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アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 最終章『あの丘の木に向かって』感想と考察 アルミンとエレン夢の成就と罪の始まりの巻き貝

進撃の巨人 アイキャッチ

アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 最終章『あの丘の木に向かって』感想と考察。
今回は最終章前半のアルミンとエレン。原作とアニメ版の違いや、巻き貝と誰かの遺髪の意味、エレンの夢や目的はなんだったのかなど、好き放題に考察してます。

  • 個人的な感想を交えた考察です。考えるだけなら自由だ!
  • 最終回なのでネタバレ全開です
  • なお、当考察は原作最終回以降エレン・イェーガーさんに死ぬほど厳しいです。最終章はいつもより多めに容赦なくキレ散らかしているので『エレンかわいそう……辛かったね』と思っていたい方は、悪いこと言わんので引き返されることをおススメします。

王やエレンを神様にしたのは誰か?

アニメ版の変更により、最後の最後でエレンは『こうなったのはオレがバカだからだ』と い ま さ ら 気づいたわけですが。

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

前回の考察で『こんなことするの『悪魔』じゃない。むしろ『神様』がやること』と書いたけど、悪魔って、自らの手で●さないんだよね。『悪魔』は人をそそのかすだけで、『実行するか否か』は人任せ。

結局、エレンは『悪魔』どころか『なんでも自分の自由に出来る神様』になりたかっただけで、そのために『仲間達の存在』を『自分をこんな風にした悪魔』として使った。

進撃の巨人The Final Season 69話 正論

進撃の巨人The Final Season 69話 正論

初代エルディア王もそうだった。彼を『神様』だったり『悪魔』にしたのは王様自身じゃない。ユミルちゃんだった。

ユミルちゃんが豚を逃がしたりしなければ、巨人なんて発生しなかった。
ユミルちゃんが王様の言いなりにならなきゃ、王様を『神様』にすることはなかった。
そしてユミルちゃんが王様を愛したりしなければ、王様を『娘たちに母親を食わす悪魔』にすることはなかった。王様の国を『悪魔の帝国』にすることもなかった。
王様に『それ』をさせてしまったユミルちゃんは『悪魔』だった。

あなたがいたから私がいる

ユミルちゃんは『最悪のあやまち』を犯した。
王様を見捨てて娘たちを選べば、少なくとも『母としての幸せ』は得られたかもしれない。
なにしろどんなに王様に尽くし、愛を求めようと、『ないものねだり』でしかないってことはわかってたんじゃないの?

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

なのに『母としての幸せ』を失ってもなお、『王様からの愛』という『ないもの』を求めて巨人を作り続けた結果、世界を巨人の恐怖で縛り続けた。

だけどミカサにとっては、ユミルちゃんのその『あやまち』がなければ、エレンを含め『今の自分たち』はいなかったのもまた事実。

ミカサの『あなたがいたから私がいる』というユミルちゃんへの言葉は、そんな『あやまち』もひっくるめて『王様を愛したユミルちゃんの肯定』であると同時に、『エレンがいたから今の自分がいる』という『自分とエレンへの肯定』でもあった。

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

最悪のあやまちもひっくるめてエレンを愛し、そんな自分を肯定したミカサじゃなければ、ユミルちゃんは解放されなかった。

悪魔になったアルミン

ミカサもそうだけど、アルミンもユミルちゃんと似てる。

エレンに『外の世界の本』を見せなきゃ、エレンは『自由』を求めるなんてことはなかった。
エレンを『海』へ導かなければ、エレンは『夢』を見ることはなかった。
エレンがアルミンと『友達』にならなきゃ、エレンを『世界を滅ぼす神様』にすることもなかった。
エレンに『それ』をさせてしまったアルミンは『悪魔』だった。

だけどそれらを『否定する』ということは、『これまでの自分』『夢を見た自分』『エレンの夢』を否定するということ。

アルミンも『あやまち』をひっくるめてエレンの夢と自分の夢を『肯定』したから、『悪魔を滅ぼす神様』になるよりも『エレンにそんなことさせた悪魔』として、『エレンの共犯者』になる選択をした。

