アニメ進撃の巨人OP考察と60話海の向こう側感想【The Final Season】
ついに始まったアニメ進撃の巨人ファイナルシーズン。
終わってまうんやなぁ……と思うと、見たいような見たくないような……いや、見るんだけどさ。
しかしオープニングが衝撃でしたね。Season3は歌も絵柄もさわやかだったし、後半もアニメらしいオープニングだったというのに、ファイナルシーズンでは不気味な曲調と不気味な絵、なのに色合いは淡くカラフルで一週回って逆に美しいという……
アニメが原作通りの順番でやるんなら、これまでのメンバーはしばらく出てこないし、どんなオープニングになるんだろうと気になってたんだけど、まさかの『主要メンバー誰も出てこない』という想像の斜め来たな……(中途半端にキャラ出すより潔い……)
肝心のオープニングの内容ですが、『アニメのオープニング』というより『ひとつの映像作品』みたいな感じで、アニメ勢は戸惑ってそうだけど、原作追ってる身としては間違いなく『進撃の巨人らしい』内容だなぁと……
ちなみに公式からクレジットなしバージョンのオープニングがYouTubeで公開されています。『神聖かまってちゃん』といえば、2期のエンディングの人達ですね。
TVアニメ「進撃の巨人」The Final SeasonノンクレジットOP【神聖かまってちゃん「僕の戦争」】
さて、『制作側の意図を受け止めるのが視聴者の勤め』ということで、今回はOPの画像から何を伝えたいのか考察します。(60話感想はその後で)
まあ、『考察』と言っても正解はないので『この人はこんな風に思ったんだな』程度に見てってください。(考えるだけなら自由だ!)
繰り返される爆発
最初見た時に思ったのは『同じ絵繰り返してんなぁ』という点。
ほぼほぼ爆発シーンじゃねぇかってくらい爆発が多いですが、同じ爆発シーンが何度も繰り返されてるせいですかね。
うーん、これは『繰り返していることそのもの』に意味があるんでしょうか。
時代が変わってもやってること同じというか、『無限ループの世界』に入り込んだ感じがします。
しかもありえない色してる煙が、キレイなんだけどかえって不気味。
このカラフルな煙って『個性』ってことなんだろうか?
落ちてゆく鳥とカラフルな雲
そして鳥の群れが落ちていき、白い雲が漂ってるところに不穏なカラフルな雲がやって来て、どんどん赤い色に染まっていく。そしてマーレ兵が隊列組んで行進。
お気づきだろうか。この隊列のシーン、みんな同じ顔してるということに……
いや、このシーンに限らず、どのシーンも人間の顔はみんな同じ顔なんですよ。
↑コピペかな。
これが意味するのは『個性の喪失』でしょうか。
『鳥』が『自由』を意味しているなら、『落ちる鳥』は『自由の喪失』。
『色付きの雲』が『戦争』を意味しているなら、『白い雲が別の色の雲に覆い尽くされていく』のは『白かったものが戦争の色に染まっていく』の意。
『自由が奪われ、世界が戦争の色に染まり』、そしてその次に『個性を奪われた人間』が武器持って戦争しに行く……
オープニング曲のタイトル『僕の戦争』の通りになってるなぁ……
砕ける巨人と砕ける兵士
さて、次のシーン。飛行船と鳥が並走しているけど、逆に『飛行船に追われる鳥』にも見えるなぁ。
鳥が『自由』を意味するなら、これも『自由が脅かされている』ことを意味してるんでしょうか。
そして巨人が頭から降ってきて、砕けるシーン。
巨人が砕けた後、次々兵士が砕けていくんですが、このオープニングは大陸の戦争を描いているのかなと思いきや、画像止めながらよく見ると、パラディ島の兵士も混じってます。
装備してるのは対人立体機動と雷槍ですね。若めで、みんな顔同じ。調査兵団のはずなんですが胸に『自由の翼』はつけていません。(あったら悲しすぎるわ!)
