この数相手にこの人数で一人も欠けずに倒せてるのはすごいと思うよ……
まあ、リヴァイ兵長が吐血して足負傷して息も絶え絶えになってますが……
しかしエレンよ。お前、なんかラスボス気取ってんのか知らんけど、クッソ偉そうに『戦え!』とか抜かしといて、戦ってんのユミルちゃんで、お前とっとこ歩いてるだけだよね……?
【ユミルちゃんのコマンド】
・たたかう
・きょじん
・よびだす(道に)
・とらえる
【エレンのコマンド】
・あるく
・すすむ
・ぜんしん
・しんげき
※全部効果同じ
このとっとこヒモ太郎。
【ヒモ男の特徴】
・口ばっか
・嫌なことは女にやらせる
・おいしいとこだけ自分がやる
・偉くないのに偉そう
ユミルちゃんはユミルちゃんで、アッカーマンもびっくりな二千年分の蓄積された戦闘技術を盛大に披露しとる……うーん、これはラスボス……(※エレンはラスボス戦後のイベントバトルです)
・遠距離から投石で一気に撃ち落とす
・おとり(ジーク偽)を使って敵を懐に誘い込む
・脅威(アルミン)を真っ先に排除
・懐に入ったところで大群で囲んで討つ
……この子にヘタに権力や自信を与えたら我が身が危ないと思うと、あくまで『奴隷』のまま置いといた初代エルディア王は危機管理能力高かったんじゃあ……?(でも槍は投げられる)
それにしてもこの歴代の九つの巨人達、次の継承者に体を食われた後も、ずーっと『道』にアーカイブ保管されてるってことなん……?
『過去継承者の記憶』が現継承者に流れるのも『現継承者の中にいる』からじゃなくて、『道』というアーカイブから偶発的に流れて来るってこと……?(アッカーマンは戦闘経験のみアーカイブに常時接続)
ジークお兄ちゃんが『生物の目的は増えること』なんて言ってたけど、ユミルの民ってのは、現実世界ではひたすら『新しい命』として生まれ続け、死んだ後は生まれ変わったりすることなく、悪夢にうなされながらひたすら『道』にたまり続けるってことなんだろーか……『増える場所』が現実世界じゃなくて『道』なだけで。(『死がない世界』ってそーいう……?)
だからちょいちょい化けて出てくる。
あきらめないアルミンとあきらめの悪いエレン
調査兵団ガチ勢、必死の抵抗の末、すっかりジャンとライナーに熱い友情が芽生えてます。
『自分は決して強くない』と自覚しつつも、『弱さ』に逃げず、死んでしまった友や仲間達への想いを胸に、『強大な敵』を相手に最後まであがき続け、かつて敵だった男をも『お前も調査兵団だ!』と泣かせるその姿、まさに主人公。
絶望の淵の立たされていたアルミンも、考えることやめずに再び立ち上がった。
さて、同じ『あきらめが悪い』でも、アルミン達とエレンの『あきらめない』って全然別物。
エレンの『あきらめない』って、結局、おもちゃ売り場で『買って買って~!』って、大人が折れるまで駄々こねてる子供と同じやったわ……(白目)
大人にしてみりゃ、折れると『損害』、折れなくても子供に『悪者扱い』されて罵られる。ただただ迷惑なだけ。
結局、エレンが欲しいのは『自分の満足感』だけだよね……だから自分を『満足』させてくれない大人を憎み、排除した。
アルミン達の『あきらめない』は、これまで託された『想い』だったり、何かに対する『責任』を背負った上での『あきらめない』だった。
だってアルミン達にとって一番『楽』なのって、すべての『責任』を放棄して、島で島民と一緒に『イェーガーばんざーい!』することでしょ?