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

……とまあ、アルミンの心中考えるとこんな感じになるんだけどさー。単純にエレンが『大人』に成長すりゃよかったんじゃねーの? とは思うわー。

エレンお前、何トモダチを悪魔にしとんねん!!!!(ガチギレ)

でもエレン、絶対変わんないのよね……
どんなにミカサが泣いたって、↓このエレンには絶対ならない。

進撃の巨人The Final Season完結編 第四章 長い夢

進撃の巨人The Final Season完結編 第四章 長い夢

『こんなエレン』はミカサのドリームランドにしかいない。現実のエレンは『オレの自由』のためなら『命なんて惜しくない(自分のも他人のも)』人。
『自分の帝国』のためなら『親子で食い合い』させることもいとわない王様と同類。

そんなエレンの人物像の『予想』が『確定』となったのが『この景色見るためなら母ちゃんすら巨人に食わせるようなクソ野郎』だったという事実。

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

そら身内ですら巨人に食わすようなヤツが、『赤の他人』救うために『未来の記憶』のことを兵団や仲間達と共有して『みんなでこの困難に挑みましょう!』なんてするわけねーわ……『この景色』絶対見れなくなるから……(白目)

『他人は変えられない。変えられるのは自分だけ』とはいえ……結局エレンは最後まで『お前が折れろ』『お前が変われ』のプロジャイアニスト。だから『世界の文明レベル』を『島の文明レベル』に合わせさせた。『折衷案』ってもんはないんかコイツは!(ないからこうなった)
それって他人の足引っ張って自分より下に落とし、這い上がってこようとする人は蹴落とし、それで『オレがナンバーワン!』って言ってる小者と同じじゃん……

アルミンの夢の終わり

アルミンの巻き貝は『海を見る』という、アルミンの『夢の終わり』を意味していた。
アルミンはその『夢の終わり』をエレンに贈った。

この辺は原作最終回を考察した当時は、リヴァイと同じ『夢を諦めて死んでくれ』という『引導』という解釈だったけど、アニメでの変更により、見方が『逆』になったなぁ……

むしろこれは、エレンに『夢』を叶えさせたのかな。と。

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

アルミンの巻き貝はたしかに『夢の終わり』を意味していたけど、同時に『夢が叶った』ことも意味していた。

アルミンの『夢』が叶ったのは、トロスト区で巨人に食われそうになったのをエレンが助けてくれたから。
そしてシガンシナ奪還の時も、エレンがベルトルトを討ち、瀕死のアルミンを救うためにエレンが駄々こねたから。
『アルミンの夢』を守り、叶えさせたのは過去のエレン。

エレンの夢の始まり

そんなエレンに『夢』を見させたのはアルミンだった。
それまでのエレンには、駆逐してやるだの復讐だのしかなかった。

進撃の巨人84話[ 諫山創 ]

進撃の巨人84話[ 諫山創 ]

だけどトロスト区でアルミンが巨人に食われかけた時、エレンは『アルミンの夢』を思い出して立ち上がり、シガンシナ奪還の時も『アルミンの夢』のためにベルトルトを討った。

初めての海は、アルミンにとっては『夢の成就』『夢の終わり』を意味していたけど、エレンにとっては『夢の始まり』だったんじゃないの?