このシーン、
- 巨人が地面に激突して砕ける
- マーレ兵が砕ける
- パラディ兵達も砕ける
- 鳥が砕ける
- 別のマーレ兵達も砕ける
- 飛行船も砕ける
といった具合に、最初に巨人が砕けることでみんな連鎖的に砕けていくわけですが。一瞬なんで気づきにくいけど、なんかこの巨人、顔がモロに子供なんですが……
この巨人が『子供』を意味しているのだとすれば、『子供が砕ける→未来が砕ける』ってことで、連鎖的に『未来を失った大人達もみんな砕け、自由(鳥)も砕ける』ってことなんでしょうか……
マーレ兵だけでなくパラディ島の兵も混じってるのは『未来が壊れる』ことは『敵味方関係なし』だから。
降ってくる巨人の群れ
次は降ってくる巨人の群れ。
そういえば降ってくる巨人は顔のパターンが3種類ほどあるみたいですね。ハゲてんのとモジャ頭と後ろ向いてるの。
最初『顔がない?』と思ったけど、よく見たら後頭部でした。背中向けてて顔がわからないように描かれてる。
巨人爆弾のシーンなんだろうけど、こっちもなんか人形みたいに無個性な感じだなぁ……表情ないし。(オープニングに出てくる人間はみんな無個性・無表情なんですけどね)
その巨人が降るシーンのすぐ後、次々爆発。
そういえば『色』がついてるのは爆発の煙と雲と雨だけなんですよね。それ以外、人物と巨人はみんなモノトーン。
『巨人』を『兵士達』と同じように『無個性』で『同じ色』に描いてるのは、『巨人』も『人間』として描いてるからでしょうか?
そう考えると『爆弾』を『人間』にたとえて降らせてるようにも見えるなぁ……『この爆弾(爆発)はおまえらそのものだよ』的な。
先ほど『このカラフルな煙って『個性』ってことなんだろうか?』と書いたけど、人間の『個性』を砲弾に詰めて、『個性』を失ったモノクロ人間が敵目掛けてそれをぶっ放す。それが戦争。
だから『人間』はモノトーンで、『爆発』には色がついている。
核兵器は確かに危険なものだけど、『それを作ったのは人間だし降らせるのも人間』なんだよね……
マーレ兵が『俺達の先祖もああして食われた』って責めるように言ってるけど、たしかに人食ってるのは巨人だけど、それを降らせたのは紛れもなくマーレであり『戦争』なんやで……
雨は平等に降り注ぎ、その雨を受け止める手
次々建物が消し飛ぶのは『文明の破壊』でしょうか。
爆発の後は雨が降り、誰かの手が雨を受け止めている。
ように思わせといて、その手は灰色の死体の山の中の手がたまたま上向いてただけという……この手が『何かに救いを求めるように伸ばした手』に見える。
そしてその雨は敵味方関係なく平等に降り注ぐ。死も平等に与えられる。
その巨人、追う者か追われる者か
そして最後の進撃の巨人ですが、こちらも手を伸ばして、何かを求め、追いかけてるように見えるし、後ろの巨人に追われてるようにも見える……
そしてよく見ると、山の中にでけぇ顔あるんですが。
この顔も巨人なの? それとも死体?
この山すべてが『死体』を意味してるなら、それと一体化してる上の巨人達は、『戦争と死体の山』を全部飲み込んでその上に出来上がったってこと?
冒頭に、骨と内臓が出来上がっていくシーンが一瞬あり、その間に戦争シーンや爆発、死体の山で最後が進撃の巨人ってことは、ここまでのシーンはこの巨人が出来上がるまでの『製造過程』だったということでしょうか?
それとも、逆に死体の山に呑み込まれそうになってるの? 腰から下が同化してるし。
殺して破壊しつくして最後に残ったのが進撃の巨人(エレン)だと思うと、後ろの巨人はそれを追いかける亡霊かなんかみたいにも見えるし、腰から下が埋まってるのは呑み込まれそうになってて、そこから必死に逃れようとしているようにも見える……
3期のラストで、『海の向こうにいる敵、全部ぶっ殺せばオレ達自由になれるのか?』とエレンが言ってたけど、もし本当にそうなったとしても、今度は自分が『ぶっ殺した敵』の『亡霊』に追いかけ回され、自由を求めて逃げ続ける。それがラストの巨人?