でもそれをするってことは、これまで託されてきたものをすべて『放棄』すること。『死んだ仲間達』『過去に戦った敵』『これまでの自分』、それらすべてを否定するということになる。それはもう『自分』じゃない。
食べられたベルトルトも泣くわそんなん。
この赤ちゃんだって『繋げよう』とみんな必死。
でも今度は、巨人の方角に向かってるってのが……もうこれ『あきらめるな』と繋ごうとしている一方で、大人達が『巨人さまへの生け贄』として赤ちゃん捧げてるみたいな図式にもなっとる……
『巨人さまへの生け贄』に捧げるくらいなら、むしろ一緒に海に落ちてあげたほうが『人としての矜持』を守ったことにならない?
アルミン達の知らんところで起こっていることとはいえ、アルミン達が『あきらめる』ってことは、この赤ちゃんは『巨人さまへの生け贄』として捧げられたってことになるわけでだな……まさに人類の敗北。
だけど赤ちゃんの『生け贄』を阻止出来れば、『未来に繋ごう』とあきらめなかった人類の勝利。
エレンって、結局『未来の記憶』に抗うことを『あきらめた』んだよね。だから『成長しようとあがいた過去の自分』を放棄し、『自己中なクソガキ様』に退化した。
『お前が折れろ』『お前がオレに合わせろ』と駄々をこねればこねるほど、周囲に大損害を与え、なのに得られるものはエレンの自己満足だけ。
アルミン達は『あきらめる』という選択そのものが許されなかった。『あきらめる=すべてを失う』ことになるから。そしてそれは自分達だけじゃない。
背負ってたものを全部放棄して、ただの『駄々っ子』と化したエレンと、どんなに重くても背負い続けるアルミン達じゃあ、そりゃ格が違うわ……
アルミンとリヴァイの後悔
ユミルちゃんが『かわいそうな子』じゃなかったと判明した一方で、すっかり『かわいそうな子』になってしまったのがアルミンとリヴァイ。
アルミンもリヴァイも、キャラは全然違うんだけど、『立ち位置』というものがそっくりなのよね……『力』はあるのに『無力』に打ちひしがれているさまが。
リヴァイ、エルヴィンではなくアルミンに注射を使ったこと自体は後悔してないんだろうけど、その結果がこれじゃあ責任感じちゃうのは無理ないよな……
アルミンもそうだけど、二人とも、なんかまるで『生きてちゃいけないヤツ』みたいに自分を責めてんの悲しい……
でもこれ『そう思わせてる』のはアルミンでもなければリヴァイでもない。
エレン、お前、兵長が復活したアルミンに『誰も後悔させるな』って言ってんの聞いてたよね……?
それが、お前が原因で『後悔』させてどーする……!
それともなにか? 『アルミンを選んだのは兵長の自由』『後悔させないよう頑張らなきゃいけないのはアルミン』と思ってたの?
お注射の一件、『エレンが駄々こねた影響』があったかどうかは別として。
最終的に、兵長はエレンの願い通りアルミンに注射使ってくれたわけじゃん? ちょっと考えりゃあ『後々リヴァイやアルミンの立場悪くなる』ってことくらいわかるよね?
責任感じて『アルミンや兵長のためにも、オレもがんばらなきゃ!』って思わなかったの……?
『自分の行動や発言に対する責任感』も『アルミンへのやさしさ』も『兵長への恩義』もゼロで、
完 全 に 他 人 事
だったの……?
それって『友達の命』が大事だったんじゃなく、『なんかヤだ!』という『自分の願望』が大事だったってことだよね……?
リヴァイだって『友達の命』は大事だったんですけど……?
あのお注射の一件で、エレンがリヴァイにしたことって、
『オレの大事な友達(アルミン)の命を救うために、お前の大事な友達(エルヴィン)の命を捨ててくれ』
だったんですけど!?
エルヴィンやリヴァイに対して『申し訳ない』とか『恩義に報いなきゃ』とか、こう……なんか、思わなかったの……?
仮に、その当時はそう思ってたとしても、今のあなたは?