『海の向こうにいる敵全部●せば自由になれる』という『夢』。

進撃の巨人Season3 59話 壁の向こう側

進撃の巨人Season3 59話 壁の向こう側

エレンは『自由』というものがぼんやりしてて、それまでは『見ているだけの夢』でしかなかったんじゃない?
ところが『海の向こう側』を意識した時、初めて『●●すれば自由』という『形』になって見えた。
その『夢』を叶えるための『行動』が『地鳴らし』だった。
それが叶った末にたどり着いたのが『この景色』。

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

アルミンにとってはそれが『海』だったように、『この景色』を見ることがエレンの『夢』だった。
だからアルミンは『この景色』を見せてくれたエレンに、自分の『夢の成就』の巻き貝を贈った。『この景色』をエレンの『夢の終わり』にするために。

まあ『夢の内容』に対するツッコミどころは一旦置いといて。
どんな『夢』であろうと『エレンの夢』を否定するということは、『アルミンが夢を見たこと』そのものも『否定する』ということだからなぁ……

エレン自身には『救ってくれる過去の自分』がいなかった。自ら捨ててしまったから。
でも誘拐されたミカサを救い、アルミンに夢を叶えさせてくれたのは『過去のエレン』だった。
ミカサはエレンの『存在』を。アルミンはエレンの『夢』を。それぞれ肯定したことで、『救ってくれる過去の自分』がいなかったエレンを救った。

『世界とヒロイン天秤にかけてどっちを救うか』問題で、『責任ある大人』として『世界』を選んだのはハンジさんとリヴァイだったけど、『ヒロイン(エレン)』を選んだのはアルミンとミカサだったなぁ……問題なのはヒロインじゃなくてヒモインだったことだけど……
お前『みんなを救ってあげなきゃ!』ってつもりでやらかしといて、自分が救ってもらってるじゃねーか!

夢の成就と夢見た罪の巻き貝

エレンの『夢』がなんだったにせよ、ぶっちゃけ、こんなおぞましい光景を『夢』ゆーてええんかよとは思うけど……この世界の海産物食べたくない……
第一お前、その髪とか歯とか肉片とか、 だ れ の だよ……? 色といい長さといい……

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

この時点だと、ハンジさん亡くなってないはずなんですが……?

【時間軸】
1.アルミン達、パラディ島脱出
2.アルミン達、船で移動中 ←今ココ
3.オディハにてフロック死去。ハンジさん自由の翼になる
(中略)
4.ミカサが自らヒモ男を斬る
5.アルミン達104期、『2.』のタイミングでエレンに会ってた記憶を取り戻す

エレン的にも『自由だ!』やった直後のはずなんだけど。アルミンに会ったのは……

進撃の巨人The Final Season完結編 第一章 地鳴らし

進撃の巨人The Final Season完結編 第一章 地鳴らし

『道では過去も未来も同時に存在する』ゆーてたけど、この時のエレンは『記憶の最終地点に到着したエレンでもあった』ってこと? つまり『4』の直前。

まあ、どのタイミングだったとしても、この謎の遺髪を見たとたん『自分はバカだ』と気づいたのって、『せや! あん時(地下牢)全部しゃべりゃよかったやん!』って初めて気づいたってことなの……?

進撃の巨人The Final Season 69話 正論

進撃の巨人The Final Season 69話 正論

マジで『いまさら』すぎるやろ!

結局あれが『未来を変える最後にして最大のチャンス』だった。
あなた、実母の時に『最後までロクでもない口ゲンカしかできなかった』って超後悔したんじゃなかったの……?

進撃の巨人2話[ 諫山創 ]

進撃の巨人2話[ 諫山創 ]

でもこの時のエレン的には善行オ●ニー真っ最中に母ちゃん登場だったから、逆ギレしてますます反抗的になったわけかぁ。ふーん。
こんなアホの子を守って死んでった人達が不憫すぎる……

バカは死ななきゃ治らない

最大の問題は、どんな未来であろうと『過去のエレンはそれを変えることがない』ってこと。

だって『自分はバカだ』とようやく気づいたのが、『ぜーんぶ記憶の通りにやり尽くしてゴール地点に来たこのエレン』でしょ? その証明が『この景色』と『誰かの遺髪』ってことじゃないの?