進撃の巨人は『人対巨人の物語』と思わせといて、実は最初からずっと『人対人(戦争)』でしたー、と判明したのがSeason3の最後だからなぁ。そして巨人の正体が自分達。
『僕の戦争』というタイトルといい、戦争シーン満載な映像といい、最後の巨人といい、なんかこれから、エレンが巻き起こす不吉な物語が始まる。そんなオープニングでした。
2020/12/9 YouTubeに動画版をUPしました。
アニメ60話 海の向こう側
さて、ここからはアニメ本編について軽く感想を。原作のネタバレも混じってるんで、アニメ勢は注意。
ちなみにスクショ画像取れるかなと思って、この日に備えてNHK+に登録しといたのに、総集編は配信してくれてもファイナルシーズンは配信されないらしい……(放送権の問題で流せる番組と流せない番組があるそうな)
と思ったら、GYAO!で配信しとった。もー。(なんという登録損)
肝心のアニメの内容ですが、基本的に内容は原作通りでしたね。23巻のまんまで、隙間にアニメオリジナルが加わってる感じ。絵も原作に近い。
原作でもそうだったけど、作風も登場人物もガラっと変わって、ファルコじゃなくても「お前達誰だ? さっきまで剣持って飛び回ってなかったか?」状態。
果たしてこのファルコは単なる視聴者の代弁なのかまさかの伏線なのか……(進撃は何もかも疑ってしまうな……)
それにしても、冒頭の手を伸ばすファルコ、エレンさんマジでどこで見たんやろ……以前『意外としれーっ、と横を通り過ぎたんじゃね?』と考察しといてアレですが、周辺、結構誰もおらんのよね……
エルディア人突撃命令で震えるシーンが追加されてるのが、現場の悲惨さが伝わってきて良かった。
つうか、数だけで言えば、獣の投石に突撃させるエルヴィンより、こっちのがよっぽどひどいやろ……ジーク、あの特攻に腹立ててたけど、人のこと言えねぇよ……(エルヴィンの特攻は『死』しか残されていない状況下での一縷の望みをかけたものだったけど、800人特攻は成功するかどうかもわからん上、命を粗末にするような感じで余計ひどい……)
しかも装甲列車爆破しても、結局特攻からの銃撃戦でめっちゃ死んどるやん……
巨人爆弾とライナー登場も原作通りでした。
それにしてもこの巨人爆弾、人選どうしてんだろ……戦争のたびにこんだけ巨人にしまくってたら、もうマーレのエルディア人、数が減りすぎて逆に保護せなあかんってくらい減ってそうな気もするんですが。というか、アニメのほうが原作より巨人の数多い? 気のせい?
ライナー、原作は鉄塔振り回してたのが、アニメは装甲列車振り回すという……
ダイナミックすぎぃ!(しかも片手)
ストーリーは同じでも、ちょいちょい追加と変更があっていい感じでした。
最後のほうでは、他の主要メンバーより一足先にまさかのジャンがちらりと登場。いやー、『ちらっと出』があるとしたらエレンを期待してたんですが、ジャンとは。
でもたしかに、帽子で顔隠しててもそれとなくわかるキャラっつうとジャンだよなぁ……あごヒゲ伸ばした甲斐あったなジャン!
この頃と言えば、アルミン達的にはエレン失踪から2、3か月くらい?
やはり、エレン失踪後もずっとマーレに潜伏して捜し回ってたんでしょうね。この先も他のメンバーがちらちら出てきたりするんでしょうか?
エレンの失踪理由は『ジークに会いに行く』くらいしか思いつかんから、『ジークに会いに戦場に行ってるんじゃあ』くらいは予想してそう。(だから新聞購入)
あとユミルちゃんも。エンディングで一瞬とはいえ、思ったより早く出てきたなぁ。(ここで出しとかな登場が唐突になっちゃうからかもしれんけど……)
座標の光って30巻の表紙では濃紺に白い光だったけど、アニメでは赤だったりするのかな? 『巨人の血と骨』を送る『道』なわけだし。
オープニングの骨の形成と内蔵も、そこだけ妙に生々しく『赤』で描かれてたしなぁ……他のシーンは淡い色だったのに。
もしそうだとしたら、すげぇ不気味で禍々しい空間になりそう……というか『座標』が『始祖の巨人』なわけだから、ユミルちゃんがいるあの座標の空間って『始祖の巨人』の『体内』ってことなの?(なんか『赤』を想像した途端、『体内』のイメージが湧いてきた)
じゃあ、『ユミルの民』ってみんな『始祖の巨人』という『壁の内側にいる』とも取れるなぁ……やっぱエレン、『座標の世界で子供返りしてるうちは壁の中に引きこもってる』ってことじゃん。
その『壁』を取っ払うことが目的だとすると、やっぱり、最終的に巨人化能力はなくなりそうな気がする。
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原作のほうでは135話がもうじき来ますね。
リヴァイ兵長とジークの決着がそろそろつきそうな予感だけど、どんな決着になるんだろうか。
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