『当時のエレン』は『恩義に報いなきゃ!』と本気で思ってたとしても、『今のエレン』がそれを台無しにして、結果『そーいうこと』にしちゃってんですけど!?
グロス「心は痛まなかったのか?」(2回目)
『非情な大人』の作り方
こうして見ると、アルミンのお注射の件といいヒストリアの巨人継承云々といい、エレンが『大人の非情さ』に抵抗してたのってさ。さっきの『買って買って~!』と同じで、子供が飼えもせん犬猫を拾ってきて『元の場所に返してこい』という大人に『ひどい! かわいそう!』って喚き散らして駄々こねてたのと同レベルだったんだなって……
だってその『結果』が、リヴァイの『ガキ共を海に届けてお役御免だったんじゃあ……』と、アルミンの『生き返るべきは僕じゃなかった』でしょ?
2人共、自分の存在に疑問感じちゃってるんですけど!?
結局エレンは、大人を『悪者』に仕立て上げ、自分は『やさしい良い子』になりたかっただけ。『かわいそうな犬猫』は、そのための『道具』でしかなかったってことじゃん!
これがまだ『拾った責任』果たして、ちゃんと最後までお世話するなりしてりゃあ『かわいそうな犬猫』は『幸せな犬猫』になれた。『非情な大人』も、子供を信じ、見守る『やさしい大人』になれた。
ところがエレンは『かわいそうな犬猫を救った心やさしいオレ』に酔いたかっただけで、肝心の『犬猫の幸せ』は目的じゃなかった。『オレが幸せにしてやる!』じゃなくて『幸せは自分で掴むんやで☆(訳:自分で勝手に幸せになれ)』と放り出すタイプ。
いざ実際飼い始めると、それまで散々言ってた『がんばってお世話するから!』って発言はコロッと忘れ、お世話は全部、自分が悪者扱いした大人に丸投げ。
呆れた大人が『子供の戯言を信じた自分の責任』として犬猫を保健所に連れてくと、またしても大人を悪者扱い。常に自分は『いい子』のポジションだと思い続けてる。
『己の非情さ』が周囲の大人を『非情な大人』にさせ、『かわいそうな犬猫』をいつまでも『かわいそうな犬猫』にしている自覚ゼロ。
エレンにとって、アルミンもヒストリアも、他の仲間達も、なんなら『エレンを守って死んでいったすべての犠牲者』が、この『かわいそうな犬猫』と同じポジションでしかなく、エレンを信じた『やさしい大人』を『非情な大人』にさせた。
だからみんな不幸になって泣いてる。エレンが幸せにしたのはフロックや見ず知らずの他人だけ。
そんなフロックや島民にとってのエレンって、『家の前に捨てられてた犬猫』に困ってたら『オレが飼う!』っつって連れてってくれた『都合のいい子』だよね……そりゃありがてぇわ。
で、話戻して。
エレンが『かわいそうな犬猫救った心優しい超いい子のオレ』をやりたいがために、犠牲になった『やさしい大人』の1人がリヴァイで、『かわいそうな犬猫』にされたのがアルミン。
リヴァイは『やさしい大人』としてエレンを信じてしまった結果、これまでエレンを守ってお亡くなりになった大事な部下や仲間達が『エレンに世界を踏み潰してもらうために死にました』ってことにされた。エレンによって。
挙句の果てには、ハンジさんまで『エレンを信じてしまった代償』として支払うハメになった。
リヴァイが後悔してるのは『アルミンに注射を使ったこと』じゃない。
『エレンという口ばっかりのクソガキ様を信じてしまった自分』に後悔してる。
そして『かわいそうな犬猫』のアルミンも、『生き返るべきじゃなかった』と、自分の『生』を肯定できず『かわいそう』なままでいる。
リヴァイを『後悔』させてんのはエレン。
アルミンを『かわいそうな子』にしてんのもエレン。
それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
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