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

『過去のエレン』に『今のエレンの記憶』を送ったところで、『その当時のエレン』では意味を理解せずに『未来の記憶』という名の『エレンの歴史』通りにやっちゃうってこと。
なぜならエレンは『他人の歴史』からも『自分の歴史』からも何も学べないスペシャルな『バカ』だから。
『過去は変えられない。変えられるのは未来だけ』とは言うけど、これじゃあまるで『未来のエレン』が先にいたみたいだな……そりゃあ『過ぎ去った過去』は変えられないよ……

それを『理解』したアルミンは、ハンジさん●しの『共犯者』とならざるを得なかった。知ったところで『阻止する力』が自分にないから。

阻止する力→ゴッド・イサヤーマの説得

……これはミラクル始祖パワーを持ってしても不可能や……

この点に関しては、エレンよ。アルミンは『ハンジさんをあきらめた』のではなく『エレンのバカさ加減に匙投げた』ってことだからね? バカは死ななきゃ治らないから……

【サシャやハンジさん達の死因】
エレンが病的にバカすぎたせい

アルミンのすごいところは『逃げなかったこと』だよね……
ハンジさんのこと、アルミンは『ボク悪くないもん!』って逃げてもよかったはずなんですよ。
なのに『阻止出来なかった罪』をちゃんと背負った。
そしてアルミンに『そんなこと』をさせたエレンは、間違いなく『悪魔』だった。

アニメ版の変更は良かったけど、同時にハンジさんの『かわいそう度』も上昇した……こんなアホの子に十年来の親友奪われたリヴァイも気の毒でならない……
百年前の壁キングの善行オ●ニーの時も、ハンジさんみたいに消された気の毒な人いたんだろうな。その被害者がアッカーマンだったのかも。(歴史は繰り返す)

『誰か』の遺髪の意味

アルミンの『夢の成就の象徴』だったはずの巻き貝だけど、アニメ版では『誰かの遺髪』が追加されたことで『夢を見た罪の象徴』みたいなもんになってしまった……

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

別に『夢を見たこと』自体は罪でもなんでもないはずなんだよ。
『夢を叶えるために努力する』ってのも、すばらしいことだと思います。

だって『アルミンの夢』は全部自己責任だったよ?

少なくともアルミンは『自分の夢』のために、他人に迷惑かけてない。強いてあげれば壁の王とマーレの敵勢力くらい。
エルヴィンだって、ちゃんと団長の仕事して、夢は後世に託して『責任』を全うしたよ?

でもエレンは『全部人のせい』にしたよね?

未来の記憶のためだの頭グチャグチャになっただの仕方なかっただの……全部人のせいだったり巨人パワーのせいにした。
エレンは『自分の夢』のために周囲に大迷惑しかかけなかった。喜ばせたのはフロックと見ず知らずの他人だけ。お前フロックと結婚しろ。

そして自分の生殺与奪権をミカサに握らせ、散々好き放題した『後始末』はアルミンに丸投げし、自分は逃げるが勝ちをした。
エレンは『自分の夢』のためにミカサを泣かせ、『アルミンの夢(海)』も血で穢しまくったから、そのきっかけとなった『アルミンが夢を見たこと』を『罪深きもの』へと変えた。

自分の夢穢されたってのに、それでも『エレンの夢』を否定しないアルミン、やさしいんだけど、同時に『重い罪』を背負うことになった。

だってそのために『今日はダメでもいつの日か』という『誰かの夢』を踏みにじったエレンの共犯者になったのよ……?

進撃の巨人The Final Season完結編 第一章 地鳴らし

進撃の巨人The Final Season完結編 第一章 地鳴らし

ハンジさんは『エレンの夢』を否定したんじゃなく、エレンの『オレの夢叶えるためには他の人の夢否定する必要があるっぽいんで虐サツします!』という矛盾だらけのアホな行為を否定したんだけどな……(白目)

いや、そもそも『他人の夢』否定して叶えられる『夢』が『夢』なわけあるか! 『見るべき夢』『叶えるべき夢』自体間違ってんだよ!
『この景色見るため死ぬ夢』叶えるために●しまくるとかマジでバカだろ!

エレンが叶えるべきだった夢→ミカサやみんなと一緒にいたい

だけどアルミンは、正しかろうが間違っていようが『エレンの夢』を否定しなかった。
どんなにそれが罪深いことでも『夢を見ること』そのものを否定するということは、『夢のために生きたアルミンの否定』になるから。
その『罪の象徴』が『誰かの遺髪』。

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

進撃の巨人The Final Season完結編 最終章 あの丘の木に向かって

この巻き貝のシーン、原作では『美しいお別れのシーン』みたいだったのに、『血の海』と『誰かの遺髪』が追加されたことで『おぞましい光景』となり、『悪魔との契約シーン』みたいになった……空はめっちゃきれいなのに……


それでは今回はこの辺で。おもろかったら下にあるイイネボタンを押していただけると元気と勇気とやる気が湧いてきます(*´ω`*)ノ
次回は最終章後半です。

次の考察はコチラ

アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 最終章『あの丘の木に向かって』感想と考察 パラディ島はなぜ滅びたのか エレンがやったことの意味

前回の考察はコチラ

アニメ進撃の巨人The Final Season完結編 最終章『あの丘の木に向かって』感想と考察 親不孝プロ エレンの悔いある選択 原作とアニメ版の違い

進撃の巨人考察一覧はコチラ

  • 金眼銀眼 より:

    とわこさん、感想と考察を有難うございます。サネスさんの小説から「責任」の所在について考え、完結編後編のアニメを観て、とわこさんのブログで再確認させて頂いています。
    アニメは原作を素材として、作者の思いもあるでしょうがアニメ制作者の意図が生かされるため、原作とは異なると思います。アニメではエレンが「自分は馬鹿だ」という自覚を吐露し、原作よりも人物像や考えが明確になったと感じました。
    アルミンはエレンに夢を見せた責任を取り、共犯者となって生きているうちはエレンの尻拭い、死んでからもエレンのお守りと、ずーっと一緒にいることを選択しましたね。アルミンのサヨナラは、「セーラー服と機関銃」の歌詞にように「サヨナラは再び会うまでの遠い約束」で、エレンに納得してもらうためにきちんと説明できていた。
    ミカサは、エレンとは、生きている中では、もう会えない、と感じていてサヨナラが言えないので、「行ってらっしゃい」と送り出す事で決別した。でも、始祖ユミルに伝えたように、ユミルの存在が今の自分達を生み出してくれたので、自分が生み出す子孫の中にエレンが生まれてくるかもしれないとは考えていそうですね。
    エレンは、カルラママを死なす事で巨人を駆逐するという自分の意志を固め、第二の母と言うべきハンジさんを死なせる事でアルミン達にエレン討伐を完遂させる事を強いた。
    エレンは好き勝手をして、自分が死ねばそれで責任を果たせるとばかりに思っていて、後始末は全てアルミンに丸投げ。生きて頭を下げて、「ゴメンナサイ、生きて償います」する勇気と根性は無いお子ちゃまに成り下がった主人公に見えました。
    完結篇の前後編、青空のシーンはとても綺麗で切なかったです。

    • とわこ より:

      コメント、いつもありがとうございます!

      ホントに、エレンは悪い意味で『昔のまんま』でしたね……『巨人(敵)が消えりゃ解決!』という幼稚な考えに凝り固まったままで、その考えを疑わなかった。『巨人』だって所詮は『ツール』で、その『ツール』が消えたって、新しい『ツール』が出てくるだけで、『使う者』がバカである限り歴史が繰り返されるだけなのに。(エピローグで、パラディ島が攻撃されてる光景がそれを物語っているようでした)
      それを教えてくれたのが、両親を始めとするたくさんの大人や先輩方だったのに、その人達の教え、ひとつ残らず全部台無しにされたのが、ホント、なんというか、全方面かわいそうすぎて……ここまで罪深いことやらかした主人公っていたっけ……?(そもそも『主人公』だっけ?)
      せめてもの救いは『先人たちの教え』をアルミン達が受け継いでくれたことと、ミカサが自分を大事にしてくれるちゃんとした誠実な男性と幸せになったことですね。

  • ちむ より:

    こんばんは。初めてこちらにコメントさせて頂きます。

    進撃の巨人のアニメが最終回を迎えても、思い返すにつけハンジさんが不憫で仕方がありません。

    アニメで血の海から遺髪と歯と肉片を掬い上げてハンジさんの死に言及したシーンが追加されました。

    原作から補完されたとは言え逆に、ハンジさんの扱いについて疑問が増えてしまいました。

    どうにもハンジさんの死がエレンの死のお供えにされている様な気がして仕方がありません。

    あの掬い上げたハンジさんかも知れない残滓と、アルミンの巻き貝はあのまま永遠にエレンの地獄行きに持って行かれてしまったんでしょうか。

    リヴァイとの心臓を捧げよの別れのシーンが、神様エレンに大事な娘を人身御供に差し出す父親の様に見えてしまいます。

    殺した側のエレンだけが、遺品の髪の毛と歯を掴んで死後も地獄に持って行った。と考えると送り出したリヴァイも不憫です。

    アニメ9話でハンジさんの髪を掴んだシーンと14話で裁判の時に折れたエレンの歯と何らかの対比でもされているんでしょうか。

    ハンジさんの命や立場や人生は徹底してエレンに壊されてしまいました。

    初登場した時からエレンにとって都合の良いお助けキャラになってくれたのに、最後の結果はエレンが手に入れた虐殺のトロフィーの様で嫌な気持ちになってしまいました。

    残滓は血の海に戻してと思いました。

    モヤモヤした気持ちをここのサイトで解説して下さったので、かなり気が晴れました。

    思い切りエレンの矛盾について指摘して下さり有難うございました。

    • とわこ より:

      コメントありがとうございます!
      正直言って、アルミンはエレンにもっとキレて欲しかったですね……アニメで追加されたけど、全然手ぬるい。
      なのにエレン本人は『島のヒーロー』になり、仲間達から思いやられ、愛されてるのが余計に腹が立つ……!リヴァイはすべてを奪われ、ハンジさんに至っては、死んでも、死んだ後も、エレンを我が子のように想い続けたというのに……
      これはもう……私がキレてやるしか!(謎の使命感)
      同じようにエレンにモヤモヤしてる方の気が少しでも晴れればこちらも幸いです。

      遺品すら手にすることが出来なかったリヴァイに対し、エレンだけが遺品を得た……確かにその通りですね。アルミンも、自分の宝物(巻き貝)をエレンに捧げちゃうし。こいつ、もらってばっかや……(白目)
      しかしこうも考えられます。
      あの巻き貝は『アルミンとの約束』という名の『重り(責任)』。
      遺髪はエレンが『重り』から逃げられないよう繋げる『鎖(しでかしたことに対する罪)』。
      アルミンは『善意』で巻き貝を贈ったのかもしれないけど、それはかつてエレンがミカサに『善意』で贈ったマフラーのように、これからエレンにのしかかる『重り』となる。だけどマフラーは、巻くのも捨てるのも『ミカサの自由』だった。
      だけどエレンは、その『重り』から逃げたくても、『遺髪』という『罪の鎖』でがっちり繋がれて絶対に逃げられない。
      なにしろその『罪の鎖』を作り出したのは『自由』を求めたエレン本人。
      そして、その鎖で『重り』と『エレン』を繋げたのもエレン本人。遺髪(鎖)を手にしてようやく『自分がしでかした罪』を自覚したから。
      一方リヴァイは『何も残らなかった』からこそ、これまで背負い続けてきた『責任』から解放され『自由』になった。
      形見を残しては、それが『未練』になってしまうというハンジさんの『やさしさ』だった……?

      正直、エレンには『地獄』すら手ぬるいので、いっそ誰からも何もされる心配もない、何にもない真っ白けの世界に『これが自由だ』と放り込んであげたい……そしてそこで、来ることのないアルミンを永遠に待ち続けて欲しいところです……(アルミン的には『約束破った』のは『地獄で待ってなかったエレン』ってことになるのでセーフ!)

      • ちむ より:

        アニメ完結後、1ヶ月半も経ってから突然書き込んだのに、返信を下さり有難うございます。

        進撃に抱いた疑問に、エレンはダメ男であるという視点からの解説を読んでは、いいねボタンをこっそりと押して来ました。

        少年漫画の主人公補正がかかっているとは言え、もう少し周囲のキャラクターに断罪される描写を増やした方が、分かりやすくカタルシスが得られたのに、あえてそういう場面は省いている作品だと思います。

        ピークが一番容赦なく論破しそうですが、エレンの方からスルーしました。
        リヴァイとハンジさんには、面会したのかどうかも描かれずに終わりました。

        アルミンだけは代表としてキレてくれましたが、銀河鉄道の夜のジョバンニとカムパネルラを髣髴とさせる
        「僕たちは(地獄まで)ずっと一緒だ。」の美しい情景がエレンへの祝福に見えて、せっかくの憤りが覆い隠されてしまいました。

        最後は自由の鳥になったエレンにも何か違う気がしました。

        とわこさんから、教えて頂いたお陰で、道から現れた大事な宝物である巻き貝と、遺髪を贈られた事は、アルミンの夢を汚し、その為に大量虐殺された人々からの永遠の断罪と思うようになりました。

        愛する人への贈り物や祝福が、意図せず相手への呪いにもなるのがこの作品でしたね。

        スラトア要塞という名前が出た時に、天の重さに苦しむ巨人アトラスを連想しました。

        とわこさんの巻き貝の重りと遺髪の鎖という指摘に、人類に火を与えた罪で、アトラス山で大岩に鎖で縛られて、永遠に大鳥に肝臓を食い破られ続けるプロメテウスを想像しました。

        何も残さない事で、リヴァイを本当の自由にしてあげたハンジさんが、ラストで自由の鳥になってくれた方が私としては良かったったのになと思います。

        エレンは調査兵団の鳥達に突かれ続けて、泣いて苦しむ姿を妄想して、仄暗い悦に入る事にします。

  • ちむ より:

    先程の返信での書き込みですがうろ覚えでしたので間違っていました。プロメテウスの縛られた場所は、アトラス山ではなくコーカサスの山頂でした。巨大な大鷲に食われ続けたのも、3万年と言われているそうです。 
    訂正しておきます。本当にすみませんでした。

    • とわこ より:

      コメント、訂正もありがとうございます!お気になさらずに~。
      アトラス……逆さにするとたしかにスラトアですね! 大地の悪魔(エレン巨人)と自由の翼(人類)の最終決戦の地として使ったんでしょうか?
      ただまあ、『天の重さ(人の命)』に苦しんでる巨人はエレンじゃなくてユミルちゃんやアルミン達だったってオチでしたが……(白目)
      実はギリシア神話はあんまり詳しくなかったんで、勉強になりました。プロメテウスなんて、どこぞのビッグなマムが連れてるヤツが思い浮かぶ程度なもんで……ハハッ
      プロメテウスは3万年食われ続けたと考えると『なんだ二千年なんて短いじゃん!エレン、あと二万八千年追加な!』と思ってしまいました(悪魔)

      • ちむ より:

        有難うございます。ギリシア神話は別に詳しく無いのですが、昔見たアニメ映画の「アリオン」と「銀河鉄道の夜」が連想されたものですから。
        進撃の巨人は力がある作品なので、再読しては気付く現象が良くあります。
        アニメ版でようやく無知と罪を自覚したエレンが、しっかり罰を受けているのを見たかったなあ。とピークちゃんの口調で呟いてみます。(皮肉っぽく)

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